弐千七年拾月拾六日
幽霊は本当にいるのか25(いないのか)
877 :自夜[]:2007/10/16(火) 06:32:37 ID:Sn1J5sJr0
おはやう
>>782のつづきですが、番外編になりますかね
>>784さん
否定派がよく言う心理とは?
実際に死んだものが襲ってきたという事実が世界中であったというのなら別ですが、
そういう事実もないのに死んだものは生きてるものに悪さをするものだという認識が
世界中にあるってのの理由がうまく説明できないんですね
ちなみに、この認識は恐怖ではなく、そういうもんだという認識です
敢えてそういう共通の認識を立て、対策を立てなくても、部族の団結とかそういうのは
可能なはずなんですがね
これが一地方の話なら、そういうこともあるかもしれん、で納得出来るんですがね
若しくは、そういう認識をもった部族が世界中に散らばったって言うんならねぇ
幽霊は本当にいるのか25(いないのか)
878 :自夜[]:2007/10/16(火) 06:36:17 ID:Sn1J5sJr0
さて、話変わって、
ゾンビとは蛇の意味で、ブードゥー教に初出が見られます
ブードゥー教では強い精神力を持った者が死者を意のままに動かすことが出来るとあり、
この死者がゾンビと呼ばれた者です
死者ですから、疲れも知らず、文句も言わないので、貴重な労働力として農園で使われたとか
他説として、刑罰の一種としてある種の薬品を用いて精神障害を起こさせて使役したとか、
薬品を投与し、仮死状態にしてその後掘り起こして生き返らせたとかいうのもあります
実際にテトロドトキシン(河豚毒)により死者を蘇らせるように見せかける興業もあり、それなりの信憑性をもつものです
こういう薬品(=毒)をゾンビパウダーとか言ったりします
一方、ゾンビを題材にした映画も多く、一般には映画から来る蘇る死体(但し魂抜き)の
イメージで捉えられているのではないかと思いますが、これは怖さを付加されたものの意味合いとしては
最初に出したブードゥー教の話と大差ありませんので特に問題はありません
尤も、ブードゥー教自体がアフリカの伝承とカトリックが習合して成立し、ハイチなどで信仰されているもので、
西印度諸島に古くからある宗教若しくは信仰ではありません
むしろ、アフリカ起源の信仰と言ってもいいくらい、その骨格はアフリカ時代と変わりませんから、
アフリカの民間信仰を丹念に調査研究すれば、ゾンビの原型が見いだされるかも知れません
幽霊は本当にいるのか25(いないのか)
880 :自夜[]:2007/10/16(火) 06:44:27 ID:Sn1J5sJr0
一方、キョンシーも生ける死体で、映画等で一般には東洋のゾンビのようなイメージを持たれているかと思いますが、
明から清の時代にかけて色々な作品に登場したのが始まりで、明らかに創作ですし、死蝋現象が元ネタですので
古代の蘇る死体という思想が反映された例としては不適当かなと思います
古さから言えば、八百比丘尼の話の方が古いでしょうかね
八百比丘尼とは人魚の肉をうっかり喰って長生きした娘の話で、全国にある伝説ですが、
特に日本海側に多いようです
話は大同小異ですが、中には死体に人魚を焼いた灰を振り掛けたら蘇って、
魂のない動く死体となって彷徨うというのもあります
ゾンビパウダーをかけられたゾンビとそっくりな話ですが、
八百比丘尼の元ネタであるとされる仙崎のお静伝説も長生き娘の話ですから、
八百比丘尼の元話から派生した怖目の伝説と考えた方がよさそうです
幽霊は本当にいるのか25(いないのか)
881 :自夜[]:2007/10/16(火) 06:49:18 ID:Sn1J5sJr0
>>879さん
たぶん、日本の民間治療法の方が、ゾンビよりも古い成立と思います
さてさて、バンパイアについてはだいたい>>808さんが書かれているので、私からは詳しく書きませんが、
バンパイアのイメージが固定されたのは、魔女裁判などが終結される頃に書かれた小説だったり
するんだな、これが
魔女に変わる生け贄が必要だったという説もありますが、教会が関与してきたのは
このイメージが固定されて以降の話です
それよりも、各地に死体が蘇って意志を持って生きている人間に悪さをするという
話が残っていることが重要だと思ってます
以上、長くなってしまいましたが、太古の死んだものが偶に生き返るという認識が
後世のゾンビやバンパイアに引き継がれているという解説をしてしまいました
何か間違いでもあれば、ご指摘願います(指摘に対応するかどうかはわかりませんが)
まぁ、死んだものの死体の方の話しなんで、ここではあんまし興味ないでしょうがね
幽霊は本当にいるのか25(いないのか)
882 :自夜[]:2007/10/16(火) 07:00:48 ID:Sn1J5sJr0
荒魂の件ですが、
確かに現代神道では、荒ぶる神々のことも荒魂と呼びますが、
ここでは文字通り(というより原意どおり)悪さをする魂のことです
>>814さんが言うとおり、害虫益虫のように人間にとってどうかという程度の
意味合いでの「荒」魂です
いまはまだ、神々が出てくる前の話をしていますんで、もちょとお待ち下さいというところかな
幽霊と宗教の関わり(というのが一連のテーマ、忘れている人が多いかな?)
という意味合いにおいては、他の宗教もそうですが、現代神道を見ていても
見えてくるものではありません
その宗教なりなんなりの成立過程を把握する必要があります
伊勢神社のような新しい神社を見ても、なかなか見えてこないのです
以上、今回は番外編でしたので、まとめはなし
本編は、また、そのうち
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