弐千七年四月四日
前世物語 弐
250 :自夜[]:2007/04/04(水) 12:54:46 ID:/Fq378Cy0
>>249さん
えっと、「あの世」についてでいいんですかね
質問の意図が判りかねるところもありますが、「あの世」のことのつもりで回答します
問:自然科学の範囲で無いものをどう捉えるの?
答:自然科学の範囲かどうかの検討がまず必要でしょう
一、幽霊になることの検討
私の場合は生前の記憶と幽霊の記憶は連続して存在します
また、生命体が死ぬ時に消えてしまう場合も幽霊になる場合も目撃していますし、
生まれたての幽霊とのコンタクトもしています
従って、現代の自然科学で全て説明可能かどうかは抜きにして、幽霊になる、即ち
生命体が死ぬ際に生命体の中にあった思念(若しくは魂などと表現されるもの、以下略)
が生命体から離れ継続して存在するという現象は実際に存在する現象であり、
自然科学の範囲です
死ぬ時に消えてしまう、即ち、生命体が死ぬ際に生命体の中にあった思念が生命体から
離れた後、継続して存在することが出来ずに放散してしまう現象も実際に存在する現象
であり、自然科学の範囲です
二、転生の検討
私は幽霊が転生する場面も目撃しています。また、転生後の生命体が確かに前世の記憶
をなんらかの形で持っていることも目撃という形で確かめています
従って、転生する、すなわち幽霊として存続していた思念が生命体の中に記憶として転写
されるという現象は実際に存在する現象であり、自然科学の範囲です
つづく
前世物語 弐
251 :自夜[]:2007/04/04(水) 12:56:33 ID:/Fq378Cy0
つづき
三、幽霊が消えることの検討
幽霊の形で存続していた思念は転生の際にその存続を維持できなくなり放散する現象、また
転生しなくてもある期間幽霊の形で存続していた思念もやがてその存続を維持できなくなり
放散する現象も目撃しており、こういう所謂幽霊が消える現象も実際に存在する現象で、
自然科学の範囲です
四、あの世の検討
以上示した現象は現象の目撃があり、それが実際に存在する現象として自然科学の範囲としたものです
一方、あの世とは目撃でなく概念が先行しているものです
従って、その概念が実際に存在する現象なのかどうかを検討する前に、しっかりした定義が必要に
なるでしょう
どう定義してもいいんですが、死んだ際や幽霊が消える際に放散する思念が逝くところと私は定義
しました
あの世に逝った思念がなんらかの方法で転生するのであれば、その転生を糸口にしてその現象が
実際に存在するかどうかを検討することが出来ます
また、なんらかの方法で生命体あるいは幽霊があの世と接触することが可能なら、あの世が実際に存在
するかどうかを検討することが出来ます
ところが、私の経験ならびに信頼性が高いと思われる転生事例からは、そのような可能性は見いだせません
従って、あの世が実際に存在するもので自然科学の範囲としても、この世となんら関わり合いのない世界
ということになりますので、それを考えるのは無意味ということになります
つづく
前世物語 弐
252 :自夜[]:2007/04/04(水) 12:58:08 ID:/Fq378Cy0
つづき
五、人文科学の範囲
さて、自然科学の範囲でないものは、人文科学で科学的アプローチは可能です
正確じゃないですね。自然科学で科学的アプローチを行うのとは別に、普通の
物事は人文科学でも科学的アプローチが可能です
例えば、幽霊。上で述べたように幽霊の存在についての科学的アプローチは自然科学の
範囲で可能ですが、人文科学の範囲でも可能です
幽霊の正体を物理現象としてとらえる手法も可能なら、民俗学的にとらえる手法も可能
ということです
ちなみに、民俗学での研究によると、太古の幽霊の概念は荒魂であり、世界的に
かなり不偏な概念だそうです。つまり、原始的な宗教発生以前に既に幽霊は認識されていた
ということですね
話を戻しますが、あの世については自然科学の範囲では考えても無意味=ないのと一緒
としましたが、人文科学の範囲では次のように捉えることができるでしょう
・ひたすら教祖、あるいは教義を信じる(ここまでは宗教)ようなことを
している集団のあの世を含めた世界観やその世界観に至った歴史、また信じることによる
効用などを研究する(宗教学的アプローチ)
・あの世の存在意義などを研究する(哲学的アプローチ)
・あの世を信じている人と信じていない人の行動様式を研究したり、どのような情報が
あの世を信じるあるいは信じない原因となったかを研究する(心理学的アプローチ)
・あの世があるとして行われた、あるいは行われている政治体制などを研究する
(社会学的アプローチ)
・あの世の概念ならびにその概念に基づく風習などの歴史的変遷を研究する(民俗学的アプローチ)
人文科学系には疎いので、「的」を付けています
つづく
前世物語 弐
253 :自夜[]:2007/04/04(水) 13:00:08 ID:/Fq378Cy0
つづき
問:自分で結論として無いのと同義であると書いているように思えるのですが・・・
答:「考えても無意味」というのと「無い」というのは同義ですね
強いて言うなら「考えても無意味」というのは存在の可能性は否定していません
可能性は否定しませんが、あってもなくてもこの世には物理的な影響ありません
そういう意味で>>245では「ないのと一緒」と書きました
まぁ、よくこういう書き方をするんで、ずるいと言われるんですがね
あの世があるとして、それはどういう世界なのか
そう考えるのは可能だと思いますし、考えるのは自由です
ただ、私はあの世には興味ありませんから考えません
私にとって興味があるのは、私の前世の記憶と幽霊だった頃の記憶、これはいったい
何なのだ、ということだけです
最後になりましたが、
問:一つ聞いていいですよね?
答:何でもどうぞ
何でも答えるかどうかは保証しかねますが
こんなもんで、どうでしょう
前世物語 弐
257 :自夜[]:2007/04/04(水) 19:47:13 ID:/Fq378Cy0
>>254さん、>>255さん
その二行は>>250-253の要約にはなり得ますが、>>249さんへの回答にはなり得ないと思いますがどうでしょう
もっとも、その二行は私の言いたいこととは異なるので、要約にはならないんですがね
まだ、>>254さんの某スレへの当スレ>>243-245のリンクの方が私の言いたいことが伝わるので助かります
前世物語 弐
258 :自夜[]:2007/04/04(水) 19:51:13 ID:/Fq378Cy0
>>256さん
「突っ込み所満載」という突っ込みはよく受けますが、
具体的なまともな突っ込みにお目にかかったことが残念ながら、ありません
そう言う訳で、>>all
具体的なまともな突っ込みをお待ちしております
前世物語 弐
260 :自夜[]:2007/04/04(水) 21:12:26 ID:/Fq378Cy0
>>259さん
最初に質問に答えておきます
問:自夜さんの言う「自然科学」と「科学的方法」とは、どういった定義なのでしょう
答:自然科学や科学的方法自体が研究対象ではないので私が定義することではありません
意味合いとしては常識的な意味合いで使ってます
つまり、自然科学=自然の現象を研究する学問
なお、前スレも含めて本スレで私は「科学的方法」という言葉は私は一度も使っておりません
従って、科学的方法の意味合いについてはお答えしません
さて、上記「科学的方法」もそうですが、「長々しくわけのわからん」など事実でない記述が>>259さん
の書き込みにはあります。>>249さんの質問の対象となる私の発言は>>245の「あの世は定義できても・・・
中略・・・ないのと一緒です」だけだと思いますが
悪意かどうかはさておいて、今後ともこのような事実でない書き込みが続くようでしたら、私は相手にしません
前世物語 弐
263 :自夜[]:2007/04/04(水) 23:09:02 ID:/Fq378Cy0
>>261 249さん
別に荒れているとは思ってませんし、261=249さんのせいでもありませんので
気になさらなくてもいいですよ
それより、私の回答でよろしかったでしょうか?
納得されれば、それでよし。どうでもよくなったのであれば、それでもよし
疑問が解消されないのであれば、何でも聞いて下さい
もし、回答が的はずれなものであれば、その旨指摘して頂くと助かります
前世物語 弐
265 :自夜[]:2007/04/04(水) 23:51:33 ID:/Fq378Cy0
>>262=264さん
ん〜、その「わかりにくい」の具体的な箇所を指摘して頂けると回答もしやすいですし、
今後の私の書き込みの参考にもなるんですがね
「長々」については>>245の書き込みは、私にしては短い方なんですが・・・
さて、「経験がないからわからん興味もない」に関してですが、
私は自分の経験ならびに他の幽霊さんの目撃などから「あの世」はないと言ってますし
人文科学的にあの世を考察することは可能だが、それには私は興味はないと言っている
わけです。従って、>>262さんがそれとは異なる要約をしたということは、(失礼ながら)
>>262さんの読み方が悪いか、私の書き方が悪いかのどちらかなんでしょう
さて、幽霊を普通の自然の現象として捉えるのはオカ板で前世話を始める前からの私のスタンス
ですから、唐突に今回自然科学という言葉を出した訳じゃないんですがね(「自然科学」という用語
自体は本スレでは>>245が初出ですが、これは単に人文科学との対比で使っただけで、最近では科学
=自然科学と勘違いする人が多いので、意識的に使い分けるようにしています)
ところで、>>264にあるように事実をいっこヌルーすると、「」しか残りませんが、いいんですか?
前世物語 弐
266 :自夜[]:2007/04/04(水) 23:53:43 ID:/Fq378Cy0
前世物語 第二部乱世編 第三十六話 退却 その一
多分、瀕死でも生きていたのだろう。そしておにちゃに問いつめられ、素
性を明らかにした。おにちゃは敵の正体を知った。
どうでもいいとは思っていたが、気になることは気になる。さりとて、打
つ手はない。
私は洞窟に寄り、昨夜の峰に向かう。
乾肉を食べ、酒を呑み、乾飯に食らいつく頃、夜が明けてきた。
御来光を仰ぎながら呑むのは初めてだ。
山向こうは変化はない。私は昨日の塒に横になり、目を閉じた。
何かおかしい。
私は飛び起きて、周囲を見回す。何もおかしな所はない。
目を閉じて気配を見る。何もない。でも、何かおかしい。
私は別の尾根伝いに敵の本隊の方に移動する。
昨晩の騒動が嘘みたいに本隊は落ち着いている。軍隊らしく、きびきびと
動き、よく統制がとれている様が遠目にも判る。もはや、隠れて行動しよ
うとはしていない。
本隊は午の刻までには撤退を開始した。
つづく
前世物語 弐
267 :自夜[]:2007/04/04(水) 23:56:00 ID:/Fq378Cy0
前世物語 第二部乱世編 第三十六話 退却 その二
どういう事だろう。無視できない数の死傷者を出しておきながら、また、
何一つ戦果を上げずに撤退することがありえるのだろうか。
でも、現実には目の前で本隊は幾つかの分隊に別れて山を整然と降りてい
る。こういう事態は想定しなかった。
おにちゃと私の戦略はこうだ。三日間、とにかく本隊並びに小屋分隊への
攪乱を行う。まだ攪乱が続くと見せかけて、本隊の裏に回り脱出する。
もし、山向こうの部隊が動くようであれば、山向こうの部隊の裏に回り脱
出する。
今、本隊が動いたと言うことは、一番に警戒しなければならないのは罠。
本隊撤収の後にのこのこ現れるとまず間違いなく待ち伏せにあって捕まる。
山向こうの部隊の背後に回り込むか?もし、山向こうの部隊も撤退するよ
うであれば、そちらにも罠が仕掛けられていると考えてよい。
今度はこちらが疑心暗鬼に囚われる番。
私は危険を承知で木に登り、枝伝いに本隊に近づいた。撤退の真意が知り
たい。
私の下、山道を二列縦隊で雑兵が進む。侍は徒もあれば騎馬もいる。
つづく
前世物語 弐
268 :自夜[]:2007/04/04(水) 23:57:59 ID:/Fq378Cy0
前世物語 第二部乱世編 第三十六話 退却 その三
殿は侍の騎馬団。ざっと七八騎。皆、厳めしい甲冑姿。いや、真ん中の一
人は派手な桃色の着流し。それでも二本差し。侍だ。
臼井。
騎馬団が足下を通り過ぎる。
「まったく、おれに内緒で何やってんだか。こんな大部隊で刈り上げよう
なんて、できるわけないだろ、頭悪いねぇ」
周りの騎馬侍がばつの悪そうな顔をする。
「案の定、いいようにやられちゃってさぁ。これで、すっかり警戒されちゃっ
たよ。一からやり直しだね」
臼井がどれだけ偉いのかは知らない。だが、これだけの大部隊を自由に動
かせるのは確かだ。臼井は初めから私達の素性を知っていた?
騎馬団が通り過ぎて暫くして、私は又峰に向かった。
山向こうの部隊も整然と撤退している。臼井は包囲を解いた。
おにちゃはこの事態をどう見るだろう。今山を降りるのは危険だ。それだ
けは、はっきりしている。
だが、この山にはもう住めない。臼井はきっぱり言った。やり直しだと。
第三十七話へつづく
前の日に逝く
次の日に逝く
ほげたらもどる
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