弐千七年参月弐日

前世物語
865 :自夜[]:2007/03/02(金) 00:47:11 ID:IFqk5WMA0
 では、今回からは幽霊に科学のメスを入れてみましょう
 まぁ、さんざ、あちこちで書いてきたことの焼き直しになるんですがね
 
 ここで、対象とする幽霊の定義をしておきます
 
 幽霊の定義:生物が死んだ後になるもので、自律的なもの
 
 単純明快ですね
 さて、幽霊はいるかいないかという問題になると、必ずと言っていいほど科学的に証明しろ
 なんてことを言われます
 科学的アプローチとはいったいどういう手法でしょうか
 人文科学はよく知りませんが、自然科学の場合はだいたい次のような手順になるんではないでしょうか
 
 事象を集める->事象を分析する->仮説を立てる->その仮説で事象が合理的に説明できるか検証する
 ->発表する->批判される->批判に耐える->概ね認められる
 
 で、その仮説では説明できない事象が顕れるか示されるまで、その仮説は学会などで認められた理論
 などと言って世間に通用する訳です

前世物語
866 :自夜[]:2007/03/02(金) 00:50:29 ID:IFqk5WMA0
 さて、スタートは事象集めです
 幽霊関係の事象と言えば、目撃談、取り憑かれ、騒霊体験、物理現象などが挙げられるでしょうか
 中には私みたいに経験談というのもありますね。忘れるところでした
 目撃談は幽霊を見たに留まらず、人魂の目撃からもっともやもやしたものの目撃までさまざまでしょう
 取り憑かれはまぁ取り殺されたとか、殺されかかったとか、美人の幽霊が部屋に居座ってるとか、これ
 もまぁさまざまですね。幽霊に触られたとかの接触があった場合もこれに含めましょうか
 騒霊体験、ポルターガイストと言った方が通りがいいのかな。音や物が動くとか。石降りも含めましょうか
 物理現象は、人形の髪の毛が伸びるとか、壁に人型が浮き出るとか、写真に写る、ビデオに写る、録音
 なども含めましょうかね
 この段階で、何でもかんでも幽霊に結びつけて仮説を立てるのは無謀です。よくありがちな失敗ですね
 批判の際のかっこうの材料となります
 例えば騒霊体験、石降りなんかは、下手人が幽霊とは限りませんね。だから、仮説を立てる際には捨て
 ておきます。立てた仮説でうまく説明できるのならば、敗者復活してその事象に対して仮説の検証を行
 えばいいんです
 また、どう考えても幽霊が下手人だと考えられる事象でも、そのメカニズムが異なる可能性がある場合
 は、別個に考えます。統合するのは後からでも出来る訳ですから
 例えば、幽霊を見たというのと幽霊に触られたというのは目撃者・体験者の感覚器官が目と皮膚のよう
 に異なりますから、仮説を立てる際には別個のものとして考えます

前世物語
868 :自夜[]:2007/03/02(金) 23:51:11 ID:IFqk5WMA0
 ここではまず幽霊の姿が見えることに着目して事象を分析してみましょうか
 幽霊を見た。これはまぁ文句なしに事象として採用でしょう
 人魂とかもやもやしたものはどうでしょう。これはひょっとして幽霊ではない現象かもしれませんね
 だからとりあえず捨てておきます
 取り憑かれ・・・まぁ取り憑かれる時に見えることもあるでしょうが、見えなくても取り憑かれている
 という場合もありますんで、とりあえず捨てておきます。前回書き忘れましたが、一応いたこも含めて
 職業霊能力者によるものも積極的に幽霊に干渉するということで、幽霊の方が取り憑かれる訳ですが、
 一応、取り憑かれに分類するとして、これも捨てておきます
 騒霊体験、これは全部捨てておきましょうか
 次は物理現象。人形の髪の毛とか、壁の人型は捨てておきましょうか。写真やビデオに写るのは事象と
 して採用してよいでしょう
 つまり、幽霊を直接見た、写真やビデオに写った。これが幽霊の姿が見えることに関する採用された
 事象です
 もちろん、この次に個々の事例の検証があります。疑わしきはばんばん捨て、類似事例をまとめ、
 その特徴を把握します
 この作業を幽霊実在の検証と呼んでいる例が非常に多いですが、これらはあくまで事象の分析であって
 仮説を立てるための前処理です

前世物語
869 :自夜[]:2007/03/02(金) 23:53:51 ID:IFqk5WMA0
 個人が幽霊を見る場合、見え方ははっきりする例とはっきりしない例があります
 また、どうやら見える人と見えない人がいるようです
 霊感が強い人の場合は頻繁に見るようです。所謂人混みの中を何人も歩いていたというのもあります
 中には集団で目撃した例もあります
 ふっと顕れたり、消えたりもするようです
 写真の場合は写す時には全く気付かなかった例が非常に多いですね。で、隠し絵のように写っている
 場合が多いです。単体で、例えば歩いている姿などはあまりないようです
 ビデオのような動画では、単体で写っていることが多いですね。これも写す時は全く気付かないこと
 が多いようです
 そして、写真やビデオの場合は見えたり見えなかったりということはなく、普通に皆見えるようです
 以上のことから仮説を立ててみます
 仮説は一つでも勿論構いませんが、いくつ立てても構いません
 まず、幽霊の成分から
 一、見える幽霊は普通の物質である
 二、見える幽霊は未知の物質である
 見え方については
 一、幽霊からの光線は特殊な周波数の電磁波である
 二、幽霊からの光線は未知の光線である

前世物語
870 :自夜[]:2007/03/02(金) 23:56:30 ID:IFqk5WMA0
 見え方については見える人には見え、見えない人には見えないが写真やビデオには写るという事象の
 特徴をクリアするために考えたものですね
 つまり、一の場合は特殊な周波数を感じる人と感じない人がいるが、写真やビデオは感じるという
 ものです。二の場合の未知な光線も同様です
 では、この仮説の検証をやってみましょうか
 まず、見え方の一です
 特殊な周波数の電磁波とはいったいどんな特殊性を持っているのでしょう
 電磁波の内、可視光線、いわゆる光に分類される物は、ある周波数の範囲です。もちろん個人差があり、
 より広い周波数帯の光を感じることの出来る人とそうでない人がいます。写真やビデオの場合はあまり
 詳しくはありませんが、普通の人よりも若干広い周波数帯で感じる性能を持っていると仮定することは
 充分可能だと思います
 では、幽霊からの光線はこの微妙な周波数帯なのでしょうか?
 普通の可視光線の周波数帯より高周波の領域は紫外線です。低周波の領域は赤外線です
 もし、幽霊からの光線がこれらの周波数帯であったとすれば、幽霊は見える人によっては紫色あるいは
 赤色に近い色に見えるでしょう。カラーフィルムやビデオに写るのも同様でしょう
 では、そういう事象はあるでしょうか? ほとんどありませんね
 むしろ白っぽいとか、淡い色彩という事象の方が多いようです

前世物語
871 :自夜[]:2007/03/02(金) 23:59:07 ID:IFqk5WMA0
 白という色は特定の周波数の電磁波ではありません
 可視光線の周波数帯全域に渡って同程度の強度を持つ電磁波の重積されたものです
 淡い色も同様ですね。白よりも特定の色の周波数に偏っているだけのことです
 単一あるいは狭い範囲の周波数帯のみの光の場合は鮮やかな色になります
 もっとも、人間の目の感じ方というのはもっと複雑なようです
 例えば黄色はある特定の周波数の光ですが、それとは全く異なる周波数である
 赤と緑の光を同強度で重積させると人間の目は黄色に感じます
 光の三原色。聞いたことがあると思います
 人間の場合は基本的に三色の電磁波を組み合わせれば、全ての色を感じることが出来ます
 テレビなどはそのことを利用して、実際には三色しか出していません
 普通の哺乳類は単色があたりまえであり、三色なのは希な方だそうです
 これが、昆虫や鳥類になると、四色だそうです。どういう風に見えているのか想像もつきません
 ちょっと話はそれましたが、以上により、幽霊が人間の目に見えて、幽霊からの電磁波が
 既知の電磁波であれば、見える人と見えない人がいるという説明は合理的には出来ない
 ことになります
 電磁波の周波数を変化させているのだという考えも、同じく否定できます
 どのような変化をさせても、人間の目は残像効果も加味した色の変化としか感じないでしょうから


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