弐千七年四月拾九日

前世物語 弐 >>571-572

  ( ゚д゚)
_(__つ/ ̄ ̄ ̄/_
  \/    /
     ̄ ̄ ̄

  ( ゚д゚ )
_(__つ/ ̄ ̄ ̄/_
  \/    /
     ̄ ̄ ̄ 

バージョン零
バージョン壱
バージョン弐
バージョン参
バージョン四
バージョン五


狢普コン:
まともなところを指摘する方が遙かに楽やな
一言で済む

さて、今日の分、いってみようかね

【百鬼】妖怪達の集うスレ【夜行】
434 :[]:2007/04/19(木) 10:09:44 ID:tR+VQoVK0
 >烏天狗はん
 そうかぁ、仲間がぎょうさんおって、さびしゅーなくてええなぁ
 わしもそうやけど、このにはひとりもんが多い
 中には海の向こうから流れ着いたもんもおる  あぁ、そういやナカムラくんっちゅう子分ができとったな
 まぁ、それはええわ。それなりに楽しゅうやっとるもんが多いから
 
 名前はそのまんまでええんちゃうか。んで、お仲間が来たら、烏天狗二号とか、
 ハシブト烏天狗とか名乗ってもらえばええとわしは思う

【百鬼】妖怪達の集うスレ【夜行】
435 :[]:2007/04/19(木) 10:46:23 ID:tR+VQoVK0
 このには・・・・・・
 
 あかん。呆けとる。荷の中にひとりもんがぎょうさんつまっとったら、わしでも怖い
 
 ここには・・・・・・や
 
 やっぱ、昨日、晩飯喰い損なったのがあかんな
 さて、食材でも探してくるか。どこかにやわらかそうな幼女はおらんかのう

【百鬼】妖怪達の集うスレ【夜行】
438 :[]:2007/04/19(木) 17:42:32 ID:tR+VQoVK0
 >野良猫はん
 えらい古風な呼び方やから、しばらく気付かんかったわ。すまんすまん
 
 暫く喰わんと、死にそうな目にあったことが何度もあったからのう
 わしの場合は喰わんと生きられんようや。喰うと元気出るしな
 
 まぁ、長生きだけはしとるけど、俗物やっちゅうこっちゃね
 
 >サングはん
 お久しぶりやね
 ナカムラくんも元気で何よりや
 
 こっちも桜の木はあるんやけど、年中葉桜や
 さくこともあるっちゅう話しやけど、咲いたとこ見たことないわ
 
 ほいじゃ、今宵は葉桜の下で酒でもいこうか

【百鬼】妖怪達の集うスレ【夜行】
441 :[]:2007/04/19(木) 21:39:58 ID:tR+VQoVK0
 >>猫又修行中はん
 尻尾の先が二つにならんでん、猫は開けた扉を閉めるようになったらもう妖怪っちゅうけどな
 ようこそこっちの世界へ。こっちからもよろしゅうたのみます
 
 紀の国坂か、今年もしだれ桜が綺麗やったやろうね
 紀の国坂を登った辺りに紀州候の屋敷があって、御三家の屋敷や。ずいぶん広かったみたいやね
 ほいで、この坂を紀の国坂と呼ぶようになった
 ところがこの坂、夜ともなると人通りが絶え、随分寂しいとこやったらしい
 実際、狐狸の類もぎょうさん住んどった
 まぁ、そういう坂の雰囲気と、西洋とは全く異なる価値観っちゅうか美意識っちゅうか、
 そして、維新以来どんどん西洋化する東京を嘆いて Patrick Lafcadio Hearn っちゅうおっさんが
 女房の節子さんから聞いた話を脚色して纏めたもんのひとつが「Mujina」やね
 (日本人になった人やから日本名で言うてやらなあかんかのう、まぁええわ。名前に特に意味はないけ)
 
 明治三十七年の出版やから、百年ちょい前の作品や
 
 残念ながら、ハーンはんの Mujina は、わしのこっちゃない
 わしは数百年、もっと西の方を転々としとる。免許書の住所は東京の隣の県やけど、これは大東亜戦争後
 のどさくさで人間の戸籍をふんだくったもんやから、しゃーない
 実際に紀の国坂にわしの同類がいたかどうかも知らん
 
 で、化け方かいな。わしは特に誰かに教わったわけではないし、赤子がはいはいして、
 やがてつかまり立ちからよちよち歩きするように、妖怪になってからいつのまにか
 身に付いたもんや
 猫科も同じかどうか知らへんけど、まぁ焦らんでもそのうち出来るようになるんちゃうかな
 責任は持てんけど
 
 あと、The 付けるのはやめて。名無しの狢や。犬科の一種である生物を示す普通名詞や

【百鬼】妖怪達の集うスレ【夜行】
442 :[]:2007/04/19(木) 21:47:43 ID:tR+VQoVK0
 >オイルすましはん
 おまえかぁ、二十二年前、中国道で、景気よく走行中のわしの単気筒370ccの単車
 からオイル抜きおったんは
 
 時速百二十キロメートルでいきなり後輪はロックするわ、電気は全て消えるわ、
 すぐ側をトラックが豪快に抜いていくわ、生きた心地がせんかったぞ
 その後、ギアも固まってしもうた単車のクラッチレバー握りしめて、最寄りの
 パーキングエリアまでの三里押していったんも地獄やったぞ
 
 まぁ、ええ。もう時効や。わしの単車にはもうせんように

前世物語 弐
583 :自夜[]:2007/04/19(木) 23:27:57 ID:tR+VQoVK0
 >>568さん
 改めて、レスです
 
 まず、誤字の件
 あれでも意味はとおる・・・実際大な罵倒は多であることが多いんで、
 そのままにしておきました
 
 通訳の件
 いいですねぇ。私なんて、何処に行かされても通訳の予算なんてつきません
 行く前に一応「おはよう」「いくら?」「ありがとう」だけはその国の言葉を覚えて
 いくようにしてますが、飛行機着く頃には忘れてることが多いです
 では、どうやって仲良くなるか、北の国ではグリースのような酒を、南の島では
 酸っぱい酒を、更に赤道より南では氷のように冷たいビールを一緒に飲むことで
 仲良くなることが私には多かったような気がします。で、しょーもないスラングとか
 だけ覚えて帰ってくる
 そうそう、あいさつのときのその土地風の仕草が役に立つ時もありますね
 仕草は簡単に覚えられるし、言葉と違って忘れにくいし
 それでも、腰の角度が違うと現地で指導されたりします
 仕事面では苦労した覚えはあんまりないですね
 技術系ですし、絵が描ければ、なんとか通じるものがあります
 
 まぁ、それぞれの立場で、経験は異なると思いますが、私のような例もあるということで

前世物語 弐
584 :自夜[]:2007/04/19(木) 23:30:22 ID:tR+VQoVK0
 >>568さん
 宇宙人?の件
 
 >>568さんは、けっこう悲観的ですね
 何の映画だったかな、異なる文化の電脳同士がいきなりコンタクトとるはめになって、
 最初のうちは、全く情報交換できなかったのが、そのうち自然数についてのコードの
 やりとりをやりだして、お互いそのコードを理解できるようになると、あっという間に電脳
 同士が共通言語を作り上げて高密度交信をしだす・・・っていうのを見た記憶があります。
 オチは、電脳同士が結託して、人間を滅ぼしてしまうってのだったかな
 オチはともかく、未知の相手に理解してもらおうとすれば、そういう工夫をするでしょうし、
 宇宙船に搭載されたメッセージにはそういう工夫がしてあると聞いたことあります
 NASAのサイトでも見てみたら、載ってるかも知れない
 で、逆の立場になって、地球人がそういうメッセージを受け取ったら、結構総力を挙げて、
 理解しようとするんじゃないですかね。公にやられるかどうかまではわかりませんが

前世物語 弐
585 :自夜[]:2007/04/19(木) 23:35:34 ID:tR+VQoVK0
 >>568さん
 宇宙人?の件のつづき
 
 また、事例としては異なりますが、今は失われた古代の言語で書かれた遺跡、遺物
 って言うべきかな、なんかの解読も出来る場合もあるようで、この場合、送り手は特に
 解読しやすいような工夫はしてないわけですよね
 
 そういう意味で私は楽観的です
 
 一方、ほぼ間違いなく周波数帯は人間とは違うものの、音声でコミュニケーションを
 同族でとってると思われる海豚なんかの海豚語が未だに解明できてないことを考えると
 悲観的になったりもします
 
 話は変わりますが、英語でコミュニケートってのは古文的には食べ物なんかを「わける」
 って意味があるそうですね。それを聞いた時、酒呑んで仲良くなることを思い出して
 によによしてしまいました

前世物語 弐
586 :自夜[]:2007/04/19(木) 23:38:05 ID:tR+VQoVK0
 >>580さん、>>581さん
 横から済みませんが、
 ttp://q.hatena.ne.jp/1131897968
 ご参考までに
 
 ある程度実際に使われてる用法なら、厳密に言えば誤用でも認めようってのが
 古来からの日本語のとるスタンスみたいですがね
 誤用のみが現代日本まで残って通用してるってのもありますし

前世物語 弐
587 :自夜[]:2007/04/19(木) 23:41:14 ID:tR+VQoVK0
 >>582さん
 あー、Web Site に関してコメントしてくれた方だぁ
 これも多少意味合いは違うけど、中味についてコメントしてくれる貴重な方の一人ですね
 替わって、って言っても無視されましたが・・・・・・
 でも、ファンなら、冷たかろうがなんだろうが、多謝感謝です
 
 >>582さんのようなやり方が一番いいような気がしますがねぇ
 ここで書き込んでいる物語以外の書き込みは与太話の類ですし、
 そんなもん、時間のある時に三悪漫遊記から、除霊済のものを読んだ方が精神衛生上よっぽどいいです
 
 再度、申し上げたいと思います。 是非とも替わってくれませんかね
 駄目だろうなぁ〜

前世物語 弐
588 :自夜[]:2007/04/19(木) 23:46:03 ID:tR+VQoVK0
 前世物語 第二部乱世編 第四十九話 紅人 その一
 
 ここのところ、世の中が変わりつつある。幽霊の私でも感じられる。
 土地の盗ったり盗られたりが私が生きていた頃の戦の大義名分。近頃は天
 下とりが大義名分。
 そのお陰か、考えもしなかったところが戦場となり、民百姓共が迷惑する
 反面、長年戦の耐えなかった地に平和な田植え風景が見られたりする。
 西の地では盛んに南蛮と交易が行われたり、新しい神様が入ってきたりし
 ている。
 仏も大昔に海の向こうから渡ってきた神様の類と言うが、この新しい神様
 も、仏のように長い年月をかけて、この瑞穂の国に根付くのであろうか。
 そして、私はただそれを眺めるだけなのだろうか。
 一度だけ、南蛮人の一行とすれ違ったことがある。
 その一行の頭と思しき人は紅毛巻き毛。同じく紅毛の立派な髭。顔立ちが
 違うので、年の頃は判らない。同行の侍に通詞のより年嵩の南蛮人を通し
 てしきりに話しかける。その話から、私と同じ年生まれであることが判る。
 南蛮人は実際の年より老けて見える。
 私は同じ年ということもあり、ふらりと南蛮人に近づく。
 
 つづく

前世物語 弐
589 :自夜[]:2007/04/19(木) 23:48:05 ID:tR+VQoVK0
 前世物語 第二部乱世編 第四十九話 紅人 その二
 
 私は南蛮人に重なった。南蛮人の思念が感じられる。違和感。
 私はすぐに離れた。百姓であれ、侍であれ、この国の人であれば、重なっ
 た時に感じる思念は大差ない。
 南蛮人であってもそれほど大きく違う訳ではなかったが、何かしら、例え
 ばものの考え方の道筋は全く異なるような気がした。
 その南蛮人は京の先、湖の畔に話には聞く尾張のうつけを訪ねていくとい
 う。通詞の方はもう何年もこの国にいるらしい。うつけにも会ったことが
 あると頭の南蛮人に自慢していた。
 京までは遠い。私は行ったことすらない。何日もかかるのだろう。
 彼らの国はきっともっともっと遠いに違いない。そんな彼らにすれば、こ
 こから京などほんの目と鼻の先に感じているのかも知れない。
 そんなことを考えながら、東に向かう一行を見送った。
 それ以降、南蛮人にあったことはない。
 この先、加由や、その子供が大人になる頃には彼らの国に行くようになる
 のかもしれない。
 私は昔ととちゃに連れられて行った港町でのことなどを思い出していた。
 
 つづく

前世物語 弐
590 :自夜[]:2007/04/19(木) 23:51:05 ID:tR+VQoVK0
 前世物語 第二部乱世編 第四十九話 紅人 その三
 
 そして、忘れられた漁村。
 水軍の漕ぎ手にでも取られたのか、村に働き手はいない。家々の半数は
 焼かれ、残り半数は朽ちようとしている。
 こんな、何も価値のない場所でも戦があったのか。それとも海賊衆に襲わ
 れたのか。
 山賊、海賊はこの時代、物の怪よりも怖い存在。戦の影にはこのような輩
 が跋扈し、私利私欲のために良民を襲う。
 僅かばかりの子供達、そして老人達。彼らの生きる糧は仲間だったものの
 屍肉。老人達はさすがに気がとがめるのか、もう屍肉を漁る力もないのか、
 臥して死を待つ物が多い。それをまるで餓鬼のような子供達が待っている。
 老人の餓死躰だ。さほど喰らうところはあるまい。だが、子供達にとって
 他に糧を得る手当はない。屍肉を喰らうことに何の疑問ももっていない。
 やがて行き詰まることにも気付いていない。
 ほんのわずか。海の反対側の山とも言えない丘を越えたところでは一面に
 稲が実り、長閑で豊かな生活がある。
 これが、この国のこの時代の姿。
 
 第五十話へつづく


前の日に逝く
次の日に逝く

ほげたらもどる

2007 (c) Copyleft MUJINA