弐千七年五月五日
前世物語 弐
697 :自夜[]:2007/05/05(土) 00:16:09 ID:bgmDEC4D0
>>694さん
ん〜、たしかに、そのへんは疑問が生じて当然だと思います
作中でも、他でも書いてはいないんですが、当時の税制が実は大きく関わっています
当時の税制は米です。田畑なにがしにつき、最低何石、米の実収穫に対して半分って
のが、大体の当時の税制でした。これはその時の支配者によりますが、だいたいその
程度で変わらなかったと思います。妙に高率にすると、民百姓はあっさり逃げ出し
ちゃう時代ですしね
それは、まぁいいとして、その税、年貢としての米ですが、それを出来るだけ少なく
するよう百姓も考えるわけです。ぶっちゃけ、米の田圃は出来るだけ少なくする
んです。このへんの事情は、当時の侍も含めた食事情が理解できないと理解しにくい
かも知れない。米はあくまで、兵糧であり、備蓄であり、航海用の糧食で、日常食する
もんじゃなかったんですよね。だから税だったんですけど
百姓の常食は雑穀であり、米以外の収穫は自分の物になったんです。江戸期になっても
そう事情は変わらなかったと思いますが、だから百姓は年貢米の分は仕方なしに作りま
すが、米以外のものに熱心でした。雑穀や菜っぱの類はどっから見ても田畑ですから、
なかなかに難しいところがありましたが、木(木の実や果物)の類はやりたい放題の
観がありましたね。鎮守の森(この言い方は明治以降かな?要はお宮さんの境内)
なんて、かっこうの隠れ蓑だったりして
で、無花果に限って言えば、木一本で瓶一つ分(は無理か、半分くらい)は採れるくらい
よく実がなります。実も大きいし、皮は薄いし
無花果畑がないわけではなかったけれど、屋敷内に五〜六本もあれば、その家の
山神さまが呑む分には充分でしたね(毎日のように呑んでいたわけじゃないのは
作中にあるので説明不要と思いますが)
前世物語 弐
698 :自夜[]:2007/05/05(土) 00:37:01 ID:bgmDEC4D0
>>696さん
あぁ、「補糖」でしたね。「加糖」と書いたのは私の勘違いです
行為として、どこまで違うのかは私には判りませんが
糖度の件:
元税務署員の義父に内緒で実験した範囲では今のスーパーで売られている果実でも
大体当時の酒にはなりましたです
果汁の量の件:
例えば今の葡萄の水分が100%として、当時の山苺の水分が50%としても、倍の量あれば、
事足りるわけです。まぁ、そうですね、ブルーベリーとか、なんとかベリーとか言って
昨今売ってる苺がありますが、色合いとかそういうのは抜きにして固さ的には山苺って
のは、あんなもんですか。潰してみると判りますが、水分は50%ってもんじゃないですよ
従って、葡萄一房と同等の果汁を得るのに山苺が体積として葡萄一房と同等あるいは
ほんのちょっと多めに必要です
腐る件:
第弐部でその件については書いていますが、何か?
もし、スーパーで売られている材料で作った物が、第弐部で書いた以上の良好な
保存状態で半年以内に腐れば、改めてその旨書き込んで下さい
前世物語 弐
703 :自夜[]:2007/05/05(土) 01:20:32 ID:bgmDEC4D0
>>699さん
出来れば、そういうまともな質問は、そのコテハンなしにやって欲しいところですけどね
無花果の伝来はそのとおりで、当初「唐柿」と呼ばれたようで、唐柿という呼び方
は私の幽霊時代に聞き知っていますが、
前世の私の時代にもそっくりな果実があって、「いちじく」と読んでましたし、
いわゆる雌木だけで、挿し木なんかで増やしていくもので、実の形も違うし、
イヌビワとの混同はなかったと思います
まぁ、私の記憶が混同しているか、私が妄想しているだけなのか、それとも他の
当時日本に自生していたイチジク属と勘違いしているのか、私の住んでいた西の地が、
歴史家が思うよりも大陸との民間交流が昔から盛んだったのか
他にもあるかもしれませんが、そんなところでしょう
葉っぱの感じ?
モロ、アダムがチンチン隠しているあれですよ。五枝の
前世物語 弐
706 :自夜[]:2007/05/05(土) 02:13:13 ID:bgmDEC4D0
>>700さん
あのぉ、義父は、元税務署員で、密造酒を取り締まる方だったんですがね
造り酒屋を潰したのは私の祖父ですが、人の書き込み、ちゃんと読んでます?
は、いいとして、当時の果物の糖度・・・甘さの感覚ですか?
難しいなぁ。生前は砂糖みたいなのは無かったですから、比較の対象がない
柿とかは凄く甘く、こんなに甘い物があるのか、と当時は思っていましたが、
今の柿と比べると、どうでしょうねぇ。今の柿でも、昔住んでいたところには
庭に柿木があったんですがね、根本に埋めるゴミの種類によって、年毎に味は
違ったなぁ。当時もはたして、甘柿があったのか、渋柿の熟していたのを食べた
ような気がする
無花果は、だいたい今の組織的に栽培されていないそこいらに生えているものと
大差なかったような気がします。スーパーで売っているやつは、固いやつでも
崩れたような甘さがあるかな
山苺は酸っぱいという印象しかないですね。他に食う物がなかったころはともかく、
常食ではなかったです
長いようなので、つづく
前世物語 弐
707 :自夜[]:2007/05/05(土) 02:15:16 ID:bgmDEC4D0
つづき
で、醸造に向くか向かないかですか?
既に書いたようにさほど多量に呑むわけではありませんから、酒になりさえすれば
いいという考えですよ。あらゆるものが大量生産を義務づけられたような現代の
感覚からすれば贅沢なんでしょうがね
んで、最後は数ですか
そりゃ、粒が小さければ同じ体積にするには数が必要でしょう
ってな小学校みたいな問答は望んでないんでしょうね。別に組織的に密造(いや、
米の濁酒や雑穀の酒は組織的に密造してましたが)しているわけではありませんので、
採れた分を酒にするという感覚です。作中でも書いているように、山にはいるのは
限られた人間だけで、狩猟が目的です。獲物が無かったときに、照れ隠しあるいは
罪滅ぼしで採ってくるわけです。まぁ、山の神が怖ければ、そんだけ必死になって
沢山採って来たんでしょうかね
加由は沢山採ってましたね。まぁ、あの子は、私ら里の子と違って、山の子ですから
事情が違いますが
前世物語 弐
709 :自夜[]:2007/05/05(土) 02:46:03 ID:bgmDEC4D0
>>704さん
あのねぇ、
今まで読んでなくて、あれこれ言ってたんですか
それじゃ真面目に答えていた私が阿呆だったんですね
まぁ、乗りかかった船だから、回答はいたしますが
>小瓶の材質は何でしょう?教えて下さいね
小瓶って、加由が浪人に出すために徳利代わりに入れた入れ物のことでしょうか
焼き物ですよ。陶器になるのでしょうか。土器や素焼きのものではなかったですね
浪人のことですから、どこかで磁器を手に入れていたのかもしれませんが、私には
判断つきませんでした
>実際に醗酵が始まるまでの時間とその間の様子も教えてください
私の郷での事例でいいでしょうかね
瓶に詰め込んで板で蓋をして土間に半分埋めます
酒宴があると、古い瓶から順に開けて呑みます。開けた段階で失敗していたらポイ
開けたのはだいたいその日に飲み干します。余っても日をおかないで呑みつくして
ましたね。詰めてだいたい二ヶ月くらいは蓋を開けません。発酵具合など確かめません
この辺りが穀物系と違うところですかね。瓶は陶器で、今の漬け物をつける瓶より
小振りです。だいたいそれぞれの家で勝手にやってました
米の濁酒とか、雑穀の酒は組織的に村で密造してましたが、男衆の仕事なんで、
私らや若衆は教えてもらえませんでした
加由は置き場所とかいろいろ工夫していたみたいです。例の冷たい洞窟なんかは
長期保存には使っていたみたいです
前世物語 弐
710 :自夜[]:2007/05/05(土) 02:56:08 ID:bgmDEC4D0
あぁ、もう
まともな質問じゃないだの、斜め読みに失敗だの
それで、都合の悪いことには答えないだの言われたら立つ瀬がないですわ
まぁ、立つ瀬がないのは元々だし、真面目に答えた私が阿呆なんでしょう
誰がキウイの祖先と無花果を間違えますか
今宵は、あと一個書いて終わりにさせてもらいます
前世物語 弐
711 :自夜[]:2007/05/05(土) 03:05:38 ID:bgmDEC4D0
業務連絡です
狢さんが、【百鬼】妖怪達の集うスレ【夜行】スレが倉庫逝きになったせいか、ふてくされて
寝込んでいます。従って、三悪漫遊記の更新が滞っていますが、その旨ご了承ください
(って言うか、いろいろトラブルがあって、今十年前の機械を引っぱり出してきて
やっているもんで、Web Site 関係の更新が一切出来ずにいたりします)
んで、狢さんを元気づけるために(でもないですが)、次回作は狢さん関係の話でも
ここでやろうかと準備中です(まぁ、妖怪話ですかね。グロありです)
再来週からの短期連載になると思いますが、読みたくない方は、読まないでね
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