弐千七年参月九日

前世物語 弐
47 :自夜[]:2007/03/09(金) 11:05:41 ID:Prxlt0kD0
 見る、見えるというのは、脳がそういう反応をするということです。見えるものがあるとかないとかは、
 脳の反応そのものにとっては知ったこっちゃありません
 実際にあるものが見えるのを実像、そうでないものを虚像とすると、虚像を作る虚情報の進入口はいろいろ
 考えられます。目の外もあるでしょうし、目の中でもいいです。網膜に直接関与してもいいし、網膜と脳
 の間の神経でもかまいません。脳そのものでも構わないと思います
 この中で、目の外からというのは、目の外に何らかのからくりがあるということで、そのからくりに対し
 ては幽霊がそこにいるっていう仮定の場合と同様ですんで、除外しましょう
 残りは全てそこにはいない幽霊が見えるというものの仮説になりえます
 その中でも一例として目の中を虚情報の進入口とした場合について考察していきます
 虚情報の種類もいろいろ考えられるでしょうが、ここでは単純に光るおよび光を吸収することを考えます
 光ると言っても目玉の中心で光った場合は全体的に明るく感じるだけでしょうから、なんらかの像を見るため
 には網膜に近いところで光る必要があります。光を吸収する場合でも同様ですね
 そして、網膜に極近いところで、極限られた視細胞のみが受感する程度に光れば、あるいは光を吸収すれば、
 それは光の点、あるいは黒い点として見えるでしょう
 そういう現象をある程度の範囲で起こせば、鮮明な虚像を見せることができます
 そこまで網膜に近づくことが出来なければ、像はどうしてもぼやけてしまいます
 どうでしょう。幽霊がはっきり見える、ぼやけて見える、輪郭がはっきりしない、すーっと消える、透けて
 見える、透けてない。どの現象もうまく説明できると思いませんか

前世物語 弐
48 :自夜[]:2007/03/09(金) 11:08:14 ID:Prxlt0kD0
 前世物語 第二部乱世編 第十七話 町並 その一
 
 町では銭が使える。
 町にある寺のなんとかという行事で賑わっていたが、早々に宿を決める。
 宿は相部屋があたりまえであったが、奮発して一部屋を借りた。最近では
 裕福な商人も多く、町人姿で部屋を借りても怪しまれるほど珍しくは無い。
 宿に僅かばかりの荷物を預け、私達はとりあえず、なんとかという行事を
 やっている寺の参拝に出かける。特に仏に信心のない私達であったが、こ
 の時期に町に来て参拝もしないとなると、怪しまれる。寺の様子も実際に
 見ておかなければ、何かの話題で馬脚を顕してしまう。
 おにちゃは手を合わせ、目を瞑って拝んだ。その姿は堂々としていて、ま
 るでさむらいが必勝祈願に来たようだ。私は手を合わせたが、夕餉は何が
 食べられるのだろうかなどと罰当たりなこと考えていた。
 参拝が終わると、私達は出店をひやかしながらそぞろ歩きをする。
 櫛や飾り物をしきりに奨めるが、私には興味がない。興味はないが、町娘
 がその手の物に興味がないのも不自然なので、適当に相づちを打ったりす
 る。おにちゃも旦那旦那と呼びかけられながら、道具や小物を奨められた
 りしていたが、興味がないものはないという態度を崩さない。
 
 つづく

前世物語 弐
49 :自夜[]:2007/03/09(金) 11:10:49 ID:Prxlt0kD0
 前世物語 第二部乱世編 第十七話 町並 その二
 
 散々出店をひやかしたあげく、私は小物を入れる小さな袋を買った。おに
 ちゃは、そんなもの何時でも作れる、と嗤った。
 おにちゃは鉋や鑿、竹の蔓を締め付ける鉤、そして上等の砥石を買った。
 「刃物は何回でも研ぎ直せる。砥石は削れる一方だ。だから砥石はいいも
  のにしなければならない」
 おにちゃは今のおにちゃが町人であることをすっかり忘れている。
 宿でも飯は出るが、夕餉は外の飯屋で摂ることにする。
 町では銭があれば、何でも手にはいる。
 「酒」
 おにちゃは店に入るなりそういう。まるでさむらいが町人にいう口調。
 私は不安になり見回したが、既に店にいる客も店主も気にした様子はない。
 「それに、肴。何がある」
 おにちゃは椅子に腰掛けた。無意識に右手が腰のあたりをおよぐ。
 「へぇ、鯵か鰯の干したの、すずしろの煮たのと菜の漬け物、値は張りま
  すが猪か穴熊の汁なんかが今宵のおすすめで」
 「せ・・、私には鯵とすずしろの菜を。ちびはどうする」
 
 つづく

前世物語 弐
51 :自夜[]:2007/03/09(金) 11:13:09 ID:Prxlt0kD0
 前世物語 第二部乱世編 第十七話 町並 その三
 
 私は店に掲げられた品書きに見とれていた。
 「汁にするか。穴熊がいいか」
 穴熊は私達もよく捕るが、猪ともなると、なかなか捕れないし、捕っても
 大きすぎて処理に困る。だから、私達は普段は猪は捕らない。
 「猪がいい」
 「おやじ、猪の汁だ。二人分、鍋にしてくれ。飯はいらん」
 「へ、へい」
 おにちゃは私も酒を呑むものと決めつけている。店をざっと見渡したが、
 男ばかり。こんなところで町娘が呑んでいいものだろうか。
 まだ明るいが、店は賑わっている。せいぜい二十人くらいしか座れない小
 さな店だが、空席は僅かである。
 男達は酒を飲み、肴をつまみながら楽しそうに仲間内で話している。町人
 ばかり。いや、一番奥で年増が独りで手酌で呑んでいる。そうか、女が独
 りで呑んでも誰も気にしないのか。私は気が楽になる。
 店主が酒を運んできた。
 「おやじ、椀は二つだ」
 
 第十八話へつづく

【百鬼】妖怪達の集うスレ【夜行】
382 :[]:2007/03/09(金) 13:59:18 ID:Prxlt0kD0
 >黒狐はん
 なるほど、メタルどきゅんは点数が高いと・・・  メモメモ
 
 >屍はん
 仲間が増えて、ええなぁ
 一堂に会すると、キングリビングデッドになるかもしれへんで
 
 >サングはん
 最初はいらん思うたけど、動く腕っちゅうのは欲しいなぁ
 背中のな、手の届かんかゆいとことかな。便利やろうなぁ

霊信じてる奴、また詳しい奴に質問
548 :自夜[]:2007/03/09(金) 21:51:28 ID:Prxlt0kD0
 >>547さん
 質問に質問で答えるのはどうかとおもいますよ。こういうときは
 
 幽霊がいなくても宗教は語れる
 無神論者の幽霊もいる
 
 なんて切り返すのが乙かと・・・

霊信じてる奴、また詳しい奴に質問
552 :自夜[]:2007/03/09(金) 21:59:16 ID:Prxlt0kD0
 >>550さん
 可能性を検証もなしに否定するのは科学的じゃないと思いますがね
 
 >>551さん
 どこのどなたかちょっと判りかねますが、お久しぶりです

霊信じてる奴、また詳しい奴に質問
554 :自夜[]:2007/03/09(金) 22:05:31 ID:Prxlt0kD0
 幽霊さんもインチキと言われたら怒るかも知れませんね

霊信じてる奴、また詳しい奴に質問
560 :自夜[]:2007/03/09(金) 22:24:36 ID:Prxlt0kD0
 >>556さん
 >物理を超越した霊
 別に物理の範疇で幽霊の可能性を論じればいいんじゃないですか
 幽霊がいると言っている人の全てが全て、何でも解釈可能な霊をでっち上げている訳じゃないですし
 
 あるよくわからない現象がある
 この現象の原因として幽霊という存在を仮定して探求してみる
 この現象の原因として幽霊以外の○○を仮定して探求してみる
 どっちも科学的だと思いますね
 
 もっとも幽霊以外の○○が、その現象の原因だと説明がついても、
 幽霊ではその現象を起こし得ないというところまでいかないと、
 幽霊存在の否定には繋がらないでしょうけど

霊信じてる奴、また詳しい奴に質問
562 :自夜[]:2007/03/09(金) 22:26:01 ID:Prxlt0kD0
 >>559さん
 怪談話のお岩さんのモデルは実在の人ですが、怪談話自体は創作ですよ

霊信じてる奴、また詳しい奴に質問
569 :自夜[]:2007/03/09(金) 22:43:43 ID:Prxlt0kD0
 >>566さん
 じゃぁ、こういう考えはどうでしょう
 
 宗教を信じる人はその宗教の神様やら何やらを今の科学で検証して貰いたいとは思ってない
 幽霊を信じる人は幽霊の存在を今の科学で検証できるものならしてもらってもかまわない

霊信じてる奴、また詳しい奴に質問
572 :自夜[]:2007/03/09(金) 22:56:09 ID:Prxlt0kD0
 >>570さん
 いや、もともと怪談話じゃなかったですから
 
 演劇関係者なんかに犠牲者が出たのは事実ですが、実在のお岩さんのせいと決めつけるのは
 どうでしょうかね
 他の要因の可能性についても考えられました?

霊信じてる奴、また詳しい奴に質問
575 :自夜[]:2007/03/09(金) 23:07:29 ID:Prxlt0kD0
 >>574さん
 一つ、無神論者の幽霊の存在を知りたがっている人がいる可能性
 一つ、無神論者の幽霊の存在を証明或いは示唆することができる可能性
 一つ、無神論者の幽霊の存在を認めたくない若しくは存在すると都合が悪い宗教あるいは宗教家がいることの可能性
 これらを頭から否定することはないでしょう、という意味です

霊信じてる奴、また詳しい奴に質問
582 :自夜[]:2007/03/09(金) 23:31:35 ID:Prxlt0kD0
 >>580さん
 岩の父、田宮又左衛門は徳川家康の入府とともに駿府から江戸に来た御家人
 岩と伊右衛門は江戸の町でも有名な仲のよい夫婦だった
 伊右衛門は収入がとぼしく、食べる物もないような生活をしていたが、岩が奉公に出て生活を支えていた
 岩が田宮神社を勧請したのちは生活が上向いた


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