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前世物語

1 :自夜 :2006/12/16(土) 01:45:40 ID:ISutAZ4N0
前世物語 予告編(ショート版)

それは、まだ結婚する前、彼の運転する車である峠を越えているときに前
触れもなくふと思った。
「あ、ここ私が死んだところだ。」
そして、私に前世の記憶が蘇った。

3 :自夜 :2006/12/16(土) 01:47:28 ID:ISutAZ4N0
>>2さん早いなぁ。それはさておき

前世物語 業務連絡1 ご案内

>妄想全開で行くよ。重複じゃないからね。
>せーのーぉ、生麦生米おかゆが大好きもこもこゆーれー
で始まる「人生相談 オカルト相談」スレ
http://hobby7.2ch.net/test/read.cgi/occult/1165077019/l50
から派生しましたスレです。

語り部は私、自称「無気力無感動おばちゃん」自夜(じや)でございます。
概要は元スレを参照いただくとして、このスレでは前世とその後の幽霊で
あったころの記憶を持つと主張する私自夜の一人語りをひたすらうぷして
いこうと思います。
もちろん、私以外の書き込みも歓迎しますし、質問などにはできるだけ答
えていこうと思います。
信じるも自由、信じないも自由、まぁ、お気楽にお楽しみ下さい。

         ひのえいぬ(丙戌)の年(平成18年)師走 現自夜記

5 :自夜 :2006/12/16(土) 01:54:46 ID:ISutAZ4N0
>>4さん早いなぁ。それもさておき

前世物語 業務連絡2 主な登場人物紹介(全て仮名です)

自夜:前世での私
現自夜:現世での私
鬼霧:自夜の父
湖亜:自夜の母
青年:落武者
火袋:自夜の夫
加由:自夜の娘
須磨:自夜の孫娘
希人:行商人
天主:守護大名
東の馬鹿者共:東の方から攻めてきた戦国大名の軍勢
南の馬鹿者共:南の方から攻めてきた戦国大名の軍勢
亜坊:火袋の手下の莫迦たれ
珠袋:火袋の洟垂れの弟
浪人:謎の浪人

坊さん:謎の坊さん

8 :自夜 :2006/12/16(土) 02:07:46 ID:ISutAZ4N0
>>6さん
別にかまいませんが、下記の方がその手の話は良いと思いますです。
http://hobby7.2ch.net/test/read.cgi/occult/1161776035/l50

前世物語 業務連絡3 年表

己亥(つちのとい)天文8年1539年
  自夜誕生  自夜(1歳)
辛酉(かのととり)永禄4年1561年
  加由誕生  自夜(22歳)加由(1歳)
甲子(きのえね)永禄7年1564年
  自夜死亡  自夜(26歳)加由(4歳)
自夜幽霊のため年号不詳、後検証により1578年と思われる
  須磨誕生  自夜(幽霊)加由(18歳)須磨(1歳)

注:前世での年齢は数え年で表記しております。

9 :自夜 :2006/12/16(土) 02:09:09 ID:ISutAZ4N0
>>7さん 早いですね。おはようございます。

前世物語 業務連絡4 「自夜」の由来、若しくはパクリ疑惑事前暴露

自夜という私の名前は境遇が似ているというそれだけの理由で某大物漫画
家(故人)のとある作品の登場人物からパクらせて頂きました。火袋も同
様です。まぁ似ていると言っても似ているのはだいたいの時代と元は百姓
だったってこと、それに私の野垂れ死に方くらいです。パクったのはこの
2名の名前だけです。某プロダクションさん、そういうわけですので、宜
しくご理解下さい。万一支障ある場合はこのスレにその旨書き込んでくだ
さい。登場人物の全面改名を検討させて頂きます。
さて、その某作品ですが、知らない方でも
ttp://book.tezuka.jp/recommend_20040527.html
ttp://ja-f.tezuka.co.jp/anime/sakuhin/subtitle/ts010.html
あたりを見ればだいたいの雰囲気がわかってもらえるかと思います。
私、子供の頃、この作品大好きだったんですよね。特に百鬼○が。
また、正月にはこの作品の実写版映画が公開されるそうです。
もっとも私は「柴咲某、誰?それ」っていうくらい芸能界音痴ですので、
映画の話題を振られても答えられない場合が多いと思います。

閑話休題:伏せ字になってないような気が・・・・・・

10 :自夜 :2006/12/16(土) 02:10:54 ID:ISutAZ4N0
前世物語 予告編(ロング版)

それは、まだ結婚する前、彼の運転する車である峠を越えているときに前
触れもなくふと思った。
「あ、ここ私が死んだところだ。」
そう。私の名前は自夜。百姓の娘。きのえねの年、まだ小さい子供を抱い
たまま、この峠で野垂れ死んだ。この先、この子はどうなってしまうのだ
ろう。死ぬ瞬間のこの思いが私を幽霊にした。

この記憶が本物かどうか、私はあちこちを訪ねた。随所で私はかつて生き
てきた所の名残を見つけた。念が残ることで人は幽霊になる。火袋。前世
での私の夫。無念でなかったはずがない。あれほど子供を愛していた火袋。
でも、火袋の霊に遭うことはなかった。あの人は人生に満足して死んでい
ったというのであろうか。火袋の終焉の地を見つけたところで私は前世探
しの旅をやめた。

何故そんな観光地でもないところばかり行きたがるか彼(現旦那)は不思
議に思ったことだろう。でも、彼には言えない。けっして言えない。

2chで明かされる自夜の前世の記憶。それでは本編をどうぞ。

11 :自夜 :2006/12/16(土) 02:13:58 ID:ISutAZ4N0
というわけで、颯爽と始めたつもりでしたが、実は、まだ第1部をリメイク中です。
終了次第うぷしますので、それまでポップコーン(でも月餅でもなんでもいいんで
すが)でも食べながら、暫くお待ち下さい。

13 :自夜 :2006/12/16(土) 02:30:10 ID:ISutAZ4N0
>>12さん
何? それ?
ところどころ知った人の名前はありますが。

17 :自夜 :2006/12/16(土) 12:38:05 ID:UUyclqsa0
>>14さん、>>15さん、>>16さん
どうもありがとうさんです。
今から検閲のある国の中を移動です。明日はクーデターの国への移動です。
その間、書き込めないかも知れません。そういうわけで、ご承知置き下さいませ。

57 :自夜 :2006/12/20(水) 10:13:59 ID:6CSAUJ9K0
大変お待たせしました。ようやく書き込めるところに戻ってきました。
今日からぼちぼちうぷしていきますね。
まず、今日は1話と2話、後は1日1話くらいのペースでいけたらいいなと思ってます。

皆さんへのレスは後ほど

58 :自夜 :2006/12/20(水) 10:18:23 ID:6CSAUJ9K0
前世物語 第一部前世編 第一話 発端の章その一

目前に女性が立って微笑みかけている。「きれいかー」これが私の記憶の
始まり。
私の名は自夜。百姓の父鬼霧、母湖亜の末子としてつちのとい(己亥)の
年の冬、永田村に生まれる。
永田村はありきたりの農村、戸数五十余り。氏神様の境内を中心とした集
落の周りに田畑が広がるどこにでもある村。そこにその日嫁入りがあった。
嫁ぎ先は私の家。うえのおにちゃの嫁(よめご)様。今のように結婚式な
んていうのはない。村の長老のじーさんが口上を述べて終わり。ただ今夜
は氏神様のところで大人の男達の酒宴が行われるのであろう。
ほとんどの私たちがそうであるように、嫁様の衣装も単衣だけ。所謂着流
しの格好である。夏でも冬でも私たちはこの格好で過ごした。
変わった格好をしていたのは神主と隣村の坊さんだけ。もっとも神主は日
頃は私たちと同じ単衣を着て野良作業をしている。
野良作業の時は男も女も今で言うズボンを履いて、足に腐れ柿皮の汁に浸
した布を巻く。特別な呼び方があったような気がするが、忘れてしまった。
蝮よけの効果があると言う。

つづく

59 :自夜 :2006/12/20(水) 10:22:12 ID:6CSAUJ9K0
前世物語 第一部前世編 第一話 発端の章その二

農家の朝は早い。
夜明け頃には家の中央の竈の上に吊された鍋にあたたかい粥が出来ている。
粟とか稗とかの雑穀を煮込んだもので、ちぎった菜っ葉が入っている。
かなりきつめの塩味。これを家族全員で食べる。家族はあにちゃの嫁様を
加えて十一人。あと何人かいたが、赤子のうちに死んだらしい。
朝餉が終わるとととちゃと大きなあにちゃ、あねちゃは野良仕事に出かけ
る。人より早起きなかかちゃと嫁様は一眠りしてから野良仕事に加わる。
遠くの田畑に行くときは、弁当をこさえて持って行くときもある。
子供達はもっぱら遊ぶのが仕事だ。
男の子達に人気のある遊びは戦ごっこ。隣村の物知り坊さんが教えてくれ
る古今東西の合戦物語を適当に脚色して演じる。武器は木の枝。一応寸止
めという了解だが、斬り合いならぬ殴り合いになることも珍しくない。額
から血を流しながらも続ける。そういう子に限って瘡蓋が外れないうちに
次の血を吹き出している。青赤二軍に別れて戦うのだが、なぜか敵方の姫
様を連れ出した方が勝ち。その姫様、お調子者の男の子が演じる。その仕
草が可笑しくて、大人達も仕事の手を休めて大笑いする。

つづく

60 :自夜 :2006/12/20(水) 10:35:33 ID:6CSAUJ9K0
前世物語 第一部前世編 第一話 発端の章その三

女の子の遊びは今で言うままごと。ままごとのままは飯という意味。でも、
私たちのままごとの題材は主に野良仕事。年嵩の子供が今日はこの畑の雑
草を抜きましょうと仕切る。そして、私たちは大人達がそうであるように
お喋りを楽しみながら道端の草を片っ端から抜いていく。今から考えると
体良く大人達の手がまわらない道の整備という仕事をやらされていたよう
な気もする。
もちろん後世主流となったままを題材とするままごともした。食材は大概
が泥。食器は柿の木とかの葉っぱである。本当にお腹が空くと、自分の家
に戻り、鍋に残っている朝餉の粥を自分でよそって食べる。大人達もそう
していた。昼餉は特にみんなそろって食べることはなかった。遊びの続き
が早くしたくて、立ったまま食べることもあったが、特に怒られたことは
ない。
日が西に傾き出すと大人も子供も家に戻ってくる。夕餉は新たに作った雑
穀の粥、それに魚の干物とか、菜っ葉の塩漬けとか、泥鰌の澄ましとか、
2〜3品つく。朝抜き、昼コンビニサンド、深夜カップ麺に成りがちな現自
夜の食生活にくらべると、ずっと豊かだったかもしれない。

第二話へつづく

61 :自夜 :2006/12/20(水) 10:44:12 ID:6CSAUJ9K0
だいたい1話あたり、このくらいのボリュームで進めていく予定です。
前作同様第一部は全26話を予定してますので、総ボリュームは前作の2〜3倍といった
ところです。

62 :自夜 :2006/12/20(水) 10:47:28 ID:6CSAUJ9K0
前世物語 第一部前世編 第二話 天空の章その一

私は少し変わった子供だったかも知れない。ままごとをしていても雲雀が
飛び立つと一頻り天空で鳴いた後、地表に舞い降りて巣に戻るまで見てい
た。飛び立つときはまっすぐ上がり、舞い降りるときは地表近くになると
水平近くに飛び、降りた後しばらく歩いて巣に戻るのが不思議であった。
巣を見つけられないための雲雀なりの工夫だとととちゃが教えてくれた。
巣にたどり着くまでじっと、時には雲雀の後をついて行った私は雲雀にとっ
ては迷惑な存在だっただろう。
小川で泥鰌を見つけては時々水面に出てくる様をじっと見ていた。烏が小
石で遊んでいる様をじっと見ていた。雲雀よりもずっと高いところで雲が
形を変えていく様をじっと見ていた。
あねちゃたちは自夜は少し足りないんじゃないかと言っていたようだ。と
とちゃはそれでいいという。不思議なことを不思議に思うことは全然おか
しなことではないと。そして、わからないことはととちゃでもかかちゃで
も隣村の坊さんでもなんでも聞いていいと。
烏が遊び好きなのは皆知っていたが、泥鰌がなぜそんなことするのか、と
とちゃにもわからなかった。

つづく

63 :自夜 :2006/12/20(水) 10:52:29 ID:6CSAUJ9K0
前世物語 第一部前世編 第二話 天空の章その二

ととちゃは村の中でも年寄りの方で、私が生まれた頃にはもう四十を超え
ていたと思う。隣村の坊さんにはかなわないが、村一番の物知りで、遠い
遠い国の話も知っている。
永田村から大川沿いに上って南に一里ほど行くと隣村がある。そこからま
た三里ほどいくと大きなお宮さんがある村につく。ここまでは私ら子供達
も村祭りの時に連れて行ってもらうので知っている。その先は山に入って
いき、二里ほどで炭焼きの村がある。ここでは炭の他、素焼きの皿、杯な
どを作っている。私らが食事で使っている焼き物はここから仕入れている
そうだ。その先、どのくらいか、峠を越えると大昔にこのあたり一体を治
めていた役所の跡があるという。今でも街道はそこを通っていて、永田村
は街道からは随分離れたところにあることになる。
大川沿いに下っていくつかの村を過ぎるとそこは港町。大きな町で沢山の
人が住んでいる。海産物を売る市も立つ。
港町から出る船は海を何日も越えて違う国まで行くという。京のことすら
よく知らない私は、そこがどんなところか全く想像がつかない。ととちゃ
も違う国のことまではしらないと言っていた。

つづく

64 :自夜 :2006/12/20(水) 10:58:10 ID:6CSAUJ9K0
前世物語 第一部前世編 第二話 天空の章その三

大川を渡り、日の傾く方には狸や狢が沢山住んでいる低い山々がある。
その向こうには田畑が広がり沢山の村々があるという。でも何故だか知ら
ないが、私の村からその村々に行く人はいない。向こうからも来ない。
日の昇る方は幾つかの丘を越え幾つかの村を過ぎると高い山々がある。こ
の山々の山腹には永田村の猟区がある。そして熊も出る峠を越えた山の向
こうは私らの所とは違う天守様が治める国がある。
永田村に生まれた男の子は総領、すなわち跡取り以外はある年齢に達する
と村を出る。村の田畑が限られているから仕方のないことだという。大概
がこの熊の出る峠を越えて隣の国に行く。帰ってくる人はいない。
私の家でもうえのあにちゃに嫁様が来たので、なかのあにちゃが家を出る
ことになっている。何処へ行って何をするのか、あにちゃに聞いても笑っ
て返すだけで答えてくれない。
あにちゃも熊の出る峠を越えて隣の国に行くのだろうか。幸せになれるの
だろうか。
東の山々から下りる雲を見ながら私はあにちゃの行く末を想った。たいし
て仲がいい方ではなかったが、あの切ない想いは本物だったと思う。

第三話へつづく

68 :自夜 :2006/12/20(水) 11:12:22 ID:6CSAUJ9K0
>>12さん
やっとなんのことかわかりました。

>>18さん
>>19さんと同意見です。まだ生きてるんなら病院に駆け込んでください。

>>19さん
でもどうせ先が無いんだったら座布団くらいの生牡蠣食べて死にたいですね。

>>20さん、>>24さん
どうもです。ご期待に沿えるかどうか・・・なんとか、がんばります。

>>21さん
名作なんですか? そっちの世界に疎いもんで、すみません。

>>22さん
私の年齢についてですが、正確な年齢はお教えできません。
小学生の娘2人がいます。お察しください。

69 :自夜 :2006/12/20(水) 11:26:00 ID:6CSAUJ9K0
>>23さん
相談スレでは書いてなかったですかねぇ。須磨とわかれたあともふらふらとしてま
して、都合幽霊を200年ほどやってました。だから江戸時代の前半は知ってますよ。
もっとも、示された私の書き込みは幽霊であった記憶からではなく、現自夜の知識
で書いたものですが。

>>25さん
せっかくかきこんでくれたんですもん。ほっとけません。

>>27さん
違います。

>>28さん
その通りです。

>>33 まぐろさん
別にまぐろさんに嫌疑がかけられたようには読めませんでしたよ。

70 :自夜 :2006/12/20(水) 11:34:51 ID:6CSAUJ9K0
>>22さんの3行目以降 及び
>>26さん、>>29さん、>>30さん、>>31さん、>>65さん、>>66さん、>>67さん
同一人物かどうかわかりませんし、特に私の回答を求められているわけでもない
ようですが、まとめて回答させて頂きます。

そうですね。

あと、書くなと言うことですが、ここは私のスレなので、こればっかりは勝手に
させていただきます。
また、同様趣旨の書き込みを他のスレでもされているようですが、当スレでの上
記回答をもって他スレでの書き込みの回答とさせて頂きます。


71 :自夜 :2006/12/20(水) 11:40:29 ID:6CSAUJ9K0
あ、書き忘れてた。
>>30で私の名前を訂正して頂きましてありがとうございます。何故か他スレでも
白夜と間違われることが多いですね。なんでだろう?

73 :自夜 :2006/12/20(水) 11:51:37 ID:6CSAUJ9K0
>>32さん、>>34さん、>>35さん、>>36さん、>>37さん まとめてですみません。
まぁ、頭が可笑しいのはお互い様と言うことで。2chじゃ普通の書き込みですしね。
それより、私が物理的に書き込めない間にオチ防止保守してくれていたんですから、
むしろ感謝してますよ。

>>38さん、>>54さん
なんとか、始まりましたです。よろしくです。

>>39さん
どうぞ、ご自由に書き込んでください。
ただし、自分が死ぬ話を書くのはけっこう来ますよ。それを書くんなら覚悟して
書いた方がいいと思います。

>>40さん
前世物語、いつ終わるかわかんないし、ここは、私の話を静聴しなさーい、ってな
スレではありませんので、大丈夫です。

76 :自夜 :2006/12/20(水) 12:06:59 ID:6CSAUJ9K0
>>41さん、>>45さん、>>46さん、>>48さん
同一人物さんですかね?それはともかく、どうせなら、
湖亜・鬼霧・自夜・加由・須磨
っていう順で書いてくれたら良かったのに。その順で柔らかく薄くなっていきます。
まぁ、ネーミングセンスはありませんね。火袋の名字は均にでもしよっかなーって
思ってたりして。センスがもっとあればねぇ、こんなところでこんなもん書いてな
いんでしょうが。

名前のパクりの件は某大先生かその版権を所有されてるところからクレームが来た
ら、>>9に書いているように改名しますよ。そういえば、某大先生もパクリの名手
だったなぁ。私みたいに下品じゃなかったけど。

>>42さん
他所に行かれたら他所が迷惑しますよ。>>41さん、書くならここで書いてください。

77 :自夜 :2006/12/20(水) 12:07:56 ID:6CSAUJ9K0
>>43さん、>>47さん、>>50さん、>>51さん、>>52さん、>>53さん、>>56さん
そういうわけですんで、よろしく。

79 :自夜 :2006/12/20(水) 12:16:58 ID:6CSAUJ9K0
>>44さん
わざわざ手入力してくれたんですかねぇ。ごくろうさまです。

>>49さん
某作品がファンタジーかどうかは議論のあるところですが、ここの前世物語は
ファンタジーでもホラーでもありません。最初にことわっとくべきでしたかねぇ。

>>55さん
みんながそう言ってくれると、どんだけ助かるか・・・・・・

>>72さん
ただいまぁ〜です。って、まだ自宅に帰る日は遠い・・・

80 :自夜 :2006/12/20(水) 12:20:18 ID:6CSAUJ9K0
>>74=75さん
別に私からの回答はいりませんよね。

>>78さん
そうですね。

82 :自夜 :2006/12/20(水) 12:30:21 ID:6CSAUJ9K0
>>81さん
嘘の詐欺師ってのが今一理解できませんが、>>3にも書いているように私の話を信じ
なくても一向にかまいませんよ。

84 :自夜 :2006/12/20(水) 12:32:50 ID:6CSAUJ9K0
ん〜、別に死んだ人のことですから、本名を出してもかまへんいうたらかまへん
ですがねぇ、今の本名をこんなところで晒したくないっていうのと同様に、別人
とは言え前世の私も私ですからねぇ。こんなところでは晒したくないですねぇ。
他の登場人物もまぁ身内だから、同じですね。 坊さんの本名は知りません。

永田村ってのは実際の名前です。いつ永田という地名がなくなったかは知りませ
んが、明治期までは字として残っていたのを確認しています。

さて、一応みなさんに回答返したつもりですが、無視された〜って方があれば、
手を挙げてください。

86 :自夜 :2006/12/20(水) 12:36:24 ID:6CSAUJ9K0
>>83さん
あははは、そういえば、元号ってだいだいそういう感じで決めてますね。

>>85さん
あんたは嘘つきだ。とか、あんたは詐欺師だ。とか、あんたは嘘つきで詐欺師や。
ってのなら理解できるんですがねぇ。嘘の詐欺師ってのはちょっと・・・

95 :自夜 :2006/12/20(水) 12:58:21 ID:6CSAUJ9K0
>>87さん〜>>91さん、>>93さん、>>94さん
別に私からは何もなくていいですよね。

>>92さん
枯れ木も山の賑わい  じゃぁなかった。アラシも2chの華ですから。
私自身は否定的な書き込みも含めて全て楽しんでますよ。お気遣いなく。

99 :自夜 :2006/12/20(水) 13:46:46 ID:6CSAUJ9K0
>>96さん
ご親切にどうも。実はちゃんと自分の掲示板ももってますが、ここ数年閑古鳥しか来ません。

>>97さん
いや、別に、かまわんですよ。

>>98さん
別にかまわんですけど、子供さん泣きますよ。

102 :自夜 :2006/12/20(水) 14:20:38 ID:6CSAUJ9K0
>>100さん
よかったよかった。本当によかった・・・・・・・って、ちゃいますがな。

「おにちゃ」が本当ですって。あれ?「なかのあにちゃ」これはこれでしっくりくる
なぁ。「うえのあにちゃ」これはなんか変だ。「うえのおにちゃ」の方がしっくりく
る。「なかのおにちゃ」これでもしっくりくる。
あれー? どっちだろう? 発音的には「にょにぃちゃ」が一番近いからやっぱり
「おにちゃ」かなぁ。とにかく、以降どれかに統一することにしますね。

>>101さん
ただいまです。
> 煽ってらっしゃるのかなと思ってしまいます。
スルーすろと必ずと言って良いほど「都合の悪い意見にはスルーする」ってきますからねぇ。
これは、ここだけの秘密ですけど、煽っているんです。

物語の方は、真面目に取り組もうと前を向いて四苦八苦しているところです。

106 :自夜 :2006/12/20(水) 15:39:28 ID:6CSAUJ9K0
>>103=104さん
相談があるとのことですから相談スレへどうぞということですが、何か?

あと、他スレにあんまり同じ分をコピペしない方が良いですよ。2chではすぐ
キチガイ扱いされますよ。

108 :自夜 :2006/12/20(水) 15:54:40 ID:6CSAUJ9K0
>>105さん
「あ」も「お」も昔からある接頭語ですから別に現代語と同じだからと言って矛盾は
ないんですが、語感的には「おにちゃ」「おねちゃ」でしたねぇ。
今でも兄様で「あにさま」、姉様で「あねさま」、お兄ちゃんで「おにいちゃん」、
お姉ちゃんで「おねえちゃん」ですから「お」の方が庶民用語だったのかもしれま
せん。名前で呼ばれるときは「おじや」でしたし。そういう意味では「おにぃちゃ」
と表記すべきだったかな。でも私の語感を優先させたいと思います。

>>107さん
兄者、姉者は言ってなかったですねぇ。やっぱ、さむらい言葉じゃないんでしょう
か。「ちゃ」は現代語の「ちゃん」ですね。「さん」かもしれませんが。最後の「ん」
が付け足しのような感じ。だんだん「ん」をはっきり言うようになったんじゃないか
なぁ?

110 :自夜 :2006/12/20(水) 16:22:56 ID:6CSAUJ9K0
>>109さん
>>3にあるようにここは相談スレから「派生」した私が物語るスレですからねぇ。
相談は相談スレですよ。ここで相談を受け付ける気はありません。スレ違いです。
あなたも相談があれば相談スレへどうぞ。相談でないものはこちらへどうぞ。

111 :自夜 :2006/12/20(水) 19:54:36 ID:6CSAUJ9K0
今、急に判った。「嘘つきの詐欺師」ってことね。これなら意味が通りますね。
いやいや、「詐欺師の嘘」かなぁ、でも、それじゃ前後が繋がらないしなぁ。
やっぱ、「嘘つきの詐欺師」ですねもう決めた。よし、これで安心して寝れます。


まてよ、嘘をつかない詐欺師って存在できるのかぁ?

114 :自夜 :2006/12/21(木) 09:29:59 ID:i8dVI8mJ0
>>112さん
まぁ、いろいろ湧くのは2ch創設以来の伝統ですから。でも、最近のはワンパターン
なんでちょっと面白くないですね。前はもっとこう人生斜めに突っ走ってるようなの
が多くてそれなりに楽しかったですが。

>>113まぐろさん
すみませんねぇ、気ぃつかわしてしもうて。
まぁ、いろいろ湧くのは覚悟して始めたんで、ここで続けていきます。
まぐろさんところに流れていっても無視しちゃってかまいません。
こっちで適当にあしらっ・・・  じゃなかった、対処します。

115 ::2006/12/21(木) 10:05:34 ID:i8dVI8mJ0
前世物語 第一部前世編 第三話 武神の章その一

東の山々の雪が溶け、一斉に虫共がはい出してくる春、そして収穫が終わ
りそろそろ冬の準備を始める秋に南の村のお宮さんのお祭りがある。単に
村祭と呼んでいたが、近郷の村から挙って人が集まる大きな祭りである。
まだ永田村が永田村になるずっとずっと前、とても高貴な女性とその軍勢
が北からこの村にやってきて、御子をお産みになられた。村人はお祝いに
餅をついてその女性に献上した。やがてその女性は御子を篭に入れそれを
背負われて東の方に旅立たれた。村人はその女性が御子をお産みになられ
た場所に社を建てて、その御子の行く末を案じた。
これがそのお宮さんの由来。御子は戦いの神様、女性は安産の神様として
平成の今でも栄えている。
永田村の氏神様は、表向きにはこの戦いの神様に仕える神様。でも本当は
この女性の軍勢に負けた神様。一命を助ける代わりに終生御子とその子孫
に仕えることを約束させられた神様。
村祭の日、四里の道を永田村の私らはだらだらと大川沿いを歩いて行く。
普通に歩けば半日もかからないのに朝早く村を出て、だらだら歩く。それ
でも午の刻には着いてしまう。

つづく

116 :自夜 :2006/12/21(木) 10:07:46 ID:i8dVI8mJ0
前世物語 第一部前世編 第三話 武神の章その二

大川沿いに歩いていき、酒屋の前を通り橋を渡るとそこがお宮さんの入り
口。酒屋は造酒屋で、そこで作られる酒はお宮さんそして天守様に献上さ
れる。天守様に献上された酒の一部は京にまで運ばれるという。その酒は
川の水のように澄んだ酒。神様や高貴な人が飲むための酒。私ら百姓は口
にしたことはおろか、見たこともない酒。
お宮さんの周りには大川から引き込んだ水が流れる堀となっている。その
澄んだ水に沢山の錦鯉が泳いでいる。色の付いた鯉の初出は本草和名と言
われているが、私の記憶では今とほとんど変わらない白や赤白の鯉が泳い
でいた。
鯉は当時は貴重な食料の一つ。でもお宮さんの周りの鯉は捕ることを厳禁
されていた。事情を知らないよそ者が、堀に入って鯉を触ろうとしたとい
うただそれだけの事情で死罪となったとも聞く。
お宮さんの境内には沢山の露店が開かれている。見せ物小屋もあった。
お宮さんにつくと、まずお参りをする。露店をひやかすのはその後。
ととちゃは賽銭代わりに持ってきた米の小俵を奉納する。永田村全体で一
俵くらいか。一戸あたりは今の重さで1kgくらい。たいした量ではない。

つづく

117 :自夜 :2006/12/21(木) 10:09:53 ID:i8dVI8mJ0
前世物語 第一部前世編 第三話 武神の章その三

お参りが終わると故事にあやかった餅が一つづつ配られる。餡入りの餅。
前世の私が生涯食べたもので一番おいしかった食べ物。
餡と言っても塩味の餡。醤油や味噌、ましてや甘味を百姓でも口に出来る
ようになるのはずっとずっと後の世代。
子供達はこれが楽しみで大人達に付き合って祭りに来ているようなもの。
お金を出せば、露店でもこの餅は買える。お金など私ら子供が持っている
わけがない。春一個の、そして秋一個の宝物。姫様役のお調子者などは貰っ
た途端に口に放り込むが、私は大切に持っておく。
大人達は夜まで酒盛り。子供は露店をひやかしたり遊んだり。子供がお金
を持っていないことは店の人も知っている。でも追い払われることはない。
どうしても欲しい物があると、かかちゃにねだる。一個は何か買って貰え
た。たいして価値がある物ではない。がらくたの類。よその家もこれは同
じ。北の港町は田畑がないので雑穀でも結構価値がある。だが、この村は
永田村と同じ農村。雑穀に価値はない。何を代金代わりに払っていたのか
子供の頃は知らなかった。後に猟区で少量採れる砂金と知った。
買って貰ったものは宝物。でも次の祭りの頃にはもう忘れていた。

第四話へつづく

118 :自夜 :2006/12/21(木) 10:12:04 ID:i8dVI8mJ0
>>115は私ですね。ちょっと妖怪に返信してましたんで。  てへっ

121 :自夜 :2006/12/21(木) 19:33:56 ID:i8dVI8mJ0
なるほど、自作自演に見えるんですね。そういう見方もあるのか、勉強になるなぁ。
まぁ、昔はよく自作自演やってたんで、得意技ではあるんですが・・・あれって、
疲れるからなぁ〜。地道に営業活動してますよ、今は。狢名義の書き込みは息抜きですが。
まぁ、どうでもいいはなしです。というわけで、

>>120さん
さよなら

123 :自夜 :2006/12/21(木) 19:57:25 ID:i8dVI8mJ0
>>122さん
何かのはずみで私のように幽霊になる場合もありますが、たいてい消えて無くなります。
長いこと幽霊をやっていてもいつか消えてしまいます。従って、死後の「世界」という
のはありません。
まぁ、私の認識ですが。

125 :自夜 :2006/12/21(木) 20:08:03 ID:i8dVI8mJ0
>>124さん
無に戻るって書くと、まるで量子論のように「無」というものが存在しそうですが・・・
まぁ、いずれ誰でも消えてしまうので、くよくよせんことです。

127 :自夜 :2006/12/21(木) 20:43:22 ID:i8dVI8mJ0
>>126さん
宇宙は無限のエネルギーを持つ「無」から始まったというやつです。
エネルギーと物質は等価ですから「無」というのが存在することになります。

129 :自夜 :2006/12/21(木) 21:16:45 ID:i8dVI8mJ0
>>128さん
39話で打ち切られた某作品のことはよく知りませんが、十数億の迷える意識の集合体
と無とは違うと思います。

130 :自夜 :2006/12/22(金) 09:59:01 ID:ZavjKAnt0
前世物語 第一部前世編 第四話 負神の章その一

夜になると、だいたい酒盛りの場でそのままごろ寝。子供達も親の元に戻
る。
その頃になって私はようやく貰った餅を取り出して、少しづつ、少しづつ
食べる。女の子はそうする子が多かった。すぐに食べてしまっては勿体な
い。いや、神様から貰った大切な物、少しでも長く身につけていたい。そ
ういう想い。
古今東西女の子の楽しみはお喋り。星を見ながらいろんな話をする。幼い
兄弟の話、隣村の男の子の話、将来の話。女の子の夢はお嫁さん。
瑞穂、私と仲が良い永田村の女の子。瑞穂はことあるごとに夢を語る。百
姓以外の所に嫁ぐ夢。百姓が嫌いなわけではない。この郷を出たいのだと
言う。
私は将来のことなど判らない。自分が嫁になる姿は想像できない。でも、
村を出たいという気持ちは判る。永田村の女性は外に出ることは滅多にな
い。年に2回の村祭りくらい。私は村の外の世界を知りたかった。東の峠を
越えてなかのおにちゃが行くという隣の国を見たかった。
後に嫌と言うほど村の外を歩き回ることになる。

つづく

132 :自夜 :2006/12/22(金) 10:01:13 ID:ZavjKAnt0
前世物語 第一部前世編 第四話 負神の章その二

次の日、村人はまた大川沿いをだらだら歩き、永田村に戻る。
秋の村祭が終わりめっきり寒くなってきた頃、男衆の酒宴が氏神様のとこ
ろで行われた。
村の男衆は酒好きで、何かと理由を付けては氏神様のところで酒宴を行う。
村祭の時は大目に見られているが、百姓が酒を飲むのは御法度である。だ
から、飲む酒は密造酒ということになる。米から作った濁酒。村祭で飲む
酒もこれ。これを飲む資格があるのは家長と総領だけ。総領以外の若衆は
酒宴への参加資格もない。
氏神様はお宮さんに祭られる高貴な女性の軍勢に負けた神様。この郷の土
着の神様。助命の代わりに渡来の神に仕えることになった神様。その仕え
る行事の名称が氏神様の神社の名前。
でも、私ら郷のものは真実を知っている。郷だけの神話として伝えられる
話。
女性の軍勢が北の海岸に押し寄せたとの知らせに氏神様は単身で談判にま
いられた。見たこともない大軍勢の前で古式どおりの仕来りで口上を述べ
られる氏神様。口上の内容は軍勢の目的の誰何。和か、戦か。

つづく

133 :自夜 :2006/12/22(金) 10:03:40 ID:ZavjKAnt0
前世物語 第一部前世編 第四話 負神の章その三

小馬鹿にしたような態度の軍勢、それでも仕来り通りの口上を繰り返す氏
神様。突然後ろから矛で刺され、崩れ落ちる氏神様。蹂躙される村々、虐
殺される村人。逃げまどう女子供達。そうして私らの郷は一度滅んだ。
生き残った人々が氏神様の亡骸をようやく見つけたとき、その傍らには古
代の文字、女性の軍勢には読めない文字で「このうらみわするべからず」
と地面に書いてあったという。
女性の軍勢は暫くこの郷に陣を構えた後、より豊かな東の地へ発った。何
人かの武将を残して。この後、何百年もこの郷は搾取されることになる。
これが語り継がれた神話の中身。そして木板に古代文字で「このうらみわ
するべからず」と書かれたものが氏神様のご神体。
村祭へのだらだら歩きは気が進まないことの表れ、米を納め餅を貰うのは
まだ支配は続いているんだぞという軍勢側の意思の表れ、だらだら村へ戻
るのは行かなければよかったという後悔を表すものだと後にととちゃに教
わった。子供の目には単なる酒好きに見える酒宴も古代の誓いを新たにす
る儀式なのかも知れない。
この日の酒宴になかのおにちゃが初めて喚ばれた。

第五話へつづく

135 :自夜 :2006/12/22(金) 10:07:35 ID:ZavjKAnt0
>>131さん
ポエム板って言われたのは初めてですねぇ。そこがどんなところか知りませんが、
ポエムとは縁遠いと思うなぁ。

139 :自夜 :2006/12/22(金) 18:05:39 ID:ZavjKAnt0
>>137さん
ほんと、性格が汚いですよね。こんなんもありますよ。

オカルト板住人ってうんこするの?

18 :自夜 :2006/12/21(木) 22:57:10 ID:i8dVI8mJ0
>>17さん
こんなところで質問されるとは夢にも思わなかったです。一応質問には答える主義なので答えます。

君がオカルト板で唯一うんこをする人ですね!! 二日に一回らしいですが、>>4さんもしますよ。
どんな色ですか!?       だいたい紫が多いですけど、たまに紅白の縞模様です
楽しいですか!?        うんこしてるときは何も考えていません
君の特技は何ですか!?     無気力無感動
君の趣味は何ですか!?     嵐いじめ
君の友達は何人いますか!?   3.6人くらい  
この話しを広めていいですか!?  いいですよ

文字通り、汚いですね。
なんなら、自夜名義、狢名義、その他名義で書き込んだ板、全部晒しましょうか?

と、人の探す楽しみまで盗ろうとする。本当に汚いですね。

>>138さん
経験上、あんまり人に「死ね」とか「逝ってよし」とか「○△×」とか言わない方が良いですよ。

141 :自夜 :2006/12/22(金) 20:44:52 ID:ZavjKAnt0
>>140さん
じゃぁ、まずオカ板の自夜名義から
 前世物語
 親のセックスを見た時
 クリスマスの怖いうわさ
 霊信じてる奴、また詳しい奴に質問
 前世、生まれる前のこと憶えてる人いる?3
 幽霊の定義
 まんこのふしぎ
 【ハズカシイ】寝言告白大会【キカナイデ】
 オカルト板住人ってうんこするの?
 2007年3月15日までに異星人は地球と公式接触
 幽霊とセックスする方法はないか?
 人生相談 オカルト相談
 わ、わしの股間のマンモスが猛り狂っておるわい!
 ■■■ あ り え な い 落 し 物 ■■■

142 :自夜 :2006/12/22(金) 20:50:06 ID:ZavjKAnt0
>>140さん
次にオカ板の自夜以外の名義。重複してるのは私のポカミスです。
狢名義
 前世物語
 親のセックスを見た時
 【衝撃のトリビア!】なんと平仮名は元々漢字だった
 ユダヤによる亜細亜の陰謀
 【百鬼】妖怪達の集うスレ【夜行】
 「寄生獣」の正体
 自殺の名所=心霊スポット
 今考えるとやばい子供の頃の思い出・3
 何か足りない・・・血が・・・。
 ちんことかまんこのオカルト
小豆名義
 【百鬼】妖怪達の集うスレ【夜行】
unknown名義
 俺がどんな質問・相談にも答えてやる!

143 :自夜 :2006/12/22(金) 20:51:55 ID:ZavjKAnt0
>>140さん
142の補足、小豆名義はミスじゃぁないですね。

今、生きているオカ板のスレは上記で多分間違いないと思います。落ちたスレでは
自夜名義で「霊体験か幻覚か」かなんか、そーゆースレに書いたかな。これ以上は
覚えてないです。

あと、N+には自夜名義、未知名義で、鉄板には自夜名義で、二輪板には未知名義で
書き込んでます。ほとんど落ちてますが、まだ生きてるのもあるかも。
N+、鉄板、二輪板、空飛板、科学N板その他のunknown名義は私ではありません。

これで、いいかな?

148 :自夜 :2006/12/23(土) 09:11:41 ID:9ui+hOoE0
>>144さん
ん〜、さすがにそれは面倒くさいですねぇ って、144さんも
「前世、生まれる前のこと憶えてる人いる?3」に書き込んでるじゃないですか。
私これにレス付けようかどうか迷ってたんですよね。
「海水飲むと喉が渇くから、単に溺れ死んだだけかもしれませんね」って。

>>145さん、>>146さん
どうもです。
莫迦をからかって遊ぶなんて、そんなことしてますよ。

149 :自夜 :2006/12/23(土) 09:15:13 ID:9ui+hOoE0
>>147さん
自然消滅してしまったのなら仕方ないですねぇ。
でもまぁ、よく知りませんが、鑑定ってのは、例えばよく見る夢があって、これって
前世の記憶でしょうか? ってな感じじゃないでしょうか。だったら私は不要です。
はっきりしてますし。
それとも「貴方の前世は3,200円」とか鑑定してくれるんでしょうか。それならちょっと
鑑定してもらいたいかも。

150 :自夜 :2006/12/23(土) 09:20:01 ID:9ui+hOoE0
前世物語 第一部前世編 第五話 山神の章その一

一説には大山津見神の娘、石長比売が山の神の一員であったことからそう
呼ばれるようになったとあるが、いつしか自分の女房を恐い神様に例えて
山神様と呼ぶようになったという。
男衆が酒宴をやっている間、永田村の山神様達も別の場所に集まって宴を
開く。持ち寄りで、食べ物はいつもの夕餉よりちょっと御馳走、飲み物は
雑穀で作った濁酒や、山苺等で作った果実酒。もちろんこれらも密造酒。
この宴、酒宴への参加資格がない若衆や子供達も一緒。最初は一緒に飲み
食いしていても、いつしか若衆は若衆だけで輪を作っている。
酒は子供にも振る舞われる。山苺の果実酒はほんのり甘くて美味しい。無
花果はすっきりした酒になる。今のワインに比べると、アルコールは随分
弱いものだと思う。雑穀の濁酒はとにかく酸いい。これを好んで飲む山神
様もいるが、これは主に若衆の飲み物。
山神様達はよく食べよく喋る。日頃黙々と野良仕事をしている姿からは想
像もつかない。酒が進んでくると、話題も徐々に卑猥な方に変わってくる。
子供達にはいい性教育になるのだろうが、この頃には眠気が襲ってくる。
若衆は更に縮こまって黙々と濁酒を飲む。

つづく

151 :自夜 :2006/12/23(土) 09:22:29 ID:9ui+hOoE0
前世物語 第一部前世編 第五話 山神の章その二

饂飩を食べた。そう、この宴で饂飩を食べた。今の饂飩と全く変わらない
麺。この麺を茹でて暖かい塩水のような汁をかけて食べた。
蕎は日頃の夕餉で出た。今で言う蕎麦掻き。蕎を麺にして食べた記憶はな
い。
あと記憶に残るものとしては椎か団栗からつくったクッキー状のもの。泥
鰌を糠で漬けたもの、漬泥鰌は珍しく塩味以外の味。兎、これは焼いても
食べるが、煮込んで汁にしたものも旨い。鶏肉から脂分を抜いたような感
じ。当時は特に肉食が禁じられることもなく、隣村の坊さんも獣肉を食べ
ていたが、兎は一羽二羽と数えていた。山鳥は脂が多いので、ちょっと苦
手。
そう、永田村は米は良くとれた。だが半分は年貢として盗られ、残り半分
は納米として氏神様に捧げる習わし。日頃米の飯を食べることはない。
酒宴で男衆が飲んでる濁酒はこの納米から造られる。また、下米と言い、
納米の一部を酒宴の時などで振る舞われることがある。
この宴でも下米があり、握飯が出された。米の飯は大御馳走。
そして、宴は終わり、握飯が出された訳を私は翌朝知った。

つづく

152 :自夜 :2006/12/23(土) 09:26:56 ID:9ui+hOoE0
前世物語 第一部前世編 第五話 山神の章その三

翌朝、いつものように皆で朝餉を食べ終わると、ととちゃが草鞋を、かか
ちゃが握飯の弁当をなかのおにちゃに渡した。私ら小さな兄弟は知らされ
ていなかったが、今日がなかのおにちゃの旅立の日だ。
家の者皆外に出て見送る。他の家は入り口も窓も塞いでいる。別れは昨晩
既にしている。
うえのおにちゃが自分の大切にしていた手刀を差し出す。
「もっとけ」
「・・・・・・よかよ」
「ええけんもっとけ」
じっと手刀を見るなかのおにちゃ、やがて手刀を手にする。
「・・・じゃ、もろーとく」
ととちゃ、かかちゃの順でなかのおにちゃが別れの言葉を述べていく。最
後が私の番。なかのおちちゃが私の髪をくしゃくしゃと掻き回す。
「お自夜、ととちゃ、かかちゃをだいじにな」
私は「ん」と言うのが精一杯。そうして、なかのおにちゃは旅立った。
雪が降るまでに、あと数名の若衆が村から旅立っていった。

第六話へつづく

156 :自夜 :2006/12/25(月) 18:55:48 ID:06vySfY60
昨日はお休みしました。すみません。何とか1日1話のペースは保ちたいと
は思っているんですが・・・
前回最後の方、「なかのおちちゃが私の髪を」って何でしょうね。
「なかのおにちゃが私の髪を」に訂正します。

>>153さん
読んで頂いてありがとうございます。ネット可能な病院なんですか?うら
やましいですね。私が入院してた病院は駄目でした。もっとも目の病気だっ
たんで、PCも触れなかったんですが。手術前後の検査やらなんやらで忙し
いときはともかく、あとはひたすら退屈だったのを思い出します。
やっぱり、先行きの不安があるものだから、気が付くと同じことをぐるぐ
る考えていたりして。他人からは「ふてぶてしい患者」とみられていたよ
うですが・・・・・・
何はともあれ、このスレが>>153さんの少しでも気分転換になれば幸いで
す。

>>154さん
いままでおつきあい頂きましてありがとうございました。

>>155さん
なんとか、続けたいと前向きにはなってるんですがねぇ。

157 :自夜 :2006/12/25(月) 18:59:08 ID:06vySfY60
前世物語 第一部前世編 第六話 坊主の章その一

なかのおにちゃが居なくなっても生活は変わらない。
雪が降る頃になると野良作業はほとんどなくなり、村人は家内で過ごすよ
うになる。農機具の手入れ、藁細工、着物の修繕、木の腕造り、やること
は多い。
子供達は元気だ。雪が降ろうと外で遊ぶ。雪ならではの遊びもある。
吹雪くとさすがに外では遊べない。そんな日はかかちゃや大きいおにちゃ、
おねちゃから昔語りなどを聞いて過ごす。いろんな話を聞いた。今に伝わ
る話もある。
主人公の名前は嶋子、丹後の国は人。ある日釣りに出かけ、乙姫の化身で
ある七色の亀を釣り上げる。乙姫に姿を変えた亀は嶋子を誘い、蓬莱島で
嶋子は夢のような三日間を過ごし、故郷に帰る。故郷の様子はすっかり変
わり、既に三百年過ぎ去っていたことを聞かされる。嶋子はその地で死ぬ
まで一人で暮らす。
私が聞いた話に亀を虐める子供や竜宮城は出てこない。玉手箱もない。
丹後の国、宇良神社に伝わる話によく似ていることに気付いたのは最近の
こと。

つづく

158 :自夜 :2006/12/25(月) 19:01:53 ID:06vySfY60
前世物語 第一部前世編 第六話 坊主の章その二

隣村の物知り坊さんもよくいろいろな話をしてくれる。
この国の生い立ち。どろどろの海から矛を突いて垂れた滴が固まって出来
た大八州。いろいろな神様をお産みになった神様の話、乱暴者で神様の国
から追い出された神様の話、その神々の子孫が日向の国から東に旅立ち、
今の天皇様になった話。天皇様と呼んでいたか、天子様と呼んでいたか、
そのへんの記憶は曖昧。
それから、海の向こうまで天皇様の軍勢が攻めに行った話、海の向こうか
ら異形の軍勢が攻めて来た話、今で言う歴史の授業。
そう、後の学校や寺子屋などなかったが、その寺が私らの学校代わり。
歴史だけでなく、読み書き算術も坊さんから教わった。
仮名は今よりも種類が多い。今で言う変体仮名。当時は普通に使っていた。
今でも店舗の看板などで時折見かける。
片仮名は今と同じ。仮名だけでなく、漢字も教わった。ととちゃ、かかちゃ
も普通に読み書きは出来る。ただ、氏神様のご神体の古代の文字。これを
教わることはなかった。総領にだけ教えていたのだと思う。
算術は数の数え方から始まって、物の量り方、年貢の計算。

つづく

159 :自夜 :2006/12/25(月) 19:05:59 ID:06vySfY60
前世物語 第一部前世編 第六話 坊主の章その三

年貢の計算は百姓にとって一番大切な算術。役人はすぐ年貢の量を誤魔化
そうとする。余分にとった分を自分の懐に入れるため。だから百姓は年貢
の量くらい自分で計算できなければ駄目だという。
なぞなぞみたいな問題も出される。今で言う鶴亀算。出てくる動物は雉と
猪。鶴亀が目出度い生き物だと言うことは知っていた。鶴は冬に北からやっ
てくる美しい鶏。亀は小川にいる小さい物しか知らない。海には手足が鳥
の羽のような形をして、人が乗れるくらいの大きい亀がいるというが、想
像もつかない。だから、嶋子が釣り上げた亀も私らの頭の中では掌に載る
くらいの亀。とても万年生きるとは信じられない。
雉と猪はなじみ深い動物。夕餉に出てくることも多い。子供達は競い合っ
て雉猪算に取り組む。寺の庭は子供達が小枝で書く計算式で瞬く間に埋め
尽くされる。
坊さんの口癖は「じんせーむなしーもんだ。はかねーもんだ」。合戦話の
あとは必ずこの言葉で締めくくる。雪が溶け、大地が緑に覆われる頃になっ
ても目を閉じてしみじみとこの口癖を言う。
この坊さんから仏様の話を聞いた記憶はない。

第七話へつづく

160 :自夜 :2006/12/26(火) 15:07:17 ID:TvrcSo3A0
前世物語 第一部前世編 第七話 馬鹿の章その一

京、天皇様がお住まいになると言う京。広い道が縦横に通り、沢山の人々
が行き交うという京。永田村から歩いて一月くらいの所にあるという。
これも坊さんから聞いた話。
京には天皇様から任命された将軍様がおり、この国全体を守っている。将
軍様から任命された天守様がそれぞれの国を守っている。
百姓は天守様から守られる代わりに年貢を差し出す。天守様に差し出した
年貢の一部は将軍様や天皇様に送られ、彼らの生活を支える。
これが、この国の仕組み。
私ら百姓は野良作業で忙しい。だから、昔話のように海の向こうから異形
の軍勢が攻めてきた時には天守様に守って貰う。これは納得できる。
だが、今の世、馬鹿者共が蔓延ってあちこちで戦を起こし、国の取り合い
をしているという。
馬鹿者共の目的は私利私欲。自分たちがよければ、他はどうなってもかま
わない。
「坊さん、したら、ここにも馬鹿者共が来ると?」
「いずれ、くるじゃろーのー」

つづく

161 :自夜 :2006/12/26(火) 15:10:17 ID:TvrcSo3A0
前世物語 第一部前世編 第七話 馬鹿の章その二

「こんさとはーのー、ゆたかなさとじゃからのー、だれでんほしかろー」
「そんときゃ、天主様、守ってくるる?」
「さーどーかのー」
守ってくれなければ、毎年毎年年貢を盗られる意味がない。
「天守様が守ってくれんかったらどーなると?」
「どーなるかーのー、だれかがはたけたがやさなーばかもんどもーも、くー
ていけんけー、かんたんにはぁ、ころされんやろーがのー」
「・・・・・・」
「おいださるーかもしーれんのー」
殺されるのも嫌だ。追い出されるのも嫌だ。ここは私らの土地だ。
馬鹿者共も、元は百姓だったという。天守様が過酷な年貢を取り立てたり、
役人が年貢をちょろまかすために百姓を騙したり、それで堪りかねて謀反
したのが始まりという。その結果、今まで年貢として納めてきたものが自
分の物となり、もっともっと欲しくなるという。
人間って悲しい生き物だなと思う。
「じんせーむなしーもんだ。はかねーもんだ」

つづく

162 :自夜 :2006/12/26(火) 15:13:31 ID:TvrcSo3A0
前世物語 第一部前世編 第七話 馬鹿の章その三

「まー、なるよーにしーか、ならねーもんだー。かんげーても、せんねー
でーよー」
その通りかも知れない。
春が来て、夏が来て、秋が来て、冬が来て、又春が来る。
巡る季節の中で、永田村の連中は相変わらず野良作業を行い、村祭にだら
だら行き、酒宴を催し、山神様達も宴を楽しむ。また、何人かの若衆が村
から出て行った。
私も大きな子供達の仲間に入り、小さな子供達を仕切って西の低い山に遊
びに出、道に迷って大人達に大目玉をくらうこともあった。
そんなある日、港町に買い出しに行くととちゃに誘われた。
村祭を除けば生まれて初めての遠出。話でしか聞いたことがない港町。心
が躍る。
「明日早かけん、早う寝」
眠ろうとする。眠れない。眠らなければと思う。ますます眠れない。
港町への遠出。仲良い女の子との明日の約束より何倍も何倍もわくわくし
てしまう。

第八話へつづく

170 :自夜 :2006/12/26(火) 15:56:04 ID:TvrcSo3A0
>>165 点ちゃん
電気溶接用絶縁革手袋の宣伝はやめたの?   あ、私、某所での狢です

>>163さん、>>164さん、>>166〜169さん
なんか、よくわかりませんが、ご苦労様です。

173 :自夜 :2006/12/26(火) 23:12:44 ID:TvrcSo3A0
>>171さん
多分、点ちゃんからは答え来ませんよ。点ちゃん、スレタイしか見てないから。

>>172さん
地獄に仏のような書き込み、有り難うございます。救われるような思いです。

かと言って改心はしませんけどね。地獄も仏もないと思ってますし。
(こんなこと書かんどけばいいのにねぇ)

それはともかく、早いとこ終わらせて楽になりたいというのも本音でして。そういう
わけで、さぼった日曜日の分、うぷしますね。

174 :自夜 :2006/12/26(火) 23:14:33 ID:TvrcSo3A0
前世物語 第一部前世編 第八話 港町の章その一

永田村の田畑の端から端まで歩くより長く家並みが続いている。その先が
海。
まぁーでっけー水たまりだこと。海を見た正直な感想。
「ととちゃ、この水が全部塩の元か?」
「ん」
「あっちに見える島がよその国か?」
「んにゃ、よその国はもっともっと遠くたい」
「むこーの霞んでよーみえんとがそーか?」
「んにゃ、あの霞のずーっと先がよそん国たい。海と空の際より下にある
 けん、こっからは見えん」
地球は丸いから遠いところは見えないという。理屈はよくわからなかった
が、そんなものかと思う。
港には沢山の人が働いている。町の方にも人人人。まっすぐ歩くのも難儀
なくらいの人。
「京はよ、ここより何倍も人が住んじょる」
「ほひゃぁぁ」

つづく

175 :自夜 :2006/12/26(火) 23:16:52 ID:TvrcSo3A0
前世物語 第一部前世編 第八話 港町の章その二

よその国から沢山の荷物を積んだ船がこの港に入り、国内の更に別の所に
送るために荷を積み替える、また、あちこちから来た荷を大きな船に積み
替えてよその国に送る。そんな荷を運ぶ人たちが沢山いるのだということ。
そんな人夫さん達の飯や寝泊まりするところを提供する商売があること。
荷や人夫は証文で管理されていること。その証文を書くだけの商売がある
こと。支払いは米、雑穀の他に貨幣というものが使われているということ。
そんなことをととちゃは教えてくれた。
証文を書くだけの人が一番偉くて、町中に倉をいっぱい持ってるという。
「ととちゃ、その証文だけ書いつる人は坊さんのゆー馬鹿者共の一味か?」
「んにゃ、狡賢けー連中やって、まんだ人ん為ん事ばしよー。自分ばっか
 得しよーわけやなか。」
「ふーん」
「こいから先、世ん中がややこしゅーなるほど、こん連中のよーな輩が多
 くなるとぞ」
「何百年かで、百姓は半分もおらんようになっかもしれん」
「そげな莫迦な世がくっかね」

つづく

176 :自夜 :2006/12/26(火) 23:19:18 ID:TvrcSo3A0
前世物語 第一部前世編 第八話 港町の章その三

その夜、生まれて初めて宿屋というものに泊まる。相部屋と言うか、板張
りの広間に適当に寝る。宿賃は雑穀で払っていたようだ。この辺の土地は
海の塩が染みこんでいるので田畑は出来ない。だから、雑穀でも価値があ
る。
海辺の宿。寄せては返す波の音。町の酒場のざわめき。百姓同様人夫達町
衆も酒は禁じられているはずだが、お構いなし。
「ねれんか?」
何処から持ち込んだか、寝酒をやりながらととちゃが言う。
「ん。夜でも騒がしか」
永田村の夜は音がない。時たま獣の遠吠えがするくらい。ここは音が途切
れることはない。寄せては返す波の音。
ととちゃの横で、暗がりの板壁を見ながら海の向こうにあるというよそ国
はどんな国なんだろう。この町より何倍も大きいという京はどんなところ
なんだろう。そんなことを考えていた。
ととちゃは京に行ったことがあるかもしれない。ふとそんなことも思った。
翌朝、大きな荷を背負ってととちゃと私は村へ帰った。

第九話へつづく

178 :自夜 :2006/12/26(火) 23:28:53 ID:TvrcSo3A0
>>177さん
すみません。私には死んだ旦那が一人とまだ生きてる旦那が一人います。
また、前世の記憶があるくせに、来世は信じていません。というわけで、嫁にはなれません。

でも、応援は罵倒と同じくらい歓迎です。ありがとうございます。今後とも、よろしくです。

179 :自夜 :2006/12/27(水) 09:28:06 ID:TFnFPVdZ0
前世物語 第一部前世編 第九話 野辺の章その一

人は簡単に死ぬ。
風呂上がりにズッ転けて金玉かち割ってと言ったのは坂本龍馬だったか、
この時代、湯につかる風呂は百姓家にはない。村人は大川で、或いは井戸
の水でその日一日の汗を流した。
村人が病気になるか怪我をすると隣村の寺に駆け込んだ。呪いしかしない
坊主もいると言うが、何処で得た知識か、隣村の坊さんは一応医者らしき
治療をした。怪我人には薬草らしきものをぐちょぐちょにしたものを患部
に塗ったし、病人には訳のわからん薬を飲ませたりした。もちろん、坊さ
んの手に負えない時は呪いで誤魔化したりもした。
怪我人は大概治って帰ってきた。大怪我の時は手足を失うこともあったが、
死ぬよりは片輪の方が良い。片輪は片輪なりにやる仕事はある。
でも、何人かに一人は帰ってこない。狂い病?そんな言い方をしていたよ
うな気がする。今で言う破傷風。いや、狂犬病を狂い病と言っていたか。
破傷風も狂犬病も怪我自体は峠を越えてそろそろもう大丈夫かという時期
に発病する。区別はつけてなかったのかも知れない。
突然発作が起き、三日三晩苦しんで苦しんで苦しんで苦しみ抜いて死ぬ。

つづく

181 :自夜 :2006/12/27(水) 10:40:40 ID:TFnFPVdZ0
前世物語 第一部前世編 第九話 野辺の章その二

破傷風の場合は苦しみ抜いたあげく、鬼の形相で死ぬ。狂犬病は涎を垂ら
し、吠える。文字通り畜生道に落ちるが、気を失って暫くして死ぬ頃はま
だまともな形相。やはり区別はしていたと思う。畜生道に落ちた方は、庵
ごと焼く。伝染るからだ。鬼になった方は焼かなかった。
傷口から悪いもんが入って苦しめる。坊さんはそう説明する。間違っては
いない。でも、発病したら助からない。坊さんの説明は意味がない。
病気の場合、半分くらいは帰ってこない。風邪を拗らしたくらいで簡単に
人は死んだ。
はやりやまい、流行病。何十年か毎に襲って来るという。この世の地獄だっ
たと長老や坊さんは言う。幸いにして私が生きている間は流行ることはな
かった。それでも人は病気で簡単に死んだ。
瑞穂、私と仲がよかった女の子。十になって大人の仲間入りしたての春に
死んだ。咳き込んでいた。
「かぜけ、坊さんとこ行って薬飲んでけば」と村の女の子。
「坊さんと行ったば冷とーなって帰ってこ」これは私。
言わなければよかった。こんなこと言わなければよかった。

つづく

183 :自夜 :2006/12/27(水) 21:43:16 ID:TFnFPVdZ0
やっと   つな   が   きせき   もう     だめぽ

なんて書き方しなくてもいいですね。台湾地震で海底ケーブルが切断されたとかで
非常に繋がりにくい状態です。>>179の書き込みの後、急に調子が悪くなり、>>181
書き込みが出来たかどうか、今の今まで判りませんでした。
今も、奇跡的に繋がったような状態で、この書き込みも本当に大迂回して届くのか
判らない状態です。

で、本業の方もネットがなければ出来ない商売なんで、そっちの方を優先すること
とし、こっちは本格回復するまでトラフィック軽減のためにもちょっとお休みにな
るかと思います。

んでもってお願いなんですが、その間、落ちない程度にageといてもらえますか?

恩にきます。それでは、またおあ  でき   さよな        ぬるぽ

185 :自夜 :2006/12/28(木) 20:39:50 ID:UaEbO/8o0
前世物語 第一部前世編 第九話 野辺の章その三

ある夜血を吐いた瑞穂は坊さんとこに担ぎ込まれ、そのまま帰ってこなかっ
た。
担ぎ込まれた人が死ぬと、坊さんの役目は終わり。亡骸を皆で墓地まで運
んで穴掘って土被せて石置いて終わり。棺桶は使わない。生前身につけて
いた物を一緒に埋めることもある。
瑞穂が死んだと知らされた朝、私ら女の子はそこら中に咲き誇る春の花を
ぶちぶちぶちぶち千切って両手いっぱいに抱えて瑞穂の骸の周りに供えた。
花の色が鮮やかで華やかで、瑞穂の青い死の色が目立つ。
悲しくないはずがない。誰も泣かない。無言で弔いをする。人が死ぬ度に
泣いていたら、涙がいくらあっても足りない。
墓地は隣村との境にある。隣村との共同墓地。たいそう古い墓地。一番古
い人は千年くらい前の人。氏神様はもっと古い人。
赤子が死ぬと墓地は使わず家の出入り口の脇に埋める。墓標は造らない。
まだ、人として充分でない死。死者の国に送るのは忍びない。寂しくない
ように、そして今一度我が家の子として生まれてくるように。
そんな気持ちを込めるのだという。

第十話へつづく

186 :自夜 :2006/12/28(木) 20:43:07 ID:UaEbO/8o0
前世物語 第一部前世編 第十話 希人の章その一

我が家の出入り口脇にも何人かのおにちゃ、おねちゃが眠っている。私は
だれかの生まれ変わりだろうか。そうだといい。ととちゃ、かかちゃが喜
ぶ。
私らの郷は街道筋から離れている。出て行く人はいても、やってくる人は
少ない。せいぜい港町の向こうから時たま役人が来るか、旅の僧侶が迷い
込む。滅多に訪れない客。だから希人。旅の人という意味。希人は幸福を
運んでくる。物欲を運んでくる。情報を運んでくる。不幸を運んでくる。
年に一度やってくる希人もいる。行商人。幸福と物欲と情報とを運んでく
る。村人は行商人が来るのを楽しみにしている。そして時たま不幸を運ん
でくる。
行商人は背中いっぱいに大荷を担いでくる。新しい品種、夏の干、秋の冷
にも負けない籾をもたらす。新しい農機具の作り方、農作法。これが幸福。
京の様子、他の国の様子、新しい物語、これが情報。物欲は大荷そのもの。
日頃質素な郷であるが、行商人が来ると、物欲に火が点く。
男衆は手刀。手刀は男衆の宝物。誰よりもいい品を持ちたい。手刀は野良
作業でも綱を捌いたり農機具の手入れに使うが猟では手放せない道具。

つづく

187 :自夜 :2006/12/28(木) 20:47:13 ID:UaEbO/8o0
前世物語 第一部前世編 第十話 希人の章その二

あれも駄目、これも駄目。百姓には禁じられていることが多い。勿論、さ
むらいに盾突かないため。百姓はあの手この手で規制を逃れる。
弓矢もそう。百姓は弓矢の所持を禁じられている。罠だけでは獲物は獲れ
ない。飛び道具は必要。弓矢を木の枝と蔓から百姓は手刀で使い捨ての弓
矢を作る。猟が終われば弓矢は捨てる。弓矢を手際よく作るのにいい手刀
が皆欲しい。
山神様達、そして私ら女の子は櫛。漆塗りの櫛。この頃の女性達は後の世
と異なり、後ろで束ねただけの簡単な髪型。古代のように髪の長さで女性
の価値が決まるようなことはない。皆背中の真ん中あたりまでしか伸ばし
ていない。馬の尾、馬の尻尾などと呼んでいた。たんにしっぽとも。
地球の反対側でも似たような呼び方をしているなんて、もちろん知らない。
漆は永田村から三十里くらい行ったところに大産地があるらしい。大きな
大きな川の両岸に漆の木が立ち並んでいるという。永田村からその地に行っ
て帰ってきた人はいない。
漆の櫛は高価で軽く嵩張らない。だから、行商の品としては言うことない
と希人は言う。

つづく

188 :自夜 :2006/12/28(木) 20:50:33 ID:UaEbO/8o0
前世物語 第一部前世編 第十話 希人の章その三

「でもよー、途中でまんまにかえちまうだ。背に腹は代えられね。で、京
 につくころにはちびっとしか残ってね。あぁ、おれは、莫迦だぁ。今年
 も儲け損ねたって、京に戻るたんびにおもーとー」
希人が私らの郷に立ち寄って利益があるのかどうか、それは希人の問題。
私らが心配することではない。
「ま、おらっち阿呆だけんど、損することはせんよー」
雑穀くらいしかない村だが、それなりに利益があるのだろう。
希人は毎年隣村の寺に泊まる。村の家で希人を泊める余裕のある家はない。
希人と坊さんは古い知り合いだという話もある。直接確かめたことはない。
希人が運んでくる不幸は秘密が漏れること。私らの村、いやこのあたりの
郷の村は大なり小なり禁を破っている。そうしなければ、生きていけない。
役人に密告されるのが一番恐い。村ごと簡単に潰されてしまう。百姓にさ
むらいに盾突く力はない。
だから、いくら村に幸福をもたらす希人であっても秘密は明かせない。
私らの村を出て希人は港町へ向かう。港町のすぐ向こうには役所がある。
港町から先、希人が何処へ向かうのかは誰も知らない。

第十一話へつづく

189 :自夜 :2006/12/28(木) 21:12:28 ID:UaEbO/8o0
なんか、とーとつに繋がるようになりました。まだまだとろいけど。
この空きに出来るだけうぷしときます。

>>180さん
前世はともかく、他はそうかもしれませんね。

>>182さん
どうも、ありがとうございます。いまのところ、体は大丈夫です。頭の中は自信ありません。

>>184さん
どうもです。なんとか、前半(1クール目)は年内に終わりそうです。

だれもガッしてくれないので、寂しい自夜でした。  くやしいから自分でしちゃる。>>183 ガッ★

190 :自夜 :2006/12/28(木) 21:23:30 ID:UaEbO/8o0
前世物語 第一部前世編 第十一話 狸狢の章その一

永田村の西に流れる大川は命の源。田圃で実る米の稲の命の水。飲み水こ
そ井戸から得ていたものの大川から引く水がなければ百姓は成り立たない。
大川は炭焼きの村の奥の峠あたりに始まり、私らの郷を延々と流れ、港町
で海に注ぐ。郷の村々は全て大川から田圃に水を引く。
村々は互いに顔見知りで娘がお互いに嫁いでいるので親戚でもある。だが
水の取り合いは命がけ。実際に刃傷沙汰になったこともあるという。
それに懲りたか、はたまた太古からの習わしか、私らの頃はだいたい話契
という話し合いでなんとかなっていたようだ。
大川の向こうは低い山々。ここは誰のものでもない。この郷のものの共通
の宝。狸や狢が多く住み、獲物には乏しい山々だがここには山神様達の大
切な御神酒の元、山苺や山葡萄、柘榴、無花果、通草が豊富に採れる。茸
の類も無尽蔵。また、子供達の遊び場でもある。
ある日、この山々に入っていた私のすぐ上のおにちゃ、したのおにちゃが
飛ぶように帰ってきた。
「やたっ、やたっ、とったどー」
手には獲物。

つづく

191 :自夜 :2006/12/28(木) 21:35:35 ID:UaEbO/8o0
前世物語 第一部前世編 第十一話 狸狢の章その二

狸は犬科の獣。幼獣の時は子犬そのもの。狸は何でも食べる。人は狸を汁
に煮込んで食べる。俗に言う狸汁。味は人によるが、長い冬を乗り切るに
はなくてはならない食料。狢は狸に似てはいるが、違う生き物。ある種の
狐のように、人を化かすという。狢を喰うことはない。
明治期に近代生物学がこの国に持ち込まれ、狢は狸の別名とされた。種と
しての独立が失われたわけだ。行き場を失った狢はそれ以降妖怪となる。
私らの頃は狢は普通の獣。人を化かすが珍しくはない普通の獣。人を化か
すが故に、この山々の狢は人の罠にはかからない。矢には当たらない。多
分狢が手助けしているのだろう。狸もその山では滅多に獲れない。
その山でしたのおにちゃが狸を捕ったという。
手足を縛られしたのおにちゃに提げられた獲物はこの世の理不尽を詰るよ
うに吠え立てる。
ととちゃが持つと歯を剥いて今にも噛みつかんばかり。
「ほー、よーとれたの。ほめてやらんがいかんが」
ととちゃの大きな拳がしたのおにちゃの脳天に振り下ろされる。ごちん。
「いっでー、なにするがや」

つづく

192 :自夜 :2006/12/28(木) 21:48:54 ID:UaEbO/8o0
前世物語 第一部前世編 第十一話 狸狢の章その三

「ばかちんが。よう見んか。こりゃ狢や」
これが狢。初めて見る狢。
「狢はぁ喰えん。あした放してこ」
狢は一晩家に泊まった。逃げないように篭を被せて。枷はとってある。狢
はふて腐れたように体を丸くして、顔を人間のいる方と逆に向けている。
私は狢が珍しかった。見れば見るほど狸にしか見えない。これが本当に狢
だろうか。雑穀を潰して菜っ葉を混ぜた餌を置くと、ちらりと見下したよ
うに見て、すぐそっぽを向く。こんなもの儂に喰わせるんかというような
目つき。助かると判ってからは、暴れない。むしろ堂々としている。
そう言えば、普通の狸はもっとおどおどとした目をしている。
助かってよかったねと声をかけると、そっぽ向いたまま軽く鼻を鳴らした。
翌朝見ると、餌はきれいに無くなっていた。
したのおにちゃに提げられた篭の中で、狢は時折振り返っているようだ。
あの狢。人語を解するのかもしれない。
お調子者だったしたのおにちゃは狢事件の後暫く無口になった。
秋が過ぎ、冬が過ぎ、春が来て、私は大人の仲間になった。

第十二話へつづく

193 :自夜 :2006/12/28(木) 22:21:45 ID:UaEbO/8o0
こんなところで、今日は打ち止めです。

自夜物語(相談スレにうぷした初作のことね)では出てこなかった狢さんの登場
です。この狢さん。第一部ではもう出てきません。前世編では殆ど意味がない
キャラクターなんで、自夜物語では割愛しましたが、「狢」名義で余所に書き込ん
でるように、狢には思い入れがあります。また、おいおい話させて頂きますね。

また、繋がりにくくなってきました。この書き込みが、届きますように。

195 :本当にあった怖い名無し :2006/12/29(金) 01:59:39 ID:Xg94u8Y60
やぁ
通りすがりの者ですが、このスレ面白いですね。センスがあります。
帰りに又寄ります。その時はもっとじっくり読んでみます。
自夜さんに一つ質問です。答えてくれなくても良いです。

ネタに詰まったらどうしてますか?

それじゃ失礼します。

196 :自夜 :2006/12/29(金) 02:07:18 ID:Xg94u8Y60
>>195さん
自夜2号につづきをまかせて、寝てしまいます。

ってな感じですかね。

>>194さん
ご満足頂けたでしょうか?

202 :自夜 :2006/12/29(金) 10:20:12 ID:Xg94u8Y60
>>197 ユジうよきさん
きたーーーーーーーーっ。待ってました。こういう書き込みを。
しっかり検証してください。楽しみにしてます。ワクワク。
でも、何で難民板? 学問板なるところでもオカ板でいいのに。偽装難民はよくないですよ。
なんなら、このスレに書き込んでくれてもいいし。
ま、いずれにしても、スレ立てたら、場所ちゃんと教えてくださいね。

>>199さん、>>201さん
まぁ、まぁ、押さえて押さえて。良い具合のお花畑は私も好きですよ。
でも、学文板は話の展開が遅いので、私は馴染めませんでしたね。学理板には染まってますが。

>>198さん
お言葉に甘えさせて頂きます。

>>200さん
よかったですね。

203 :自夜 :2006/12/29(金) 12:24:28 ID:Xg94u8Y60
前世物語 第一部前世編 第十二話 乙女の章その一

十歳になると男も女も大人と同じ仕事をする。朝餉夕餉の支度をし、野良
作業をし、洗濯をし、交代で寺の世話をし、山神様達に混じって御神酒を
頂く。
去年まで一緒に遊んでいた子供達が相変わらず慕ってくれるが、相手にし
ている暇はない。
このような生活をし、五六年で嫁に行く。それが私たち。
嫁ぎ先は近郷の村が多い。村内に嫁ぐことは滅多にない。隣の国に嫁ぐ場
合もある。希に村を出て行く若衆と一緒に出て行く。
申し入れはだいたい男の方から、女の方から申し入れることは出来ない訳
ではない。
交際はない。だいたい男性側から「嫁に貰いて」、「んじゃ、あげよ」、
これで決まる。もっとも村祭りは男女が知り合う場ではある。
おなご同士ではあれがいいとか、これはつまらんとかいう話はよくする。
男衆も当然していただろう。お互い様。
私もこういう話には加わるが、嫁になるという実感が湧かない。それより
大人になって、雲雀や雲を眺めることが無くなったのが寂しい。

つづく

204 :自夜 :2006/12/29(金) 12:27:52 ID:Xg94u8Y60
前世物語 第一部前世編 第十二話 乙女の章その二

男衆があわただしく動き、村の猟区で落武者が見つかったことが知らされ
た。村始まって以来の大事件。
永田村の猟区は東の山々の山腹にある。そこには幾つか谷があり、大小幾
つかの洞窟がある。その洞窟の一つに瀕死の状態で倒れていたという。
落武者は隣村の寺に運ばれた。
こういう事があると、役所に届ける決まりだが、厄介ごとに巻き込まれる
のが嫌で届けないのだという。だからこのことは絶対に口外するなととと
ちゃに厳しく言われた。
隣の国や近郷で戦があったという話は聞かない。落武者がどこから来たの
か、誰にも判らない。
それまでは、近郷の村のおなごが交代で寺の世話に行っていたが、代わり
に山神様達が交代で行くことになった。坊さんの嘆く様子が目に浮かぶ。
ととちゃの話だと、落武者はまだ若いらしい。年の頃で十五六。それでも
甲冑一式を身につけていたということなので、雑兵ではない。
沢山の刀傷や矢傷があり、相当血を失っているが、腹は無傷なので、時間
をかければ良くなる見込みとのこと。

つづく

205 :自夜 :2006/12/29(金) 12:30:32 ID:Xg94u8Y60
前世物語 第一部前世編 第十二話 乙女の章その三

それから一月ほど過ぎ、その青年も寺の周りを杖でまわるくらいには回復
したが、自分のことは一切話さないという。
寺の世話も若いおなごの交代に戻り、坊さんは喜んだ。
寺の世話は庭の掃き掃除、お堂の拭き掃除、台所の掃除、水くみ、夕餉の
支度。青年は離れの庵に居るはずなので、滅多に顔を会わせることはない。
一度だけ、夕餉を庵に運ぶ時。この時だけは顔を会わせる。
線が細い。これがその青年の第一印象。落武者すなわちさむらいだから、
もっとごつい人を想像していた。
礼儀正しい。村に来る役人、これは正確にはさむらいではないが、横柄、
威張り散らしている恐い存在。
「こわがらんでえー、百姓がうえじにゃ、やつらもうえじにじゃ。わし
 もうえじにじゃ。百姓には頭下げんといかんのや」
坊さんはそう言うが恐いものは恐い。だから意外だった。
私ら村娘にもきちんとお礼を言う。食事を始める前に手をあわせ一礼し、
食事が終わった後も手をあわせ一礼する。
いつしか寺の当番を私は心待ちにするようになった。

第十三話へつづく

209 :自夜 :2006/12/29(金) 20:07:16 ID:Xg94u8Y60
>>206さん
恨まれてるんだと思います。誰に恨まれてるか、心当たりがありすぎて・・・

>>207さん
地道な宣伝の効果が出てきたものだと思います。なんか、予想通りの展開で、
かえってつまらん かも。

>>208さん
まぁ、まぁ、どう、どう。
ご要望があれば、自演くらいしますんで、落ち着いてくださいな。
んで、私、「うんち」関係や「妖怪」関係にも出没してますんで、機会があったら
私を恨んでいる人に伝えてくれれば嬉しいです。

211 :自夜 :2006/12/29(金) 20:26:27 ID:Xg94u8Y60
IDがもうちょっとでウザ〜 ってのはどうでもいいですね。

>>210さん
ウザでもいいですよ。ウザ(UZA)ウザ(UZA)。あれ、何か違うな。鏡で見てみる。
アス(ASU)アス(ASU)。これも違うな。何だったっけ?

213 :自夜 :2006/12/29(金) 22:43:22 ID:Xg94u8Y60
>>212さん
いや〜〜ん、私の楽しみを盗らないで〜〜ぇ

さぁて、蕎食べて寝よ。おやすみぃ。

214 :自夜 :2006/12/30(土) 10:02:56 ID:2Uz48muM0
前世物語 第一部前世編 第十三話 青年の章その一

半年も経つと、青年の怪我も概ね治り、青年は野良作業を手伝うようになっ
た。着衣も私らと同じ単衣。寺も出て、永田村のとある家に居候し、ちょっ
と線は細いが何処から見ても百姓のできあがりだ。喋らなければ。
最初のうちは、青年の素性が気になる村人であったが、真剣に野良作業に打
ち込む姿を見ているうちに、皆、そんなことはどうでもよくなっていた。
青年が村に住むようになって、私は嬉しい。
青年が居候している家には私より一つ年嵩の娘が居る。私の家はこれ以上の
人数を寝泊まりさせる余裕はない。私は少し口惜しい。
昼、野良作業で青年を垣間見る。日に日に逞しくなっていく。
夕、野良作業からの帰り、青年が荷を持ってくれる時もある。
「自夜さんは、寺で療養している時に食事を持ってきてくれてましたね。」
「他の娘さん達は、ささっと持ってきて下がってしまう。食事が終わると
 また、ささっと下げに来る。声をかける暇もない」
「自夜さんは食事の間ずっと傍らで控えていましたね。私は待たせては悪
 いから急いで食べるべきか、ゆっくり味わって食べるべきか悩みました。」
それは、私が他の娘と違い、恥じらいをしらないということか。

つづく

215 :自夜 :2006/12/30(土) 10:12:09 ID:2Uz48muM0
前世物語 第一部前世編 第十三話 青年の章その二

青年とのとりとめもない話は楽しい。
「単衣を着ていると、股の間が涼しくて落ち着きません」
足を広げて青年が言う冗談が楽しい。
青年と話している時に居候をしている家の娘が用を青年に言いつける。
すまない顔して立ち去る青年。勝ち誇った顔をする娘。青年が振り返った
のを確かめて、拗ねた顔してそっぽ向く私、目は困った顔する青年から離
れていない。人生は楽しい。
それから3年経ちました。青年はよそ者です。村の若衆同様村を去らなけ
ればなりません。明日がその日です。その晩、青年が家に来てととちゃに
言います。「自夜さんを嫁に下さい」私は真っ赤になって俯いたままです。
翌朝、青年と私は村をでました。山を越えて川を越えて峠を越えていきま
した。途中で弁当の米の握飯を二人して食べました。大御馳走です。これ
が雑穀の粥でも青年と一緒ならいつでも御馳走です。やがてある村に辿り
着き、青年と私は田圃をつくり畑を耕し、共に腰が曲がって、顎が地につ
くまで仲良く暮らしました。どっとはれ
そんなお伽噺を作って私は楽しんだ。

つづく

216 :自夜 :2006/12/30(土) 10:17:31 ID:2Uz48muM0
前世物語 第一部前世編 第十三話 青年の章その三

雪が降り冬が来て、春が来て夏が来て秋が来て、村人は青年がよそ者なの
を忘れた。その日の野良仕事、そろそろ昼餉やと、家に戻ろうとしていた。
遠くから響く聞き慣れぬ音。やがてそれが蹄の音で、騎馬二騎に引かれた
徒十余名の軍隊だということが判る。一瞬我を忘れた私だが、「落武者狩
り」の言葉が頭に浮かぶ。無意識の行動。私は傍らにいた青年を突き倒す
ように、いや、実際に蹴飛ばして物陰に隠した。どっぷん。
兵隊達は村を一通り詮索すると、隣村に向かったようだ。ほっとした時、
「自夜さん、さすがに、これは、くさいですね」
青年は自力で這い上がっていた。田畑の真ん中。隠れるところは肥溜だけ。
青年を小川で洗い、村に戻る。村人は昼餉もそこそこに氏神様の所に集まっ
ている。議論したところで答えは出ない。兵隊は床板まで剥がしたそうだ。
「永田村に怪しい奴はおらんとにのー」臭いのは一人いる。
やがて、先ほどの軍隊が戻ってくる。誰か縛られて引き立てられている。
この辺の村人にしては変わった衣装。それが誰か判った時に村人に沸き上
がる疑問と避難の無言の声。
あの坊さんが・・・・・・・・・・何故・・・・・・・・・・

後半 第十四話へつづく

217 :自夜 :2006/12/30(土) 10:28:17 ID:2Uz48muM0
全角文字125字x8行を250回、まだかなぁ〜〜〜    いや、何でもないです。

ようやっと、前半の終了です。なんとか年内に間に合いました。
海底ケーブルが切れた時にはどうなるかと思いましたが、ぷろばいださんも迂回
回線の確保とか、いろいろ努力しているようで、10年前くらいのトロさですが、
なんとか交信は確保できています。
メールサーバは日本のを使ってるんで、深夜から明け方しか送受信出来ません。
これが一番しんどいですね、今は。
所詮、クーデターは天災にはかなわないってことです。
(クーデターの時、たまたまその国にいたんですが、終始ほのぼのでしたねぇ)

大晦日は物語の方はお休みします。再開は年が明けてからかな。

218 :自夜 :2006/12/30(土) 12:15:49 ID:2Uz48muM0
前世物語 業務連絡5 自夜がweb site開設?の疑惑

和塩に場所だけ確保しました
ttp://anime.geocities.jp/ojiya1539/

期待しても、まだ何にもないですよ

222 :自夜 :2007/01/01(月) 16:27:52 ID:LnrtsUXx0
前世物語 予告編(ショート版その2)

ほんの偶然から見つけた地蔵。高速道路の測道の脇にちょこんと。
すっかり目鼻が流れ丸くなっているが、間違いない。あの地蔵。
そう、ここは私の夫、火袋の終焉の地。
火袋の魂は、まだこのあたりを漂っているのであろうか。安らぎの地に辿
り着いただろうか。
安らぎの地?そんなものはない。
魂?そんなものはない。
そう、私はそのことを知っている。
変わり果てた地蔵に手をあわせ、私は自分探しの旅を終えた。

2chで明かされる自夜の前世の記憶。それでは本編後半をどうぞ。

223 :自夜 :2007/01/01(月) 16:30:17 ID:LnrtsUXx0
前世物語 第一部前世編 第十四話 ひょすぼ その一

訳がわからない。訳がわからない。
口が悪い坊さんであったが、連れて行かれるほどの悪口を言っていた訳じゃ
ない。
訳がわからない。訳がわからない。
ととちゃとあと何人か、事情を聞きに港町の向こうの役所に行った。戻っ
て来たときはとうに丑の刻を過ぎていた。
氏神様の所に皆集まってととちゃ達の話を聞いたが、役所にも入れて貰え
なかったと。連行された理由は全くわからない。ととちゃは明日もう一度
行くという。長老も行くという。
「莫迦こくでねよ。年寄りがあげな遠かとこまで行くるかよ」
これはかかちゃ。
「私もいく」
気が付くと、私は立ち上がって、そう叫んでいた。私も、俺もと何人かが
立ち上がる。青年は目立たないところで座ったまま。顔色が少し青い。
やはり追われる身なのだろうか。単に役人の前に顔をさらすのは気が乗ら
ないのかもしれない。もう、深夜は寒い。

つづく

224 :自夜 :2007/01/01(月) 16:32:31 ID:LnrtsUXx0
前世物語 第一部前世編 第十四話 ひょすぼ その二

夜明け少し前に村を出る。
ととちゃは昨日の遠出で足が痛むという。ととちゃももう年だ。置いてき
た。
私は皆と歩きながら青年を小川で洗ったことを思い返していた。沢山の刀
傷の痕、蚯蚓腫れ。やはりさむらいだ。住む世界が違う。青年はいずれ自
分の世界に戻るのだろう。
途中、朝餉を取る。雑穀を炊いた物を干した弁当。水で戻す。猟の時や冬
の間の食料。味がない。味気ない。
港町を大きく回避する道を選び、午の刻前に役所に着いた。役所は静まり
かえっている。役所の入り口はやせ細った鳥居のような門。門の両脇に番
兵。長い棒を持っている。矛や槍ではない。
右側の番兵の傍らに篭、中に人影、俯く坊さん。口上書は漢文、苦手。
坊主某、流言の嫌疑あり、認めざるにつき三日間晒す。
恐る恐る篭に近寄る。番兵はあらぬ方向を向いたまま。止める気はないら
しい。
「坊さん!!」

つづく

225 :自夜 :2007/01/01(月) 16:34:46 ID:LnrtsUXx0
前世物語 第一部前世編 第十四話 ひょすぼ その三

「坊さん!!」
ゆっくり顔を上げる坊さん。顔色は悪くない。安堵。
「どぉしたぁ、おめーたち」
「どぉしたぁじゃないよ、なしてこがいなこと」
「そこにかいてあるがーよー、なんかぁしらんがぁ、わしがぁなんかきに
 いらんことしたらしいー」
「なんばしたとな」
「それがーよー、いっぺーあってよー、どれがぁ、いちべんやくにんのよー、
 きにさわったかかんがえとったがよー、そいたらよー、だまっとーとー
 はけしからんってーよー、でぇさらしだとぉ」
人ごとみたいにのんびり言う。
「きょうはーよー、あってけーのー」
寝てたのか、坊さん。
「なーもしんぺーするこたぁねー、わしをぉ、ころすきぃはぁねーらしー。
 おめーたちはむらぁかえりな」
「けんど、坊さん・・・」

第十五話へつづく

227 :自夜 :2007/01/01(月) 16:36:57 ID:LnrtsUXx0
前世物語 第一部前世編 第十五話 いぬがみ その一

私らは篭の周りに集まった。番兵は微動だにしない。
「じんせーむなしーもんだ。はかねーもんだ。でもなぁー、すてたもんで
 もねーだ」
「ころすきぃならそれもまたぜぇ、わしぃころしたところでなーもかわら
 ん。ころすほーがようしっとぉろー」
にぃ〜と嗤う。
「なにばゆーてるだ、坊さん」
その時番兵が無表情のまま、つぶやいた。
「もうよかろう。百姓共、村へ帰るがいい」
役人の言うことには逆らえない。
くやしかった、くやしかった、くやしかった、くやしかった、くやしかっ
た、くやしかった、くやしかった、くやしかった、くやしかった、くやし
かった。
私らは力無く、とぼとぼと、村へ向かった。遠い道のり。皆、足が進まな
い。
もう日が暮れかかろうとした時分、ようやく村の近くまで辿り着いた。

つづく

228 :自夜 :2007/01/01(月) 16:41:14 ID:LnrtsUXx0
前世物語 第一部前世編 第十五話 いぬがみ その二

目の前の祠の森を過ぎると村の入り口。道の両側から襲いかかるような枝
の影を見せる祠の森。もうすぐ暗くなる。
「お自夜」
かかちゃが言う。いつもはかかちゃはちびちゃと呼びかける。家のものは
滅多に名前では呼ばない。
「なに」
「覚えておき。この時分、物の怪が出るから」
「うん」
「人を連れて行こうとするから」
「うん」
祠の森の間に見える何かの影。犬神様?
犬神様、すなわち狼はこの郷では珍しくないが、滅多に見かけることはな
い。人に悪さをすることもない。それとも、別の物の怪?
影は頭を軽く上下に振ると、祠の森に消えていった。
送り狼。旅人が村境まで無事に辿り着くまで見守る。そういう話は良く聞
く。でも、迎え狼は知らない。

つづく

229 :自夜 :2007/01/01(月) 16:43:31 ID:LnrtsUXx0
前世物語 第一部前世編 第十五話 いぬがみ その三

彼は誰そ。黄昏。逢魔が時。暗くて顔がよく見えない。おまえは誰だい?
声をかけると振り返り、人に悪さをする。それが物の怪。
「ひきこまれないように」
とぼとぼと、俯いたままかかちゃが念仏のように言う。
「ひきこまれないように」
かかちゃにも影が見えていたのだろうか。
祠の森を過ぎ、村の田畑を過ぎ、氏神様の脇を通り、家にたどり着いた頃
にはすっかり暗くなっていた。
家にたどり着いた私は、ととちゃから青年が消えたことを聞かされた。
「そう」
力無く返事をし、いつも寝る場所に横になる。
ととちゃもかかちゃも何も言わない。
寺の庵で気難しげな顔をして夕餉を取る青年。野良仕事の合間にたわいな
い話をする青年。困った顔の青年。糞まみれになり這い上がってきた青年。
小川で見た青年の刀疵。
その夜、私は物心ついてから初めて涙を流した。

第十六話へつづく

230 :自夜 :2007/01/01(月) 16:45:57 ID:LnrtsUXx0
前世物語 第一部前世編 第十六話 おにこ その一

大層世話になった。今は身を明かせない。いずれ恩返しする。
そう言う意味の文を青年は残していったらしい。私にはもう関係ない。
「やっぱ、さむらいとは関わり合いになるもんじゃなか」
ととちゃがそう言う。
「いろいろ事情があっとよ」
かかちゃがそう言う。
「さむらいだって、初めからさむらいじゃなかと。最初はみぃんな百姓
 じゃったと」
長老のじいさまがそう言う。坊さんもそんなこと言っていた。
私にはもう関係ない。
人間は薄情だ。
青年が消えて幾日も経っていないその年の秋の村祭り、私は人一倍はしゃ
いでいた。山神様達の女酒でももっぱら盛り上げ係。でも猥談は出来ない。
坊さんがいなくなっても当番はある。寺に行き、掃除をする。訪ねてくる
近郷の子供らに簡単な読み書きを教える。子供らは可愛い。
夕餉の支度はない。坊さんはいない。

つづく

231 :自夜 :2007/01/01(月) 16:48:12 ID:LnrtsUXx0
前世物語 第一部前世編 第十六話 おにこ その二

最初のうちは、時々青年を思い出すこともあった。
村を出て行った若衆のことをいつか忘れてしまうように、青年のことも忘
れてしまった。
冬が来て、春が来て、夏の熱さ、秋の収穫の忙しさ、何度も繰り返される
季節そして日常。
時折村を訪ねてくる希人があっちで大きな戦があった、こっちで大きな戦
があったと教えてくれる。まるでこの国中で戦をやっているみたいだ。
それよりも私らに重要なのは春の雷、春から夏にかけての雨、夏の熱さ、
秋の雨風。
春に雷がならないと畑で物が出来ない。春から夏にかけて雨が降らなけれ
ば、田植えが出来ない。夏が暑くなければ作物は育たない。秋に強い雨風
が来れば、折角実った作物も台無しだ。そうなれば、村は滅びる。
幸い不作の年はあったけど、食うに困るほどの酷い年はなかった。
希人も機嫌良く私らの村に来、主のいない寺に泊まり、また旅立っていく。
私は十六になった。
かかちゃは私の行き遅れを心配するようになった。

つづく

232 :自夜 :2007/01/01(月) 16:51:22 ID:LnrtsUXx0
前世物語 第一部前世編 第十六話 おにこ その三

その年の春の村祭りが近づいたある晩、私は突然嫁拐にあった。
雨のない雷の晩であった。
よめごさらい。嫁盗み、よめごぬすみとして、今でもある地方に残ってい
るらしい奇習。この時代、私らの郷ではとうに廃れた風習。
突然数名の若衆が私の家になだれ込み、私を戸板に乗せて運び去る。
「よめごさろーた、よめごさろーた」
時折稲光で照らされる若衆が最初は恐かった。
嫁拐の風習は坊さんに聞いたことがある。大昔には普通に行われていた風
習。それを思い出して怖さはなくなった。何時、戸板から振り落とされて
しまうかと思うくらい荒々しい運び方であったが、次第にいったい私を気
に入って嫁にしたいと思っている人はどんな人なのだろうか、ということ
の方に興味が湧いてきた。
村祭りの時にそれらしい素振りを見せた人に心当たりはなかった。
どうやら戸板の行き先は隣村らしい。戸板は寺の脇を抜け、村中へと入っ
ていった。永田村といい勝負の大きさの村。あっという間に村中を過ぎ、
村はずれへ、そして、一軒の小さな家の前で戸板は止まった。

第十七話へつづく

233 :自夜 :2007/01/01(月) 17:03:51 ID:LnrtsUXx0
みなさま、あけましておめでとうございます。

さて、新春特別企画ってわけでもないですが、まぁいいや、新春特別企画第一弾と
いうことで、前世物語、一挙三話分うぷいたしました。
まだまだ続きます。今年いっぱいにはなんとか終わらせようと・・・・・・

>>219さん
>ネット上のとある場所
いえ、知りません。よろしければ、場所を教えて頂けませんか?
どうせなら、アンチの方もここに書き込んでくれたらいいのに、とは思いますが。
せっかく、アンチも大歓迎なのに。

>>220さん
トキシンって誰?

>>221さん
今年も宜しくお願いします。

>>226さん
えー、Web Siteの方も少しずつ中身を入れ始めまして、そういうわけで、
「落ち着いていけました。ランナーがいるのでヒットでいいかなって」です。

234 :自夜 :2007/01/01(月) 19:47:52 ID:LnrtsUXx0
前世物語 業務連絡6 自夜がweb site開設?の疑惑のつづき

自夜のWeb Site「前世物語」、タイトルに何のひねりもないですね。
http://anime.geocities.jp/ojiya1539/

ぼちぼち中身を入れつつあります。今晩中くらいには自夜物語(相談スレに
うぷした分)を掲載する予定。 ひとつ、宜しくお願いします。

なお、Web Siteに対する苦情、不満などありましたら、このスレに書き込んでください。
Web Siteの方にはBBS等一切ありません。他もありませんけど。

ほいじゃ、よい新年をお迎え下さい。

238 :自夜 :2007/01/02(火) 18:30:32 ID:Dy1r7zCi0
>>235さん
この板には妖怪になりきって遊ぶスレもあります。>>235さんもひとつどうですか。
私は「狢」でやってます

>>236さん
前略、「ヒットでいいかなって」です

>>237さん
女性ファン急増ってのはうらやましいですね

239 :自夜 :2007/01/02(火) 18:32:47 ID:Dy1r7zCi0
前世物語 邪神編(パイロット版その1)

昼とも夜とも知れぬ深い霧の中、盥が葦をよけるように静かに流れていく。
霧の中から黒い影となった男が現れ、盥をそっと引き寄せ、盥の中の塊を
とりだす。
布で覆われた塊のその布をそっと剥がす男。中の塊を見て唸り、またそっ
と布を巻く。霧の中に消え入るような男の声。
「医者の儂にこのようなものを拾わせるとは・・・運命とは皮肉なものだ」
塊を抱いて霧の中に消え去る男。名を波海という。

物語の発端はこれより約一年前。

冷たい雨が降りしきる渡り廊下を二人の男が歩いている。先頭は老僧、蝋
燭を掲げている。
「小太鼓さまも、妙なものに興味をもたれたもので」
後ろのさむらい、黙って僧について行く。二人の行く先は小さな堂。額に
は一文字「封」とだけ。
ぎぎぎぎぎと堂の扉を開ける老僧。

つづく

240 :自夜 :2007/01/02(火) 18:35:02 ID:Dy1r7zCi0
前世物語 邪神編(パイロット版その2)

堂の中には奇妙な無数の像が堂の中央を向くように置かれている。
「百八体あると言われています。これらの像を彫り終わった後、彫師は笑
 い死んだと伝えられております」
「朴念殿、今宵はこの堂で一夜を明かしたい」
「このお堂でか・・・・ひひひ、小太鼓さまも変わったお方じゃ。それじゃ、
 拙僧はお暇しますが、くれぐれも、取り憑かれたりせぬようにな。ひひ
 ひひひひひ」
「ふん、破戒僧め」
扉が閉まるのを待ってさむらい、そう吐き捨てる。
堂の真ん中に座るさむらい。外の風雨は次第にその強さを増しているよう
だ。遠くで雷の音。ざーざーざーざー
「百八体の邪神よ。儂の願いを聞き届けよ。儂は天下を取りたい。どんな
 方法でもかまわぬ。この国中が儂の物になるように。お前達の力を貸し
 てくれ。礼は望み通り、何でもしよう」
ぴしっ、がらがらどろどろどど。二つに裂けて倒れ落ちる庭の立木。
「そうだ。儂の子供をやろう。もうすぐ生まれてくる儂の子供、おまえた
 ちで好きにするがいい」

つづく

241 :自夜 :2007/01/02(火) 18:37:16 ID:Dy1r7zCi0
前世物語 邪神編(パイロット版その3)

揺らめく蝋燭の光を受けて、怪しく目を光らせる百八体の異形の像。
ぴしゃーん。堂の七宝に落ちる雷、額を押さえて倒れるさむらい。
がらがらがらがらがらがらがらがら。
しばらく経って、呻きながら起きあがるさむらい、掌には血で書かれた鏡
字の「无」の文字。
下を向いて静かに笑い出すさむらい。
「そうか、聞き届けてくれたか」
急に顔を上げ、「誰だ」
がたんと鳴る扉、駆け寄るさむらい。扉を蹴開ける。
堂の角、渡り廊下で蹲る朴念、小太鼓、その背後に仁王立ち。目に狂気の
光が宿る。ほほに一筋の血、「无」の文字から流れ出た血筋。
「朴念、はなしを聞いたな」
「いえ、小太鼓様、拙僧はただ心配になりまして様子をうかがいに」
朴念、恐怖で顔を上げることも出来ない。
「そのような言い訳が通用すると思うか」

つづく

242 :自夜 :2007/01/02(火) 18:39:32 ID:Dy1r7zCi0
前世物語 邪神編(パイロット版その4)

叱咤すると小太鼓、朴念の足首をむんずとつかみ、触るか触らぬか、微妙
な指使いで朴念の足の裏をなぞる。
「な、なにをなさいま、うひゃ、うひゃひゃ、やめ、うひゃひゃひゃひゃ」
「ええい、地獄の攻めを味わうとよいわ」
「うひゃひゃひゃひゃ、やめて、ひゃひゃひゃ、くだ、ひゃひゃひゃ」
口元がぐにゃりとよがみ、鬼の形相の小太鼓。雨音にも負けじと響き渡る
朴念の狂気の笑い声。降りしきる雨。
「はぁはぁはぁ」
ごほっ、ごほっ
肩で息するのは小太鼓。力無く咳き込むのは朴念。
小太鼓は朴念の襟首を掴み、堂に放り込む。抵抗らう力もない朴念。
扉を閉め、外から閂をかけ、大きく手を広げる小太鼓。大音声で叫ぶ。
「百八体の邪神よ。我が子供に先立ち、我が贈り物を受け取れぃ」
ぴしゃーん。再び堂の七宝に落ちる雷。雨脚が強まる。
野望に取り憑かれた小太鼓 風邪蜜、この時三十二歳乙女座O型。

つづく

243 :自夜 :2007/01/02(火) 18:41:52 ID:Dy1r7zCi0
前世物語 邪神編(パイロット版その5)

舞台は数日後、さむらい屋敷。
「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
「なに、産まれた」
顔を上げる風邪蜜、額に「无」の文字の瘡蓋。
風邪蜜、廊下を駆ける。袴の裾が邪魔だ。とにかく駆ける。
襖を大きく開ける風邪蜜。足下に小さな布団。奥に半身を起こした奥方。
恐る恐る震える手で小さな布団を捲り、にやりと笑う。
「やつらは、約束を果たした。やつらは、約束通り儂の子供を」
乱暴に布団を元に戻し、立ち上がる風邪蜜。庭に向かって狂気の笑い」
「ふふふふ、はははは、わっはっはっはっは、儂は天下を取れるぞ。この
 国は、いずれ儂の物だ。わっはっはっはっはっはっは」
何が起こったか理解できない奥方、それでも何か言おうとしたその時
「その化け物を捨てろ。儂の出世の邪魔だ」
「化け物ですって、これ(失言)は貴方の子よ」
「ならぬ。その化け物を捨てるのだ」

つづく

244 :自夜 :2007/01/02(火) 18:44:01 ID:Dy1r7zCi0
前世物語 邪神編(パイロット版その6)

舞台は川縁。霧がかかり、間近の葦も霞んで見える。
川縁に佇む影二つ。その一つがそっと川面に盥を浮かべる。その目に涙。
「ごめんね、ぼうや」
盥は静かに流れ出す。その中に布にくるまれた塊。
涙の影が川面に入ろうとする。それを止めるもうひとつの影。終始無言。
盥は静かに霧の中に消えていく。二つの影も霧の中に消えていく。
霧の中からか細い声。
「ぼうや〜〜〜〜」

それから十七年後、ここは原野。最近戦があったらしく、そこあそこに放
置されたさむらいの骸。半分溶けて垂れた目、今だに地に刺さった刀を握
りしめた手首だけの武者。
うっすらと靄、その靄の向こうから一人の若者が歩いてくる。一本差し、
単衣。お世辞にも凛々しいとは言えない草臥れた単衣。若者は無表情。
雑草がざわめき躍り出る何人かの男達。おそらく死者から奪ったのであろ
う、兜、胴巻き、刀で武装している。絵に描いたような悪党顔。

つづく

246 :自夜 :2007/01/02(火) 18:45:33 ID:Dy1r7zCi0
前世物語 邪神編(パイロット版その7)

その大将格が一歩前に出る。
「おう、そこの若いの。旅の途中かい?」
目だけで大将格を追う若者。
「どうだい、ここらはぶっそうだ。俺たちが案内してやろうか」
ぴたりと目線を大将格に置く若者。
「そこで、相談なんだが、おめーも只で守って貰うのは気が引けるだろう
 わかるだろ、この意味」
若者は目を閉じて深くため息をつく。
「何とか言ったらどうなんでい」
切れる出っ歯。
「俺に近寄らないほうが、いいぜ」
事態が判ってるのか、判ってないのか、のんびり言う若者。
「なんだとーぉ」
短気な出っ歯。一斉に刀を抜く悪党顔共。再びため息をつく若者。懐から
何やら取り出す。

つづく

247 :自夜 :2007/01/02(火) 18:48:27 ID:Dy1r7zCi0
>>245さん
はい、勝てて良かったと思います
落ち着きいていけました。ランナーがいるのでヒットでいいかなって←いまここ
県大会でも頑張りたいと思います

248 :自夜 :2007/01/02(火) 18:50:47 ID:Dy1r7zCi0
前世物語 邪神編(パイロット版その8)

「そうそう、そうやって最初から出すもん出しゃー、俺たちだってなぁ
 な、な、黄金? 金の・・・・・・た・・・・ま?」
突然笑顔になって若者に近寄る出っ歯。刀は持ったまま。
若者は無造作に手に持った珠を落とす。
「おっと・・・」と珠を追った出っ歯の目の前に、拳大の異形の顔。
「女はどこだい?」喋る顔。見ると顔は若者の体から生えている。
「ぎょぎょえぇぇぇぇぇぇ」
次々に若者の体から生えてくる顔顔顔。「さけもってこー」「ふろだふろ」
「賭場は何処だ賭場は」顔はそれぞれに好きなことを言いながら、ぐぅぃ
ぃぃぃんと伸びて、それぞれの悪党顔にからみつく。
「じょgqおいえrじゃljbgれgふじこ」一目散に逃げ出す悪党顔、
追いすがる顔顔顔。
若者は腰を屈めて珠を拾う。途端に若者の体に戻る顔顔顔。
「だから言ったろう、俺に近寄らないほうがいいって」
何事も無かったように立ち去ろうとする若者。ふと、足下に巾着が落ちて
いるのに気付き、それを拾う。

つづく

249 :自夜 :2007/01/02(火) 18:52:56 ID:Dy1r7zCi0
前世物語 邪神編(パイロット版その9)

「あ〜ぁ、大切なもん、忘れていきやがって。これじゃ、こっちが追い剥
 ぎじゃねぇか」
悪びれもせず巾着を懐にねじ込みその場を去る若者。若者が去った後で、
雑草がまたざわめき、小さな影が動いた。
若者、名は邪鬼丸。十七歳双子座O型。

枯れ川に架かる橋、欄干が異様に赤い。朱の色か、血の色か。
橋を渡る邪鬼丸。半ば渡りきったところでふと足を止める。びくっとする
欄干。
「俺に何か用か?」
欄干から出てくる可愛い顔。
「俺についてきたって何にもいいことないぜ」
欄干から出てくる可愛い胴体。
「金か?金ならこの巾着ごともっていきな。どうせ拾ったもんだ」
「そんなんじゃねーやい」
怒る可愛い顔と胴体。

つづく

250 :自夜 :2007/01/02(火) 18:55:15 ID:Dy1r7zCi0
前世物語 邪神編(パイロット版その10)

「ねぇねぇねぇ、おさむらいさん。あんた、強いんだねぇ、あっという間
 に野盗を追っ払っちゃって」
見つかった途端、馴れ馴れしくなる可愛い顔と胴体。
「俺が追っ払ったわけじゃねぇ」
「そーんなぁ、また謙遜しちゃってぇ。あたい見てたんだからぁ。
 ちょっと遠くからだったからよくは見えなかったんだけど。刀持った奴
 に何したの?居合いか何か・・・」
「失せろ、小僧」
「小僧たぁなんでーぃ。これでもあたいはお姫さ・・ま・・・」
「俺は行くぜ」
勝手にすたすた歩き出す邪鬼丸。追いすがる可愛い顔と胴体。
「ちょ、ちょっとまって、話くらい聞いてくれてもいいじゃないのさー」
完全無視の邪鬼丸。追いかけながら勝手にしゃべり出す可愛い顔。
「あのさー、あたいは泥鰌って言うんだ。あ、でも本当の名前じゃないよ。
 本当は依珠姫って言うんだけど、ここいらじゃ、泥鰌で名が通ってるか
 ら。こんな汚いかっこして姫って呼ばれてもこまるしねぇ。」

つづく

251 :自夜 :2007/01/02(火) 18:57:40 ID:Dy1r7zCi0
前世物語 邪神編(パイロット版その11)

たしかに姫には似つかわしくない格好。邪鬼丸より汚い単衣。
「あたいんちは高貴な貴族だったんだけどねぇ、気が弱いとーちゃん、すっ
 かり騙されちゃって、気がついたら汚職の黒幕に仕立てられちゃってさー、
 身分剥奪洛陽追放、命があるだけでも感謝しろって追ん出されちゃって」
うんうん、よくある話だよねぇ。
「とーちゃんすっかりしょげちゃって、挙げ句の果てには自殺未遂。首吊
 りが二回に身投げが一回。気が弱いくせに妙に頑丈なんだよねぇ。で、
 こりゃ死ねねーや。どっか田舎に行って百姓でもして暮らすかぁって決
 心した直後に溺れた子供助けようとして自分が溺死。とことん運が無く
 てねぇ」
うんうん、よくある話だよねぇ。
「かーちゃんも初めの頃は気丈に頑張ってたんだけど、とーちゃんが死ん
 じゃった頃からちょっとおかしくなっちゃってさー、酒に溺れて飯喰わ
 ねーもんだからへろへろになっちゃって」
うんうん、よくあ・・・・・・じっと鏡を見る作者。ため息。はぁぁ。

つづく

252 :自夜 :2007/01/02(火) 19:00:02 ID:Dy1r7zCi0
前世物語 邪神編(パイロット版その12)

「最後には血いっぱい吐いてこれも死んじゃった。だから、あたいは天涯
 孤独な身ってわけ。ねぇ聞いてる? おさむらいさん。」
「小僧、俺のことをさむらいと言うな」
聞いてはいたらしい。
「また小僧って言う。言ったでしょ、あたいは おっひっめっさっまっ!」
「知らん」
「じゃぁ、さぁ、せめて泥鰌って呼んでよ。そしたらおさむらいさんって
 言わないようにするからさー」
また無表情に戻る邪鬼丸。それでも、少し歩く速度を落とす。道は山に差
し掛かる。日暮れまでもう少し。
「でねぇ、今はこんなかっこして、追い剥ぎの上前はねたり、かっぱらい
 みたいなことしたりしてるけどさー」
かっぱらいとかっぱらいみたいなのの違いって何?
「夢はでっかいの。これでも。いつかは元の位に返り咲いて、父上、母上
 の無念をはらしてやるーってーの。わかるでしょ、この気持ち」
志が高いのか、低いのか・・・・・・

つづく

253 :自夜 :2007/01/02(火) 19:02:15 ID:Dy1r7zCi0
前世物語 邪神編(パイロット版その13)

「そいでさー、おにーさんが持ってるその珠さぁ、なんかこう高貴な人が
 持つのにふさわしいって言うか、なんていうか、かっぱらってもいいん
 だけど、おにーさん強そうだし、はずみで切られるのもいやだしぃ、
 ぶっちゃけ、ちょうだいな。はれて返り咲いたらおにーさんのこと、さ
 むらい大将にとりたててやってもいいか・・ぶっ」
急に立ち止まる邪鬼丸にぶつかる泥鰌。懐から珠を取り出す邪鬼丸。
「泥鰌、欲しかったらやるぜ」
「え、本当?ほんとに本当?」
おそるおそる手を出す泥鰌。珠に触れ、そっと持ち上げようとする。
「泥鰌、今時分を逢魔ヶ時って言ってな」
「え?」
「妖怪が暴れ出す時分なんだ」
瞬間、
顔顔顔顔顔顔顔顔顔顔顔顔顔顔顔顔顔顔顔顔顔顔顔顔顔顔顔顔顔顔。
泥鰌を取り囲む顔の集団。

つづく

254 :自夜 :2007/01/02(火) 19:04:31 ID:Dy1r7zCi0
前世物語 邪神編(パイロット版その14)

「なんだこれ、餓鬼じゃねぇか。おれは大人の色気が欲しいんだ」
「いやいや、元はいいぜこれ。もうちょっとまってりゃぁ」
「そんなにまてねーよ」
「わしゃぁこのくらいのがええ」
「そんなことより酒は何処だ。さけぇ」
さすがの泥鰌も縮み上がる。
「ちょ、ちょっと、なにこれ、いやだ〜」
「だから言ったろ、俺についてきてもいいことないって」
そっと珠を邪鬼丸の手に戻す泥鰌。消える顔。
「俺はなぁ泥鰌、百八体の邪神に煩悩を植え付けられてるんだ。日頃はこ
 の珠の霊力で押さえつけてるがな」
腰を下ろす邪鬼丸。長話になりそうだ。泥鰌も釣られて腰を下ろす。お姫
様は胡座かかないで欲しい。
「俺は煩悩の顔の塊みたいな姿で盥に乗せられて流れてきたらしい。酒が
 欲しいだの女が欲しいだのべちゃくちゃ喋りまくる顔の塊でな。」
次第に闇の帳が垂れる。

つづく

255 :自夜 :2007/01/02(火) 19:06:46 ID:Dy1r7zCi0
前世物語 邪神編(パイロット版その15)

「俺を拾ってくれたのは波海って名の医者でな、名医かどうか知らねーが、
 いろいろ調べたあげくどうやら根っこ、真ん中らへんは人間らしいって
 ことで、次から次に顔を切っていったそうだ。外科医だったんだろうな。
 でも切っても切っても顔が生えてくる。生首いや生顔が五百四十個になっ
 たところで匙投げたんだとよ。まぁ、医者らしいな」
「ふーん、じゃぁおにーさんは捨て子か。ほんとうのとーちゃんかーちゃ
 んは?」
「知らん。煩悩の塊たぁ言え実の子を捨てるような親さ。ろくなもんじゃ
 ねぇ。はなからいないと思ってるよ」
「それじゃぁ、あたいと同じ、天涯孤独だね。それから?」
「あるときほんの偶然から、顔共は金粉を嫌うらしいってのが判ったらし
 い。日頃銭銭いってる顔も金粉近づけると顔をそむけるんだと。
 それで、その医者にこの珠つくってもらって、なんとか普通に生活でき
 るようになったわけだ。」
「じゃぁ、一生その体?」

つづく

256 :自夜 :2007/01/02(火) 19:09:32 ID:Dy1r7zCi0
前世物語 邪神編(パイロット版その16)

「ある日、妖怪か神様か知らんが教えてくれたよ。煩悩の元の邪神を倒せ
 ばその分の煩悩は消えるって。俺は聞いたさ。邪神たー言え神様だ。
 神様倒してもいいんかって」
「そしたら」
「昔は神様同士殺し合いやってたからかまわんって」
そんなもんか?
「それから俺は医者の所を出て、邪神倒しの旅に出た。それがなぁ、今ま
 で十二三体は倒したんだが、切りがねぇ。なんせ元が百八体だからなぁ。
 まったく、原作がうらやましいよ。」
何のことかな?
「じゃぁ、全部倒したら、もうその珠要らないの?」
「まぁ、そういうことかな。そのときは泥鰌にくれてやってもいいけど」
「本当?」
「でも、これ、軽かっただろ」
「うん」
「本物の金じゃないぜ、これ。本物だったら重くてかなわんだろ」

つづく

257 :自夜 :2007/01/02(火) 19:12:05 ID:Dy1r7zCi0
前世物語 邪神編(パイロット版その17)

「そうだね。でも、いいよ、それで。邪神を封じ込めてる珠だもの。おひ
 めさまにふさわしい力を持ってるんだわ、きっと」
「封じ込めてるのは邪神じゃなく、煩悩だけどな」
こうして泥鰌と邪鬼丸、二人の旅が始まる。

ナレーション
この物語は泥鰌と邪鬼丸という二人の少年(泥鰌の声「あたいは おっひっ
めっさっまっ!!!」)を通して、戦乱の中に生きる人間を描いていく。
泥鰌は元高貴なお姫様、邪鬼丸は邪神によって百八の煩悩を植え付けられ
てしまうのだが、医者、波海に育てられ、植え付けられた煩悩を消そうと
邪神倒しの旅に出る。
なお、このフィルムはパイロット版で、本編は無い。

前世物語 邪神編

追記:泥鰌、九歳蠍座B型:追記終わり

258 :自夜 :2007/01/02(火) 19:16:25 ID:Dy1r7zCi0
新春特別企画第二弾です
新シリーズが始まったと期待した方、ごめんなさい。これで、終わりです

ちょっと長くなっちゃいました(本編6話分?)が、お遊び編です
まぁ、この邪神編の方が本来の私の作風ではあるんですが、ポリポリ

元ネタは私の初夢ですなんちゅー初夢見るんでしょうね
寝言は「奥方の名前、名前、なんだったっけ〜?」だったそうです
本当に何でしたっけか。思い出せない〜〜〜

ちなみに波海さんの読み方は、「はかい」です。年齢星座血液型は勘弁してください

某プロダクションの方々、ごめんなさいです。ほんの冗談です
新春お笑い企画と言うことで、ご勘弁下さい。実写版のご成功をお祈りします。

え?遊んでないで、早いとこ本編を書け? そうですね。んじゃ、本編の方もお楽しみ下さい

259 :自夜 :2007/01/02(火) 19:18:45 ID:Dy1r7zCi0
前世物語 第一部前世編 第十七話 むくりこくり その一

隣村も、村はずれには来たことがなかった。私の家といい勝負のみすぼら
しい家。大分小さい。
家の前に立つ大男と痩男。痩せ男の方はまだ年若。大男の方が私を拐った
のだろう。
「荒い事してわるかった」
大男がぶっきらぼうに言う。私は戸板から降ろされた。
「おめぇら、もうよかぞ」
若衆の間から不満の声が漏れる。いまからの見せ物を楽しみにしていたの
だろう。だが、大男に睨まれると、すごすごとそれぞれの家に帰っていく。
その形相、確かに恐ろしい、だが、その目は小さく丸く愛嬌がある。
「せまかとこやけど」
私は促されるままに家に入った。何もない家。囲炉裏に鍋が一つ。
明かりは囲炉裏の火だけ。
「儂は火袋。これは弟の珠袋」
相変わらずぶっきらぼうに言う。
顔は知っていた。村祭りでも見かけた。声を聞くのは初めてだった。

つづく

260 :自夜 :2007/01/02(火) 19:21:02 ID:Dy1r7zCi0
前世物語 第一部前世編 第十七話 むくりこくり その二

大男は隣村の若衆の中心みたいな存在。取り仕切っていた。弟の顔も知っ
てはいた。洟垂れのとろい子。この二人が兄弟とは知らなかった。
「荒い事してわるかった」
また、同じ事を言う。私は神妙に座って聞いていたが、体の奥から沸々と
何かが沸き上がってきた。
「儂んとこには親がおらん。じゃき、嫁の取り方がわからん。なんやら昔
 ながらの方法があるちゅうけん、まかせたが、こげなとは思わんかった。」
おもむろに両手を床につけ頭を下げる大男。
「たのんます。儂の嫁になってくれんしゃい」
洟垂れ弟は興味なさげに傍らにいる。
「よかよ」
私は沸き上がってきた何かを喉のところでなんとか止めてそう答えた。
大男は頸をうなだれたまま、
「そうじゃろうなぁ、いきなりじゃけんなぁ。悪かった。村のもんに送らせ
 るけん・・・・・・」
「あにちゃ、よかよって」

つづく

261 :自夜 :2007/01/02(火) 19:23:46 ID:Dy1r7zCi0
前世物語 第一部前世編 第十七話 むくりこくり その三

洟垂れ弟を見る大男。洟垂れは相変わらす興味なさげにどこか宙の一点を
見たまま。そして、大男は私の方を見る。今にも喉を通りそうな何かを宥
めて私は答えた。
「よかよ」
「よかとか、ほんとによかとか」
「よかよ」
「うぉおおおおお!!!」
吃驚した。家が壊れるかと思った。何かも少し引っ込んだ。急に大男が改
まり尋ねる。
「ところで、ひとつきいてよかか」
「なんね」
「名前はなんな」
いっぺんで何かが喉を通りすぎて出てきた。それでも最初は声を殺して肩
だけで、でも耐えられるはずがない。手で床を叩いて、そして大声で笑い
ながらわたしは床を転げ回った。二人はきょとんとしている。
入り口がどんどんと叩かれ火袋と呼ぶ声。

第十八話へつづく

263 :自夜 :2007/01/02(火) 20:38:50 ID:Dy1r7zCi0
↑落ち着きいていけました。ランナーがいるのでヒットでいいかなって

264 :自夜 :2007/01/02(火) 20:48:04 ID:Dy1r7zCi0
ところで、検証スレ、もう立ったんですかねぇ
楽しみにしてますんで、立てたんなら教えてくださいね

ほいじゃ、また明日

272 :自夜 :2007/01/03(水) 09:27:01 ID:EAkgv0Ch0
>>265さん、>>267さん
嵐は無視しろってのは2chではよく見かけますが、嵐に無視しろってのは珍しいかな。
貴重な書き込み、有り難うございます。

>>266さん、>>269さん
せっかくの265/267さんの忠告を・・・・・・
まぁ、書き込むな、無視しろってのは266、269さんのアイデンティティを根底から
覆すものかもしれませんから、仕方ないですかね。今後とも頑張ってください。

273 :自夜 :2007/01/03(水) 09:33:17 ID:EAkgv0Ch0
>>268さん
邪神編は続きませんが、前世編は全26話の予定でお送りしております。半分ちょい
終わったとこですかね。なんとか書き続けていきたいと思いますので宜しく。

>>268さん、>>270さん、>>271 まんぼうさん
人それぞれに人生の楽しみ方はあると思います。好きにしたら、っていうのが私の
結論ですが、素直に生きないと、楽しい人生もつまらん人生になってしまうのかも
しれません。

275 :自夜 :2007/01/03(水) 12:21:06 ID:EAkgv0Ch0
>>274さん
はい、勝てて良かったと思います
落ち着きいていけました。ランナーがいるのでヒットでいいかなって←まだここ
県大会でも頑張りたいと思います

279 :自夜 :2007/01/03(水) 15:51:11 ID:EAkgv0Ch0
>>276さん
きっと楽しいんだと思いますよ。私には理解できませんが

>>277 まんぼうさん
言い尽くされた言葉ですが、人生楽しいか、そうでもないかなんて、所詮気持ちの
持ち方一つと思います。逆境もめげるもよし、跳ね返すのもよし
愚痴も言えないようじゃつまらんです。ここでよかったら、おもいきし愚痴っても
らってもいいですよ。それで気が晴れることもあるでしょうから

>>278さん
あはははは、おもしろ〜〜。18話以降、私の代わりに書いてくれませんかね
一つだけ
マリッジ式でも悪くないですが、ウェディングセレモニー若しくは単にウェディング
の方がよろしいかと

282 :自夜 :2007/01/03(水) 16:54:42 ID:EAkgv0Ch0
>>280-281さん
ここに書き込まれてもうにの量は増えないと思います。

あきんどって回転寿司ちぇーんてんの「あきんど」さんのことですかね。

うにの量に関する苦情は下記Web Siteの
「店舗にてお気付きの点やお問合せは」のところにメールすればいいですよ。
ttp://www.akindo-sushiro.co.jp/inq.html
回答は4日以降順次とのことなので、気長にお待ち下さい。

283 :自夜 :2007/01/03(水) 17:04:34 ID:EAkgv0Ch0
現代のにぎり寿司は江戸時代以降ですかね。全国何処でもにぎり寿司が食べれるように
なったのは、電気冷蔵庫が普及してからと聞いたことがあります

私の前世時代はなれ鮨ということになると思いますが、私らの地方では割と塩が豊富で
したから魚は塩漬けか塩味の天日干しでした。なれ鮨を食べた記憶はありません

刺身というか生魚は鯉くらいですかね、記憶にあるのは。現世の私は刺身好きですが、
寿司はあまり食べません。刺身は酒の肴になりますが、寿司はすぐお腹いっぱいになっ
てお酒が飲めなくなるからです

285 :自夜 :2007/01/03(水) 19:27:36 ID:EAkgv0Ch0
>>284 まんぼうさん
安くて満足できる、いいことですやん。そういう日常の積み重ねが人生でしょうから、
悪いことばかりじゃないですよ

上の娘はトロが大好きで、寿司屋に行くとまず最初にトロを頼みます。贅沢な奴です
その後は他のものを食べてますが、最後もう一皿と言う時だいたい悩みます
「好きなんたのみなさいよ、またトロにする?」
「ん〜、トロも大好きだけどねぇ〜」
「いいよいいよ、お金ならたんと持ってきたし、いざとなりゃ、とーちゃんの小遣い減らせばいいし」
「やっぱ××にする。トロは次にとっとく」
なんてことを言います。なんていうか、ぎゅぅぅって抱きしめたくなりますね、こういうとき

下の娘は「うちはすきなものたくさんたべる」と言って、本当に小さい躰のどこに入るんだろうと
思うほど多量に食べます。しかも、まんぼうさんみたいに安いのばっかり
これもおいしそうよって言っても「うちはこれがすき」って言って鯵とか蛸とか安いのを食べま
くります。豪快なんだか、貧乏性なんだか・・・・・・ま、本人がいいからいいか

286 :自夜 :2007/01/03(水) 19:29:50 ID:EAkgv0Ch0
前世物語 第一部前世編 第十八話 んまでた その一

返事を聞く間もなく入り口が開かれ、若衆の一人が顔を出す。
「火袋、じーさんがさわいどったげな」
「なしてな」
「しらんが、血相変えて隣村いったげな。儂もいっちゃんよかもん着て、
 隣村にこって。儂、こげなんしかもたん。火袋何かもっとーや」
騒いでいたのはこの村の長老。顔を出したのは火袋に昔ながらの方法を吹
き込んだ亜坊という若衆。後で聞いた。
「儂がもっとるわけなかろう」
「じゃろーなー。まぁよかたい。これがいっちゃんよかもんゆーとこ。と
 ころで、火袋。首尾は?」
「うん、あー、まぁ、なんとか」
「そりゃよか」
亜坊の脇から若衆が家になだれ込む。どこに隠れていたのやら。その勢い
で家が倒れるかと思った。いきなり始まる酒盛り。なんとか笑いが収まっ
た私にも酒が注がれる。
雑穀の濁酒。酸っぱい。

つづく

287 :自夜 :2007/01/03(水) 19:32:05 ID:EAkgv0Ch0
前世物語 第一部前世編 第十八話 んまでた その二

「火袋が嫁もらわんけん、儂らも嫁貰う訳にはいかんとやった」
「ぬしに来手があるとか」
どっと湧く笑い。
「じーさんがゆーにはなぁ・・・」
拐ってきた娘には御馳走をあげ、宥め持ち上げて嫁になることを承知させ
る。その間、男側の縁者が女側の家に結納の品々を届け、正式に申し込む
のが正しいやり方。誰も忘れてしまったことをこの村の長老は覚えていた。
「ちそーゆぅても、なんもなかけん、とりあえず、隠し持っとぉ酒ば集め
 てきたと。酒飲む嫁御でよかったたい」
どんどん酒が注がれる。洟垂れ弟の珠袋は隅で寝てしまった。
そのころ私の村では大騒ぎだったらしい。後で聞いた話。人攫いが出たと
言うことで、男衆が鋤やら鍬やら持って集まって合戦の準備。そこへのこ
のことやってくる神主を叩き起こして借りた衣装の長老と亜坊。いきなり
古式ゆかしき口上を述べ出すが、ととちゃも対応を知らない。長老を叩き
起こし、それでも知らぬと又神主を叩き起こしてなんとか収まった。
両村を巻き込んで大騒ぎさせた翌日、火袋と私は夫婦になった。

つづく

288 :自夜 :2007/01/03(水) 19:34:26 ID:EAkgv0Ch0
前世物語 第一部前世編 第十八話 んまでた その三

「あんた、名前も知らんと、間違うて別の娘拐うたらどけんする気やった
 とね」
「そげんこつ、考えもせんだった」
火袋は働き者。朝早くから野良作業、家に戻るのは暗くなる頃。
「あんときゃぁ儂ぁ、もう駄目かおもーたたい」
よほど私の村の若衆に囲まれたのが恐かったのだろう。莫迦たれ亜坊。自
分の嫁取りの時は普通にするという。火袋は村の若衆に慕われている。
洟垂れ弟は野良仕事はしない。体が弱い。弟には弟のやることがあると火
袋は言う。
役所に無届けの新田造りは御法度。火袋や村の若衆は新田造りに汗を流す。
近郷の若衆が手伝いに来ることもある。私の村からも来ていた。
村の田畑は限られている。だから若衆はいずれ出て行く。田畑がもっとあ
れば、若衆が出て行くことはない。これが禁を破る理由。
年貢が無ければ、今の田畑でも充分にやっていける。「百姓だけの国があ
ればなぁ」これが火袋の口癖。
夏が来て、秋の村祭りが来る頃、私はお腹に新しい命が宿ったのを感じた。

第十九話へつづく

290 :自夜 :2007/01/03(水) 19:57:08 ID:EAkgv0Ch0
>>289さん
今日の分は終わりですから、あと二個下ですよ

293 :自夜 :2007/01/04(木) 09:24:52 ID:3LtnitOo0
>>291 まんぼうさん
なんとか、書いてます。ちょい、お待ちを

>>292さん
生き恥と思ってないんでしょう。ある意味うらやましい性格の方みたいです。
そうなりたくはありませんが。

294 :自夜 :2007/01/04(木) 10:00:22 ID:3LtnitOo0
前世物語 第一部前世編 第十九話 みさきがらす その一

火袋の喜びは尋常ではなかった。
何かあったら大変だと私を寝たきりにしたり、それじゃかえって悪いと叱
られると、急き立てるように私を野良仕事に連れて行ったり、野良仕事が
ない雨の日は朝から近郷のお宮さんや祠を回って祈願した。
洟垂れ弟は特に興味を見せなかったが、一度だけ「赤子はどこからくっと
か」と尋ねた。何と答えたか、大人になれば判るとか何とか、そう答えた
と思う。
火袋の家の前にも何人かの火袋の兄弟が眠っている。大層かわいがってい
た妹が死んだ時、まだ小さかった洟垂れ弟はわんわん泣いて泣きやまなかっ
たという。それ以来、洟垂れは感情をあまり見せなくなったと。
火袋は前にも増して、仕事に精を出した。洟垂れの面倒もよく見た。
火袋は偉い。
私も少しでも火袋の助けになればと働いた。
年が変わり、私は男の子を産んだ。
珠のような子。可愛い。元気な産声、お乳も勢いよく飲む。火袋もかわい
がる。つい力が入り、泣き出した赤子を抱いたまま困った顔をする。

つづく

295 :自夜 :2007/01/04(木) 10:03:36 ID:3LtnitOo0
前世物語 第一部前世編 第十九話 みさきがらす その二

私は夢を見ていた。たくましい夫。夫によく似た息子。増える田畑。実る
穀物。若衆の笑い声。村人の笑顔。火袋の笑顔。
一月も経たないうちに赤子は泣かなくなり、家の前の土まんじゅうの仲間
になった。
虚脱。
火袋は一晩中泣き続けた。その声は家が壊れるほど大きく、流す涙は家が
流されるほど。私は火袋を只ぼんやり見ていた。
この人は兄弟が死ぬ度にこうして泣いたのか。洟垂れが無感情なのは、悲
しい思いをしたくないからなのか。
不幸があると、いつも思う。私らが何か悪いことをしたのだろうかと。そ
れは御法度の新田造りはしている。でも、それが我が子を失うほどの悪事
なのか。夢を見るのが悪いのか。考えても仕方ないことをぐるぐる考える。
「じんせーむなしーもんだ。はかねーもんだ」
坊さんの声がする。五月蝿い。
「じんせーむなしーもんだ。はかねーもんだ」
五月蝿い。五月蝿い。五月蝿い。「すてたもんでもねーだ」の声はない。

つづく

297 :自夜 :2007/01/04(木) 10:07:23 ID:3LtnitOo0
前世物語 第一部前世編 第十九話 みさきがらす その三

次の日、私らはたくましい百姓と働き者の女房、そして只の洟垂れに戻っ
た。
火袋は少し無口になった。
また、幾つかの季節が流れ、唐突に、唐突に坊さんが戻ってきた。
「ろーやんなかはよぉ、さけだしてくれんけん、めしばーかくっとったわ」
確かに少し丸くなった。
「ありゃぁ、かんぜんにぃにげじたくだなぁ」
馬鹿者共が迫ってきて、天主様のところは大変らしい。
「そいでーほーりだされたーだ。もそっと、ただめしくわせーゆーたけん
 ど、ほーりだされたーだ」
「坊さん、よぉ殺されんかったなぁ」
「やつらも、ぼーさんころすとばちあたるくれーのこたーぁ、しっとったー
 ちゅうこっちゃなぁ」
坊さんがいない間も当番で寺の世話はしていたが、主がいるとやはり違う。
子供達も嬉しそうだ。
人生捨てたもんでもないかもしれない。

第二十話へつづく

298 :自夜 :2007/01/04(木) 10:12:16 ID:3LtnitOo0
>>296さん
落ちぶれているかどうかはしりませんが、好きにしなさいって感じでしょうか
こっちはこっちで好きにやってますし

まぁ、間違いくらいは指摘してさしあげますわ、おほほほほほごぼ・・・  ごほっ、ごほっ

慣れない笑い方はするもんじゃぁないってわけで、本日の分は終わりです

300 :自夜 :2007/01/04(木) 11:45:43 ID:3LtnitOo0
>>299さん
                __,.  -─-- 、_
             , - ' _,´ --──‐-   )
           イ´__-___,. -‐ '__,. - '´
          「\ー----, - ' ´ ̄_
         │ト、l、 /´, '`⌒'´ `ヽ: : .
          ヾヽ!lV/ / ,/ /  ,' ハ、: .
       ,ィニ≧ゝレ' / /  ,./   / , ハ : : .
       く<-‐7´ _」] l l/_,∠/   / / / い : : .
        ̄ノ/: :f r'l l /レ'/、_/‐ト'、/l| li l : : : : .
       . : {ハ : :|{(l|y==ミ   _ノ、/ソリ ll | : : : : :
      : : : :ヽヽ: :|、lハl、゙      ⌒ヾlノリ ll l : : : : : :
      : : : : : : : : V\ヽ、 `ー  ゛ノルんイリノ : : : : : : はいはい
     .,-‐-.、  : : : ,.--、_ハ`‐r=ニ--、   _.,-‐-、. : : :
    ./    `` ‐/  /-ョロ'ヲ´   i l_´     \ :
   /// ノノ/;〈  ,ハフ'兀「     ! }ヽゝ\ヽゝ \
 / (/(/(ソソノ ヽ,   ト{‐lハ. ヽ ' ノ へ/ゝソソヽ\,\
(/(/丿`'  : : : : : : 〈 ,  !{ソ   ヽl/|、: : : : : : : ⌒''ヽ)\.)
        : : : : : : : `ヽ  V     j _ノ ,スヘ_ノ7--‐イ∧
          : : : : : : : { /     ,ハ、  _//く 〈 ___ r'九〈ハ.}
          : : : : : : :レ'    ' ,ハヘニイヽ_厂 、ノソト}〈V´
            : :_ノ‐- 、'  {∧ トヘ_「    {Y: :仔 之_
            〈l ̄>-、_ 丶レ^ヽ厂`    上l_:/Z/ソ‐′
        r个y'⌒ll_,/‐、;_,、ト、__ト、  ` ー/「>,、 └トf‐′
       {_Y^lヽ、,ど , ,  〈__j,ハ、) 、_イソ´`ヽヘ、ノ、lフ
       ヽ>ゝハ 〈ノ{ l! ハ_j人lJ  /ソ: : : . ノフく_.イ
        〉 〈、ソ´ UU     、ノ入 : :__rクー<__〉


303 :自夜 :2007/01/04(木) 13:44:54 ID:3LtnitOo0
>>301さん
毎度毎度、お疲れ様でございます。

>>302さん
チョコで済むなんて経済的でいいですね。早く風邪が治りますように

305 :自夜 :2007/01/04(木) 22:32:07 ID:3LtnitOo0
>>304さん
風邪引いてるのにお風呂入って大丈夫ですか?

それはさておき、最後の行の回答です。
素人がいきなりバッターボックスに入ってもプロの玉は打てませんよね。
何も素養がない人がいきなり出来るようにはなりません。まず、素養をつけないとね。

出来るようになることの是は、また別問題ですが。

306 :自夜 :2007/01/04(木) 22:57:13 ID:3LtnitOo0
可愛かったから、ついAAを貼った
今も後悔していない、またやると思う

ってのはどーでもいーですよー

前世物語 業務連絡7 自夜がweb site開設?の疑惑 最新情報

自夜のWeb Site「前世物語」、あまりに手抜きだったので改装しました
http://anime.geocities.jp/ojiya1539/
キャッチコピーは、

自夜と一緒に死んでみる?

です。よろしくです

308 :自夜 :2007/01/05(金) 10:40:32 ID:HQkbJbeY0
>>307さん
Web Site 見て頂いて、有り難うございます。
仰せの通りだと思いますが、一番時間がかかったのが背景だったりします。
これで力がつきました。追々改善していきたいと思います。

309 :自夜 :2007/01/05(金) 11:19:46 ID:HQkbJbeY0
あぁ、今気付いた。

>>307さん
一つだけ、言わせてください。
フォントとスタイル、変えたんでなく、いままでは無指定、つまり、なかったんです。

311 :自夜 :2007/01/05(金) 12:37:28 ID:HQkbJbeY0
>>310さん
ソースの冒頭部分(だいたいどれも8行目あたり)に書いてありますがな

313 :自夜 :2007/01/05(金) 13:58:55 ID:HQkbJbeY0
>>312さん
質問していい?

sタグなんかはHTML4.01では非推奨ですが、代わりになに使えばいいですかね

text-decoration使えば出来るのはしってますが、いちいち p id= って書くの
めんどいし、その前でデフォルトのpタグ使えなくして、その後でまたデフォルト
pタグ設定しないといけないですよねぇ、それ嫌なんですが

315 :自夜 :2007/01/05(金) 15:08:54 ID:HQkbJbeY0
>>314さん
とってもサンキューです。 やさしいんですね

317 :自夜 :2007/01/05(金) 17:06:19 ID:HQkbJbeY0
>>316さん
そんなに、エロイかな? まぁどんどん使ってください

さて、死ぬノンですが、死んでみたら意外と平気というか、あれ、こんなもんか
ってなもんです。幽霊になれなかったら・・・・・・パッ ですけどね

だから、どうですか? うしろから押してあげますよ      さぁ

318 :自夜 :2007/01/05(金) 19:08:22 ID:HQkbJbeY0
前世物語 第一部前世編 第二十話 どらめぎ その一

坊さんの帰りを一番喜んだのは、意外にも洟垂れ弟だった。毎日のように
嬉々として寺に行く。坊さんも洟垂れを気に入っているらしく、滅多に人
を入れない書物が一杯あるという部屋の出入りを洟垂れには許している。
どんな書物があるのか洟垂れに聞いても教えてくれない。教典の類だろう
とは思うが、坊さんが経をあげているところを見たことがない。
「ありゃーあほうみたいなつらしとーけどよー、なみじゃぁねーかしこさ
 やどー」
坊さんはそう言う。坊さんが言うのならそうかもしれない。
晩、洟垂れが空を見上げて「星が動いた」と言ったことがある。見ると確
かに動いている。星の異常は悪いことの前兆。帚星が表れる年は沢山の死
人が出るという。それが、この時代の常識。実際、この時も私らは騒いだ。
洟垂れは一人地べたに何やら書き殴り、考え込んでいる。
「なんでかなぁ、知っても知ってもわからんこつがでてくる。まだまだわ
 からんことが多かなぁ」
火袋もわかってか、洟垂れのことは好きにやらせとけという。
弟とは逆で、火袋は坊さんが苦手だ。

つづく

319 :自夜 :2007/01/05(金) 19:11:21 ID:HQkbJbeY0
前世物語 第一部前世編 第二十話 どらめぎ その二

「あのえだはーよー、おめーがよーいつつんときによー、おったやつらー、
 やねぇぶちやぶったんも、おめーやーたよのー」
「そりゃ、亜坊の莫迦たれたい」
「そーやーたのー、おめーがこわしたんは、このへいじゃーたのー、なな
 つくらいんときやーたかのー」
次々に過去の悪事が開かされ、火袋は憮然とする。
坊さんがこの村に来たのは火袋が生まれてすぐの頃らしい。小さい頃は、
むしろ躰の小さな子で、泣かされる側。そのうち、どんどん育って人を
追い越して、勢い余って、いろんな物を壊した。
「ひぶくろんちはのー、うんがわるーいえでのー」
火袋の上の兄弟、下の兄弟、洟垂れ以外はみな幼くして死んだ。割り当て
られてる田畑も秋の雨風で半分がとは沼になった。
洟垂れの妹が死んだ後、親も相次いで死んだ。火袋はまだ小さい洟垂れを
連れて、一人で沼を田畑に戻した。
当番の時、坊さんが教えてくれた。
「おめーのこーも、だめだったらしーのー」

つづく

320 :自夜 :2007/01/05(金) 19:13:34 ID:HQkbJbeY0
前世物語 第一部前世編 第二十話 どらめぎ その三

「じんせーむなしーもんだ。はかねーもんだ。でもなぁー、すてたもんで
 もねーだ」
そうだね、坊さん。
家の前に埋めた子も、仲間が沢山いる。寂しくはないと念じる。
火袋はまた元気が戻ってきたようだ。若衆ともよく冗談を言い合い笑って
いる。洟垂れはここのとこ、急に背が伸びてきた。相変わらずひょろっと
している。
御法度の新田からは収穫が揚がるようになってきた。新田からの収穫は雑
穀も含めて全て村の祠に捧げる。この祠は私の生まれた村、永田村の氏神
様を分祀したもの。同じ負神様。近郷の村はだいたいそうだ。永田村が本
村。
まだまだ足りないが、いずれ祠には収まりきれないほど収穫を捧げる時が
くるだろう。一歩、一歩、夢に近づいていく感じがする。
早く心の底から笑顔で笑いたい。
坊さんが戻った翌年の暮れ、私は女の子を産んだ。
火袋の喜びは、また小さな家を壊そうとした。

第二十一話へつづく

322 :自夜 :2007/01/05(金) 19:27:24 ID:HQkbJbeY0
>>321さん
             , - ' _,´ --──‐-   )
           イ´__-___,. -‐ '__,. - '´
          「\ー----, - ' ´ ̄_
         │ト、l、 /´, '`⌒'´ `ヽ: : .
          ヾヽ!lV/ / ,/ /  ,' ハ、: .
       ,ィニ≧ゝレ' / /  ,./   / , ハ : : .
       く<-‐7´ _」] l l/_,∠/   / / / い : : .
        ̄ノ/: :f r'l l /レ'/、_/‐ト'、/l| li l : : : : .
       . : {ハ : :|{(l|y==ミ   _ノ、/ソリ ll | : : : : :
      : : : :ヽヽ: :|、lハl、゙      ⌒ヾlノリ ll l : : : : : :
      : : : : : : : : V\ヽ、 `ー  ゛ノルんイリノ : : : : : : へいへい
     .,-‐-.、  : : : ,.--、_ハ`‐r=ニ--、   _.,-‐-、. : : :
    ./    `` ‐/  /-ョロ'ヲ´   i l_´     \ :
   /// ノノ/;〈  ,ハフ'兀「     ! }ヽゝ\ヽゝ \
 / (/(/(ソソノ ヽ,   ト{‐lハ. ヽ ' ノ へ/ゝソソヽ\,\
(/(/丿`'  : : : : : : 〈 ,  !{ソ   ヽl/|、: : : : : : : ⌒''ヽ)\.)
        : : : : : : : `ヽ  V     j _ノ ,スヘ_ノ7--‐イ∧
          : : : : : : : { /     ,ハ、  _//く 〈 ___ r'九〈ハ.}
          : : : : : : :レ'    ' ,ハヘニイヽ_厂 、ノソト}〈V´
            : :_ノ‐- 、'  {∧ トヘ_「    {Y: :仔 之_
            〈l ̄>-、_ 丶レ^ヽ厂`    上l_:/Z/ソ‐′
        r个y'⌒ll_,/‐、;_,、ト、__ト、  ` ー/「>,、 └トf‐′

325 :自夜 :2007/01/06(土) 00:42:51 ID:zBZ7WMUv0
>>323さん
私もです。風物詩みたいなもんですかねぇ
ハッ!! ひょっとしたら、>>321さんがこのスレを一番多く見ている人かも知れない
やっぱり、大切にせねば

>>324 自慰夜さん
なんだかよくわかりませんが、モロなコテですね
私もキーボード打ち間違えて、その名義で投稿したこともあります

326 :自夜 :2007/01/06(土) 00:46:49 ID:zBZ7WMUv0
前世物語 業務連絡8 自夜がweb site開設?の疑惑 素直に宣伝と言えばいいのにの巻

http://anime.geocities.jp/ojiya1539/

さぁ、悲しみのない世界へ逝こうか

327 :自夜 :2007/01/06(土) 10:58:37 ID:zBZ7WMUv0
前世物語 第一部前世編 第二十一話 やつづら その一

加由、それが赤子の名前。
小さな手、小さな足、小さな躰、小さな顔。産声をあげなかった。暫くし
てようやっと弱々しく泣き出した。お乳の吸いも弱い。本当に飲んでいる
のか判らないくらいに弱い。すぐに口を半開きにしたまま乳首から離れ、
そして吐いた。
ねぇ、お加由、おまえ、少し早く出てきたんじゃないの。もう少しかかちゃ
のお腹に居たらよかったのに。
そんなことおかまいなしに火袋ははしゃぐ。火袋が抱っこする度に潰され
ないかと心配する。
前の子は夜分泣いて私を起こした。加由は夜泣かない。朝に小さな頬に手
をあてて、温もりを感じて安心する日が続いた。
ある夜、私は起こされた。家に飛び込んできた亜坊がわあわあ叫く。何を
言っているのか判らない。
火袋は家を飛び出して、すぐ戻ってきた。
「隣村が、燃えよる」
私も家を飛び出した。

つづく

328 :自夜 :2007/01/06(土) 11:00:39 ID:zBZ7WMUv0
前世物語 第一部前世編 第二十一話 やつづら その二

一軒二軒の家事ではない。永田村のあたりが真っ赤に夜空を焦がし、祠の
森を影にする。
永田村、私の生まれ育った村。ととちゃ、かかちゃ、おにちゃ、おねちゃ。
「速う」「速う」「速う」「速う」
急き立てられて、私は加由を抱いて走った。何処へ?こっちは猟区のある
山の方。何故?燃えているのは永田村。いや違う。近郷の村々のあちらこ
ちらで火の手があがる。何故?
腕の中で加由の頭ががくんがくん揺れる。まだ首も座っていない加由。
何時、頭が転げ落ちるか。
「あんた、もうすこし、ゆっくり」
「莫迦たれ、死にたかとか」
死ぬ?何故?
「きたぞーきたぞーきたぞーきたぞー」
奇声を上げ、裾をからげて追い越していく坊さん。来た?何が?
加由となら死んでもいい。息を切らして立ち止まった私の目に映る炎上す
る私の村。私の家。何故?

つづく

329 :自夜 :2007/01/06(土) 11:03:02 ID:zBZ7WMUv0
前世物語 第一部前世編 第二十一話 やつづら その三

誰かが腕を引っ張る。この手は火袋。私は湧き上がる炎から眼が放せない。
山に入って、ようやく早歩きとなった。なおも山中に入っていく。
正面の山稜がうっすらと白んでいる。夜明けまでまだ間がある。
私ら同様に逃げてきた村人達。近隣の村人もいる。
「こっちだ」
火袋に続いて洞窟に入る。加由を見る。首は繋がっている。よかった。軽
く揺すると顔を歪めてめーめー泣き出す。生きている。
洞窟?猟場のある山には洞窟がいくつかある。この洞窟は知らない。
松明が焚かれている。その周りに米俵、米俵、米俵。私は口をぽかんと開
け、暫く阿呆になった。何時の間に何処から運び込んだのか、どれだけあ
るのか米の山。納米。そうか、納米。氏神様や祠に捧げる米。こんなとこ
ろに隠してあったのか。
「お前も飲め」
渡される杯。酒。米の濁酒。生まれて初めての米の濁酒。甘い。旨い。口
移しで加由にも舐めさせる。力強い吸い付き。お乳の時と違う。
これこれ、それはかかちゃの舌だよ。

第二十二話へつづく

331 :自夜 :2007/01/06(土) 11:06:26 ID:zBZ7WMUv0
安藤百福さんが、悲しみのない世界へ逝ってしまわれました

今晩は旦那と一袋しか残っていないチキンラーメンを分け合って、弔いたいと思います。

332 :自夜 :2007/01/06(土) 11:07:18 ID:zBZ7WMUv0
>>330さん
お答えしてもいいですか?
そのとおりですね

335 :自夜 :2007/01/06(土) 13:34:28 ID:zBZ7WMUv0
いつもの人はこないんでしょうかね、それとも作戦換えかなぁ

>>333さん
自己が満足できなかったら悲しい人生ですね。お疲れ様です

>>334さま
なかなか的確・・・・いえいえ、何でもないです
えっと、殿なんてつけないでください。おしりがこそばくなります

>>全
今日はおわりです。明日、日曜日はおやすみするかもしれません ほいじゃ

338 :自夜 :2007/01/08(月) 10:22:35 ID:5qFt6w7O0
前世物語 第一部前世編 第二十二話 ろくえもん その一

ようやく落ち着いて、洞窟の外を見る。私の村が見える。いや、村だった
所。永田村だった所。近郷の、村々だったところ。遠くの港町あたり、空
が真っ赤。あの、沢山の人達。町の人達。彼らは逃げるところがあるのだ
ろうか。
洞窟の入り口あたりでどこかの村の長老がしきりに演説している。ここか
らじゃ遠くて聞き取れない。
「いよいよくるべきもんがーきたなー」
坊さん。いつの間にか私達のすぐ側に。旨そうに酒を飲む。
「何がおこっとると」
焼き討ち。東の馬鹿者共の襲撃。人家に火を放ち、逃げまどう村人を射殺
す、斬り殺す。真夜中の火事、焼け死んだ人も多いだろう。
「じゃぁ、ここにおらん人は」
「だめじゃろーのー」
洞窟には大勢の村人いるが、近郷の村々全体からするとほんの一握り。
ととちゃ、かかちゃ、おにちゃ、おねちゃ、おにちゃのきれいなよめさま、
そして、珠袋。

つづく

339 :自夜 :2007/01/08(月) 10:25:45 ID:5qFt6w7O0
前世物語 第一部前世編 第二十二話 ろくえもん その二

一緒に逃げていたはずだが、いつはぐれたのだろう。矢がびゅんびゅん飛
んできたという。私は覚えていない。珠袋は射殺されたのだろうか。
「坊さん、私ら百姓殺したら、耕すもんおらんごとなったら、ここいら分
 盗ってもしょうかたなかとじゃなか」
「それがーよー、やつらもひとがよーけおってよー、そいつらをとったと
 こにいれるがー。このみずほのさとによー」
みずほ、瑞穂、たわわに米が実る様子、そのような豊かな土地の意味。
瑞穂。花に囲まれて埋められた娘。貴女はよかったね、みんなに送って貰
えて。ととちゃ、かかちゃ、おにちゃ、おねちゃ、おにちゃのきれいなよ
めさま、珠袋。だれも埋めてくれない。だれも送ってくれない。
「この先どうなると、もっと逃げると」
ここは村から目と鼻の先。馬鹿者共から隠れて暮らせるとは思えない。
「逃げるとはここまでたい」
火袋、どういう意味?
「盗られたもんは取り返す」
「あんた、本気?」

つづく

340 :自夜 :2007/01/08(月) 10:28:20 ID:5qFt6w7O0
前世物語 第一部前世編 第二十二話 ろくえもん その三

焼け残った家は一軒もない。氏神様も焼けた、祠の森もやけた。田畑は多
少踏み荒らされているが、大方無事。生き残った者はいない。骸は放たら
されたまま。馬鹿者共は永田村に若干いて、時々馬で近郷を見回る。北の
方は馬鹿者共が多く行くことは出来ない。
様子見に出た若衆の報告。全滅。皆がっくり肩を落とす。
港町の方の様子を探るため、暗くなるのを待って洞窟を出る。私ともう一
人の若衆。火袋は強そうに見えるので落選。体中に糞尿をまぶし、乞食に
化ける。これはたまらない。青年の気持ちが判る。他にも何人か、別の方
向の様子を見に洞窟を出る。
小川や畦沿いに獣のように進む。暗いうちに港町に、港町だったところに
潜入する。脇に手刀一つ。見つかった時の自決用。
明るくなって、港町がすっかり変わってしまったのを見る。何軒かは焼け
残っているが、多くの家が燃え屑になった。焼け出された人々があちこち
で力無くへたり込んでいる。私らとたいして変わらない姿。乞食の扮装は
正解だったようだ。
ぶらぶらしててもさむらいに誰何されることはなかった。

第二十三話へつづく

341 :自夜 :2007/01/08(月) 10:31:40 ID:5qFt6w7O0
前世物語 第一部前世編 第二十三話 きねのこ その一

私らはぶらぶらと、何気ない様で町はずれの川に向かう。川の向こうは役
所のあるさむらいの町。乞食が入れるとは思えないが、川向こうの様子見
くらいは出来る。
川の中の洲は昔からの処刑場。今も何本もの磔台。さむらいが磔になるこ
とはない。町や村の人々の斬首に値しない罪状の死罪、それが磔。
「ずいぶん磔られとる。馬鹿者共に立てついとるということたい」
乞食の相棒が囁くように言う。
「むこうのは港町の町役、港の人夫頭もおる。大分、恨まれとった連中じゃ、
 こりゃ、讒言されたとやな」
町役、人夫頭、私は顔を知らない。知っているのは一人だけ。すぐ、気付
いていた。
「ありゃ希人か、ほら、村に来る。間者やったんかなぁ」
「したら、坊さんも間者やから、前、捕まったと?」
「どうかなぁ、希人と仲よかったけどなぁ、半々かなぁ」
見回りのさむらいが見える。乞食の二人は河原におりて、濁りきった水を
飲むふりをする。こんな水、飲めたものじゃない。

つづく

342 :自夜 :2007/01/08(月) 10:34:15 ID:5qFt6w7O0
前世物語 第一部前世編 第二十三話 きねのこ その二

「町はいかんごたあ、全然まとまっとらん。みんな乞食たい」
洞窟に戻って報告をする。もう外は暗い。外に火が漏れないよう注意して
焚いている松明の明かりにゆらゆらと照らされている村人は赤鬼の顔。
「山向こうは?」
「逆に手ぇ貸せち言われた」
失望する赤鬼達。永田村には砦が築かれているという。お宮さんの方に行っ
た連中は子の刻を過ぎても戻ってこなかった。
「このまま隠れとってもいずれ狩り出されろー、狩り出されんでん、いつ
 かは米も尽きろー、そげんなったら、獣にでんならな生きていけん」
「わしらだけでん、やらなぁいけんやろうのう」
「やるなら早うやらんと、砦が出来上がったら歯がたたん」
話は纏まった。翌日から武器造りが始まった。木の枝から槍を造り弓矢を
作る。木を切って固くするために乾かす余裕はない。枝の槍など一人二人
殺ったら終わりだ。それでも無いよりはまし。武器になる農具を持ち出す
時間は無かった。頼りになるのは柔らかい槍に弓矢、そして手刀。
そして、待ちに待った冷たい雨の夜が来た。雨は足音を消してくれる。

つづく

343 :自夜 :2007/01/08(月) 10:37:46 ID:5qFt6w7O0
前世物語 第一部前世編 第二十三話 きねのこ その三

幼い子供達、腰の曲がった年寄りを残して、私らは走った。男も女も走っ
た。小川を飛び越え、田畑を突っ切り走った。時間が勝負だ。一気に永田
村の砦を落とし、武器を奪う。これしか勝ち目はない。
村の入り口が見えるあたりで身を屈めて遅れた者を待つ一群。ようやく追
いついた。息が苦しい。こんなに走ったのは生まれて初めて。
砦は静まりかえっている。まだ気付かれていない?やれるかもしれない。
息が整わぬうちに、黒影の一人が手で合図する。唾を無理矢理に飲み込ん
で、立ち上がる。
ひゅん。
黒影の一人が奇声を上げ、両の手を宙にかざし、そして仰向けに倒れる。
ひゅん、ひゅん、ひゅん、ひゅん、ひゅん、ひゅん、ひゅん、ひゅん。
額を射抜かれ、ぎゃっとぶっ倒れる乞食の相棒、腰に矢を刺して、泥の
中で悶絶する若衆。いち早く逃げ出す坊主、続く若衆。総崩れ。
「わしゃぁ、ぼうずじゃぁ。さいごぉにぃみなをとむわなーいかんのじゃぁ」
自分だけ助かる気か。私は立ち止まり、弓に矢をあてぎりぎりと絞る。
一矢報いてやる。

第二十四話へつづく

344 :自夜 :2007/01/08(月) 10:41:57 ID:5qFt6w7O0
前世物語 第一部前世編 第二十四話 やぶぎつね その一

雨で滑った。弦から外れた生木の矢は力無く泥田に落ちた。私らの夢が地
に落ちた。
唸りを立てて、矢が頬の側を飛んでいった。そして衝撃。撃たれた。ここ
で死ぬんだ。まだまだ生きていたい。もうこれでいいや。加由はこの先、
誰のお乳を飲むんだろう。
泥田の中で気が付いた。疲れてはいたが、撃たれた気配はない。躰は動く。
隣にうずくまる黒影。火袋。肩から血。撃たれたのは火袋。幸い矢は掠っ
ただけ。それから又走った。何度も転げながら。今度は逃げるために。又、
逃げるために。
「ここは捨てんばいかんのう」
どこかの村の長老が言う。私らの存在を知った馬鹿者共はきっと狩りだし
にくる。皆、出来るだけ荷物を持った。全部の米は持てない。峠は使えな
い。険しい山中。這って登らなければならない。加由は急造の篭に入れ私
が背負った。太古の昔、あの女性がしたように、同じ山を越える。
女性は勝軍、私らは負軍。こんな形でおにちゃ達が行った、子供の私が夢
見た隣の国に行くとは思わなかった。私らの郷は二度滅んだ。

つづく

345 :自夜 :2007/01/08(月) 10:45:59 ID:5qFt6w7O0
あれ? 計算が合わない・・・  と思ったら、勢い余って、明日の分までうぷしてしまいました
まぁ、ええや。明日の分、全部うぷしときます

346 :自夜 :2007/01/08(月) 10:48:50 ID:5qFt6w7O0
前世物語 第一部前世編 第二十四話 やぶぎつね その二

最初のうちは作物を盗んだり行き倒れの荷物を失敬したり。日々減ってい
く米、飢餓の恐怖に耐えきれず、たまに通りかかる生きている旅人を襲う
ようになった。
逃げた先の国も馬鹿者共に盗られ、ここも安住の地ではなくなった。私ら
は、より遠くに逃れる者と、洞窟に残した米に頼る者とに別れた。それま
でに何人も死んだ。
今度の山越えでは加由はおんぶ。もう重い。洞窟の米は無事だった。
減り続ける米、男衆は酔っぱらうことが多くなった。猟に出るのは女が多
くなった。このままでは冬を待つ間もなく立ちゆかなくなる。
洞窟で私は怒っていた。酔っぱらうだけの男衆を詰っていた。男衆はしょ
ぼくれて聞いていた。女衆は顔を背けていた。
翌日、私ら親子三人は洞窟を出た。何組かの家族も出た。当てがある訳で
はない。やがて、ばらばらになり、三人だけになった。
私らの夢が地に落ちた日、一番に逃げた坊さんは洞窟に帰ってこなかった。
やはり、どこかの間者だったのだろう。坊さんが讒言したに違いない。今
度会ったらぶっ殺してやる。そうでも思わないと気力が湧かない気がする。

つづく

347 :自夜 :2007/01/08(月) 10:51:54 ID:5qFt6w7O0
前世物語 第一部前世編 第二十四話 やぶぎつね その三

少しでも多くの物を恵んでくれる所を、出来れば猫の額でもいいから耕せ
る田畑を、そんな都合のいい望みを持っていた。
現実は甘くない。本物の乞食だ。物乞いで、少しでも食べ物を手に入れれ
ればましな方。いつ果てるともない放浪の旅。歩けばそれだけ腹が減る。
どこをどう歩き回ったか判らない。同じ所をぐるぐる回っていただけのよ
うな気もする。
夏が来て、秋が来て、冬が来て、春が来て、これをもう一度繰り返すまで
親子三人なんとか生きてきた。
加由ももう四歳。なんでも食べる。私らは煮炊きしても顔をかしめないと
食べれない芋虫や、蚯蚓、蛭、生で食べる。美味しいのかい?美味しいっ
て何?そう。加由は米の味をしらない。海の魚の味を知らない。餅の味を
知らない。
百姓だけの国をつくるんだ。火袋は夢を捨てていない。夜、星を見ながら
夢を語る。
「また出来もしないこと言って」
それでも火袋の語る夢が好きだ。私も夢を見ていたい。

第二十五話へつづく

348 :自夜 :2007/01/08(月) 10:56:58 ID:5qFt6w7O0
>>336 まんぼうさん
どうもです。
風景などの描写は、一応体験記なので記憶を追っかけながら書いています。
フィクションだと、なかなかこうはいかないので、そういう意味では楽ですね。
早いもので、あと二回で最終回です。よろしく。

349 :自夜 :2007/01/08(月) 10:59:48 ID:5qFt6w7O0
>>337 まぐろさん
お久しぶりです。って、ちょいとまぐろさん。相談スレ、落ちてます?
再開する時は、教えてくださいね。

今後とも、物語スレ、宜しくお願いします。

350 :自夜 :2007/01/09(火) 09:59:12 ID:xuk5MIQd0
前世物語 第一部前世編 第二十五話 へびもぬけ その一

最初気付いたのはしゃべり方。ちょっと吃るようになった。
そして梅雨、雷をきっかけに、火袋が躰を弓のように曲げて苦しみだした。
以前、見たことがある。そして、以前見たとおり、三日三晩のたうち回り、
苦しみ抜いて、苦しみ抜いて、火袋は動かなくなった。
私は二回目の涙を流した。
深い穴を掘った。手刀はまだ駄目にする訳にはいかない。私と加由はまだ
生き抜かなければならない。だから、素手で掘った。雨で土が柔らかいの
が助かる。でも、柔らかいのは浅いところだけ。
火袋を穴に入れ、土まんじゅうを作る。墓標が欲しい。
「かかちゃ、どうした」
「ととちゃのね、お墓の石がほしかと」
「かかちゃ、あれは」
加由が指したもの。お地蔵様。
「ちびちゃ、あれはだめだよ。お地蔵様いうて、旅のもんを守ってくれる
 ありがたか神様なんよ」
「そっか、ととちゃが神様独り占めしたらいかんもんね」

つづく

352 :自夜 :2007/01/09(火) 10:03:36 ID:xuk5MIQd0
>>351 創ちゃん
印度で修行し直して虹男に戻りなさいませ。

353 :自夜 :2007/01/09(火) 10:12:53 ID:xuk5MIQd0
前世物語 第一部前世編 第二十五話 へびもぬけ その二

適当な石を見つけ、加由と運ぶ。よいしょ、よいしょ。加由は楽しそう。
ずっとずっと一緒に遊んであげていない。同じ年頃の仲間もいない。
石を置き、加由に簡単な念仏を教え、一緒に唱える。南無阿弥陀仏。
「かかちゃ、どういう意味な」
南無は帰依する、阿弥陀は無限の、仏は心。
「ととちゃが悲しみのない国で暮らせますように、っていう意味よ」
「そっか、なむあみだぶつ、なむあみだぶつ」
物心ついて以来、この子は物乞いの旅をしている。普通の、百姓としての
あたりまえのことを知らない。
一緒にいてあげよう、遊んであげよう、いろんな事を話してあげよう。
蹄の音で、思いが断たれる。顔を向けると一騎の騎馬が駆けてきて、私ら
を蹴散らすように近づき、土まんじゅうを、踏んだ。
髪の毛が逆立つのが判る。全身の毛穴から怒気が吹き出すのが判る。
加由の方が動きが速い。手近な石を投げつける。石が宙を舞い、馬の首筋
に当たり嘶く。振り返る赤い眼のさむらい、柄にに手をかける。
私は腰の手刀を掴んだ。

つづく

354 :自夜 :2007/01/09(火) 10:17:32 ID:xuk5MIQd0
前世物語 第一部前世編 第二十五話 へびもぬけ その三

次々に石つぶてをぶつける加由。暴れる馬、泥濘に足を取られる。さむら
いが馬ごと転ぶ前に私は手刀を抜いて走っていた。
素早く起きあがろうとするさむらいに辿り着いた私は満身の力を込めて兜
を蹴飛ばす。一瞬あらぬ方を首が向き、戻ってきた顔の真ん中に両手で握
りしめた手刀を突き出す。
かつん。
しまった、兜に当たったか。ずぶずぶ。何かに潜り込むような手応え。
私はいつの間にか瞑っていた目を開けた。
眼と眼の間に手刀がある。左右の眼は別の方を向いている。さむらいが暴
れだし、手刀ごと私ははじき飛ばさる。眉間から血潮と脳漿を飛び散らせ
ながら、さむらいは無茶苦茶に暴れ、無茶苦茶に吼えた。
倒れ痙攣していたさむらいが動かなくなってようやく私は立ち上がった。
加由、かかちゃやったよ。あんたをまもったよ。どうしたの加由。何故後
ずさるの?
手刀を握ったままなのに気付く。硬直する指を何とか外し、鞘に収める。
遠ざかる蹄の音。蹄の音?しまった。

第二十六話へつづく

355 :自夜 :2007/01/10(水) 12:38:40 ID:DTF3Fqfg0
前世物語 第一部前世編 第二十六話 むじな その一

逃げようとする加由の腕を掴み、引きずってその場を立ち去る。
主のいない馬が帰ってくれば、何かあったと莫迦でも判る。
深く、出来るだけ深く、気は焦るが私はやがて動けなくなった。足の小指
が腫れ上がった。その晩は窪みを見つけ、加由を抱きしめて過ごした。躰
の震えが止まらない。この手が人を殺めた。
歩けるようになるまで加由が食べ物を取ってきてくれた。盗ってきたのも
ある。生の蜥蜴の食べ方も教えてくれた。指で力一杯頭をはじき、気絶し
たところを丸飲みする。
「噛むと苦いからね」
嫌な気分。悪阻の様。
歩けるようになっても山中を彷徨った。他人の猟場に断りなしに入ると殺
されても文句は言えない。三人の時は山は避けていた。今は違う。さむら
いに見つかると殺される。
夏の間は蛇、山鳥がよく獲れた。偶に獣が獲れると親子二人生肉を貪り食っ
たた。火は熾せない。古兎のように用心深く二人で生きた。
夏が過ぎる頃、私は利き腕にしびれを感じるようになった。

つづく

356 :自夜 :2007/01/10(水) 12:41:01 ID:DTF3Fqfg0
前世物語 第一部前世編 第二十六話 むじな その二

秋になると山苺、あけびなどの果実が手に入った。利き腕のしびれは消え
ず、獲物が獲れない日が続いた。たまの獲物は加由に全部に与えた。
食べなければ体力が落ちる。判ってはいる。でも、獣は食べる気がしなかっ
た。私は衰えつつあるのを感じていた。
日が短くなり、木の皮が無残に食い荒らされるようになった。果物が無く
なり、椎など木の実を渋いまま食べた。少しは冬を越すために蓄えなけれ
ば。気持ちは焦るが、蓄えは増えない。
その年、初めての雪が降り、私は自分の迂闊さに気付いた。
ここは北斜面に当たる。じき、深い雪に閉ざされる。雪が積もる前に南斜
面に移動しなければ。南斜面に行けば、冬の間でも少しは食べるものがあ
る。
峠は危ない。でも、とてもじゃない。この深い山々、山越えは無謀だ。
雪が強くなる中、峠へ急いだ。途中越えれそうにない沢や崖も加由が押し、
引き上げてくれた。
何時の間にこんなに逞しくなったのだろう。でもまだ子供だ。今日の食べ
物は盗ってくることが出来ても明日を生きる術は知らない。

つづく

357 :自夜 :2007/01/10(水) 12:43:28 ID:DTF3Fqfg0
前世物語 第一部前世編 第二十六話 むじな その三

遅かった。峠はすっかり雪に閉ざされていた。それでも進む。寒い。冷た
い。冬の魔物が襲ってくる。単衣ではあまりに非力だ。私は動けなくなり、
加由を抱いて倒れた。こうやって抱いていれば加由は寒くない。
寒い?寒くない。熱い。お腹が熱い。お腹には加由が居る。何故?
白き魔物が私を狂わせようとしている。私は知っている。冬は寒い。雪は
冷たい。狂う訳にはいかない。熱いはずがない。でも熱い。
「おかしいね、雪なのにとてもぬくいね」
「かかちゃ、ちっともぬくーない」
楽しい。愉快だ。こんなに楽しいところだったら、もっと早くに来ればよ
かった。白き魔物よ。私を狂わせるな。まだ、狂わせるな。
「おかしいね、雪なのにとてもぬくいね」
「かかちゃ、ちっともぬくーない」
眼を開けているのに雪が見えない。加由のかかちゃ、かかちゃの声が遠く
に聞こえる。あはははは、あはははは。そして私の意識に暗闇が降りた。
私の骸にすがり泣き叫ぶ加由を私は上の方から冷たい目で見降ろしていた。
きのえね(甲子)の年の冬、私は死んだ。

第一部 完

358 :自夜 :2007/01/10(水) 12:46:22 ID:DTF3Fqfg0
前世物語 第一部前世編 番外編 蛇足もしくは補稿

今でも年に一度は私は村祭りのお宮さんを訪ねる。
茶店の餅は娘達の大好物。初春の日差しを浴びて、旦那は美味しそうに杯
を傾ける。帰りの運転は私らしい。
日頃甘い物が苦手な私だが、この時だけは一個だけ餅を食べる。
ここは、今ではすっかり御母堂の方の安産祈願で有名である。お礼参りの
赤子を抱いた家族が何組か神殿で御祓いを受ける。
神殿はすっかり変わってしまった。境内はあちらこちらに昔の面影を残し
ている。ご神体でもある樹齢何百年かの楠。あの時もあった。
この楠の元で春秋、酒を酌み交わしていた。
「あんこが甘くなかったら、とーちゃんもたべれるのにねぇ」
上の娘のなっちゃんが言う。下の娘のみぃちゃんが答える。
「甘くなくても、うち、とーちゃんはお酒選ぶと思うな」
昔はここのあんこはしょっぱかったんだよ。いつかこんなことを娘達に伝
える日が来るのだろうか。来なくていい気もする。
自夜の記憶は時代を超えて私に伝わった。この娘達には現自夜が直接体験
したことを伝えれば充分だ。普通で充分だ。
旦那は杯をお代わりし、私は口中の甘さを何とかするために煙草に火を点
けた。

おしまい

359 :自夜 :2007/01/10(水) 15:02:51 ID:DTF3Fqfg0
ようやっと、第一部の終わりです

第二部、書く気にはなってるんですが、どういう風に書くかで悩んでます
幽霊の私を主人公にすると私の視点ですから

加由が立った。座った。しゃがんだ。うんちした。

みたいな記述だけになってしまいます。それはそれで斬新かもしれませんが

まぁ、どういう風に書くかはもうちょっと悩ませて貰うこととして、
それまでは、だらだらと幽霊とか妖怪の話でもしていきましょうかね

もちろん、苦情、苦笑、質問など自由に書き込んでください

あと、第一部は Web Site にうぷしました
まとめ読みする場合は Web Site の方が便利かもしれません

360 :自夜 :2007/01/10(水) 15:05:22 ID:DTF3Fqfg0
前世物語 業務連絡9 自夜がweb site開設?の疑惑 素直に言います。宣伝です

http://anime.geocities.jp/ojiya1539/

白き魔物があなたを狂わせる

362 :自夜 :2007/01/10(水) 16:47:38 ID:DTF3Fqfg0
>>361さん
官能小説ですか。ん〜、それもおもしろいかもしれないけど
もし、官能オカルト小説長文連投したら、誰か書いてくれますかねぇ

「田子作は加由のふとももに指を這わせ・・・まで読んだ」って

364 :自夜 :2007/01/10(水) 17:26:10 ID:DTF3Fqfg0
>>363さん
その「長文控えろ」ってのを書いたつもりが、実は内容に即したものだったら、
かえって笑い者にならないかな〜ってつもりだったんですが・・・

=3 の内容が濃いいと ウソ〜 になっちゃいますので気をつけましょう

女性は小のつもりで大になっても、まぁ、平気ですが、男性は大騒ぎですね

365 :自夜 :2007/01/10(水) 20:10:02 ID:DTF3Fqfg0
前世物語 業務連絡10 自夜がweb site開設?の疑惑 2〜3日更新する予定はなかったのですが・・・

http://anime.geocities.jp/ojiya1539/

愛 それは甘い蜜 そして透明な罠

をぉ、なかなか官能っぽくなってきたじゃないですか(期待しないでね)

370 :自夜 :2007/01/11(木) 10:04:20 ID:Thwj7VNw0
>>367さん
           イ´__-___,. -‐ '__,. - '´
          「\ー----, - ' ´ ̄_
         │ト、l、 /´, '`⌒'´ `ヽ: : .
          ヾヽ!lV/ / ,/ /  ,' ハ、: .
       ,ィニ≧ゝレ' / /  ,./   / , ハ : : .
       く<-‐7´ _」] l l/_,∠/   / / / い : : .
        ̄ノ/: :f r'l l /レ'/、_/‐ト'、/l| li l : : : : .
       . : {ハ : :|{(l|y==ミ   _ノ、/ソリ ll | : : : : :
      : : : :ヽヽ: :|、lハl、゙      ⌒ヾlノリ ll l : : : : : :
      : : : : : : : : V\ヽ、 `ー  ゛ノルんイリノ : : : : : : ちゃんと最終回にあわせて
     .,-‐-.、  : : : ,.--、_ハ`‐r=ニ--、   _.,-‐-、. : : : 変えてくれたのね。ありがと
    ./    `` ‐/  /-ョロ'ヲ´   i l_´     \ :
   /// ノノ/;〈  ,ハフ'兀「     ! }ヽゝ\ヽゝ \
 / (/(/(ソソノ ヽ,   ト{‐lハ. ヽ ' ノ へ/ゝソソヽ\,\
(/(/丿`'  : : : : : : 〈 ,  !{ソ   ヽl/|、: : : : : : : ⌒''ヽ)\.)
        : : : : : : : `ヽ  V     j _ノ ,スヘ_ノ7--‐イ∧
          : : : : : : : { /     ,ハ、  _//く 〈 ___ r'九〈ハ.}
          : : : : : : :レ'    ' ,ハヘニイヽ_厂 、ノソト}〈V´
            : :_ノ‐- 、'  {∧ トヘ_「    {Y: :仔 之_

371 :自夜 :2007/01/11(木) 10:13:17 ID:Thwj7VNw0
>>366さん
今では氏神様は近所のお宮さんって感じですが、ちょっと前までは一族団結とか、
地域団結の象徴だったんですよね。折に触れて氏神様に日々の報告をするのはよい
ことだと思います。

>>368さん
私も心配してました。人知れず、野垂れ死んだんじゃないかと・・・

372 :自夜 :2007/01/11(木) 10:21:07 ID:Thwj7VNw0
>>369さん
それで悩んでるんですけどね。どういう展開にするか。この際アンケートとってみましょうかね

あなたはどの話を読みたいですか?
一番読みたい話を以下から選んで、木片に墨で書いて和紙でくるんで御神酒と一緒に神棚に上げてください

幽霊の生活風俗
楽しい妖怪ライフ
加由たん、がんがる
官能小説 秘密の坊さん

375 :自夜 :2007/01/11(木) 17:19:06 ID:Thwj7VNw0
>>373さん
神棚・・・いえ、ご回答有り難うございます

>>374さん
全部でもいいですが、一度には無理ですよ。どれから書きましょうか?

377 :自夜 :2007/01/11(木) 21:42:36 ID:Thwj7VNw0
>>376さん
流れとしては、やっぱり加由物語ですかねぇ
一応、その線で練ってみます

378 :自夜 :2007/01/11(木) 21:49:42 ID:Thwj7VNw0
前世物語 業務連絡11 自夜がweb site開設? はいはい、宣伝宣伝

某所っていうか、何故か前世否定スレで携帯から見れねーぞーっていう指摘を
うけてしまいました。だからってわけでもあるんですが、携帯用を作ってみました
こちらでは携帯では Web にはつながりませんので、携帯でのテストはしていません
おもいっきし、使い勝手がわるいかもしれませんが、仕様 です
PC版、携帯版間にリンクがないのも 仕様 です
それ以外の不具合などありましたら、ここに書き込んでくださいませ

PC用
http://anime.geocities.jp/ojiya1539/

携帯用
http://anime.geocities.jp/ojiya1539/m/index.html

あなたのぽっけに異世界をどうぞ

381 ::2007/01/11(木) 22:51:49 ID:Thwj7VNw0
>>379はん
呼んだか〜ぁ?

382 :自夜 :2007/01/11(木) 22:56:26 ID:Thwj7VNw0
あ、間違えた

>>379さん
妖怪さんの話ですか、↑の狢さんが主人公になりますが、よろしいですか?

>>380さん
よかったよかった
旦那には内緒でやってますんで、内緒です

ほいじゃ、おやすみぃぃ

    () zzzZZZ
_ノ乙(、)))_ 

383 :自夜 :2007/01/12(金) 20:27:01 ID:7m579baI0
なんか、お祭りみたいなんで、ここはひっそりやりますね
別にあげてもらっても一向にかまいませんが

>>381でご登場の狢さん。もちろん、私の別名ですが、モデルがいます
幽霊やってて加由と別れた後、私はぶらぶらしていた訳ですが、ある日呼び止められまして、
それが、この狢さんです
狢と言っても普通の狢と違って齢何百年かの古狸・・・じゃなかった妖怪さんで、この狢さん
から私は妖怪のこと、幽霊のこと、いろいろ聞きました
聞いたと言っても幽霊時代の私ですから、ふーん、へー、ほーってな感じでただ聞いてただけ
なんですけど、今になって思い出してみると、いろいろと面白い話を教えて頂きました
今でもその狢さん、どっかで生きているかもしれませんが、もちろん今の私とは音信不通です
それじゃ、面白くないんで、私が狢さんになりきってやっているということです

で、当面の方針ですが、楽しい妖怪ライフ、タイトルもそのままで、とりあえず Web Site
の方で番外編の形でうぷしていきたいと思います。それと平行して第二部、メインは加由の
話になります。これをここ、物語スレにうぷしようかなということに決めました

両方とも、もうちょっと書きためてから開始したいと思います。また、その時はここで連絡
いたしますね

それまでは、どうぞご歓談下さい

何時までも、ここがあるといいなぁ

385 :自夜 :2007/01/12(金) 21:16:01 ID:7m579baI0
>>384さん
価値観と言ってもいろいろあるわけですが、裸に対する羞恥心はたいして変わらなかった
と思います。特に意識しているわけではありませんでしたが、私の幽霊を人に見せる時は
生前と変わらない服を着たままでしたねぇ

加由の裸、これははっきりいって生身の人間が見ようが幽霊が見ようがどーでもよかった
ですね。幽霊になったからというよりも、その時代の価値観っていうんですかねぇ、今の
ようにお風呂なんてなかったから、川とか井戸もあったかな、行水なんですが、抵抗無く
裸になってましたし、男衆も別に見るようなことはなかったですね。覗き見くらいはして
いたのかも知れませんが

幽霊になって、一番変わったのが生死感ですね。まぁ死ぬ体験するわけですからあたりまえ
ですが。人の死が身近だった時代ですが、自分が死ぬというのは生きてる間はやはり恐かっ
たですよ。でも幽霊になってしまうと拍子抜けしたというか、死ぬってのは意外と簡単だな、
あっさりしたもんだなと思いましたね

こんな回答でよろしいですかね。裸みたいな具体例だと答えやすいです。なんかありましたら、
またどうぞ

388 :自夜 :2007/01/12(金) 21:40:36 ID:7m579baI0
>>387さん
一、別にどっちでもいいやってのが本心です。確率的には幽霊になれない、消えてしまう
方が圧倒的に多いので、多分消えてしまうと思ってます
例え幽霊になって記憶がのこったところで、現世でやれることは現世でしかやれないので
どっちに転んでも大差ないやってな感じです

二、目立たないことをいいことに人間の生活の場でも平気で行動する妖怪さんもいるよう
です。躰の小さな妖怪さんに多いそうです。便所の神様が実在するとすれば、こういう妖
怪さんかもしれません
大きな妖怪さんは普段は人との接触を避ける傾向にあるので、人の方で積極的にならない
と会える確率は小さいと思います
どの位身近かっていうと、例えば田舎道、暗くなりかけた頃、すれ違う二人、さて、よく
見かける人だったような気がするけど、暗くて顔もよく見えなかったし、誰だったかねぇ
黄昏の語源で有名な話ですが、この時声をかければ、すれ違ったのは実は妖怪さんだった
ってことが、ままあるそうですよ

391 :自夜 :2007/01/12(金) 22:30:50 ID:7m579baI0
>>390さん
粘着は好きですよ。あのべとべと感、接着と違い、いつまでたっても自己主張する
あのねばねばした態度、エクスタ・・・・・・何の話でしたっけ

加由の生まれ変わりですか。一度もそう思ったことはありません
自分自身が前世の私は前世の私、現世の私は現世の私、たとえ記憶はあっても別人
ですから、加由は加由、須磨は須磨、なっちゃんはなっちゃん、みぃちゃんはみぃ
ちゃんだと思っています

もし、万一加由の生まれ変わりがどっちかの娘だったとしても、加由と娘の人生は
やはり別なので、それはあまり意味をもたないことだと思います

ドライ過ぎますかね

394 :自夜 :2007/01/12(金) 22:58:56 ID:7m579baI0
>>392さん
私の戯れ言でよかったら、いつでもどうぞ

>>393さん
ようこそ、いらっしゃいました
Web Site の方も宜しくお願いします、第壱回くらいが、私の本性だったりします
えぇっと、今日の合い言葉は・・・考えてなかったわ。これでいいや、

あなたも一緒に狂ってみませんか

395 :自夜 :2007/01/13(土) 13:49:32 ID:UJnbeEHd0
前世物語 業務連絡12 自夜がweb site開設? 宣伝って言ってるだろ バシッ

特に更新していません。更新準備中と言ったところです
ここで書く分もまだ纏まっていません
お祭りは終わったんですかね
祭りの間、志半ばで夭逝した無数のスレ達が霊になったら・・・・・・
なんてことを考えたりしていました

日曜日は多分お休みします。それでは、どうぞご歓談下さい

http://anime.geocities.jp/ojiya1539/ (PC用)
http://anime.geocities.jp/ojiya1539/m/index.html (携帯用)

まつりのあとのはればれしいさびしさ、そこにつけいるくろいかげ

409 :自夜 :2007/01/15(月) 09:27:17 ID:ottVnopn0
日曜日は多分お休み・・・ いえ、なんでもないです

>>408さん
嫁拐にあって、だらだら戻ってくると、馬鹿者共に家をやかれて行き倒れていたため
昨日はこれませんでした。すみません

>>396さん
そうですね。

>>397さん
ホント、ここより面白いとこ作ってくれませんかね
そういえば、検証スレを立てるとかなんとか、どうなったんでしょう。楽しみにしてるのに

410 :自夜 :2007/01/15(月) 09:30:58 ID:ottVnopn0
>>400さん、>>403さん
あの方の芸風が変わったのかと、一瞬思いました
流れ解説、有り難うございます

>>401さん
まあだ
まだまだ寝ていていいですよ。そのうち、起こしに行きます。狢さんが

>>407 379さん
今、準備中です。いましばらく、時間ください

411 :自夜 :2007/01/15(月) 10:08:33 ID:ottVnopn0
>>398さん
一、問:幽霊の移動手段は歩きですか? それとも空中をスー?
  答:陸海空地なんでもいけましたが、たいていとぼとぼ歩いてました
二、問:移動速度はどれくらいですか?
  答:その気になれば新幹線くらいはでたかもしれませんが、たいてい時速一里〜二里くらい
三、問:瞬間移動は出来ましたか?
  答:出来ませんでした
四、問:カベとかの通り抜けは出来ましたか?
  答:出来ました
五、問:物理現象を起こすことは出来ましたか?
  答:砂粒一つ動かせませんでした。動かしたい時は、生物に手伝ってもらいます
六、問:その気になれば誰かに取り憑いて殺す事も可能でしたか?
  答:直接殺すことはできませんが、過失致死が三回ほど
七、問:生前興味を持っていた京や外国へ行ってみましたか?
  答:生きませんでした
八、問:いきなりチンチンを見せてくる変態幽霊はいましたか?
  答:人間の幽霊ではいませんでした
九、問:幽霊になって使える五感とは視覚と聴覚だけですか? 臭いや触覚は?
  答:臭いは意識したことがありません。触覚はそのものずばりの感覚ではないですが、
    物があるなという感覚はありました。温度も暑い寒いは判るんですが、温度計を
    みているような感じで、だから何・・・ってなもんでした

412 :自夜 :2007/01/15(月) 10:43:22 ID:ottVnopn0
>>399さん
問:別の階層にいったから見えなかった、ということはないでしょうか?
  それとも、消える、と思ったのには別の理由があるのでしょうか?
答:幽霊になると幽霊が判るようになります。これを見えるに例えると、もやっとした
  直径五〜十メートルくらいの霧の塊が見えるような感じです
  人が死ぬと、幽霊になる場合、死ぬ瞬間に霧が発生し、塊になって亡骸から離れ、
  ふわふわと漂います。幽霊にならない場合は霧の発生までは同じですが、そのまま
  拡散していく感じで消えてしまいます
  死に方にもよりますが、だいたい例外なくそうですね
  以下はこのことから得た私の理解です
  死ぬ時にそれまで脳内にあった思考のエネルギーが止まる時に、その分のエネルギー
  が周囲の空間に解放されます。普通はそのまま拡散してしまいますが、ある種の思念、
  度々私が言っている残念ですが、それがあると、解放されたエネルギーが拡散せずに、
  うまいこと循環するような回路を形作るため、生前の記憶などがエネルギーの循環す
  る塊に複写され幽霊になります
  この理解で幽霊の消滅や転生など、だいたい私が見たことが説明できるので、消えた
  霧は別の所に行ったのではなく、本当に消えたものと考えてます
  簡単に言うと、消えるのを見た、ですね

413 :自夜 :2007/01/15(月) 10:48:50 ID:ottVnopn0
>>402さん
問:「そうだ!ちょっとそこの人を驚かせてみよう(・∀・)」
  ってな気分になったことはあるのかな?
答:驚かせるつもりはなかったんです。しばらく肩を借りて顎のせて休んでいたので
  そのお礼のつもりでちょっと姿をみせたんです
  まさか崖から落ちたり、ドブにはまったりするなんて
  信じてください。殺す気はなかったんです
  どうか、寛大な処置をおねがいします、裁判長様

いや、ほんと、驚かせようって思ったことはないですよ
ほかの幽霊さんもだいたいそうです

414 :自夜 :2007/01/15(月) 10:59:57 ID:ottVnopn0
>>404-405さん
一、問:幽霊の持ち物って、幽霊の手から離れても消えずに残っているものですか?
  答:持ち物も含めて幽霊が人間に見せている物ですから、持ち物だけ見せること
    は出来ます。が、幽霊があきちゃうと、消えます
二、問:前世で培った知識や経験は、今でも農作業ならまかせとけ!とか?
  答:考えもしませんでした。おもしろい発想だと思います
    ですが、現世の私には農業の才能がないようです
    私の手にかかると、ことごとく駄目みたいです
    娘達の朝顔や向日葵を駄目にしたのも私ですし、家庭菜園で収穫間近
    の野菜達を旦那の出張中に全滅させたのも私です
    経験に基づく知識があるから大丈夫と思ったんですがねぇ
    やはり、今の私は実体験がないですから、前世の知識や経験があっても、
    本で得た知識と大差ないんだと思います

415 :自夜 :2007/01/15(月) 11:08:32 ID:ottVnopn0
>>406さん
問:性格とか似てたり、同じだったりしますか? それとも違う性格なのかな?
答:全く違う性格ですね、自分で見る限り
  本人が気付かないところで似ているところはあるかもしれませんが、
  共通の知り合いがいませんので、検証しようがないですね

強いて言えば、人前で下ネタ話が出来ないことくらいかなぁ(嘘八百一)

417 :自夜 :2007/01/15(月) 13:45:46 ID:ottVnopn0
>>416さん
問:心の中でつぶやきますか?
答:グーで殴って大声でけしかけます

419 :自夜 :2007/01/15(月) 16:03:31 ID:ottVnopn0
>>418さん
充分面白いですよ、覚醒編。笑っちゃいました
Web Site に載せていいですか?
よければ、適当な PN を付けていただけると助かります

あと、次回作に期待しております

423 :自夜 :2007/01/15(月) 17:29:26 ID:ottVnopn0
早い、安い、旨い
なかなかシュールですし
こっそり私と交代しません?

次回作を楽しみにしてます

425 :自夜 :2007/01/15(月) 23:55:31 ID:ottVnopn0
>>424さん
加由はしゃがんでうんちした、まで書いた

なかなか筆が進みません。もうちょっと書きためないと、連載し出すとしんどいと
おもいます。というわけで、今週中くらいには開始できるかな、もうちょっと待ってね

狢物語・・・じゃなかった、楽しい妖怪ライフは一回目のテキストは仕上がりましたんで、
明日くらいには Web Site の方にうぷします。「適当な PN」先生の大作をうぷする方が先かな
ほいじゃ、また

http://anime.geocities.jp/ojiya1539/ (PC用)
http://anime.geocities.jp/ojiya1539/m/index.html (携帯用)

鵺の鳴く夜は楽しいペチカ

428 :自夜 :2007/01/16(火) 15:48:13 ID:wNUyOqYu0
今日は朝から現場まわりで疲れました

>>426さん
Web Site、騙し箱ですかねぇ。素直に作ったつもりなのに
お楽しみはこれからですよ、企画倒れにならなければ・・・

>>427さん
子供達が7〜8人居て、せいぜい2間でそんな昼まっからにゃんにゃんできませんって
農機具の手入れとか、家具の手入れとかやることいろいろありますし
(とにかく昔の道具はまめに手入れしないとすぐ駄目になっちゃいますんで)
まぁ、あっちの方は、子供達が寝静まってからとか、野良作業をちょいと抜け出してとか

430 :自夜 :2007/01/16(火) 20:32:33 ID:wNUyOqYu0
>>429さん
私の記憶の範囲では永田村では痴情のもつれで・・・まで発展したことはなかった
ですねぇ。浮気が全くなかったとは言いませんが。けっこう開けっぴろげだと、か
えって何もできなくなるんじゃないですかね。それとも山神様が恐すぎたのか・・・
他の村ではリンチとか村八分とか、まぁあってもその程度です
公的制裁は・・・・・・聞いたことありませんでしたね。なかったんじゃないでしょうか

主旨から外れますが、離婚再婚は、めずらしくはなかったですよ
近代でもここ百何十年かで離婚率が一番高かったのは今でなく明治時代じゃなかったかな
現代の人達が認識している昔の人の結婚観ってのは実際とは随分違うと思います

431 :自夜 :2007/01/16(火) 20:37:11 ID:wNUyOqYu0
>>429さん
430の回答は適切じゃなかったかもしれません。書き直します
問:浮気はどんな罰がありましたか?
答:浮気自体の罰は公的にも私的にもありませんでした
  浮気が元での痴情のもつれまで発展すると、リンチとか村八分とかでした

432 :自夜 :2007/01/17(水) 00:06:28 ID:bzHVOtq40
前世物語 業務連絡13 自夜がweb site開設? 済みません、更新間に合いませんでした

はい、なんとか、明日の朝にはファックス、え、大丈夫です、あとほんの数(十)枚です
はい、ご迷惑を、いえ、おいでいたなくとも、今部屋がきたなくて、はい、それでは ガチャン

なんて会話を締め切りの度にしているプロの作家さん、尊敬します
それでは、明日の朝までにはなんとか・・・

http://anime.geocities.jp/ojiya1539/ (PC用)
http://anime.geocities.jp/ojiya1539/m/index.html (携帯用)

田袋、あんたの想いは何処に

434 :自夜 :2007/01/18(木) 09:22:58 ID:oodC8bLL0
前世物語 第二部乱世編 第一話 加由 その一

雪の中で母が死んだ。
冬の峠道、やせ細った母は狂ったようにして死んだ。
その半年前、父が死んだ時は、後になって寂しくなった。幼かった私は死
の概念が判っていなかったのだろう。
母が教えてくれた念仏。南無阿弥陀仏。父が悲しみのない国へ行けるよう
にという意味だと教えてくれた。苦しんで死んだ父。本当に悲しみのない
国、苦しみのない国に行けるといい。そう思った。
母が死んだ時、悲しかった。一人になる寂しさもあった。母の声がもう聞
けない。母に甘えられない。もう母に会えない。悲しかった。
雪の中で泣いた。枯れるまで涙が出ればいいと思った。涙が枯れて、母の
横で死ぬんだと思った。なかなか涙は枯れなかった。
生前の父の記憶はあまりない。大きな人。優しい人。それくらい。
父と母、そして私は旅をしていた。村々を訪ね、余っている田畑はないか、
開墾したい土地はないか。人手は足りているか。そんなことを訪ねていた
ようだ。最後には何か食べ物を分けて貰えないかと言って、なにがしか貰っ
ていたようだ。その間、私は外で待たされた。

つづく

435 :自夜 :2007/01/18(木) 09:26:19 ID:oodC8bLL0
前世物語 第二部乱世編 第一話 加由 その二

父は昔百姓だったという。百姓とは田畑を耕して、米や雑穀などを育てる
人。知識としてしか知らなかった。百姓がどんなものか、本当は知らなかっ
た。
母も百姓の娘。父が見初めてかっさらったのだという。見初めるって何だ。
好きになることだよ。父が好きだ。母が好きだ。そういうことか? そう、
そういうことだよ。母が教えてくれた。
私は父母以外の人をあまり知らない。父母以外の人を好きになるという実
感が湧かない。
父が死んで母が夜叉になったことがある。やさしかった母が鬼の顔になっ
た。何でだったんだろう。思い出せない。
その後母は歩けなくなった。このあたりから私の記憶ははっきりする。
動けなくなった母のために蛙とか蛇とか蜥蜴を捕ってきた。母の喜ぶ顔が
嬉しくて、沢山沢山捕ってきた。
母が動けるようになると、私のために獲物を捕ってくれた。兎、穴熊、山
鳥。狸は穴熊に似ているけれど、生では臭くて喰えない。狸は汁にして喰
うという。水に肉や草を入れ、煮込んだもの。これも知識でしか知らない。

つづく

436 :自夜 :2007/01/18(木) 09:29:14 ID:oodC8bLL0
前世物語 第二部乱世編 第一話 加由 その三

動けない時に、沢山食べ物を捕ってきてくれたから。そう言って母は獲物
の殆どを私にくれた。秋になると果物が沢山手に入った。これの汁を搾り、
暫く瓶にためておくと、とても美味しい飲み物が出来上がるのだと教えて
くれた。
秋も深まり、果物が採れなくなると木の実を食べた。食べにくかった。な
かなか喉を通らなかった。
木の実を水にさらし、粉にしたものを焼くと美味しいという。火が使える
ようになったらこさえてくれると母が約束してくれた。
やがて冬が来て、雪が降り、約束は反故になった。
泣いた。泣いた。泣いた。そして、涙が枯れた。
母の骸に額を載せ、雪が積もるがままに任せた。
母と一緒の世界に行ければそれでいいと思った。
悲しみのない国、苦しみのない国へ行けば、父にも会えるかも知れない。
雪は積もる。母の骸と私を閉じこめる。いつまで経っても死ぬ気配はない。
父は苦しんで死んだ。母は狂って死んだ。私は苦しみが足りないのか。
その時、私は雪がかき分けられる音を聞いた。

第二話へつづく

437 :自夜 :2007/01/18(木) 09:30:57 ID:oodC8bLL0
Web Site の方、更新が滞っています。申し訳ないです

>>433さん
納得いきましたか? うまく説明できたかどうか・・・

440 :自夜 :2007/01/18(木) 19:19:17 ID:oodC8bLL0
>>438さん
自夜お得意の見切り発車です。この先どうなるか、さっぱりですが、どうぞよろしく

>>439さん
非常にがっかりさせる回答かもしれませんが、私の考えは、
一、はずみ
二、偶然
です
まぁ、進化の究極的目的があるとしても、それは人間じゃないでしょう
人間は単なる進化の過程と思いますがね

442 :自夜 :2007/01/18(木) 19:42:29 ID:oodC8bLL0
>>441さん
実は、宇宙とか宇宙人の話はあちこちで、ちらほらとしてまして・・・ポリポリ

まぁ、車椅子の宇宙の初期状態やら大統一理論やらを研究してらっしゃる偉大な博士
が来日した時の一般人の質問の第一声が「宇宙人は・・・」だったそうですから

なんでもありでいいですよ

総理大臣の寝言とか聞かれても知りませんけど
高張力鋼同士の溶接方法くらいだったらなんとか

444 :自夜 :2007/01/18(木) 21:42:06 ID:oodC8bLL0
>>443さん
ご丁寧にどうもです
ご期待に沿えず申し訳ないです
またのおこしをお待ちして・・・・いや、私みたいなのにこれ以上、関わらない方がいいですね、多分

446 :自夜 :2007/01/18(木) 22:14:22 ID:oodC8bLL0
こういう指摘は想定していませんでしたね。どう答えようかなぁ

>>>445さん
立ち上げとりますがな

448 :自夜 :2007/01/19(金) 01:03:08 ID:tqZglUSQ0
>>447さん
とってもサンキュです

乱世編、スタイルは前世編と同じで、主人公が変わったために多少文体を変えました
私は加由の心を覗いていた訳じゃないので、実際に加由が何を考えていたのかは知りません
ですから、私が見ていた加由がベースですが、乱世編はフィクションとして
お楽しみいただければよろしいかと思います

ほいじゃ、また

449 :自夜 :2007/01/19(金) 09:27:48 ID:tqZglUSQ0
前世物語 第二部乱世編 第二話 浪人 その一

熊かな。熊は見たことはない。話に聞いただけ。時に人を襲い喰らうとい
う。喰うために殺すのは悪いことではない。喰われるために殺されるのは
悪くない。
音は近づいてくる。ふと、熊というものを見たくなって顔を上げた。
人だった。
「小僧。こんなところで何をしている」
小僧ではない。私は女だ。
「こんな雪の中にいると死ぬぞ」
そう。死のうとしている。放っといてくれたらよい。
その人は私より暖かそうな服を着ている。袴というものを履いている。腰
に見えるのは刀? さむらいか。母はさむらいに見つかると殺されると言っ
ていた。ちょうど良い。バッサリと切ってくれればいい。
「これは・・・」
私の躰の脇から母がのぞいている。眼を開いたまま、固まってしまった母。
こんな母の顔を人に見られたくはなかった。狂った顔。
母の顔はもっとやさしい顔だ。

つづく

450 :自夜 :2007/01/19(金) 09:30:10 ID:tqZglUSQ0
前世物語 第二部乱世編 第二話 浪人 その二

「小僧の母上か?」
「行き倒れか。まだ間もないな」
さむらいは遠慮なしに母を覗き込んだ。
「小僧、雪の中から出ろ。死ぬぞ」
だから、私は死にたいんだ。
さむらいは強引に私の腕をとり、雪の中から引き上げた。
「手伝え」
さむらいは道端の木の元の雪を掻き出し始める。やがて地面が出、さむら
いは地面をも掘り始める。
父が死んだ時を思い出した。母と一緒に土を掘って土まんじゅうを作った。
さむらいは、母の土まんじゅうを作ってくれるのだろうか。
「手伝う」
「馬鹿野郎。手伝ってるのは拙者の方だ。小僧の母上だ。小僧が弔うんだ。」
二人して穴を掘った。冷たい土は硬い。さむらいは刀で地面をつつき、崩
してから掘り進んだ。汗が出てきた。
土まんじゅうが出来上がることにはあたりは暗くなり始めていた。
さむらいは無造作に簑を私によこした。

つづく

452 :自夜 :2007/01/19(金) 09:32:19 ID:tqZglUSQ0
前世物語 第二部乱世編 第二話 浪人 その三

汗に雪が降ると躰が冷える。大人用の大きな簑。私は頭から被った。
「母上の名は」
「・・・じや」
「どういう字を書く」
頭を振る。仮名はいくつか教えて貰ったが、漢字は知らない。
「小僧の名は」
「・・・かゆ」
さむらいは枝を刀で削った板に懐から隅壷と筆をとりだしてこう書いた。
「かゆのははじやのれい」
墓標。私は跪き、念仏を唱えた。
「なむあみだぶつ、なむあみだぶつ」
母の霊は悲しみのない国に行き、父に会えるのだろうか。
「ほう、経を知っておるのか」
私はまた頭を振る。
「これだけ。かかちゃがおしえてくれた」

第三話へつづく

456 :自夜 :2007/01/19(金) 10:38:10 ID:YG7TbaYc0
おお、復活しましたね

>>451さん
わしもそう思う です

>>453さん
わしもテレビ見よっ です

>>454-455さん
とってもサンキューです

457 :自夜 :2007/01/19(金) 21:08:06 ID:YG7TbaYc0
前世物語 業務連絡14 自夜がweb site開設? たいへんおまたせいたしました

更新しました
楽しい妖怪ライフは次回更新時にうぷとなります
次回は何時かと聞かれても困ってしまいますので、できれば聞かないでください

http://anime.geocities.jp/ojiya1539/ (PC用)
http://anime.geocities.jp/ojiya1539/m/index.html (携帯用)

時には覗いてはいけない世界もある

458 :自夜 :2007/01/20(土) 09:18:18 ID:0USLjZr90
前世物語 第二部乱世編 第三話 犬神 その一

駆け寄れば、捕まえられそうなほんの先、黒い影がいくつか雪の道をよぎ
る。
「犬神様、狼だ」
犬神様?狼?聞いたことがあるような気がする。何の話だったのだろう。
「先頭を行くのが亭主、次が女房、次から若い順に列になって移動する
 特に血縁関係ではない。独り立ちできない若い者がいずれかの群れに属
 する」
犬神様達は、人間をおそれる素振りも見せず道をよぎる。
「独り立ち出来るようになると、群れから離れ、何年もかけて新しい群れ
 を作る」
初めて間近で見る犬神様。私は少し恐くなってさむらいの方に寄る。
「心配することはない。犬神様は人を襲わぬ」
犬に比べると鋭い鼻先、最後の一頭がよぎるとき、ゆっくり私の方を向い
て、そして山に消えた。
「田畑を荒らす猪や狸を退治する、百姓にとっては神様だ」
そう。神様だ。前に聞いた話もそんなだったような気がする。

つづく

459 :自夜 :2007/01/20(土) 09:21:07 ID:0USLjZr90
前世物語 第二部乱世編 第三話 犬神 その二

さむらいは両手を合わせて土まんじゅうを拝む。沈黙の拝み、念仏はない。
「小僧、行く当てはあるのか」
私は頭を振った。ここで死ぬんだ。まだそう考えていた。
「当てがなければ拙者と来い」
一緒に来い。どういうことだろう。
さむらいは、返事も聞かず雪をかき分け歩き出した。母は土まんじゅうの
中、このまま独りぼっちで弔う人もなく、狂って死ぬ。恐怖が私を包んだ。
私は駆け出していた。置いていかないでくれ。こんなところで独りぼっち
にしないでくれ。
さむらいの足は速かった。雪はますます強く、闇はますます暗く、さむら
いがかき分けた道を隠そうとする。
新たに積もった雪を蹴散らし、私は駆けた。さむらいの姿は見えない。い
つしかさむらいが造った道は峠道から外れ、山中に入っていった。
こんなところではぐれたら、母もいないところで狂って死ぬ。
「おーい」
「そんなに大声をだすな」

つづく

460 :自夜 :2007/01/20(土) 09:23:57 ID:0USLjZr90
前世物語 第二部乱世編 第三話 犬神 その三

意外に間近でするさむらいの声。眼をこらすと、掘っ立て小屋。傍らにさ
むらいが立っていた。
「これでも拙者の屋敷だ。狭いが入るがよい」
さむらいはさっさと中に入る。ここまでついてきたんだ。どうとでもなれ。
そんな気持ちで私も中にはいる。
暗い、ほんのり雪の明かりでかろうじて者の輪郭が見て取れる。背後でバ
チッっと音がして暗闇がはじけた。煌々と照らされる小屋の中、私は腰を
抜かして無様に土間にへたり込んだ。
「小僧、灯を知らぬか。菜種から絞った油だ」
「そ、そのくらい知ってる」
嘘。夜の明かりと言えば、焚き火くらいしか知らない。母と二人の時は焚
き火すらしなかった。
「ずっと北の方に行くと地から臭いのする水や気が出てきてそれを灯にし
 ているところもあるという」
水を灯にする?水が燃える?信じられない。
「小僧、腹は空いたか」

第四話へつづく

463 :自夜 :2007/01/22(月) 09:30:09 ID:y2FYHCil0
前世物語 業務連絡15 自夜がweb site開設? 仕方ないなぁ〜

>>461さん
ご期待に沿えてますでしょうか?

http://anime.geocities.jp/ojiya1539/ (PC用)
http://anime.geocities.jp/ojiya1539/m/index.html (携帯用)

まずは旦那を倒してから

464 :自夜 :2007/01/22(月) 09:32:45 ID:y2FYHCil0
>>462さん
読んでいただいて、ありがとうございます
Web Site の方も宜しくお願いします

465 :自夜 :2007/01/22(月) 12:19:03 ID:y2FYHCil0
前世物語 第二部乱世編 第四話 灯台 その一

小屋の中は雪の寒さを感じさせない。囲炉裏に火が点ると暖かささえ感じ
る。物心ついたときからほとんど野宿だった。さむらいが投げてよこした
毛皮にくるまると、母に抱かれている気さえする。
乾肉、乾飯、塩漬菜、初めて見る食べ物。
「さぁ、喰え」
「う、うん」
「遠慮はいらん。たんと喰え」
遠慮ではない。食べ方が判らない。
囲炉裏の向かいに座ったさむらいは、瓢箪から自分の杯に酒を注ぎ、姿勢
を正す。私もさむらいに習う。
「いただきます」
「・・・いただきます」
さむらいの食べ方を真似しようと思ったが、さむらいは杯を重ねるだけで、
なかなか食べ物に手を出さない。
「どうした、喰わぬのか?」
「・・・喰い方が判らん」

つづく

466 :自夜 :2007/01/22(月) 12:23:11 ID:y2FYHCil0
前世物語 第二部乱世編 第四話 灯台 その二

「そうか。肉は喰い千切って暫く噛め。じき柔らかくなる。飯は湯で戻せ。
 菜は箸が使えるなら箸を使え」
笑われると思った。さむらいは笑わなかった。
箸の使い方が下手だと言い、握り方を教えてくれた。飯の戻し方も教えて
くれた。
初めて食べる暖かい飯。味の付いた肉、そして菜。美味しいというのはこ
ういう事か。食べ方が判ると次第にがっつく。さむらいは興味なさげに独
りで飲んでいる。勢い余って咳き込む。
「焦らずともよい。食い物は逃げぬ」
咳が止まらない。
「湯でも飲むがいい。それともこいつにするか?」
おそらくさむらいは冗談で杯を差し出したのだろう。湯を注ぐのももどか
しい私は杯をひったくり、咳き込みながら飲んだ。
「ほう、酒が飲めるのか」
さむらいは注ぎ足してくれる。私が咳き込みながら飲む間にもう一つ杯を
とってきた。ようやく咳が収まってきた。

つづく

467 :自夜 :2007/01/22(月) 12:27:27 ID:y2FYHCil0
前世物語 第二部乱世編 第四話 灯台 その三

「まぁ、濁酒だ。いい酒ではないが、拙者には応分だろう」
悪いどころではない。いい酒だ。米の酒だ。母に飲ませたい。
枯れたはずの涙がまた出てきた。
さむらいは時々私の杯に酒を注ぎ、自分は絶え間なく飲んだ。私はしゃく
り上げながら食べ物を食べ、酒を口に含んだ。
「いただきました」
涙がようやく収まり、私は食べ終えた。
私の杯に更に酒をつぎ足し、さむらいはまた飲んだ。食べ物には手を出し
ていない。
「小僧、いただきますの意味を知っているか」
「・・・獣や穀物、菜の命を頂く意味だと」
確かに母からはそう教わった。でも、記憶にあるいただきますは食べ物を
恵んでくれた人に対するお礼。
「小僧の親は立派だな。教えるべき事を教えている」
「おさむらいさ・・・」
「拙者を侍と呼ぶな!!」

第五話へつづく

469 :自夜 :2007/01/22(月) 16:20:18 ID:y2FYHCil0
前世物語 業務連絡16 避難所を設けました

ここに何かあったら下の所で会いましょう
なお、下の所は人間お断りのところですので、非常時以外は人間をやめてから
逝ってください

http://hobby9.no.land.to/bbs/test/read.cgi/occult/1169303072/l50

470 :自夜 :2007/01/22(月) 16:32:39 ID:y2FYHCil0
>>468さん
>アナタの作品を読んでもらいたいだけとか?
最初は相談スレでの流れですかね。ぽつぽつ身の上話風に書いていくうちに
こりゃ物語形式にした方が書きやすいぞ、ということで物語形式
まだ続けているのはそれなりにご要望があったから
まぁ、書くのは楽しいってのももちろんありますね(しんどくもある)

>だとしたら前世を題材にしなくてもいいですよね
前世の話は一区切りついたんで、今は別の話を題材にしてますよ
オカ板に相応しくないのは極力 Web Site の方のみに載せるようにしてますが

こんなところでよろしいですかね

471 :自夜 :2007/01/22(月) 16:41:18 ID:y2FYHCil0
前世物語 業務連絡17 自夜がweb site開設? ついに狢登場(画像あり)

ようやっと「楽しい妖怪ライフ」の開始です。お気楽モードでどうぞ

http://anime.geocities.jp/ojiya1539/ (PC用)
http://anime.geocities.jp/ojiya1539/m/index.html (携帯用)

狸小路に雪が降る

472 :自夜 :2007/01/23(火) 01:18:51 ID:9chn57eI0
さて、乱世編にしちゃったもんで、オカルト要素が少なくなっちゃったな〜〜と
思う今日この頃ですが、ここらで一つ雑談風に幽霊の話でも書き込みますか

日本で一番有名な幽霊話って何でしょうね。もちろん自夜物語幽霊編・・・
なんてことはないですね
 東海道四谷怪談
 番丁皿屋敷
 牡丹灯籠
だれが決めたかしりませんが、この三つが日本三大怪談だそうです
物語の粗筋はこの際省略しますが、岩、菊、露、いずれも主人公が女性という
のが、なんとも女というものは・・・になってしまうわけですが、別に女性の方が
幽霊になりやすいということはありません。男女平等ですね
さて、私もさほど詳しいわけではありませんが、今流布しているこの三怪談、
いずれも創作物で実話そのものではありません
番丁皿屋敷と牡丹灯籠は元々の話を歌舞伎や怪談噺用にアレンジしたものです
比較的原型を保っているのは皿屋敷でしょうか
但し、物語は原型を保っているものの、菊さんがどこの誰かだかは判っていません
江戸時代初期の実話がベースだと言われてます
牡丹灯籠の元の話は支那の似たような話らしいですね
恋する相手を憑き殺すなどというのは、ひたすら恨めしがる菊さん
とは対照的です
もっとも、日本にも清姫伝説という大変似た話がありますから
あまり過激なことは言えません
さて、岩さん・・・・・・というところで、また明日

474 :自夜 :2007/01/23(火) 16:49:17 ID:9chn57eI0
さて、岩さん、実は岩にもモデルがいます。その名も岩さん。実在の人物です
この実在岩さん、なんで怪談のモデルになったか判らないほど立派な人で、
夫を立て、貧乏だった家を立派にします。
そんな立派な人が、最後は夫を憑き殺す恐ろしい幽霊にならなければならなかっ
たのか。全ては鶴屋 南北というふざけた名前の人に責任があります
このように立派に恐ろしい幽霊に仕立てられた岩さんと露さんの話はあの世に
おいておいて、菊さんに話は移ります
そのまえに、前回の訂正
○番町皿屋敷
×番丁皿屋敷
関係者の皆様には多大なご迷惑を(中略)後略
お菊さんは大切な皿を割ったという理由で奉公先の主人から責められ、殺され
て井戸に投げ込まれたんですね
本当にお菊さんが皿を割ったのかどうかは知りません。時代は私の幽霊時代と
被るとは言え、面識はありませんし、噂も聞いたことありません。むこうも私
のことなんか知らないでしょうからおあいこです
必死で言い訳したのは容易に想像できます。奉公先の主人は今にも切り捨てそ
うな勢いで責め立てるのですから。皿など割ってません。ちゃんと数えてくれ
たら判ります。そういう思いだったんでしょうねぇ。でも無残にも切り捨てら
れます
おそらく、その後、真の下手人が見つかるなどして嫌疑が晴れたんじゃないん
でしょうかね。そうでなければ井戸に投げ捨てるというのが理解できません
証拠隠滅ですね
そして、お菊さんは皿を数える残念に囚われて、夜な夜な出る幽霊さんになっ
たのでした

ちゃんちゃん

475 :自夜 :2007/01/23(火) 17:17:35 ID:9chn57eI0
>>473さん
はいはい、電波ゆんゆん♪の自夜でございます・・・ってこれは他スレのネタか

問:幽霊同士は触れ合うことはできるのですか?
答:殴り合うことはできません
  存在を感じることはできます。言葉も通じます。すれ違う時、あいさつくらいはします
  今、すれちがったの誰だったっけといつも思います

問:幽霊になれば、やはり食欲・睡眠欲・性欲を初めとする欲望は無くなるのですか?
答:全くなくなる訳ではありません。理解は出来ますから
  やはり、希薄になると言うのがあたってるかな
  居眠りすることはありますよ。お経を聞くと眠くなります

問:後ろから急に刺されて死んだ、見ず知らずの輩に通り魔的に殺された、とかの場合、
  死後、幽霊となってから自分を殺した相手の正体を知ることは出来るのですか?
答:幽霊さんが真犯人を見つけ出すというのは、ちょっと考えにくいですが、
  偶然知ってしまうことはあるでしょうね。「ほう」で終わりですが

476 :自夜 :2007/01/23(火) 17:21:49 ID:9chn57eI0
>>473さん つづきです

問:生前は「殺してやる」という言葉を使いますが、幽霊になると同じ意味の言葉でも
  「命を奪ってやる」と言いますが、これは生前と死後とでは概念が変わってしまうからですか?
  ※この質問は、かなり以前から何度も自称霊能者さん達に訊いているのですが誰も答えてくれない
答:幽霊でも私の場合は「殺してやる」は「殺してやる」でしたけどね
  生前の「坊さん、今度会ったら殺してやる」は、幽霊になった後に坊さんに会った時も
  「そーいえば、わたしはこの坊さんを殺したかったんだ。どーでもいいですよー」でした
  ほかの幽霊さんはどうでしょうね。そこまでつっこんだつきあいはなかったですからねぇ
  そう言えば、自分を殺したか裏切ったかの晒し首の前で、たたずんで、「私が殺したかった、
  私が殺したかった」とつぶやいている女の幽霊さんがいましたっけ
  だから、他の幽霊さんもおなじじゃないかなぁ
  考えられる理由としては、「命を奪ってやる」と言った幽霊さんは、幽霊に成り立ての
  初心者さんだったかもしれないですね。しばらくは自分が幽霊になったことを理解できなかったり、
  逆に妙に気負って幽霊らしく振る舞おうとしたりすることもあるようですから。すぐ慣れますけど

問:幽霊と人間の恋愛は成り立つと思いますか?
答:冷たくあしらわれる事が好きな人間と、そういう人間が元々嫌いでない幽霊さんだったら
  可能性はあるでしょうね。人間の方に霊感があるというのが絶対条件ですが
  もちろん、そういう実例は知りません

問:幽霊時代、永田村の前の前世の記憶は甦りましたか?
答:甦りませんでした

477 :自夜 :2007/01/23(火) 17:24:54 ID:9chn57eI0
>>473さん これでおわりです

問:残される配偶者への心残り(愛情が)原因で幽霊になった場合でも、
  その配偶者が別の人と再婚したら、愛情は憎しみや嫉妬へと変わるのですか?
答:生前だったら殺しても許さないと考えるような人だったら、幽霊になったら
  やだよぉ、うちのひとったら、いい年なのに、あっちの方だけ元気なんだから
  くらいは思うかもしれません
  普通は、「ほう」で終わりでしょう

問:幽霊になった人は転生できるが、そうでない人は転生できないのですか?
答:私はそう考えています。転生には物理的接触が必要です
  もっとも双子の場合でまだ母親の胎内にいる時に一方が死亡すれば、直接転生の可能性はあると思います

問:幽霊としての記憶は、現世の自夜さんが生まれる直前まであるのですか?職歴:幽霊500年?
答:幽霊の記憶は200年くらいです。転生するまでの200年くらいはまったくの空白です
  想像ですけどね。転生の途中で「転送が中断されました」のエラーが起こったんだと思います

助言:このスレや他スレでの質問に答えたものを「よくある質問と答え」としてホムペにアップしたら?
現状:いままでの書き込みをそのまま転載するのも芸がないなぁ〜〜、と思ってるうちに今日になりました

479 :自夜 :2007/01/23(火) 17:43:25 ID:9chn57eI0
>>478さん
あら、そうなんですか? ちょっとまってね

<ちょっと>

わかりました。なるほどです。
いずれ頃合いを見て
「私のことで争わないでぇ〜〜〜」
って書き込もうかなとオチしていたところです

481 :自夜 :2007/01/23(火) 17:52:51 ID:9chn57eI0
>>480 風物詩さん
          ヾヽ!lV/ / ,/ /  ,' ハ、: .
       ,ィニ≧ゝレ' / /  ,./   / , ハ : : .
       く<-‐7´ _」] l l/_,∠/   / / / い : : .
        ̄ノ/: :f r'l l /レ'/、_/‐ト'、/l| li l : : : : .
       . : {ハ : :|{(l|y==ミ   _ノ、/ソリ ll | : : : : :
      : : : :ヽヽ: :|、lハl、゙      ⌒ヾlノリ ll l : : : : : :
      : : : : : : : : V\ヽ、 `ー  ゛ノルんイリノ : : : : : : あら、おひさしぶり。元気でしたか?
     .,-‐-.、  : : : ,.--、_ハ`‐r=ニ--、   _.,-‐-、. : : : どっかで野垂れ死んだんじゃないかと心配してましたよ
    ./    `` ‐/  /-ョロ'ヲ´   i l_´     \ :
   /// ノノ/;〈  ,ハフ'兀「     ! }ヽゝ\ヽゝ \
 / (/(/(ソソノ ヽ,   ト{‐lハ. ヽ ' ノ へ/ゝソソヽ\,\
(/(/丿`'  : : : : : : 〈 ,  !{ソ   ヽl/|、: : : : : : : ⌒''ヽ)\.)
        : : : : : : : `ヽ  V     j _ノ ,スヘ_ノ7--‐イ∧

486 :自夜 :2007/01/23(火) 18:11:32 ID:9chn57eI0
>>482=484 風物詩2号さん
       ,ィニ≧ゝレ' / /  ,./   / , ハ : : .
       く<-‐7´ _」] l l/_,∠/   / / / い : : .
        ̄ノ/: :f r'l l /レ'/、_/‐ト'、/l| li l : : : : .
       . : {ハ : :|{(l|y==ミ   _ノ、/ソリ ll | : : : : :
      : : : :ヽヽ: :|、lハl、゙      ⌒ヾlノリ ll l : : : : : :
      : : : : : : : : V\ヽ、 `ー  ゛ノルんイリノ : : : : : : おやぁ、こちらは新人さんかなぁ?
     .,-‐-.、  : : : ,.--、_ハ`‐r=ニ--、   _.,-‐-、. : : : 仲良くしましょうね〜♪
    ./    `` ‐/  /-ョロ'ヲ´   i l_´     \ :
   /// ノノ/;〈  ,ハフ'兀「     ! }ヽゝ\ヽゝ \
 / (/(/(ソソノ ヽ,   ト{‐lハ. ヽ ' ノ へ/ゝソソヽ\,\
(/(/丿`'  : : : : : : 〈 ,  !{ソ   ヽl/|、: : : : : : : ⌒''ヽ)\.)

487 :自夜 :2007/01/23(火) 18:24:17 ID:9chn57eI0
>>483さん
こんばんわ
問:前世物語は本当にあなた(過去)の体験の記憶なのですか?
答:本当です
  
  自夜物語(相談スレで連載していた分)と、前世物語 第一部は私の前世の体験を
  元にした物語です。ジャンル分けすれば、ノンフィクションです
  物語の体裁をとるために、全てが全てを書いたわけではありませんし、脚色した
  ところが全くない訳ではありませんが、概ね私の体験どおりに書きました

  もちろん

  >信じるも自由、信じないも自由、まぁ、お気楽にお楽しみ下さい

  です

488 :自夜 :2007/01/23(火) 18:27:52 ID:9chn57eI0
>>485さん
風物詩原型さん(>>480)と風物詩2号さん(>>482=484)は同一人物なんでしょうかねぇ
IDが違うこともありますが、連投の仕方が原型さんらしくないような気がしましたが、
気のせいですかね

490 :自夜 :2007/01/23(火) 18:53:18 ID:9chn57eI0
>>489さん
いつのまにか、あっちの方は、もう終わっちゃったみたいですね。出遅れたぁ
「私のことで争わないでぇ〜〜〜」のタイミングをまた逃してしまいました
かなしぃ。一度は言ってみたい台詞なんですけどね。まぁいいか

もしも霊界があるとして、私が気付かないだけだったら・・・ん〜、どうですか
ねぇ、気付かなければ存在しても意味がないし。まぁ今後の展開に期待しますね

493 :自夜 :2007/01/23(火) 19:24:28 ID:9chn57eI0
>>492 いるかもね?さん
あら、いらっしゃいませ。こっちは初めてでしたっけ?
まぁ、今後とも宜しくお願いしますね

>>491さん
>アナタに記憶を植え付けたただけかもしれませんよ?
そう思ってるっていってます

どうでもいいけど、二人ともこっちにきちゃって大丈夫ですか?
別にわたしはハイじゃないですけど、気をつけてね

せっかく>>490でさりげなく警告したのに・・・

495 :自夜 :2007/01/23(火) 19:48:29 ID:9chn57eI0
>>494さん
そんな呑気な書き込みしたり、体育座りの動画探してたりしていいんですか?
仕事を真面目にして心の平和を得た方がいいんじゃないですか?
私は執念深い方ではありませんけど、人の面子とかも気にしない方ですよ

497 :自夜 :2007/01/23(火) 20:08:24 ID:9chn57eI0
>>496さん
きてもいいけど、あなたたちの遊び場も晒していいですか?

499 :自夜 :2007/01/23(火) 20:52:54 ID:9chn57eI0
>>498さん
ん〜、単に私の気持ちとしては晒したいけど、一応本人さん達の許可ももらっとこう
かなぁってな具合だったんですがね

ここへくるのは自由ですよ。否定側の方や嵐の方も歓迎します
このスタンスは変えていません。何時でもどうぞ

500 :自夜 :2007/01/23(火) 20:55:26 ID:9chn57eI0
前世物語 第二部乱世編 第五話 死霊 その一

躰が固まった。恐ろしかった。今までの静かな語りが嘘のような激しい声、
射る目つき。
さむらいは目を外し、顔を和らげる。
「すまぬ。驚かせた。確かに拙者は侍だな。今まで沢山の命を頂いてきた
 侍だ」
「・・・」
「小僧、死んだらどうなるか知っているか」
「・・・悲しみのない国へ行くのだと」
「ふむ。悲しみのない国か。本当にそんな国があるといいな」
「・・・」
「人が死ぬとその肉体は朽ち果てる。そこいらの獣と同じだ。そして、や
 がて土となり、草木の滋養となる。草木は獣や人が食べ、またその獣は
 別の獣や人が食べる。この繰り返しだ」
「・・・魂は・・・」
「ふむ。魂か。小僧の言うとおり、悲しみのない国に行くのかもしれぬ。
 坊主共が説くように罪深い人は地獄に堕ちるのかもしれぬ」

つづく

501 :自夜 :2007/01/23(火) 20:57:35 ID:9chn57eI0
前世物語 第二部乱世編 第五話 死霊 その二

さむらいはまた杯を口に運ぶ。
「こればかりは、死んでみないと判らぬ。さしずめ、侍である世社は地獄
 行きなのだろう」
地獄に堕ちる。考えたこともなかった。地獄とは死霊が永遠に苛まれる所
なのだとさむらいは言う。その対極が極楽。
「それとも、罪深き死人は永遠にこの世とあの世の境を彷徨うのかも知れ
 ぬな」
「永遠に?」
「そう、永遠に。行く当てもなく、帰るところもなく」
「行く当てもなく、帰るところもなく・・・」
今の私がそうだ。今の私は死霊と同じ。
「浮き世もたいして変わらんな。富めるものはこの世の春を謳歌し、貧し
 きものは希望もなく苛まれる」
「希望もなく・・・」
「だから、身内が死ぬとその魂が極楽に行けるよう残された者は祈る。こ
 れを弔いという」

つづく

502 :自夜 :2007/01/23(火) 20:59:48 ID:9chn57eI0
前世物語 第二部乱世編 第五話 死霊 その三

母には地獄に堕ちて欲しくない。悲しみのない国と極楽が同じ所かどうか
は判らないが、悲しみのない国に行って欲しい。
そして、いつかは私もそこに行きたい。
「今宵は小僧の母親の弔いだ。存分に飲め」
飲んで弔いになるのなら。私は杯を口に運んだ。
夜中にふと目が覚めた。
灯は消され、囲炉裏に赤黒い火が残っている。
毛皮を布団代わりに、私はさむらいの傍らで眠っていた。
不思議な感じ。昼過ぎまでは母と一緒に雪の峠道を急いでいた。今は母は
冷たい土の中、私は暖かい小屋で毛皮にくるまれ、知らない人と寝ている。
どちらかというと痩せていたが、さむらいの背中は広い。まるで父に添い
寝してもらっているようだ。
「眠れぬのか?」
「ううん、ちょっと起きただけ」
「そうか」
私は目を閉じた。眠れば明日が来る。

第六話へつづく

506 :自夜 :2007/01/23(火) 23:03:32 ID:9chn57eI0
>>505さん(and >>503さん、>>504さん)
そっちのスレにあんまり今回のお二人さんのことは書かないで欲しいな
表面上は何事もなくいってますんで

まぁ、そっちは私の地道な営業活動の場なんですけど、今回のちょっとした騒動
のメインの舞台だったんですよ
h0UdRCTh0さんは完全な巻き込まれさんです
h0UdRCTh0さん、巻き込んでごめんなさい

で、まぁお二人さんも晒されたくは無いみたいなんで、その辺宜しくです

509 :自夜 :2007/01/24(水) 09:25:55 ID:3wjLbrlw0
前世物語 業務連絡18 自夜がweb site開設? ほう

>>507さん
私の楽しみを奪って・・・私になりかわり有り難うございました
N6B0N/VB0さんも、有り難うございました

http://anime.geocities.jp/ojiya1539/ (PC用)

ほう

510 :自夜 :2007/01/24(水) 09:28:33 ID:3wjLbrlw0
前世物語 第二部乱世編 第六話 夢枕 その一

夢を見ていた。
母の夢。
冷たい顔。
何故笑いかけてくれない。
何故語りかけてくれない。
手を伸ばせば届く。
手を伸ばしても届かない。
何故そんな目で私を見るのだろう。
冷たい目。
かかちゃ、かゆをだいて。
ほおずりして。
頭をくしゃくしゃして。
お話しして。
ほら、こんなに捕れたんだよ、食べて。
このご飯、お湯をかけて食べるの。
あったかくて美味しいよ。

つづく

511 :自夜 :2007/01/24(水) 09:32:32 ID:3wjLbrlw0
前世物語 第二部乱世編 第六話 夢枕 その二

お酒も見つけた、さあ飲んで。
お米のお酒、すごく美味しい。
だから、たくさん飲んで。
生きていた時は飲めなかったもんね。
だから、たくさん飲んで。
干したお肉。
知ってた?
すこし千切って噛むの。
すぐ柔らかくなって、味がしてくるの。
沢山獣を捕ってくれたよね。
今度は私が捕るからね。
獣たちの命を頂いて私の命にするの。
さあ、食べて。
冷たい口。
動かない口。
命?生きていた時?

つづく

512 :自夜 :2007/01/24(水) 09:35:08 ID:3wjLbrlw0
前世物語 第二部乱世編 第六話 夢枕 その三

かけよる。
遠ざかる冷たい母。
かけよる。
遠ざかる冷たい母。
母は死んだ。
狂って死んだ。
笑いかけない母。
語りかけない母。
母は死んだ。
獣の遠吠え。
目が覚めた。
夢を見ていた。
母の夢、もう見ない。
雪はまだ降っている。
目を閉じる。
獣の遠吠えが聞こえる。

第七話へつづく

513 :自夜 :2007/01/24(水) 09:42:18 ID:3wjLbrlw0
>>508さん
       く<-‐7´ _」] l l/_,∠/   / / / い : : .
        ̄ノ/: :f r'l l /レ'/、_/‐ト'、/l| li l : : : : .
       . : {ハ : :|{(l|y==ミ   _ノ、/ソリ ll | : : : : :
      : : : :ヽヽ: :|、lハl、゙      ⌒ヾlノリ ll l : : : : : :
      : : : : : : : : V\ヽ、 `ー  ゛ノルんイリノ : : : : : : 原型さんですかね
     .,-‐-.、  : : : ,.--、_ハ`‐r=ニ--、   _.,-‐-、. : : : ご苦労様です
    ./    `` ‐/  /-ョロ'ヲ´   i l_´     \ :
   /// ノノ/;〈  ,ハフ'兀「     ! }ヽゝ\ヽゝ \
 / (/(/(ソソノ ヽ,   ト{‐lハ. ヽ ' ノ へ/ゝソソヽ\,\

515 :自夜 :2007/01/24(水) 11:37:01 ID:3wjLbrlw0
>>514 風物詩原型さん
        ̄ノ/: :f r'l l /レ'/、_/‐ト'、/l| li l : : : : .
       . : {ハ : :|{(l|y==ミ   _ノ、/ソリ ll | : : : : :
      : : : :ヽヽ: :|、lハl、゙      ⌒ヾlノリ ll l : : : : : :
      : : : : : : : : V\ヽ、 `ー  ゛ノルんイリノ : : : : : : ちゃんと睡眠とれました?
     .,-‐-.、  : : : ,.--、_ハ`‐r=ニ--、   _.,-‐-、. : : : それともお仕事だったんですかね
    ./    `` ‐/  /-ョロ'ヲ´   i l_´     \ :
   /// ノノ/;〈  ,ハフ'兀「     ! }ヽゝ\ヽゝ \

517 :自夜 :2007/01/24(水) 13:46:51 ID:3wjLbrlw0
あるスレで、態度が煮え切らないといわれてしまいました

そうですかねぇ。お見せできませんが、まだ髪の毛逆立ってますけどね

Web Site にも書いてますが、心情的には「やっておしまい」ですが、一応スレ主
の一人として、あからさまに荒らしを煽るわけにはいきません
また、あっさり落ちてしまっても面白くありません。何時までも晒していたいなと

基本的に、誰が何を何処に書こうと私の知ったこっちゃありません
おねがいとして、あるのかスレを巻き込んでほしくないな〜というものです

むしろ、お願いしたいのは Web Site を出来るだけ沢山の人に見て貰えるような
知恵を貸してほしいというところでしょうか
今回のうぷ分もそうですが、見かけのおどろしさと裏腹に、笑える Site になる
よう作っているつもりです
コンテンツもそれなりに増え、そろそろ大々的に宣伝をうってもいいかなと

ですから、もし適当なリンク先があったら、勝手にリンクしちゃっていいです
からね。特に報告も何もいりません

ほいじゃ、今回のうぷ分の手直しと携帯用の作成と明日からの加由編と、冗談
抜きで締め切りが迫っている本業に戻ります。また、今日中には来ますので

518 :自夜 :2007/01/24(水) 13:49:18 ID:3wjLbrlw0
>>516さん
添削有り難うございます
Web Site に掲載する際には出来るだけ直したいと思いますので、他にもあれば、
宜しくご指摘願います

かしこ

521 :自夜 :2007/01/24(水) 14:10:59 ID:3wjLbrlw0
>>519さん
むかむかしますか。私、胃薬のことはよく知りません。薬系の板へどうぞ

>>520さん
風物詩さん達が気を悪くしますよ

523 :自夜 :2007/01/24(水) 15:03:44 ID:3wjLbrlw0
>>522さん
スレタイを見るだけでムカムカする人に教えてもしょうがないでしょう

525 :自夜 :2007/01/24(水) 15:35:00 ID:3wjLbrlw0
>>524さん
お断り申し上げます

527 :自夜 :2007/01/24(水) 15:43:28 ID:3wjLbrlw0
>>526さん
いやです

531 :自夜 :2007/01/24(水) 19:06:02 ID:3wjLbrlw0
>>529さん
昨日巻き込まれた h0UdRCTh0 さんですかね、ちがったらごめんなさい
昨日から今日と、あちらさんも何かやっているみたいですが、直接かまってる
余裕がない状態で(かまう気もありませんが)
まぁ、網は張ってあるんで、いまのところ私自身がやるのは Web Site の更新
作業だけです
私があれこれ言うべき事じゃありませんので、>>529さんは>>529さんの自由意志で
やってもらえればいいと思います

霊界考については是非お話を聞きたいですね。別にここは私への質問スレではないの
で、何時でも書き込んで下さい
あと、参考までに。別にラーメンが悪い訳じゃないですけどね

つttp://hobby9.2ch.net/test/read.cgi/occult/1167480343/535
三分四十三秒後
つttp://hobby9.2ch.net/test/read.cgi/occult/1168894611/431

532 :自夜 :2007/01/24(水) 19:12:32 ID:3wjLbrlw0
>>530さん
あぁ、やっぱりそうでしたね。意見交流楽しみにしてます

それと、vUU/syl3Oの下げろ君は放っておいていいです
上げる口実にいいなと思ってましたが、意外と短命でしたね



533 :自夜 :2007/01/24(水) 19:13:37 ID:3wjLbrlw0
>>528さん
ごめんなさい。にらめっこはまた今度

>>all
ごめんなさい、今日は幽霊の話、出来ないかも知れない

535 :自夜 :2007/01/24(水) 20:11:52 ID:3wjLbrlw0
>>534さん
そういうのは、天敵でなく、好敵手っていうんですよ

意見なんて、違って当たり前
みんな同じ意見の社会の方が狂ってると思いますけどね

536 :自夜 :2007/01/24(水) 20:15:53 ID:3wjLbrlw0
前世物語 業務連絡19 自夜がweb site開設? おまえたち、やっておしまい

携帯用できあがりです。PC用も、私の手下共が美しくなりました

http://anime.geocities.jp/ojiya1539/ (PC用)
http://anime.geocities.jp/ojiya1539/m/index.html (携帯用)

間者は死して名を残さず、名無しは死して残す名なし

538 :自夜 :2007/01/24(水) 22:13:42 ID:3wjLbrlw0
>>537さん
>お互いのプラス
同意です

>楽しみにしています
ぷ、ぷれっしゃーが・・・
実は書きためていた分、今朝で全部使ってしまいました。明日どうしよう・・・

539 :自夜 :2007/01/24(水) 22:29:48 ID:3wjLbrlw0
有名物の話ではありませんが、臨月の女性が亡くなって、埋められた後赤ん坊が生まれて、
母親の幽霊が飴を買いに来たとかいうはなしは、あちこちにあるようです
私自身が子供のことが残念になり幽霊になったことから、非常に共感を覚える話ではあり
ます
しかしながら、疑問点も多々あります。屍が赤ん坊を産む点に関しては、医学的にも不可
能ではないという話を聞いたことがありますので、その点は棚に上げ、臨月の女性が産ま
れてもいない子供のことが残念になるだろうかというのが第一点。第二点は幽霊は飴玉を
持てないということ。第三点はお金ですね。そんな幽霊見たことないも〜んというのもあ
りますが、これはまぁ除外しておきましょう
第一点ですが、お腹の子供が動いたりするとやはり母性本能を擽られるものです。でも、
臨月ともなると子供は動かなくなるし、お産の恐怖の方が先に立つ、まぁ私だけかも知れ
ませんが。でも、母性の個体差とか早産とかを考えると、可能性が無い訳ではありません
ね。第二点、これは非常に重要です。お話では幽霊が直接飴を買いに行き、棺桶の中まで
運んだというものが多いです。まぁ、人とか犬猫を利用して飴を運ぶことは可能かもしれ
ませんが、密閉した棺桶にどうやって飴を入れたのでしょう。第三点はお金ですが、運搬
は犬猫でいいとして、棺桶の中からどうやって出したか、お金が尽きる前に赤ん坊が助け
出される話が多いのは単なる偶然か?まぁこういう理由から、私は創作話ではないかと思っ
ていますが、母性の重要性を教えるにはいい話ですので、小さな子供に聞かせるのはよい
ことだと思います。怖がりますが
いずれにせよ、棺桶とか銭を持たせる仏式が一般化した以降の話なのではないでしょうか
私の時代みたいにそのまま土葬だと産まれてもすぐ窒息しちゃいますからねぇ

541 :自夜 :2007/01/24(水) 22:47:36 ID:3wjLbrlw0
>>540 風物詩(未分類)さん
       . : {ハ : :|{(l|y==ミ   _ノ、/ソリ ll | : : : : :
      : : : :ヽヽ: :|、lハl、゙      ⌒ヾlノリ ll l : : : : : :
      : : : : : : : : V\ヽ、 `ー  ゛ノルんイリノ : : : : : : 幻の初号機さんみたいな書き方ですねぇ
     .,-‐-.、  : : : ,.--、_ハ`‐r=ニ--、   _.,-‐-、. : : : あぁ、この躰も、もうすぐ終わるぅ
    ./    `` ‐/  /-ョロ'ヲ´   i l_´     \ :

544 :自夜 :2007/01/25(木) 13:55:11 ID:xCZvhHJz0
>>542 sageさん
ありがとうございます
嵐自体は私は楽しみにしていますので、ご安心下さい

>>543さん
ご愛読有り難うございます
タイトルが消されてBN+のリンクが貼られているだけで中身は変わっていません
まぁ、もちついて
タイトルだけが生き甲斐ということでなければ、無問題です

545 :自夜 :2007/01/25(木) 14:02:06 ID:xCZvhHJz0
っていうか、タイトルそのままですやん
ようつべ板自身へのリンクがBN+へのリンクに変わっただけです

>>543さん
そういうことです

547 :自夜 :2007/01/25(木) 15:03:08 ID:xCZvhHJz0
>>546 風物詩原型さん
      : : : :ヽヽ: :|、lハl、゙      ⌒ヾlノリ ll l : : : : : :
      : : : : : : : : V\ヽ、 `ー  ゛ノルんイリノ : : : : : : 今日も元気そうでよかったです
     .,-‐-.、  : : : ,.--、_ハ`‐r=ニ--、   _.,-‐-、. : : : あと一〜二回かな

549 :自夜 :2007/01/25(木) 15:18:15 ID:xCZvhHJz0
>>548さん
自殺ねぇ。来世というか、転生する可能性はありますよ
自殺した人でも幽霊になるところを見たことはありますから
自殺と言ってもちゃんとした自殺で切腹みたいな刑罰とちがうものでした

まぁ、私の時代はわざわざ自殺なんてしなくても簡単に死にましたから、
自殺者は圧倒的に今より少なかったですね

551 :自夜 :2007/01/25(木) 15:25:56 ID:xCZvhHJz0
>>550 風物詩原型さん
      : : : : : : : : V\ヽ、 `ー  ゛ノルんイリノ : : : : : : 風物詩さん達、ありがとう。たのしかった

554 :自夜 :2007/01/25(木) 15:32:12 ID:xCZvhHJz0
>>553さん
つI

557 :自夜 :2007/01/25(木) 15:42:04 ID:xCZvhHJz0
>>555さん
つIIIDD     これで、打ち止め

561 :自夜 :2007/01/25(木) 15:53:51 ID:xCZvhHJz0
>>558さん
はんかち、ちりがみ、おさいふ、防犯ブザーはちゃんともった?
いってらっしゃ〜い。車に気を付けてね
先に手をだしちゃだめよ。先に手をださせて三倍以上お返しするのよ

このまえみぃちゃんをそう胃って見送ったら
わたしもう高学年よ、莫迦にしないで
と、怒られました

566 :自夜 :2007/01/25(木) 16:16:04 ID:xCZvhHJz0
料理のことは狢さんに聞いた方が確実ですけどねぇ

>>559さん(>>562さん、>>565さん、もうちょっと我慢を身につけましょうね)
用意するものは、鯖一匹、生姜一辺、梅干四個、味噌百五十グラム、砂糖百五十グラム
味醂ワンカップ二分の三くらい、醤油ワンカップ半分くらい、酒一合半

一、鯖を三枚おろしにして、適当にぶつ切りします
二、鯖のバラバラ死体に熱湯をかけます
三、爛れたバラバラ死体を溜水でざっと洗い、鍋に遺棄します
四、水道をひねり、バラバラ死体を海ゆかば、水浸く屍にします
五、無慈悲にも強火にかけます。灰汁はとりたかったらとってもいいですが、
  そこから足がつく場合もありますので、気をつけて下さい
六、適当に世間話でもしながら、砂糖、梅干、生姜を適当な時間間隔で鍋に放り込みます
七、話題が尽きたら味醂、酒、醤油を放り込んで、蓋を落とします
八、助手の人が冷蔵庫から予め作ってあった鯖の味噌煮をもってきますので、
  皿につぎわけて、台所のセットに運び、美味しいフリして食べます
九、ギャラをもらって帰ります。エプロンはスタッフに返します
  自前の服に染みがついても補償はありません
十、駅前のなじみの店によって鯖の味噌煮と冷酒を注文します

こんなところで、いいですかね

569 :自夜 :2007/01/25(木) 16:29:01 ID:xCZvhHJz0
>>560さん
連絡、感謝です
eQs9Pw3g0さんは歴代風物詩さんに喧嘩売った>>520さんですね
6fneBShe0さんは>>508>>514の風物詩原型さんですね
ゴムホースとか、ナポリタンとか、センスはありますね
w/V6zEPt0さんは、>>の540初号機(推定)さんですね
是非トリップ付きで・・・の後に、 とでも言えば満足かよwwwと続きます
現在はキバヤシじゃなかったキジバトスレでご活躍中です
キジバトの>>7なんかみると、もうちょっと違う方向でやれば大成するかもしれ
ないのにな〜と思います
わたしはキジバトスレはすぐ飽きちゃいましたので見ていません


571 :自夜 :2007/01/25(木) 16:33:54 ID:xCZvhHJz0
>>563さん
まぁ、嵐あしらいも、私の楽しみの一つですから。三倍以上にして返しますし
物語の方は Web Site の方にうぷしますし、そっちの方が(字体はあれですが)
読みやすいんじゃないでしょうか
なんなら、連載中のやつもうぷするようにしましょうか?

それとも、言伝えスレみたいに力づくでねじ伏せるやり方の方がお好みでしょうか
(もう、狢さんったら、短気なんだからぁ〜)

574 :自夜 :2007/01/25(木) 16:37:32 ID:xCZvhHJz0
>>572 縦書き新人さん
しむらー、うしろ、うしろー
じゃ、なかった、なまえ、なまえー

って、あやうく書き込むところでした

575 :自夜 :2007/01/25(木) 16:41:33 ID:xCZvhHJz0
>>564=568=572=573さん
569-572がごっそり消えたということは、

・自夜の「自」

も消えちゃったわけですね。それは、きれいさっぱりでいいですねぇ

576 :自夜 :2007/01/25(木) 16:43:53 ID:xCZvhHJz0
>>550=552=556 風物詩原型さん
                                 さ よ な

577 :自夜 :2007/01/25(木) 16:46:53 ID:xCZvhHJz0
>>567さん
まぁ、料理は自分で作れた方がいいですよ。まずくても、毒入りの心配はないですから

578 :自夜 :2007/01/25(木) 16:49:15 ID:xCZvhHJz0
人間、一晩寝たら、いろいろと考えがかわったりするものです
だいたい今日あたりにくるかなぁ、と、かまえていたら、ちゃんといらっしゃいました

ただ、そういうだけのことです

579 :自夜 :2007/01/25(木) 16:52:12 ID:xCZvhHJz0
>>570さん
わざわざ遠くまでおこし頂き申し訳ありませんでした
それでは回答します

私は Shintoist です
無神論者と同義と思って頂ければけっこうです

583 :自夜 :2007/01/25(木) 17:13:01 ID:xCZvhHJz0
>>581さん
私なんかに興味持つと、ろくなことはないですよ、っと一応言っておきます
Web Site の方も宜しくお願いします

585 :自夜 :2007/01/25(木) 17:18:20 ID:xCZvhHJz0
               ,. -一……ー- 、
                /::::{:/::::‐-:、:::丶:\
                 /:::::/´ ̄ ̄__\、::::l,. -―、
              /::::// /:: ̄、:\::::ヽヽ≦、ス=、、
           /::::/::|,.イ:l::丶::::::::\:X:::',:::ヽ、 ヽハ ',ヽ
           f´ ̄!:::::l:_|_|\::\--/,r=ミ|::::::lヾく:l::', | |
          ヒア_|:l::::|::N,≧ミ、トゝ ハ心}!::::::K:ヾニ二ヽ 前任者が消えちゃったので、今からあたしが
         ,r=ヽレ|:|::::l::|{ ト心     `'" !::::::|::!',::|ハ::! ` 縦書き担当です。あたしの求めるのは非日常、そしてセンス
        // |:|:::::ハ!、::ヾゝゞ'′ _'_,.ヘ  /::::/:::|_!:l リ   いいですね。前任者と違い、あたしは厳しく採点しますからね
          //  !ハ//|:|::ヽ::::丶、__丶 _ノ/|:::/イ::ハヘ!ヽ_      あと、めんどう臭いからAAは時々しか出しません
       L!   /ヘ |:|ミニ='⌒ (⌒ヽ´ _ !イノl/ |:! ! !L_      だんだん消えるのもいやですし
           〈_{  ヾ.,!/  , ´ \ ∨,.‐、|  l:| |ノ   !    わかったらわたしにかかってきなさい。  以上
                __!\ /   __ム  V⌒!   !:! !   ハ
             /__レ-〈  / f´ ヽ. '. __! //./-‐ '´ /
                 ヽ! |r'   \l__ V/ /-‐   /
                 「 ! {  `\_f_ノ∠ミヽ! /
               / ヽ`ヽ.二ニァ'V∠二ハ }},!-'
               /   ヽ---/´/レ!ト--'/‐'
             /      / ̄ヽ二ノ´l:ヽノ_
           r‐!       /     l:/   `ヾ==、ー-- 、
          / ̄|     ヽ./     〃  /人   `ト、::::\
          ', /     ,!\   |l       \ /  \:〈
           | ′   / |   `  |:!       /    `
           L.__   /  !    !:ヽ     / !
             ` iー---一'Tー-∨-r‐''´  |

587 :はるひ :2007/01/25(木) 17:20:50 ID:xCZvhHJz0
さっそくですけど、三つともセンスのかけらも       なし
>>580 0点
>>582 0点
>>584 0点

以上

588 :自夜 :2007/01/25(木) 17:32:03 ID:xCZvhHJz0
>>586さん

誤爆さんでしょうか?

591 :自夜 :2007/01/25(木) 18:42:19 ID:xCZvhHJz0
>>589さん
えっと、ラーメンのAAだったかな、一コマ目で砕いたかなんかしたラーメンを
結局最後まで放置するってやつ
それを意識して、味噌煮の味噌を放置してみましたが、気付いてくれてうれしいです

味噌は、どんな料理でもそうですけど、火を止めるちょっと前に入れて下さい
味噌を煮込んじゃうと、せっかくの風味が全部飛んじゃいます

狢:味噌スープの寄せ鍋はどうすんねん
自:風味をあきらめるか、煮込むのをあきらめて下さい

592 :自夜 :2007/01/25(木) 18:45:02 ID:xCZvhHJz0
>>590さん
お疲れ様です。連絡感謝します

>この人は一体何がしたくてオカ板に来ているのでしょうね?
オカ板だけに、人間やめて、妖怪かなんかになりたいんじゃないでしょうかね

狢:だが、断る

593 :自夜 :2007/01/25(木) 18:49:45 ID:xCZvhHJz0
特別企画 正しい嵐との対応物語 強力編

自:というわけで、今回は特別に狢さんに登場いただきまして、>>571でもちょっと
  ふれました撃退法を解説してもらいます
  どうしました、狢さん。表情固いですよ
狢:にちゃんはアイコンが使えんから調子が出んな
  それよりわし最近つかれとんねん
自:もう、お年だから
狢:ちゃうわい。憑かれとんのんじゃ
自:妖怪にですか?
狢:人間やろうなぁ。あかんで、振り返ったら
  勝手に尾行させといて、袋小路に追い込んでやんねん、で振り返って驚かせたところで
  「おいコラ、待て、逃げるんじゃねえ!」って言ってやんねん
自:そのネタ、判る人いますかね
狢:判らんでんええわ。わしが楽しめたらええんや

http://hobby9.2ch.net/test/read.cgi/occult/1169193743/88-107

自:これが今回のやりとりですねって、最後の台詞、パクリですやん。パクリ嫌いじゃなかったんですか
狢:嫌いとは一言もゆーたことない。まぁ、あちこちで連発しとるから、ちょっとは自粛しょうとは思うとる
自:しかし、まぁ、力業ですねぇ。私はもうちょっとエレガントな方がこのみですが
狢:あちこちでやっとんのや。流暢なことでけん。でも今回はちょっと残念やったな
自:圧勝に見えますが
狢:しつけ野郎のIDが変わったんは気付いとったんやけどな
  で、いつ「あわてもん、>>93からは別人だ」っちゅうつっこみが入るか、わくわく待っとったんじゃ
  根性なしやな、すぐ出てこんようなった
自:わくわく?
狢:決まっとろーもん。こうゆお、と思とったんじゃ
  「馬鹿たれがぁ、名無しに名乗る資格あるかい。一連託生で同罪じゃ、二人まとめて失せい」って
自:・・・お莫迦・・・

596 :はるひ :2007/01/25(木) 19:00:55 ID:xCZvhHJz0
センス以前っ
>>595 0点

以上

597 :自夜 :2007/01/25(木) 19:01:47 ID:xCZvhHJz0
>>594さん
あら、ごめんなさい
AAをのんびり探してたのがいけませんでしたね。結局みつかりませんでした

鯖の味噌煮は慣れるとそうでもないですけどね
綺麗な形を保とうとすると・・・・・・私にはできません

味噌の風味を飛ばさない  これだけは憶えておきましょう

600 :自夜 :2007/01/25(木) 19:23:26 ID:xCZvhHJz0
【些末】

一緒に私もあぼーんされたりします
とっても快適なスレになります
好きにして下さい

602 :はるひ :2007/01/25(木) 19:34:18 ID:xCZvhHJz0
>>601
ふーん、少しは工夫したじゃない
でも全然駄目ね レイて〜ん

改行規制を何回目でクリア出来たか教えてくれたら、一点くらいあげてもいいわよ

以上

604 :自夜 :2007/01/25(木) 19:38:25 ID:xCZvhHJz0
>>603
ほう

607 :自夜 :2007/01/25(木) 23:41:39 ID:xCZvhHJz0
包丁を持ったままずっこけてしまいました
そ、そんな返し技があるなんて

>>605さん、>>606さん
レスは控えさせて頂きます

狢:修行が足らんからや
自:あら、まだ居たんですか。せっかくですからもうちょっと付き合って下さい
狢:な、なにすんねん。わし、これでも忙しいねん
  狢屋敷の手入れもせなあかんし
自:あんな人が居ないところ、しばらく放っておいても大丈夫ですって
狢:そりゃ、まぁ、人間お断りのところやからなぁ

608 :自夜 :2007/01/25(木) 23:43:33 ID:xCZvhHJz0
特別企画 Web Site 経過報告

自:ところで狢さん。またパクったでしょう
狢:よう見てみ、わしの方が十分以上も早いわい
自:私、Web Site で昨日
狢:う”っ
  まぁ、ええわい、思ったより効くようやし
自:小物じゃないですか
狢:そっちも小物やんけ
自:あの返し技は封印しておいて欲しいですねぇ
狢:志が低いやっちゃな。「未知」時代は、もっと大物相手しとったやん
自:あれは荒らしじゃないですよ、学のある論客です
狢:まぁ、ええわい。で、今回の企画は何やねん
自:Web Site も、もうすぐ一月だし、どのコンテンツが人気あったのかな〜なんて
狢:人気投票でもやったんかい
自:そんな面倒臭いことしません。アクセス数で充分です
狢:まぁ、参考にはなるわな
自:入口やトップページを除外すると、堂々の第一位は未練ページ、第二位はコピーレフトページ
狢:なんで一位から発表すんねん、それに未練ページって、入口で死にとうないってやつが行くとこやん
自:あれも一種のコンテンツですから
狢:二位のは単に説明書きやないか
自:でも人気ありましたから

609 :自夜 :2007/01/25(木) 23:46:11 ID:xCZvhHJz0
狢:次は
自:喜んで下さい、第三位は狢ページです
狢:楽しい妖怪ライフやろが。まぁまともなコンテンツで一番ならええわ
自:大半がお品書きページで引き返えされてます
狢:ずるっ
自:嘘です
狢:あんなぁ
自:第四位はなんと雪女ページ
狢:い、意外やな
自:狢さんが、勝手に先行公開なんかするからですよ。ネタバレじゃないですか
狢:忘れた
自:第五位は四位に一カウント差で堪忍袋ページ、以上です
狢:新参ものではよーがんばっとるな。一番不人気はなんやねん
自:ほら、あの大陸の妖怪の
狢:あぁ、あれか。あれは、まぁわしも人こんやろうなぁ思うとった
自:その次が総統閣下ページですか
狢:それもまぁ本来のわしらのコンテンツやないからな
  でも何でそのアクセス数を発表せんねん
自:ゼロであるカウンタ、一桁になる不思議
狢:こら、またパクルな

610 :自夜 :2007/01/25(木) 23:48:21 ID:xCZvhHJz0
自:二桁だと寂しい、三桁でもまだ寂しい、四桁だと嬉しい、五桁だと不思議
  六桁だと驚愕、七桁以上だと故障
狢:志が高いんやか、低いんやか。ほんまは独りも来てないんちゃうか
自:ゼロであるぅ
狢:それはもーえー
自:そう言えば、テレビ放送するそうですよ、二月に
狢:どうせ赤いやっちゃろ。ところでいつまで遊んでんねん
  このスレの目的は何や
自:そりゃぁ、もう、おのれの欲望を満たすための偉大なる社会実験・・・
  いやいや、ごにょごにょ
狢:ここはオカルト板やろ、今日一日、オカルトなこと一つでもしたか?もう今日終わるど
自:・・・
狢:何、わしを指さしとんねん。わしは動くオカルトかい
自:消えていく「自」夜〜
狢:ええって。本業の方もどうすんねん。背中かちかち山状態やぞ
自:いままで何とかなってきたんです。今回も何とかなりますって
  なんとかなるふしーぎー
狢:もーええ、帰る

611 :自夜 :2007/01/25(木) 23:50:42 ID:xCZvhHJz0
前世物語 第二部乱世編 第七話 来光 その一

「小僧、こっちだ。上だ」
翌朝起きるとさむらいは居なかった。小屋の外に出ると雪が随分積もって
いる。空は青いが、日はまだ見えない。目の前に雪の塊が落ちてくる。
「雪下ろしだ。手伝え」
いったい何処から登れと。目の前に腕が降りた。
「掴まれ」
見た目より大きな手。その手を掴んだ途端、屋根の上に引き上げられた。
「うひゃー」
板葺きの屋根。高い、怖い。
「安普請だ。雪をすぐ降ろさぬと、小屋が潰れる」
板切れを渡される。
小屋が潰れる?その前に足下の屋根板が抜けそうだ。私は恐る恐る足を動
かして雪下ろしを始めた。小さな小屋。雪は次々に軒下に落ちていった。
あらかた雪が片づいたところでさむらいが私の肩を掴む。
「小僧、御来光だ」
さむらいは東の山に向き、手をあわせて目を瞑る。祈り。

つづく

612 :自夜 :2007/01/25(木) 23:52:53 ID:xCZvhHJz0
前世物語 第二部乱世編 第七話 来光 その二

東の方を向くと今、まさに、稜線の木立の間から日が昇る。
最初は小さな光の点、みるみる広がり光に隠れる木立。神々しい。私は立
ち尽くす。
「御来光にこの日の無事を祈る」
さむらいの声を合図に私も手をあわせ、目を瞑る。この日、無事に暮らせ
ますように。可笑しい。生き延びることを祈っている。昨日まで死ぬこと
を考えていたのに。
さむらいが戻す湯漬け飯と塩菜で朝餉を済ますと、桶を担いでさむらいと
私は谷へ下った。水くみ。獣道。母と二人の時もこんな急で細い獣道を行
くことはなかった。さむらいは飛ぶような早さで谷に下る。ついて行けな
い。
ようようの態で谷に降りる。風の向きか、谷には雪がない。代わりに白く
透き通った氷。氷の川。
「小僧、腰の手刀で氷が割れるか」
氷と鋼、鋼は鉄よりも強いはずだ。だけど、試したことはない。形見の手
刀は、疵つけたくない。

つづく

613 :自夜 :2007/01/25(木) 23:55:50 ID:xCZvhHJz0
前世物語 第二部乱世編 第七話 来光 その三

「そうか、母上の形見の品だ。使いたくないのは判る。これを小僧にやろ
 う」
さむらいは自分の腰から脇差しを鞘ごと抜き、放ってよこす。ずしりと重
い。本物の刀。さむらいが持つ物。
子供の私が差すと多分大刀より長い。
「拙者は、物に拘らぬ方だ。刀は道具だ。道具は使う時に使える物があれ
 ばよい。刀は何本かある。気にせずもらえ」
「うん、あ、ありがとう」
腰に差すとやはり長い。手刀と合わせて二本差し。まるでさむらいだ。
さむらいから教わりながら、刀で氷を砕き、水の道を造る。桶を置き、水
が貯まるのを待つ。か細い水音。
三つの桶に水が貯まると、坂を登る。水がこぼれそうでうまく登れない。
さむらいは両の手に一つづつ桶を持ち、瞬く間に視界から消える。
これをもう一回。
「どうだ、明日から独りで出来るか?」
独りで?六往復?膝が振るえだした。

第八話へつづく

614 :自夜 :2007/01/25(木) 23:58:52 ID:xCZvhHJz0
今日は年寄りの幽霊の話です。幽霊が年を取る話ではなく、年を取った人が幽霊になる話
です
長生きすれば、もう人生も満足だろう。大往生。生きている人はそう思います。成仏する
に違いないと
ところが、現実は皮肉なもので、けっこう年寄りが幽霊になることが多いですね
前世の私は二十代の半ばで死にましたし、現世の私もまだ年寄りに分類されるほど年輪を
刻んでいる訳ではありません。小皺はだいぶ刻みましたかね。だから年寄りの気持ちが本
当に判る訳ではありませんが、生きるという事についての執着心は確実に少なくなってい
くようです
だから、成仏って思われるのですが、年寄りがいざ死に臨むと、死にたくないって具合に
はなりませんが、その分いろいろ余計なことを思うようです
若かった頃の楽しい思い出、子供や孫達のこと、先に亡くした連れ合いのこと、そして、
今から連れ合いの所に行く気持ち。もちろん、雑事もあるでしょう
あそこをこうしようと思っていた盆栽、新聞の将棋とか碁とかの課題
もちろん、よく知りませんがね
意識的であれ無意識的であれ、たまたま死の間際に思っていたことが残念になることがあ
るようです

ながくなりそうなので、明日につづきます ほいじゃ

616 :はるひ :2007/01/26(金) 00:33:48 ID:qF2O/KJ10
>>615
深夜までごくろうさまです
なぁんて、あたしが言うわけないでしょ

それに、全然進歩の跡がない

ちゃんと言ってるでしょ、あたしに必要なのは

非日常 そして セ ン ス

今回は失格。明日朝十時までに再提出よ

以上、今日のお仕事、終わり

617 :自夜 :2007/01/26(金) 19:08:19 ID:qF2O/KJ10
ttp://hobby9.2ch.net/test/read.cgi/occult/1169110717/36
ttp://hobby9.2ch.net/test/read.cgi/occult/1169110717/46

狢:・・・・・・
自:狢さん、この忙しい時に何やってんですか
狢:あんなぁ、この御仁は一週間近く何やってはったんやろ思おてな
自:またしょーもないことを、そんなもん放っとって、仕事手伝って下さいよ
狢:せやな。まだ今日オカルトしてへんもんな

つ ヽ。ポイッ

619 ::2007/01/26(金) 23:12:12 ID:qF2O/KJ10
>>618 代はん
歓迎や、どんどんやっとくれ

620 :自夜 :2007/01/26(金) 23:21:12 ID:qF2O/KJ10
http://anime.geocities.jp/ojiya1539/mujinahouse/mujinajoke001.html

自:今度はなんですのん
狢:阿呆が迷子にならんようにな
自:また、悪趣味な
は:何これ、三悪漫遊記ぃ? なんであたしが三悪の一人なの。先代は?
狢:先に縦書きのない世界に逝きよったでな、ぬしが代わりじゃ。ラップしてないけ、ええじゃろ
は:もう、先代のことはどうでもいいの? つめたいなぁ
自:あら、ちゃんと薄幸ちゃんのことは弔ってますよ
は:名前あったんだ
自:紹介する間もなく逝っちゃいましたからね。貴女は長持ちして下さいね
は:まっかせなさ〜い
自:上のですけど、私の方、今大工事中でリンクできませんよ
狢:かまへん、どーせ隠すようなことないけ、わしらに憑いてくるもんにどんどん紹介しちゃったらええ
自:それはそうと、本日のオカルト、どうするんですか
狢:わかっとるわかっとる、ちゃんとやるわい


狢:ちょとまて、それは自夜の担当やろうが
自:てへ

621 :自夜 :2007/01/26(金) 23:59:14 ID:qF2O/KJ10
異性に対する思いは若い頃は脂ぎっていますから、まず残念になることはありません
ところが、枯れたおもい、あぁ若い頃、もうちょっと積極的になればよかったなぁとかい
う思いが残念になると、女湯をふらふらと渡り歩くじいさん幽霊になってしまうかもしれ
ません
生身の人間が知ったら大騒ぎになるかもしれませんが、とうのじいさんは裸をみてもほと
んどなにも感じていません。積極的に女湯を渡り歩くことに執着しているだけですので、
気にしなくていいでしょう
むしろ迷惑なのが、妙な正義感を残念として持つ場合ですね。生真面目な下っ端役人だっ
た人に多いようです。死ぬ時に、若かった頃の仕事ぶりを思い出したりしてたんでしょう
ねぇ。まぁ、こういう幽霊さんは、例えば、カーブの先に落石とか合った場合にさりげ
なくドライバーに教えてくれたりするので、一概に迷惑とは言えません。変な予感がして、
ブレーキを踏んだら、先が崖崩れだったとかいう話は、こういう生真面目なじいさん幽霊
がさりげなく教えてくれたのかも知れません
ただ、教え方が下手だと幽霊にびっくりしてハンドル操作をあやまって崖底へということ
になります。こっちの事例では、なかなか霊体験者の証言が得られないため、あまり知ら
れていません
私が幽霊時代にも、この種の事故は、多発していました
ばあさんの幽霊はぐちが多かったりします。生前とあまりかわりません。さして強い思念
を持たずに生活していたかが忍ばれます
そして、最大の問題は、年寄りの幽霊はなかなか転生も消えもせず何百年もふらふらする
ことです。そう、幽霊の社会は生身と比べ物にならないくらい高齢化社会なのです

623 :はるひ :2007/01/27(土) 00:49:30 ID:e05JN6MC0
>>622
何時間遅れたと思ってるの
見る価値もなしね
自殺ぅ?
相変わらずセンスのかけらもない
せめて、







くらい、おちゃめしなさいよ

出直しっ

以上

624 :自夜 :2007/01/27(土) 00:53:23 ID:e05JN6MC0
前世物語 第二部乱世編 第八話 その一

水くみが終わるとさむらいは一人で出かけた。何処にとは言わない。
私に与えられた仕事は掃除、薪割り。
金目の物でも私が盗って逃げると考えなかったのだろうか?
金目の物。無い。
狭い小屋。二間四方もないだろう。入り口から炊事場に続く土間、中央に
囲炉裏がある板張りの間。壁には簑、毛皮、さむらいの服、大工道具、猟
に使うと思しき私が知らない道具。炊事場の横は外から入る物置。
物置を開けて驚いた。刀、刀、刀。何本あるのだろう。大刀だけで十本は
下らない。それに槍。奥に立て掛けてあるのはさむらいが使う弓だろうか、
これも何本かある。そして、足下には書物の山。本という物を見るのは生
まれて初めて。
板張りの間の壁の埃を払い、床を掃く。炊事場の汚れをボロ切れで拭い去
り、鍋を洗う。物置も埃を払ったが、刀や書物を一度全部外に出さないと
とても綺麗になりそうにない。
今書物を外に出すと、雪で濡れる。春にならないと駄目だとあきらめる。
掃除が終わった頃、午の刻を告げる寺の鐘の音が遠くで聞こえた。

つづく

625 :自夜 :2007/01/27(土) 00:56:37 ID:e05JN6MC0
前世物語 第二部乱世編 第八話 その二

湯漬けの飯と塩菜の昼餉。乾肉も少し頂く。一人でするいただきます、い
ただきました。考えてみれば、一人で喰うのも生まれて初めて。
昼餉をすませ、再度炊事場を方付けて斧を探す。なかなか見つからない。
物置の刀を動かしもしたが、ない。土間、板張りの間、炊事場、小屋の周
り。さんざ探したがない。
なんのことはない。薪の上にあった。雪が斧を隠していた。
既に輪切りにしている木を立てて斧を振り下ろす。ほんの少ししか斧は木
に食い込まない。薪割りも初めて。父が農家の下働きで薪割りをしていた
のをぼんやりと思い出す。躰が大きかった父は一振りで造作なく木を割っ
ていた。力を入れて斧を振り下ろす。刃先が斜めに当たり、輪切りの木と
斧を弾き、私も飛ばされる。
難しい。
力を抜くと、木は割れない。力を入れると弾かれる。
どうにかこうにか三つの輪切りを薪にした時、さむらいが戻ってきた。
「小僧、下手だな」
むかついたが、本当のことだ。言葉が返せない。

つづく

626 :自夜 :2007/01/27(土) 01:00:32 ID:e05JN6MC0
前世物語 第二部乱世編 第八話 その三

「まぁ、初めてだとそういうものかもしれん。貸してみろ」
斧を私から奪ったさむらいは、両膝をついて、輪切りに正対する。
さむらいは、片手で斧を持ち、高く上げる。そして、力を込めることもな
く、すっ、刃先が輪切りに吸い込まれ、輪切りは半割となり、両側に静か
に倒れる。
「力は要らぬ。木の弱いところに当てればよい。まぁ、徐々に上手になれ
 ばよい。今宵の分はこれでよかろう。小僧、中に入れ」
小屋の中にさむらいに続いて入る。
「ほう、綺麗になるものだな」
さむらいは小屋のあちこちをのぞき見る。
「見かけはともかく、小僧、さすがは女子だな」
知ってはいたのか。
「これから、掃除も小僧の係だ。毎日する必要はない。あまりに綺麗すぎ
 ると落ち着かぬ」
さむらいは持っていた包みを開けた。
真新しい硯、墨、筆、そして紙の束。

第九話へつづく

627 :自夜 :2007/01/27(土) 01:16:06 ID:e05JN6MC0
さて、いつぞやは、みなさん、騒動に巻き込んでしまって申し訳ありませんでした

大東亜戦争最後の日、多くの部隊はこの日初めて玉音放送により敗戦を知らされた
ようです。その日の朝、飛び立って帰ってこなかった機もあったそうで
多少の混乱はあったようですが、陸海軍大本営からの命令が届くにつれ、殆どの部隊
で整然と武装解除、戦場単位での停戦文書の調印、部隊の投降が行われたそうです
もちろん、連絡が行き届かず、その後も数十年戦争をやっていた部隊もありましたし、
北の戦場では侵略への対抗として戦争が継続されたことも知っていますが、整然と
矛を収めた姿は多くの連合軍の将兵の驚嘆を呼んだそうです
普通の戦争は正規戦終了後にゲリラなど非正規戦をするのだそうです。昨今の中東を
初めとした情勢をみていると頷けるものがあります。それを考えると、戦争の是非は
ともかくとして、整然と矛を収める行為は、我が民族の誇りのひとつではないかと思
います

>>517の私の書き込み以降の状況を見ながら、私はそんなことを考えていました

みなさん、ありがとう
そして、やっぱり、ごめんなさい

629 :はるひ :2007/01/27(土) 01:25:47 ID:e05JN6MC0
>>628
あたしの目の前で
やってごらん
これ貸してあげるから

つ メ ポイッ

630 :自夜 :2007/01/27(土) 13:21:18 ID:e05JN6MC0
前回は、年寄りの幽霊の話でしたが、今日はもうちょっと若い幽霊の話でもしてみます
よく、古戦場なんかでは心霊現象が起こるといいます
私が幽霊になったのは戦国時代ですから、そこらじゅうで戦が起こっていたわけです
といっても毎日のようにあっちでどんぱち、こっちでちゃんちゃんばらばらというわけ
ではありません。今から比べると、とてものんびりした状況です
半年とか、一年とかかけて城を攻め落とすなんて計画書を防衛大学のレポートで出した
ら大目玉くらうでしょうが、当時はあたりまえのことのように行われていました
鉄砲が我が国に伝来するのが私が数えで五歳の頃です。鉄砲を組織的に使用した初めて
の戦いと言われるあの有名な長篠の合戦はそれから三十二年後のことですから、私は既
に死んでいます。加由から離れてふらふらしていたころですね。須磨はまだ生まれてい
ません
生前の私は鉄砲を見たことがありません。幽霊時代には見たことありますが、さして興
味をもちませんでした。当時の鉄砲、火縄銃ですが、口径十五・八粍あるいは十八・七
粍ですから、今の小銃よりは随分大きな玉を使っていたことになります。ところが、最
大射程で四分の一里、有効射程はせいぜい五〜六十間ですから、成りは大きくても今の
拳銃よりは多少ましという程度の威力です。発射速度に至っては、お話になりません
だから、例え鉄砲の玉に当たっても、よほど運が良くないかぎり、即死は期待できない
でしょう
他の武器と言えば、遠距離戦として弓、接近戦で槍、近接戦として刀といったところで
しょうかというところで、この続きはまた来週

632 :はるひ :2007/01/27(土) 13:27:07 ID:e05JN6MC0
>>631
わたしの目の前で
やってごらん
記録に撮って、うぷしてあげるから

ほら、どした

635 :自夜 :2007/01/29(月) 10:33:35 ID:GGV0HcCs0
上げられてしまいました
下げ進行しても無駄と言うことでしょう。判りました

上げます

636 :自夜 :2007/01/29(月) 10:36:39 ID:GGV0HcCs0
狢:この間から下げ進行してたんは、そーゆーことかい
  嵐に嫌気さして、下げとると思うとー人も多かったやろうに
自:私がそんな殊勝なことするわけないじゃないですか、けらけらけら
  これで下げろって言われてもどうとうと反論できます
  「下げても上げられますので無駄で〜す」
  「無駄ったら無駄で〜す」
  「嫌ったら嫌で〜す」
狢:知らん人も多いやろうけんど、それもパクリや
  そりゃそうと、誰か墓参りに来たみたいやで
自:ほんとですね、薄幸ちゃん人気あったのね
は:すぐ殺したくせに
狢:まぁ、最初から頭に輪っか付けとったし、羽も生えとったからなぁ
自:はるひちゃんも、もう少し風物詩さん達にやさしくしたらぁ
は:何であたしがやさしくしなけりゃならないの。文句あるんなら帰ります
  ところで、あたし、どこから来たの?
狢:大使館
は:はぁ?
自:VIP大使館。誰でも良かった。とりあえず傍若無人さが気に入った。反省はしていない
  帰りたぁい?
は:・・・いぇ、ここでやらせていただきます

637 :はるひ :2007/01/29(月) 10:41:16 ID:GGV0HcCs0
大使館なんか戻りたくないから仕方ないけどさあ、

>>633 風物詩のだれか               さn
改行制限はわかるけど、二回繰り返し+黄金パターンでしょ
まぁ、点数あげてもいいんだけど、センスの点で縦書きの「ー」は
許せない。「|」にしなさいよ
だから、マイナスいってん

以上

638 :自夜 :2007/01/29(月) 10:44:17 ID:GGV0HcCs0
>>634さん
ここには何もありません、他をあたって下さい

640 :はるひ :2007/01/29(月) 13:50:41 ID:GGV0HcCs0
>>639 風物詩のだれか       さn
上げに協力してもらったり、工夫してるのもわかるけどさぁ
これだけ見たら、何のことかさっぱりわからないわよ
まあ、工夫の跡だけ認めて

いってん

以上

642 :はるひ :2007/01/29(月) 14:17:47 ID:GGV0HcCs0
>>641 風物詩のだれか        さn
いくらなんでも、おもしろくない
れーてん

以上

644 :はるひ :2007/01/29(月) 14:32:25 ID:GGV0HcCs0
>>463 風物詩のだれか      さn
あなたに対応するのがここでのあたしの役割なの
大使館に帰りたくないから仕方なしにやってるの

って、あたしが反応するのを期待してるんでしょう
センスなし

れいてん

以上

646 :はるひ :2007/01/29(月) 14:45:53 ID:GGV0HcCs0
>>645 風物詩のだれか       さn
三人ともハイド氏だから失格
出直し

以上

648 :自夜 :2007/01/29(月) 15:02:46 ID:GGV0HcCs0
火縄銃はいまでは美術品あつかいで、銃刀法上も武器にはあたらないそうですね
先週のおさらいですが、当時の武器は弓、鉄砲、槍、刀です。あと加由がやった石つぶ
ても正式兵器ですね
いずれもよほど運が良くないと即死にならず、やられた方は、たいそう痛い思いをした
ものと考えられます
さて、人間痛い時はなかなか他のことは考えられません。何か痛い思いすると、それま
で別の所が痛かったことすら忘れてしまうようです。まぁ、これは人間に限らない話で、
馬に注射する時は、注射の痛みを感じさせないよう鼻っ面をひん曲げたりするそうです
さて、大怪我をして死ぬ時は、死ぬ直前は脳内麻薬物質のせいか、痛みを感じなくなる
そうです。それまで痛がってたのが急に安らかな顔になる。まぁ、憶えておいて損はな
いんじゃないでしょうか
こういう場合はふと人生を見つめ返したりして残念となる可能性もあるのでしょうが、
戦場の場合はそこが戦場ですから、痛がっているうちにとどめをさされたり、踏まれて
絶命したりします。こんな場合は残念もくそもありませんから、幽霊になることはあり
ません
というわけで、古戦場には意外と幽霊はいないものなのです
ところが、近代の戦場では事情が異なります。硫黄島などでは今でも沢山の幽霊がいる
そうですね。それについて、ちょっと考察してみましたが、また次回

650 :自夜 :2007/01/29(月) 23:43:51 ID:GGV0HcCs0
前世物語 第二部乱世編 第九話 その一

「小僧、字はかけるか」
「・・・仮名だけ」
「充分だ」
さむらいは部屋の隅から板を取り出し組み立てた。掃除の時に何の板だろ
うと思っていたが、机とは思わなかった。
「今日からこれが小僧の机だ。まず、墨を摺ってみろ」
「・・・」
「どうした」
「やり方が・・・判らん」
「そうか」
さむらいは、硯の部分の名前、墨の持ち方、墨の摺り方を教えてくれる。
「手首で摺るな。肘だけを動かすように。力を込めるな。力を抜くな」
難しい。
「字はどうやって習った」
「土の上に枝で」
「なるほど。そういうやり方もあるな」

つづく

651 :自夜 :2007/01/29(月) 23:46:22 ID:GGV0HcCs0
前世物語 第二部乱世編 第九話 その二

さむらいは乞食同然の子供が字を知っていても驚かない。枝で習ったこと
にも驚かない。
「手首を動かすな。常に墨がまっすぐ立つように」
力の加減が難しい。薪割りと同じなのだろう。力を入れるな。力を抜くな。
墨が動くたびに黒い靄が水に広がる。随分黒くなったと思う。でも、水を
通して底が見える。
小一時間かかってようやく摺り終わった。
「どうだ、難しいか」
「手首が痛い」
「動かぬか」
「動きはする」
そうかと言って、さむらいは筆を取り出す。
「墨は筆先の半分に漬ける。筆も墨と一緒だ。手首を動かさず、筆をまっ
 すぐ立てたまま、肘で字を書く。知ってる字を全部書いてみろ」
紙。とても高価な物だという。手が出ない。
「気にするな。さほど上等の物ではない」

つづく

652 :自夜 :2007/01/29(月) 23:50:06 ID:GGV0HcCs0
前世物語 第二部乱世編 第九話 その三

気にするなと言われても無理だ。紙は神様に捧げ物をする時に使う物。神
様の前で払いをする時に使う物。お宮さんなんて行くことなかったが、そ
う言うことは母が教えてくれた。
「世の中どんどん変わる。じきに皆が紙を普通に使う時が来る。穢れ物を
 拭き取るのに使う時代が来るかも知れん。さあ、知ってる字を書け」
度胸を決めて筆をとる。墨に筆先を浸からせる。
「余分な墨はここでなでつけるようにして落とす」
言われたとおりにする。そして、紙に筆を落とす。筆先から黒い墨が紙に
滲み出す。枝の様にはいかない。筆を動かす。墨の丸い塊から細い線が延
びる。どんな字を書こうとしていたのか判らなくなる。
「落ち着いて、もう一度」
もう一度、筆先に墨を漬ける。紙の上に筆を動かす。手首が震える。筆先
が振るえる。無数の墨の滴が舞い散り、紙を点々と黒くする。机上を黒く
する。
「息を大きく吸え。ゆっくり吐け」
手首の震えが止まった。私は落ち着いた。

第十話へつづく

653 :自夜 :2007/01/30(火) 21:09:03 ID:jldYyLCl0
前世物語 第二部乱世編 第十話 散華 その一

静かに筆を紙に降ろす。筆先が紙を撫で撓る。肘を動かせ、肘を動かせ。
そう念じながら筆を動かす。
いろは
三文字に一回の割合で墨に漬ける。大きな字。十字も書かないうちに紙一
杯になる。
「紙を替えよう。もっと小さく」
真っ白な紙が私の前に置かれる。もう怖くない。大丈夫。
もう一度、大きく息を吸い、ゆっくり吐く。
いろはにほへとちりぬるをわかよたれそつねならむ
うゐのおくやまけふこえてあさきゆめみしゑひもせすん
いろは四十八文字を紙二枚に分けて書く。墨も飛び散っていない。
「ふむ。色は匂へど散りぬるを 我が世誰そ常ならむ 有為の奥山今日越
 えて 浅き夢見じ酔ひもせず。意味はわかるか」
「なんとなく」
「涅槃経の諸行無常、是正滅法、生滅滅己、寂滅為楽を表す歌だ。釈尊の
 入滅の意義を教える教典だ」

つづく

654 :自夜 :2007/01/30(火) 21:11:59 ID:jldYyLCl0
前世物語 第二部乱世編 第十話 散華 その二

死ぬ意味、人が死ぬことにそんな意味があるのだろうか。母の死にも意味
があるのだろうか。
「香り高い花もやがて散る。これが、諸行無常。生き物もやがて死ぬ。こ
 れが、是生滅法。迷いの山々を乗り越えることが出来れば、これが、生
 滅滅己悟りに至り、安静に暮らせる。これが、寂滅為楽だ」
どんなものでも、いつかは死ぬ。そう割り切ってしまえば楽に生きれる。
さっぱり理解できない。
「拙者には理解できん。確かに死は万人に訪れる。しかし、天寿を全うす
 るものもおれば、生まれてまだ目も見えぬうちに死んでしまうものもい
 る。ましてや、このような世の中だ。明日のことなど誰にも判らぬ」
明日のことなんて判らない。
「はたして悟りとやらで、心の安静が得られるものなのか。拙者には坊主
 共が詭弁を使っているとしか思えぬ」
坊さんが嘘をつく?坊さんとはそういうものなのか?
「まぁ、詭弁でもよい。判らぬのはその目的だ」
嘘の目的。金儲け。

つづく

655 :自夜 :2007/01/30(火) 21:15:22 ID:jldYyLCl0
前世物語 第二部乱世編 第十話 散華 その三

「金儲けならよい。が、貧乏人に経を説いて回る連中はどうだ。確かに念
 仏によって来世へ希望を繋ぐことで、一時の心の安静は得よう。だが、
 それは逃げではないのか。これ以上この世に希望を失ってどうする。生
 きる気力を削ぐだけではないのか。それが判っていながら、金儲けでは
 なく何が目的で連中は説いて回る」
嘘の目的。判らない。
「小僧、ただ一つ、これは言えよう。学をなせ。字を学び、書物を読み、
 自ら考えよ。この世の摩訶不思議を解くには、自分の眼でしっかり見つ
 めるしかない。拙者はそう思う。判るか」
半分以上判らない。でも、字を覚え、書物を読むことは、きっと後で役に
立つのだろう。私はこくりとした。
さむらいが頷き返す。
「さて、小僧の字だが、よく書けてはいる。が、少々癖があるな。まずは
 基本を覚えることだ。崩すのは後からでも出来る」
さむらいは、私の持つ筆ごと手をとり、一字一字形を直す。
いろはにほへと、いずれ花は散る。

第十一話へつづく

656 :自夜 :2007/01/30(火) 22:15:58 ID:jldYyLCl0
最初私は近代の戦場に戦場故の幽霊などそういるものではないと思っていました
しかし、目撃談とかを聞くうちにだんだん幽霊が存在するのではと思うようになりました
戦場の悲惨さ故の幽霊話、大量虐殺や自決の地の悲惨話からくる怨霊などは相変わらず信
じていませんが、自分が死んだことを理解できずに今までどおりの兵隊生活を続ける話は
私にとっては非常に生々しいものです
特筆すべきは、このような日常生活型の幽霊話が大東亜戦争特有と言ってもいいほど急増
していることです。江戸末期から、昭和維新まではほとんど聞きません。もっとも私が知
らないだけかもしれませんが
そこで、大東亜戦争の特色を考えてみました。兵器に限って言うと、科学技術に支えられ
た兵器の登場が言えるでしょうか。核兵器はとりあえず、いやがる神様を無視して神棚に
上げておくとして、高性能爆薬、電波兵器に私は着目しました
度々書き込んでいますが、幽霊の本体はある種の波動です。幽霊になるということは、脳
内の思考が空間の波動に転移し、それがある範囲で封じ込められることです
電波兵器、通信や電探のことですね。これらはいままでになかった強力な電磁波を発生さ
せます。そして、高性能爆薬。この爆破時の衝撃波は空間自体に影響をあたえます
これらが幽霊になりやすい環境を作り出し、奇襲による突然の死に際してそれまでの日常
の雑念が残念として幽霊になったのではないでしょうか
もちろん、確証はありません

657 :自夜 :2007/01/30(火) 22:58:49 ID:jldYyLCl0
さて、今回は実話、もちろん当人達が主張する実話ですが、それに基づき、私が大幅な脚
色を加えた話を書いてみます

時は大東亜戦争末期、敗色濃くなった帝国軍は連合軍の飛び石作戦により、ある島は玉砕
を余儀なくされ、ある島は放置されて行きます。連合軍の破竹の進撃を止める力は帝国軍
にはありません。ただ極力敵の出血を強い、その進撃を遅らせるのみの状況にありました
そのために空海の特攻まで行われましたが、それはこの話の主題ではありません
この島は主戦場から取り残される形となり、今後の補給の望みもないことから、駐屯部隊
は自活の道を模索する状態にありました。そんな戦略的には何も価値がない島にある日突
然連合軍の艦隊による艦砲射撃が加えられます。連合軍の陽動作戦です。帝国軍の兵力を
割き、主目的の作戦を容易ならしめるただそれだけのために粗末な木造兵舎に容赦なく三
十六糎砲弾が降り注ぎます。その結果、この部隊は半数近くの将兵を失います
半数と言えば、通常の合戦では全滅と評される事態です
生き残った将兵はそれでも敵上陸に備えて塹壕を掘り、洞窟内に司令所を作り、野砲を隠
し、味方援軍を信じて電波を飛ばし滑走路を整備します。もちろん敵占領確実となれば、
滑走路を爆破する準備も平行して行われます
ところが、陽動作戦ですからその後連合軍は攻めてくる気配を見せません
島には一種異様な平穏が訪れます。そして、幽霊も

658 :自夜 :2007/01/30(火) 23:19:34 ID:jldYyLCl0
最初は気配です。急造の兵舎となった洞窟内で、見張りのために出動している兵隊の寝床
にだれか寝ているような気がする
煙草盆の周りで、実際に居る人数以上で雑談をしているような気がする
幽霊達はだんだん大胆になってきます。私に言わせると、人に姿を見せるのがうまくなっ
てきます。軍服の前を開けて、休憩している姿。食事の列に並ぶ姿。小隊を整列させれば
ちゃんと正規に武装した姿の幽霊の一団が生身の兵士の後ろに並びます。酒保開けの際に
は酒を購入し、車座で飲んで軍歌を歌います。もっとも実際にお金を払うことも飲むこと
もないわけですが、当の幽霊達はすっかりその気になっています。やがてその姿もはっき
りし、誰が誰だかまでわかるようになります。純朴な幽霊達は詐称することなく、皆正し
い階級章をつけています。その中の将校幽霊達が、その気になって、下士官兵幽霊の統率
を始め、部隊編成までしてしまいます。幽霊部隊の出来上がりです
おそらく艦砲射撃の際に即死して、その死んだことを理解できないまま幽霊になったので
しょう。そして、生身の部隊が洞窟へと待避する際にも一緒に待避し、敵上陸に備えて自
分なりの反撃準備を整えていたものと思います
こうして誕生した幽霊部隊ですが、生身の人間にとってはたまったものではありません
粗末とはいえ、軍隊生活唯一の楽しみである食事の時に、いくら戦友だったとは言え、幽
霊が隣で同じ食事をしている気になっているのです
次第に生身の兵隊からも精気が失われていきます

661 :自夜 :2007/01/30(火) 23:43:26 ID:jldYyLCl0
事態を憂慮した司令は遂に意を決し、幽霊将校達を自室に集めます
翌日、司令は幽霊部隊を整列させ、訓辞をします。諸君らはすでに戦死しているというこ
と、戦死してまで職務を全うしようという姿には感謝していること、しかしながら諸君ら
が頑張れば頑張るほど実際に戦力となる生身の部隊の精気が失われることを涙ながらに訴
えます。そして、どうか、成仏してくれと
最初は何を言われているか判らなかった下士官兵の幽霊達も、涙をぽろぽろ流しながら俯
いて聞いています。そして、将校幽霊達の俺たちのいる場所はここではない。俺たちの戦
う場所はここではないとの説得に、一人、一人と消えていきます
最後に残った少佐の幽霊が、くるりと司令の方を向き敬礼して言います
「それでは命により引率してきます。お世話になりました」
少佐は敬礼の姿勢のまま静かに消えていきました。司令は涙を拭おうともせずに虚空に答
礼したといいます

彼らがそこで消えたとは私は思いません。残念の束縛から解き放たれた彼らの多くは平時
は南国の楽園であるその島で、今でもふらふらしているのでしょう
のどかなその気候が彼らに少しでも安らぎを与えていればいいなと思います

662 :自夜 :2007/01/30(火) 23:55:08 ID:jldYyLCl0
前世物語 業務連絡20 自夜がweb site開設? 宣伝です。狢さんが張り切ってます

はるひが遁走してしまいました。見かけたら、「根性なし〜〜ぃ」と後ろ指さしてあげてください
狢さんのところは心臓が弱い方、短気な方はやめておいた方が身のためです

http://anime.geocities.jp/ojiya1539/ (PC用)
http://anime.geocities.jp/ojiya1539/m/index.html (携帯用)
http://anime.geocities.jp/ojiya1539/mujinahouse/mujinajoke001.html (三悪漫遊記)

過去を知り、己を知って、赤面す

664 :自夜 :2007/01/31(水) 10:31:50 ID:fm1iNYTR0
>>663さん
ん〜、私自身が雪の中で行き倒れたこともあって、心にぐさりとくるものがあります
八甲田山のことはすっかり失念してました。たしかにいそうですね

>命令すれば良いのだから
当時の上官の命令以外は効かなかったら、これほど難儀な幽霊もないかもしれませんね

666 :自夜 :2007/01/31(水) 12:20:07 ID:fm1iNYTR0
レス番には特に意味はないと思います

>>665さん
その件で、イギリス人ではないですが、スコットランド人と話したことがあります
「幽霊が憑くような家は歴史があって、頑丈だからよい」
根本的に発想が異なるようです

668 :自夜 :2007/01/31(水) 15:05:33 ID:fm1iNYTR0
前世物語ならいっぱいありますよ、と言おうとして、試しに「前世物語」でぐぐって
みました
をぉ、当 Web Site がいるじゃないですか。Site系では筆頭。単純にうれしい

半ズボンのサンタクロースとか出てきますので、絶対に「自夜」ではぐぐらないでくださいね

あ、そうそう

>>667さん
前世物語ならいっぱいありますよ

669 :自夜 :2007/01/31(水) 21:15:01 ID:fm1iNYTR0
前世物語 第二部乱世編 第十一話 武士 その一

夕餉は湯漬け飯、乾肉、塩漬菜、そして、木の実を晒して焼いたもの。い
つか、母が話してくれた食べ物。さして味は無いが、美味しい。秋の間に
沢山作っておくとさむらいは言う。一冬は保つ。だが、長雨の時期に全て
駄目になる。だからそれまでに食べ尽くすのだという。
今日は酒はない。さむらいにとっても昨日は弔いの日だったのだろうか。
他人なのに。
時々、目で箸の使い方を直される。昨日よりは上手になったと言ってくれ
る。夕餉の後、私が後片付けをしている間、さむらいは灯の下で書物を読
んでいた。
「何が書かいてあるんですか」
「ふむ。下らんことだ。武士の心構えが書いてある。やれ忠義だやれ奉公
 だと、たいして難しくもないことを難しい言葉で書いてある。小僧、忠
 義とは何か判るか」
「・・・わかりません」
「小僧は親のために何かしたことがあるか」
「かかちゃ・・・母が動けぬ時に食べれる物を」

つづく

670 :自夜 :2007/01/31(水) 22:45:49 ID:sDN2gkrN0
前世物語 第二部乱世編 第十一話 武士 その二

出来るだけ丁寧な言葉使いをするように、さむらいはそういう。丁寧な言
葉を使えれば、いつでも乱暴な言葉は使えると。字と同じ。
「蛇や虫など」
「それが親に対する忠義だ。難しいことではない」
「忠義・・・」
「正しく言うと、忠が君主に対するもの、孝が親に対するもの、悌が兄に
 対するものだ。字は違えども、いずれも同じ言葉だ」
「忠、孝、悌」
「これに五徳と呼ばれる仁義礼智信が加わる」
「仁、義、礼、智、信」
「仁は思いやりの心、義は変わらぬ正しさ、礼はいにしえの心を守ること、
 智は学ぶこと、信は実際に行動することだ。これが大切だと言葉を換え
 て、繰り返し繰り返し述べてある」
深い意味は判らない。だが、人のために何かをする。これは判る。
「武士の仕事は戦だ。殺し合いだ。死ぬ覚悟さえ出来れば、誰でもなれる。
 このような物はいらぬ」

つづく

671 :自夜 :2007/01/31(水) 22:49:28 ID:sDN2gkrN0
前世物語 第二部乱世編 第十一話 武士 その三

人が人を殺す。これが戦。さむらいの仕事。
「下らん書物だ。だが、これを読むと眠くなる。眠くなるのはいい書物だ」
そういいながらも、さむらいは暫く書物を読み続けた。私は囲炉裏端でう
とうとし、いつの間にか眠ってしまっていた。
獣の遠吠えで目が覚める。
また、雪が降り出したようだ。
毛皮の布団は暖かい。さむらいの背中はあたたかい。私はまた深い眠りに
落ちた。
さむらいの動き出す気配で目が覚める。外はまだ暗いが朝だ。
昨晩も雪が相当に積もった。
「まだまだ序の口だ。この先どんどん寒くなる。小屋が保つかな」
聞けば、ここで冬を越すのは初めてだという。言葉は不安をかき立てるが、
さむらいは涼しい顔をしている。
二人で屋根の雪下ろしをし、御来光を拝む。小屋の周りの雪かきをし、朝
餉をとる。
今日から水くみは私の仕事。水くみ、掃除を頼みさむらいは独り出かけた。

第十二話へつづく

672 :自夜 :2007/01/31(水) 23:42:30 ID:sDN2gkrN0
今日は子供の幽霊の話でもしましょうか
子供は幽霊になりやすいですね。それだけ心が素朴なんでしょうかね
子供の幽霊はよく見ました。たいてい自分の家の周りとか近所とかでめそめそ泣いています
親にもっともっと甘えたい、構って貰いたい、そんな気持ちが残念になるのでしょうか
幽霊に成り立てだと生身の人間に幽霊を見せることも旨くできません。だから、親が霊感を
持っていても、我が子の幽霊に気付きません。子供の幽霊は何故親が自分を無視するのか判
りません。だからめそめそ泣いています
大人の幽霊は子供の幽霊に無関心です。相手が子供でなくても無関心なんですけどね
ところが、幼い子供を残したまま死んだ若い女性の幽霊とか、孫となると目に入れても入れ
足りないくらいかわいくてしょうがないじーさん、ばーさんの幽霊は違います
じーさんの方がそうでしょうかね。ばーさん幽霊の方は愚痴を言うのが生き甲斐な方が多い
です。死んでしまって生き甲斐もくそもありませんが
だから、主に子供の幽霊を構うのは若い母親幽霊かじーさん幽霊です
母親幽霊やじーさん幽霊は子供幽霊に近づいてこう聞きます
「何を泣いているの」
子供の幽霊は答えます
「おかーさん、おとーさんがやさしくしてくれないの」
「それはあなたが死んでしまったからよ」
「どうして死んだらやさしくしてくれないの」
「それはあなたが見えないからよ」
「どうして見えないの、あたしはここにいるのに」
「死んだ時のことをよく思い出してごらん」

673 :自夜 :2007/01/31(水) 23:45:15 ID:sDN2gkrN0
辛抱強く待っていると・・・ちがいますね。ぼーっと待っていると、ぽつりぽつりと子供幽
霊は死んだ時のことを話してくれます
死因はそれぞれです。病気だったり怪我だったり事故だったり。熱が出て苦しかった、血が
一杯出て痛かった、何度も何度も石に頭をぶつけて落ちていくのが怖かった
そして死の瞬間になると不思議にほとんど急に身体が軽くなって痛みや苦しみがなくなり楽
になったと言います。死は死として子供なりに理解しています。そして、こんなに簡単に楽
になれるのなら、もっと早く死ねば良かったと
それから彼らの受難が始まります
それまで動かなかったからだが楽になり、親にいっぱい甘えられると思うんですね
親の方は気付きません。いつまでもいつまでも我が子の死を悲しむ親もいます
どうして泣いているの、あたしはこんなに元気になったのよ。何度も何度も親に言います
でも、親は位牌を拝み、嘆くばかりです
子供幽霊もようやくあきらめてとぼとぼと家をでます。でも立ち去りがたく家の近所でめそ
めそ泣いているという次第です
「おばちゃんと・・・おねーさんと一緒に来る?」
そう誘うと、たいていの子供幽霊はこくんと頭を下げてついてきます
幽霊の二人旅です

674 :自夜 :2007/01/31(水) 23:48:03 ID:sDN2gkrN0
と言っても特に目的はありません。ただふらふらしているだけです
基本的にやることがありませんので、ぽつりぽつりとお互いに生きていた頃の思い出話なん
かをします
「おば・・・おねーさんの生きていた時代はねぇ、あちこちで戦があってねぇ」
「はるちゃんはこういったの、はるちゃんっていうのはお友達ね、あたしのすきな」
話がかみ合ってないことも気になりません
じーさん幽霊だったらどんな話をしていたのでしょうね。説教好きのじーさん幽霊なら、幽
霊としての生きる(?)心構えをこんこんと説教していたのかもしれません
そのあたりは聞いたことないから判りません。今から思えば、もっと他の幽霊と話をしてお
けばよかったと思います
長くて一年くらいでしょうか、早ければ知り合ったその日です。子供幽霊は若い母親やじー
さん幽霊から離れていきます
もともと礼儀とかを重んじない幽霊ですから黙って離れていっても腹は立ちません。立ちま
せんが、多少は行き先が気になったりします
子供幽霊は妊娠している女性に敏感なようです。いえ、お腹の中の胎児に敏感なのでしょう
か。たった一つの卵から細胞分裂を繰り返し、細胞の分化が始まると、早くも神経細胞の原
型が出来上がるそうです。その未熟な思念を敏感に感じ取るのでしょうかねぇ
何故、子供幽霊が胎児に惹かれるか。やはり大人の幽霊と違い、早く生まれ変わってもう一
度親に甘えたいという残念のなせる技なのでしょう

675 :自夜 :2007/01/31(水) 23:50:58 ID:sDN2gkrN0
子供幽霊は母親のお腹に取り憑きます。臨月間近の大きなお腹のこともあれば、ほとんど目
立たない時期のこともあります
お腹に取り憑いたものの、どうやって転生するのかその方法が判りません。だんだん焦って
いくのが見ていて判ります。そして、あるものは何回かお腹に取り憑き、弾かれ、そのまま
宙に霧散してしまいます。それでも半分以上でしょうか、何回目かの挑戦で、すっとお腹に
入っていきます
私はそれを見届けて、またふらふらと一人旅を続けます
その後、子供の記憶はどうなるのでしょうか。子供のうちに前世の記憶を語る話はよく聞き
ます。確かに胎児に子供の記憶は写り込むようです。しかし、その子供が成長するにつれて
だんだん前世のことを話さなくなります。これはその子供の実際の経験が前世の記憶を上書
きするかたちで新しい記憶に置き換わるのだと思います
また、繰り返し見る夢が前世の記憶ではないかという人も多くいます。それは、胎児の頃に
写し込まれた前世の記憶が思い出すというかたちにまではならなかったものの、断片的にで
も脳内に残り、時々夢の中だけで思い出すのだと考えればすんなり納得できると私は考える
のですが、本当はどうなんでしょうね
さて、昨今の子供への虐待や放置の報道に接するたびに、あぁ、この子供達は生きながら幽
霊の体験をしているのだと胸が痛みます
我が家では親の方が放置されてますが、それはそれで胸が痛みます

676 :自夜 :2007/02/01(木) 20:32:43 ID:nKzu/TNf0
前世物語 第二部乱世編 第十二話 山腹 その一

朝、雪を下ろし、水くみをし、朝餉をとり、さむらいは独り出かける。
掃除をし、昼餉をとり、薪割りをする。さむらいが戻ってくると字の稽古。
夕餉をとり、話をし、休む。こんな日が何日か続いた。
ある日、朝餉を終えるとさむらいはついてこいと言う。
雪の山道を半刻ほど登ると人目につかないよう斜面際に小さな祠があった。
祠?ちがう。入り口。多分、洞窟。雪をかき分け、入り口を開ける。中は
暗い。雪の白さに慣れた目はなかなか暗さになれない。
瓶、菰、俵、そんなものがぼんやり見え出す。
「こっちが塩、これには乾肉、そっちの瓶は小僧が好きな酒だ」
奥には作りかけなのだろう、まだ生しい肉がぶら下がっている。
「拙者の食料庫だ。あと二カ所ある」
何故何カ所も。そう安全のため。一つがやられても、まだ残りがある。や
られる?誰に?
「場所をよく覚えておけ。そのうち乾肉の作り方も教えてやる。拙者が帰っ
 てこなかったら、小僧が使え。上手に生き延びろ」
さむらいが帰ってこない?どういうことだろう。

つづく

677 :自夜 :2007/02/01(木) 20:42:20 ID:nKzu/TNf0
前世物語 第二部乱世編 第十二話 山腹 その二

「そんな顔するな。いますぐどうこうという話ではない。ただ、こんな世
 の中だ。明日のことは誰にも判らぬ。だから教えた。それだけだ」
その日いっぱいかけて、残りの洞窟を回り、山嶺を越えて山の向こうに逃
げる道を教わった。猟師も知らない道。多分、母も知らない。
あたりが暗くなりかけて小屋に戻った。その夜は久しぶりに酒が出た。
「雪兎を捕まえたことがあるか」
「ない」
「明日教えてやろう」
冬、雪に閉ざされた間、獣たちは自分のねぐらから出てこない。ところが
兎は違う。兎は雪が積もっても平気で出歩く。希にこの兎を追って狐が出
るという。兎は冬の間の貴重な生肉。
翌朝早く小屋を出て、山深くはいる。
「兎は臆病ですばしっこく、目も耳もいい。後ろが全部見える」
確かに兎の頭を真後ろから見ると両の目が見える。兎からも見えているの
だろう。
「だから猟師は罠を張る。罠を張れば兎以外もかかる。そう例えば」

つづく

679 :自夜 :2007/02/01(木) 20:52:34 ID:nKzu/TNf0
前世物語 第二部乱世編 第十二話 山腹 その三

さむらいは雪玉を傍らに投げる。ビンッと音がして、細縄の輪が宙を舞う。
「人間でもな」
気付かなかった。母も罠の張り方は知っているが、他人の縄張りでは罠は
張れない。
「食えない獣がかかると猟師達は慈悲なくなぶり殺して捨てる。そんなや
 り方は好かん。拙者は違うやり方でやる。小僧、木に登れるか」
兎はあまり上を見ない。その必要が無いから。だから、木に登って見てい
ろと言う。私は雪が落ちないよう気をつけながら木に登り、適当な枝振り
の枝に腰掛けた。
「小僧、そこで気配を消していろ」
さむらいは木の傍らに立つと気配を消した。見た目にはただ立っているだ
け。静かに息をしている。いや、違う。景色にとけ込んでいる。まるで、
最初からそこにあるべき物があるように立っている。じっと見ていると、
さむらいの姿が見えなくなる。周囲の木々と区別がつかない。
寒い。ただ待つ身はつらい。半刻が過ぎたか、一刻がすぎたか、不意に誰
かが肩を抱き、私と一緒に見ているような気がした。

第十三話へつづく

681 :自夜 :2007/02/01(木) 21:03:01 ID:nKzu/TNf0
前世物語 業務連絡21 自夜がweb site開設? ここで、宣伝です

Web Site の改装作業はだいぶ先が見えてきました。更新までもうちょっとお待ち下さい
避難所では奇特な方がお話を書き込んでくれてます。逝く時は人間やめてからどうぞ
狢さんのぬらりひょんの話は・・・・・・滞ってます

http://anime.geocities.jp/ojiya1539/ (PC用)
http://anime.geocities.jp/ojiya1539/m/index.html (携帯用)
http://anime.geocities.jp/ojiya1539/mujinahouse/mujinajoke001.html (三悪漫遊記)
http://hobby9.no.land.to/bbs/test/read.cgi/occult/1169303072/l50 (避難所)

青い光が私を囲み、現実逃避へと誘う

683 :自夜 :2007/02/01(木) 23:18:29 ID:nKzu/TNf0
このあいだから、だらだらと幽霊話を書いてきましたが、じーさん、ばーさん幽霊から子供
幽霊の話まで書いたところで、今日から暫く、ちょっと指向を変えて書いてみましょうかね

むかぁし、むかぁし、ある山に名もない狢が棲んでおった
この名無しの狢、この山一番の長生きで、妖怪になって既に何百年もたっとるそうじゃ
山の獣たちは名無しの狢から生きる知恵などを教わっておったが妖怪は妖怪、怖いものは怖
い、日頃は名無しの狢に会おうとはせんじゃった。狸たちも、まだ妖怪になってない狢たち
も山でばったり名無しの狢に会うても知らん顔じゃ
この山には名無しの狢と親しいものはおらん。たまさか訪れるこれまた妖怪の灰色狐と夜を
通して酒酌み交わすくらいじゃ
じゃから、名無しの狢はいつも独りで人を襲い、人を化かし、人を困らせて暮らしとった
この日も名無しの狢は幼女を喰らい、腹一杯になったので、道端で休んでおった
そこに、かわいらしいべべを着た五六歳の娘子がめそめそ泣きながら通りがかった
ふむ、美味そうな娘子じゃわい
名無しの狢はそう思うたが、腹一杯じゃったので、知らんふりしちょった
娘子は名無しの狢の前まで来ると、しゃがみ込んでしもうた
しばらくは知らんふりしちょった名無しの狢じゃが、目の前で辛気くさく泣かれると、せっ
かくの満腹で幸せな気持ちが削がれてしまう。名無しの狢はとうとう我慢できずに娘子に話
しかけた

685 :自夜 :2007/02/01(木) 23:38:40 ID:nKzu/TNf0
「ごら、そこの娘。わしは人を喰らう狢じゃど。喰われんうちにさっさと去れい」
ところが娘子は変わらずに泣き続ける
困ってしまった名無しの狢は娘子を困らせるために、みるみる見た目もおどろしい大入道に
化け
「去らぬと本気で喰ろうてしまうぞ」
と脅かした。ところが娘子は驚いて逃げるどころか、泣きながらも名無しの狢にこう言うた
「どうか、喰ろうてください」
はて、自ら喰ろうてくれとはどういうことかいなと名無しの狢は思うた
娘子は泣きながらもぽつりぽつりと名無しの狢に語りかける
「ととうもかかあも戦に巻き込まれて死んでしまいました」
「喰う為に殺すのは悪いことではないと聞きます」
「だったら、喰われるのも悪いことではないと思います」
「どうか、あたしを喰ろうてください」
「あたしを喰ろうて、ととうとかかあのところへ送って下さい」
逃げまどう幼女を追いつめて喰うのは名無しの狢の楽しみじゃが、自ら喰ろうてくれと頼む
娘子を喰うのは気がのらんかった
名無しの狢は一刻思案し、行商人に化けて娘子を連れて歩き出した
幾つかの山を越え、幾つかの川を渡って行商人の名無しの狢と娘子はある村に辿り着き、
ある百姓屋を訪ねた

687 :自夜 :2007/02/01(木) 23:55:30 ID:nKzu/TNf0
その百姓屋の夫婦は一人娘を亡くし、嘆き悲しみながら暮らしておった。一人娘を喰ろうて
しもうたのは、当の名無しの狢じゃったんじゃがの
「おや、どうさっしゃった」
「旅の途中でこの娘子を拾うての、聞けば親を亡くしたと言う。そこで一人娘を亡くしたお
 まえさんがたを思い出しての。どうじゃろう、この娘子を我が子と思うて、育ててくれん
 か」
夫婦は最初戸惑うた顔しとったが、娘子を不憫に思うたか、行商人に承知したと答えんしゃっ
た。肩の荷が下りた行商人は礼を述べ道の角を曲がった途端、元の狢に戻り、自分のねぐら
に飛んで帰った
多少は心残りのあった名無しの狢は何かのおりに百姓屋を垣間見、娘子が夫婦にかわいがっ
てもろうとる様子を知って安心した
それから幾日か経って、ねぐらでくつろいどる名無しの狢は異様の気配を感じた
「誰じゃ、そこに居るとは」
気配は纏まってねぐらの宙に浮かんだ。人間には見えん気配じゃ。狢にも見えん。名無しの
狢は感じとるだけじゃった
「ぬしは幽霊じゃな。この妖怪である狢に何の用じゃ」

というところで、続きは明日

694 :自夜 :2007/02/02(金) 11:24:07 ID:u3Cx4I8g0
>>689さん、>>691=692さん
遁走中のはるひに代わって相手してもらってありがとうございます
風物詩さんもはるひ遁走のあとしばらく見えなかったんで、駆け落ちでもしたかな
と思ってましたが、精力的に活動されてたんですね。感心はしませんが、安心しました

>>693さん
無視しだしたんではなく、相手してる暇がなくなったってところなんですけどね
ちょっと、本業の方が洒落にならない状態なもんで
まぁ、ここでは物語の連載が最重要で、その次が幽霊雑談かな。それくらいはちゃんと
続けていこうと思ってます。だから、当面は遊びを入れる余裕が私にないかもしれませ
んが、物語の方でお楽しみください です

そうそう、勝手に雑談は自由です。どうぞ、ご歓談ください

698 :自夜 :2007/02/02(金) 19:46:19 ID:u3Cx4I8g0
>>696さん
楽しみにしていただき、ありがとうございます
でも、風物詩さんも、>>696みたいな書き込みを楽しみにじっと待ってらっしゃると思いますよ

>>697さん
猫は長生きすると開けた戸を締めるようになり、妖怪になると言いますが、今人間やってるん
でしたら、天寿を全うして転生されたんでしょう

人間さんですよね・・・

699 :自夜 :2007/02/02(金) 19:55:33 ID:u3Cx4I8g0
前世物語 第二部乱世編 第十三話 雪兎 その一

来た。
雪の中でちょこちょこ動くもの。雪兎。辺りを見回し、聞き耳を立て、そ
して何回か雪の中で飛ぶ。それを繰り返し、さむらいの方に近づいていく。
さむらいは動かない。いや、違う。刀の柄に手をかける。なめらかな動き。
兎は気付かない。また、辺りを見回し、聞き耳を立て、雪の中で飛ぶ。
遂に兎はさむらいの前、さむらいの刀が舞う。静かに、そしてゆっくりと。
何事もなかったように兎は通りすぎ、辺りを見回し、頸が傾き身体から離
れ、倒れた。白い雪が赤になる。
さむらいはゆっくり刀を鞘に収める。
「小僧、もういいぞ。降りてこい」
何故兎は気付かなかったのだろう。
「雪兎は敵を見つけようと見回す。殺気がなければ見つかることはない」
「だけど、刀を抜いた」
「そう。刀を抜いた。だが、抜いただけだ」
さむらいは兎の耳と足を持ち、枝からぶら下げる。
身体から血がしたたり落ちる。

つづく

700 :自夜 :2007/02/02(金) 19:58:10 ID:u3Cx4I8g0
前世物語 第二部乱世編 第十三話 雪兎 その二

「こうしてすぐ血抜きをしておく。肉が長持ちする。場所を変えよう。臭
 いは消しようがない」
「あ」
私は気付いた。さむらいも気付いたようだ。二三十間先、雪の中に白い耳。
「無理だ。こちらへは来ぬ」
ささやくようにさむらいが言う。私は手刀に手をかける。
耳が動き、目が見回す。そして、動いた。私は手刀を投げた。
くるくる回りながら飛ぶ手刀。雪が動く先に落ちる。
「ほう、たいしたものだな。早く行ってとどめを刺してやれ」
私には当たったという確信はなかった。雪をかき分けて坂を登った。
手刀は腹に刺さっていた。ぴくぴく。私は手刀の柄を持ち、そのまま兎の
胸の方に動かす。絶命。
私は仕留めた嬉しさに耳を持ち、さむらいの方に向けて笑った。
一番近い洞窟に寄り、二頭の兎を解体する。解体のやりかたもさむらいは
教えてくれた。
二頭の兎はばらばらになり、剥ぎ取った毛皮を吊して洞窟を後にした。

つづく

701 :自夜 :2007/02/02(金) 20:00:06 ID:u3Cx4I8g0
前世物語 第二部乱世編 第十三話 雪兎 その三

頭と肋を鍋に入れ、囲炉裏に架ける。内蔵は裂きよく水洗いする。肉は串
に刺し塩を振り掛け、囲炉裏に刺す。
まだ時間は早い。
「小僧の御陰で今日は贅沢だな」
そう言ってさむらいは酒の用意をする。
「どうした。もっと捕りたかったか。喰うために捕る。それ以上には捕ら
 ない。そうしないと次の冬、兎がいなくなる」
素焼きの杯二つ、さむらいは酒を注いで姿勢を正す。
「いただきます」
お命、いただきます。
「小僧は女子ではあるが、筋はよさそうだ」
肉の表面から油が滲み出す。美味そうな匂いが立ち登る。
「明日から剣も教えてやろう」
そんなつもりはなかった。薪を割る斧さえまだ満足に扱えない。
「肉、焼けたぞ。さぁ、喰え」
次の日から厳しさが加わった。

第十四話へつづく

705 :自夜 :2007/02/02(金) 22:50:06 ID:u3Cx4I8g0
昨日からの続きです

名無しの狢の耳にか細い声が聞こえた。聞こえたように感じた
「狢さん、あたしです。狢さんに拾ってもらったあたしです」
「だから誰じゃと聞いとる。何の用じゃ」
「狢さんに百姓屋に連れて行ってもらったあたしです」
「なんや、おんしか。またなして幽霊などやっとる。死にでもしたか」
気配は形を変え、名無しの狢の目にもぼんやりと人の形に見えた
「無理せんでええ、なりたてやろう。何があった。虐められでもしたか」
「いいえ、新しいととうもかかあも大層優しくしてくれました。あたしも新しいととうと
 かかあが出来て、大層嬉しく思いました。ところが病にかかり、死んでしまいました」
「せか、死んじょることは知っとるんやな」
「はい。大層苦しい思いをしました。死ぬと身体が軽くなって、楽になって、こんなことな
 ら早ように死んでおけばと思いました」
「うむ。死んだものはみなそういうな」
「ととうとかかあは大層悲しんでくれました。二度も娘を亡くして大層可哀相なことをした
 と思います」
娘子の姿はだいぶはっきりしてきた。目や鼻もぼんやりわかった

707 :自夜 :2007/02/02(金) 23:22:16 ID:u3Cx4I8g0
「あたしはここにいますよと、何回か声をかけてみましたが、ととうもかかあも気付いてく
 れませんでした。あぁ、もうここに居てはいけないんだ。そう思い百姓屋を出ました」
「せか、そりゃ難儀やったな」
「その後は、ふらふらしていました。こうしていれば、いずれ成仏して本当のととうとかか
 あに会えると思っていましたが、一向に何もおこりませんでした」
成仏なんてないんやと言いたい名無しの狢じゃったが、言うのをこらえた
「ふらふらしている時におばさん幽霊から狢さんがこの山に居ることを聞きました。だから
 こうして来てみました」
顔がはっきり判るようになった。涼しい顔だと名無しの狢は思うた
「事情は判った。幸いわしは妖怪じゃ。妖怪は幽霊なんぞ気にならん。子供の幽霊は生まれ
 変わるのも早いっちいう。その気になるまでここに居ってくれてええ」
「ありがとう」
娘子はそう言うて、頭を下げると姿を消した。霧が晴れるように姿を消した
それからも、名無しの狢は独りで人を襲い、人を化かし、人を困らせて暮らした
ねぐらに帰ると娘子の気配を感じた
ある日、ふと、その気配が消えた
「そうか、生まれ変わったんか。今度もええ親のおる家に生まれるとええのぉ」
名無しの狢はそう思った。そして、また人を襲い、人を化かし、人を困らせる暮らしをつづ
け、幾度かの季節が過ぎた

708 :自夜 :2007/02/02(金) 23:49:55 ID:u3Cx4I8g0
莫迦な人間共はあっちで戦、こっちで戦を繰り返し、名無しの狢もいつしか娘子のことは忘
れた
ある日、たまさか訪れてきた灰色狐と酒酌み交わしとると、狐が急にまじめな顔をしてこう
言った
「何か居ますね」
名無しの狢も気付いておった
「あたしゃねぇ、この世のもんでないものが苦手なんでございますよ」
そう言うと灰色狐はそそくさと帰っていった
名無しの狢は宙を見据え、こう言った
「ぬしはまた死によったか」
「はい。ご迷惑でしたでしょうか」
「気にせんでええ。狐はんは半分神さんやからな、神さんは穢れが苦手なんや」
「あたしは穢れでしょうか」
「神さんにとってはな。わしら正真正銘の妖怪にとってはどうってこたぁない。で、今度は
 どがいした」
娘子の幽霊はまたぼんやりと形をつくる

というところで、続きは明日

710 :自夜 :2007/02/03(土) 00:12:36 ID:CWUtT1Ca0
>>702さん
Web Site でお判りのとおり、私は相当に性格の悪い人間です。認めますよ。貧乏してますけど

それで、私は何を回答すればいいのでしょう。「?」が付いている部分に個別にお答えすれば
いいのでしょうか、それとも全体的に私の見解というか、意見というか、そういうのを書けと
いうことでしょうか

とりあえず、個別に答えておきます

問:悪いことをしたら心が痛んだりしてますよね?
答:痛みます

問:どんどん悪いことして裕福になればいいのではないですか?
答:あの世のあるなしと悪いことをしてもいい悪いは別の次元の話だと思います

問:すでに悪人で裕福な人でしょうか?
答:悪人ですが、貧乏です

問:インチキの一言で片付けていいのでしょうか?
答:臨死体験と本当に死ぬのは違いますから。臨死体験者がそう信じていることについては
  何も言うことはありません
  私自身で言えば、臨死体験は冷たいのに熱かったこと、楽しくないのに楽しかったこと
  です。死んだ後判ったのはどーでもいーですよー状態だったということです
  あの侍がもうちょっと早く来ていたら、楽しくないのに楽しい世界を死後の世界として
  語っていたかもしれません

問:問いじゃないかも知れませんが、きっとお怒りに
答:別にそんなことで怒ったりしませんよ
  信じるも自由、信じないも自由、まぁ、お気楽にお楽しみ下さい です

711 :自夜 :2007/02/03(土) 00:18:59 ID:CWUtT1Ca0
>>704さん
生まれつきじゃ仕方ないですよねぇ

713 :自夜 :2007/02/03(土) 00:47:03 ID:CWUtT1Ca0
>>712さん
悪い人ですよ

狢さんが悪行の数々を晒してくれてます

http://anime.geocities.jp/ojiya1539/mujinahouse/mujinajoke001.html (三悪漫遊記)

720 :自夜 :2007/02/03(土) 11:23:30 ID:CWUtT1Ca0
>>714 修験者さん
要は修行が足らないと
そうですね
修行半ばにしてチラット見ただけで全貌が判るとは、さすがですね
私も修行して、早く実際の出来事か映画の一部か見抜けるような力が欲しいと思います

と、
>>715さん
私なら受け答えますね

>>717さん
随分早く終わる修行ですね
でも、確実にメル欄の使い方など向上されているようで、修行の成果ですかね

と、
>>718=719さん
受け答えてもいいですね
でも面倒くさい時はこうします

>>714=717
ほう

721 :自夜 :2007/02/03(土) 12:32:22 ID:CWUtT1Ca0
前世物語 第二部乱世編 第十四話 その一

春は好きだ。
山々の緑が若い。様々な獣や生き物が動き出す。田畑から必死の形相で飛
び上がる雲雀が遠望できる。雲雀の鳴き声はここまでは届かない。
雪はもう山稜の日陰にわずか残すばかり。
私は毛皮を着物にし、ましらのように木の枝から枝へ移る。毛皮は織物と
違い、音がしないのがいい。
腰には手刀、そして脇差し。身体も大きくなって、脇差しが小さくなった。
でも、多分、大刀はまだ大きすぎる。代わりに小振りの木刀。
私も十四になった。村の同い年の娘らはそろそろ嫁に行くことを考えてい
るのだろうか。私は莫迦らしく思える。今の生活の方がいい。
昼餉を独りで済まし、木刀の素振りをして身体を暖めた後、私は小屋を出
た。今日はどの道を通って帰ってくるのだろう。木の上から様子を探る。
あれは違う。村の猟師だ。人数が多いし、動きが雑だ。あれも違う。あれ
は熊。穴から出てすぐでお腹を空かしている。殺気に満ちている。
見つけた。流れのような風のような動き。木々の下草のかすかな揺れ。
私はまた別の木の枝へと移った。

つづく

722 :自夜 :2007/02/03(土) 12:34:51 ID:CWUtT1Ca0
前世物語 第二部乱世編 第十四話 その二

目的の獣道の上に辿り着いた私は枝に座り気配を消した。今の私は枝から
生えたもう一本の枝。かすかな風に揺られる枝。
静かに時が流れる。だんだん近づいてくる足音が聞こえるような木がする。
栗鼠が枝から私の腕に移り、肩を通り、顔を登る。
栗鼠は焼いても煮ても乾しても不味い。よほど他に獲物がない時以外は捕
らない。栗鼠は私の頭を過ぎて、背中を降りていった。
鷲が何かを狙って空を滑っている。
下草が揺れ、足音の気配が過ぎる。私はそのまま後ろに倒れ、枝から落ち
る。身体を大きく伸ばし、頭が真下を向いた時、初めて目を開ける。地面
との距離を測り、身体を曲げて向きを変え、脚を縮め衝撃を和らげる。
手は木刀の柄にかけている。そのまま木刀を抜き、背中に向かって一突き。
「でぇえええい」
駄目だ。どうしても力を込めると声が出る。
カン。弾かれる木刀、それでも離すものかと握りなおし、殴りかかる。
カン、カン、カン。
ぶつかり合う木刀、そしてすくい上げられて宙を舞う私の木刀。

つづく

723 :自夜 :2007/02/03(土) 12:37:51 ID:CWUtT1Ca0
前世物語 第二部乱世編 第十四話 その三

「随分腕を上げた」
「えへへへ」
嗤いながら、木刀を拾い、腰に収める。
「だが、まだまだだ」
「おかえり、おにちゃ」
「ただいま、ちび」
小僧と呼ぶのは止めてくれ。そう言ったのは何時の頃だっただろう。
名前を呼ばれるのは気恥ずかしい。母が私を呼ぶのを使って貰うことにし
た。
「どうしても声が出る」
「力の入れすぎだ。相手を倒すのに力はいらぬ。それと、その言葉遣い」
「よかって」
さむらいと私は並んで小屋への獣道を歩き出す。
「良くない。ちゃんと娘らしい言葉を使え。明日、町に連れて行こうかと
 思ったが、考え直さねばならぬ」
「町?ほんと?」

第十五話へつづく

724 :自夜 :2007/02/03(土) 12:46:12 ID:CWUtT1Ca0
昨日からの続きです

「はい。裕福な家に生まれて幸せな暮らしをしていましたが、一家そろって焼き殺されてし
 まいました」
「そりゃまた豪快やのう」
「はい。百姓一揆とかで町が襲われ、倉が破られ家に火を点けられました。ととうとかかあ
 と幼い弟と抱き合ったまま蒸し焼きにされてしまいました」
娘子の形ははっきりしてきた。多少目鼻立ちは違うけど、年嵩は前のときと同じくらいだな
と名無しの狢は思った
「目の前で、ととうの顔が崩れ、かかあの顔が崩れ、弟はあたしにしっかりしがみついたま
 ま炭になっていきました。こうして私だけ生き長らえることができました」
「まぁ、生きてはおらんがの」
「ととうとかかあと弟は消えてしまいました。成仏したのでしょうか。なぜあたしだけ置い
 ていかれたのでしょうか。あたしはいつまでたってもととうとかかあと弟と、そして本当
 のととうとかかあには会えないのでしょうか」
何百年も生きとる名無しの狢は死ねば全て消えてしまうことを知っとる。希に幽霊になるこ
ともあるが、いずれ消えてしまうことを知っとる。じゃが、娘子にそのことを言う気には名
無しの狢はなれんかった
「さあな。わしは死んだことないけ、判らん。まぁええ。また気が済むまでここに居ったら
 ええ」
「ありがとう」
娘子は頭を下げると姿を消した

725 :自夜 :2007/02/03(土) 12:48:35 ID:CWUtT1Ca0
それからも、名無しの狢は独りで人を襲い、人を化かし、人を困らせて暮らした
そしてある日、また娘子の気配が消えた
「今度は少しは長生きできるとええのぉ」
名無しの狢は娘子が居た宙を見つめ、そう言った
また何年か過ぎた。人間共の莫迦さかげんは相変わらずじゃった
この日も名無しの狢は幼女を喰らい、腹一杯になったので、道端で休んでおった
そこに半ば破れた鎧を着て、肩に矢がささったまま杖をついた侍が通りかかった
なんじゃ、侍か。肉も固くて不味そうじゃな
名無しの狢はそう思うたが、腹一杯じゃったので、知らんふりしちょった
侍は名無しの狢の前まで来ると、がっくりと膝をついてしもうた
しばらくは知らんふりしちょった名無しの狢じゃが、目の前で野垂れ死にされると、せっか
くの満腹で幸せな気持ちが削がれてしまう。名無しの狢はとうとう我慢できずに侍に話しか
けた
「ごら、そこの侍。わしの前でへたり込むな。ぶち殺されんうちにさっさと去れい」
侍はゆっくりと虚ろな目を名無しの狢に向けた
「も、物の怪か」
「そうじゃ。妖怪の中の妖怪、狢様じゃ」
「物の怪よ」
「狢様と呼べい」
「物の怪は命と引き替えに頼みを聞いてくれると聞いたが、誠か」
「そりゃ、南蛮の妖怪の話じゃ。わしは命なぞもろうても何にもならん」
「物の怪よ、拙者の命と引き替えに、我が恨み晴らしてくれぬか」
めんどうなことになったと名無しの狢は思うたが、見ると侍の怪我は死ぬほどのものではな


726 :自夜 :2007/02/03(土) 12:51:15 ID:CWUtT1Ca0
「恨みがあるならおのれで晴らせ、頼るな」
「拙者、鹿州手町家の家臣、臼井 亜玉と申す。出城の守備を殿から仰せつかって居ったが、
 盟を結んだはずの馬州下山家の軍勢に襲われ出城を奪われた」
「城を取ったり取られたりが侍の稼業やろ、そんなもんで恨むな」
「手勢が少なすぎた。負け戦は仕方ない。だが、奴らは姫を人質にとった。以前より間者が
 入り込んでいたらしい。己の迂闊は認める。だが姫を人質に取るような卑怯は許せぬ」
「だまされたんやな。そりゃ、たしかに卑劣や」
「刃向かうことも出来ず、次々に倒された。何とか逃げ延びたものの、城は奪われ、姫は奪
 われ殿に顔向けできぬ。この先、生きても詮無し。しからば物の怪よ、我が命好きにする
 がいい。その代わり、どうか我が恨みを晴らしてくれ」
どうしてわしの所には死にたい人間ばかりくるのじゃろう。名無しの物の怪は嘆いた
「臼井とやら、ぬしの怪我は死ぬほどやない。命をもらう趣味もない。やが、今少し暴れた
 い気分ではある。ぬしの復習に手を貸してやろうか」
「まことでござるか、狸殿」
その場でぶち殺したくなった名無しの狢じゃが、なんとかこらえた
下山家は大きなところで沢山の軍勢がいる。姫はおそらく下山家の本城に囚われていて、近
づくこともできんという話じゃ
「まぁ、わしに任せい。これでも妖かしの術を心得とる」
大切な薬草を名無しの狢は侍の疵につけてやった。侍は元気を取り戻した
名無しの狢は今度は別の薬草を口に含み、ふんと気力を高めた。名無しの狢の身体はみるみ
る大きくなり、馬のような獣になった。身体のあちこちから妖気が湯気のように迸り、その
姿はまるで麒麟のようじゃった

というところで、続きは来週

738 :自夜 :2007/02/05(月) 09:24:25 ID:QWdBIlqp0
前世物語 業務連絡22 自夜がweb site開設? ここで、宣伝です

Web Site の改装作業、ようやく終了です。三悪漫遊記はリンクで行けるように
なりました。国際化にちょっとだけ対応しました。なお携帯用は改装していません

http://anime.geocities.jp/ojiya1539/ (PC用)
http://anime.geocities.jp/ojiya1539/m/index.html (携帯用)
http://hobby9.no.land.to/bbs/test/read.cgi/occult/1169303072/l50 (避難所)

Son of a witch!!!

739 :自夜 :2007/02/05(月) 09:28:24 ID:QWdBIlqp0
>>728 702さん
意図してかどうかは知りませんが、あなたの書き込みの中に、私が言ってもいないこ
とが記載されてます。曲解と言うんですか、私からは悪意の捏造にしか見えませんが、
まず、これを訂正して下さい。話はそれからです

訂正したくない、若しくは何のことか判らないというのであれば、それならそれでも
いいです。それまでのことです


740 :自夜 :2007/02/05(月) 09:58:42 ID:QWdBIlqp0
>>730さん
こんにちわ
私としてはフィクションを書いているつもりはないんですがねぇ

面白くないのはひとえに書き手の文才のなさでしょう。普通こういうときは出版社
や作者に苦情の手紙をだせばいいんでしょうけど、出版社はありませんし、書き手
は人の言うこと聞かないタマですから困ったもんです

私から言うのも何ですが、我慢して読むか、読むのをやめるか、二つに一つではな
いでしょうか

幽霊編は物語形式では書き手自身が書いていて面白くないんで、たぶんもっと面白
くないものになるとおもいます。座った、しゃがんだ、うんちした・・・ですから

741 :自夜 :2007/02/05(月) 10:00:50 ID:QWdBIlqp0
>>731=732さん
縦書き・・・なかなかいいですね。なんか、別の人が書いたような感じがします
ということで、私もやってみました

742 :自夜 :2007/02/05(月) 10:03:41 ID:QWdBIlqp0
>>733-736 修験道者さん
それが修行の結果でしょうか。じゃぁ、私は修行やめます

743 :自夜 :2007/02/05(月) 10:05:06 ID:QWdBIlqp0
>>737さん
なるほど、惨めになると、余計惨めですね

746 :自夜 :2007/02/05(月) 20:40:03 ID:QWdBIlqp0
先週からの続きです

「臼井とやら、のるがええ」
「単騎で攻め込む気か」
「なぁに、わしに任せい」
侍は恐る恐る名無しの狢に跨った。名無しの狢は一声嘶くと、一気に走り出した
山を越え川を越え、村々を飛び越えて名無しの狢は走った
馬州に入ると侍がようけ屯しとった。名無しの狢は侍共をけちらし、飛び越え、撥ね除けな
がら一挙に本城にせまった
本城の前では沢山の軍勢が槍を持ち弓を構えておった
「いくら物の怪とはいえ単騎で乗り込むとは無謀よのう」
下山家の侍大将が大音声で迎えた
名無しの狢は四肢を踏ん張り頸を低く下げ、軍勢を睨み、にやりと嗤った。口元から妖気が
あふれ出した
「毒気だ、口を押さえよ」
混乱の隙をついて、名無しの狢は侍大将に一気に近寄った
「人間のくせに大口たたきおって、その口閉じれんようにしてやろうぞ」
名無しの狢は後ろ脚で立ち上がり、前脚の蹄を呆気にとられる侍大将の顔に叩き込んだ
侍大将の顔が蹄の形に凹み、耳から血と脳漿が吹き出した

747 :自夜 :2007/02/05(月) 21:08:15 ID:QWdBIlqp0
逃げ惑う兵隊に名無しの狢は襲いかかった。侍の頭を叩き、腹を蹴り、踏みつぶしていった
突き出される槍を軽々とかわし、飛び来る矢を跨ぎ、兵隊を倒していった
掘りを軽々と飛び越え、城中に飛び込み女子供も容赦なく踏みつけていった
名無しの狢は殺戮に酔いしれていた
「もっとかかってこい、もっとかかってこい。わしを殺れるものなら殺ってみい」
いつしか背中の侍が振り落とされたのにも気付かんかった
「わははは、わははは、わははは」
城中深く入り込み、遂に最後の部屋に辿り着いた。部屋の中には男が一人おった
「ぬしが殿さんかい」
「おのれ物の怪の力まで借りるとは卑怯千万」
「騙し討ちするようなもんに言われる筋合いはないわい。ぬしも同じ穴の狢じゃ」
名無しの狢は男に体当たりした。男ははじき飛ばされ壁にぶつかり赤い人型を残して崩れ落
ちた
さてと、何じゃったかのう、一息ついた名無しの狢は考えた
「そうじゃ、姫じゃ。ころっと忘れとった」

748 :自夜 :2007/02/05(月) 21:20:45 ID:QWdBIlqp0
名無しの狢は城の地獄の底に降りていった。牢があった。木檻を易々と壊し、名無しの狢は
奥に進んだ
年の頃十四五歳の娘が居った。娘は名無しの狢を目にとめると
「ひっ、化け物」
と言って気を失った
「化けもんとは失礼な娘じゃ。これが姫さんかのう」
最後の木檻を壊し、名無しの狢は姫を抱きかかえようとした
「しもうた、この手じゃかかえられん」
名無しの狢はみるみる小さくなり、人型になった。その顔は背中に乗せた侍と同じじゃった
姫を抱きかかえ、名無しの狢は表に出た。城は火に包まれていた。歩く先々に兵隊の骸が転
がっていた。名無しの狢は大声で叫んだ
「臼井ーっ、臼井はどこじゃ」
名無しの狢は叫びながら侍を捜した
「臼井ーっ、返事をせい、臼井っ。こん娘が姫さんかどうか確かめてくれーい」
臼井の骸は大手門の内側にあった
名無しの狢は姫をそっと降ろし、臼井の骸を確かめた。胸に槍疵。一突きで絶命したようじゃ

というところで、続きは明日

749 :自夜 :2007/02/05(月) 21:23:26 ID:QWdBIlqp0
>>744さん
答えられる範囲でお答えします。勝手に質問をばらしちゃいました

問:妖怪は人間よりも知識豊富?
答:長生きしてる分、豊富だそうです

問:目立たない所で生きているのは何故?
答:殆どの妖怪さんは人間がきらいなんだそうです
  普通の獣と一緒ですね

問:世界を支配しないのが不思議?
答:そういうことは妖怪さんに聞いたことありませんが
  実は既に支配されてるかもしれませんよ

問:支配欲がゼロなんでしょうか?
答:人間だってみんながみんな世界を支配したいとは思ってないでしょう
  むしろ少数派? 妖怪さんだってそうだと思いますけど

問:現代でも妖怪に会う事ができますか?
答:絶滅してなければ可能だと思います
  とても絶滅しそうにはないですから、まず大丈夫でしょう

問:会えるならどこに行けば会えますか?
答:妖怪さんがいるところですね
  実は会っているけど気付いていないだけかもしれませんよ

750 :自夜 :2007/02/05(月) 21:25:00 ID:QWdBIlqp0
>>744さん
つづきです

問:UFOや宇宙人って本当にいますか?
答:いるんじゃないですかねぇ。見たことないですけど

問:地球に来る目的?
答:それは、当人に聞いてみないと何とも

問:前世は訓練とかすれば分かるようになれますか?
答:子供の頃の何気ない一日の記憶を取り戻すのにカード当てを練習した
  って駄目なように、駄目と思います
  元々そういう記憶がなければ、疲れるだけだと思います

問:歴史上の有名な人を見かけた事はありますか?
答:実際にはあったかもしれないけど、見かけたことはないです
  っていうか、当時は超有名人でも誰も顔を知らないんですよ
  ネットもテレビも雑誌もないですから。だから豊臣の殿さんは猿みたいだ
  という話は聞いていても、偶然会ってもわかりません
  幽霊の場合はそれに輪をかけて、有名無名に興味出ませんし

こんなところでよろしいでしょうか

751 :自夜 :2007/02/05(月) 21:38:52 ID:QWdBIlqp0
>>744さん
これ書いておかないと誤解されるかな

長生きするのは主に私の相方の狢さんみたいな後天性の妖怪さんです
先天性の妖怪さんはさほど長生きしません

人間嫌いは概ね共通しているみたいですね。だから妖怪さんになるんですけど

753 :自夜 :2007/02/05(月) 22:13:16 ID:QWdBIlqp0
>>752さん
はて、どういうことでしょう?

755 :自夜 :2007/02/05(月) 22:37:54 ID:QWdBIlqp0
>>754 744ですさん
どういたしまして
まぁ、私も妖怪にはなったことありませんので、よくは知りませんけどね

中には本気で人間を喰らったり、危害を与えたりする狢さんみたいな妖怪さんもいます
ので、会いに行く時は、まず退路を確保してから行った方がいいです

758 :自夜 :2007/02/06(火) 16:14:17 ID:hRekD4Tj0
>>756さん
私から特にコメントはないですが、

遭遇した妖怪なり霊なりがたいして危害がなかったといって、危害を与える妖怪
さんがいないということにはならないと思いますが、どうでしょう?

759 :自夜 :2007/02/06(火) 16:27:11 ID:hRekD4Tj0
>>757さん
いくら蛇にちんちんが二本あるから(ttp://www.chowchow.gr.jp/inova/sunake/jsnake.html)
といって、それはないですね

幽霊になる場合は生前の記憶を引きずってますから、人は人の幽霊に、蛇は蛇の幽霊になります

でも、残念として他の生き物に成りたいってのがあったらどうなんでしょう?
会ったことはありませんが、人間の姿を見せる人間になりたかった飼い猫の幽霊みたいなのは
存在するのかもしれません

762 :自夜 :2007/02/06(火) 17:36:23 ID:hRekD4Tj0
>>760さん
えっとですね、いろいろ定義があるようですが、私は幽霊は死んでからなるもの、妖怪は生
きているうちになるもの、あるいは生きているものと定義しています。受け売りですが

水木先生のその漫画は水木先生の全くの創作、名前だけは借りたが性格などは全くの創作、
実在の妖怪さんの伝承にほぼ忠実といろいろごちゃ混ぜになっているのでややこしいのです
が、人が生きているうちに変わってしまった結果、妖怪さんになるものもいるようです

私が昔、狢さんに聞いた話では、山姥、鬼、雪女、舟幽霊がそういう妖怪さんたちです
(舟幽霊は幽霊という名前がついていますが、幽霊ではなく、妖怪さんです)
狢さんが避難所で連載中・・・断中のぬらりひょんの話自体は私の創作ですが、狢さんから
聞いたある妖怪さんが非常に伝承のぬらりひょんに似ているのでぬらりひょんが実在するも
のとして、その妖怪さんをモデルに話を作りました

普通の人間から何が変わるかっていうと、主に食性です。例えば、人を喰らうようになるとか

猫は賢いので長生きすると扉を開けるようになります。そして、扉を閉めるようになると、もう
すでに妖怪さんです。これは有名な話ですね。じきに尻尾が割れたりします
猫娘が実在するとすれば、こういった猫出身の妖怪さんで、半分人の形をしているのは、その方
が生きやすいので化けているんじゃないでしょうかね

ネズミ男は・・・あれは妖怪ではなく、邪鬼丸みたいに煩悩に取り憑かれたただの人間のような
気がします
(邪鬼丸の話は自分でも好きなので宣伝です。Web Siteで[物語閲覧部屋]から[邪神編]です)

763 :自夜 :2007/02/06(火) 17:47:26 ID:hRekD4Tj0
>>761 756さん
私の>>758の質問への回答ありがとうございます

人間は死ぬと姿が動物の霊に堕ちることもあるが、動物が人間の姿の霊になることはない
こういうことでよろしいですか?

私はそこまで人間が特別な存在とは経験上からも思えませんけどねぇ、どうでしょう?

766 :自夜 :2007/02/06(火) 18:07:56 ID:hRekD4Tj0
>>764-765 756さん
まず、>>764について
野生の動物は偶に人間に危害を与えていますが、野生の妖怪さんはそうではないと
いいきれないと思いますが、どうでしょう?

次に>>765について
姿が動物の霊になることがあるのはイメージ出来る脳を人間が持っているから
こういうことでよろしいですか?

それならば、>>757さんがいうような性欲に溺れる者とかに限らず、ごく普通の
人でも姿が動物の霊になることがあると思うのですが、どうでしょう?

769 :自夜 :2007/02/06(火) 18:33:08 ID:hRekD4Tj0
>>768 756さん
重ね重ね、ご回答ありがとうございます

わざわざ人っぽく近づいてきて取って食うことは無いということですが、それでは
こちらから妖怪の巣に出向いていけば、殺られることはある
また、熊なんかは山に餌がなくなると人里に降りてきて悪さをしますが、妖怪さんも
お腹がすくとそういうことをすることがある
と、こう考える訳ですが、どうでしょう?

性欲に溺れる者、物欲に溺れる者、権力欲に溺れる者、苦境から助かりたくて自殺
する者等が心に見合った姿になるとのことですが、性欲に溺れる、物欲に溺れる、
権力欲に溺れる、自殺する、いずれも非常に人間っぽい行為ですよね。自殺する人
間以外の生き物はいないとまでは言いませんが
とすると、見合った姿というのは結局人間の姿じゃないかと思うのですが、どうでしょう?

772 :自夜 :2007/02/06(火) 19:00:44 ID:hRekD4Tj0
>>771さん
くすくす
それは、喜ぶべきことなんでしょうか、悲しむべきことなんでしょうか、私には判りかねます

773 :自夜 :2007/02/06(火) 22:06:28 ID:hRekD4Tj0
昨日からの続きです

小さな呻きを上げて、姫が気付いた。姫は名無しの狢を認めると、こう言った
「臼井?これはどうしたことです。あの化け物はいった」
「化け物はわしじゃ。本物の臼井とやらは、そこに転がっとる」
姫は臼井の骸までよろよろと歩き、跪いた
「嗚呼、臼井。私を助けようとしてくれたのですね」
そう言って姫は手を会わせた
「して、化け物とやら、そなたは何者です。臼井の仲間ですか」
姫は正面から名無しの狢を見つめた
「ま、かくしとってもしゃーないな」
そういうと名無しの狢はしゅるしゅると小さくなり、元の狢の姿となった
「狢・・・・・・さん?」
「なんじゃ、わしを知っとるんか、わしはあんたなんか知らん」
「わかりませんか、あたしです。狢さんに拾ってもらったあたしです」
「ほぉ、これは驚きじゃ。今度は侍の子に産まれたか」
「はい。あたしもまさか殿様の子供になるとは思っても見ませんでした」
名無しの狢は驚くやら呆れるやら

774 :自夜 :2007/02/06(火) 22:26:21 ID:hRekD4Tj0
「今度の親はどうじゃ。甘えられたか」
「大層大事に育てられました。でも殿様の子です。そうそう親に甘えることはできません
 でした。ましてやこのような時代です。いかに見苦しくなく死ぬかを教えられて生きて
 きました」
「せか。人間の世界はけったいじゃのう。して、これからどがいする」
「城に戻りたいと思います。馴染みのない親ですが、親は親です。侍の子として親に孝行
 したいと思います」
「立派なもんじゃの。よっしゃ。乗りかかった舟や。一肌脱いだろ」
そう言うと名無しの狢は見る見る大きくなり、麒麟にもどった
「さあ、乗れい。城まで送っちゃる」
名無しの狢は走った。じゃが、すぐ走るのを止めた
侍の子とはいえ女子、早馬には耐えられんかった
「まぁ、あわてたってしゃーない」
名無しの狢は妖気を出すのを止め、麒麟は馬になった
ぽこぽこと馬はあるき、山を越え、川を渡って馬州から出た
また、何日かかけ、山を越え、川を渡り、村を過ぎてようやく鹿州にたどりついた

775 :自夜 :2007/02/06(火) 22:56:27 ID:hRekD4Tj0
「さぁて、お城とやらはどこかいのう」
何日もの馬旅で、姫はすっかりまいってしもうた。ようように名無しの狢の背にしがみつ
いとるだけじゃった
日暮れ頃、村の離れの井戸で鍬を洗うとる男が見えた
「すまんがのう、ちくと物を訪ねたい」
「なんですかいのう」
男は振り返ると、目の前に馬の顔があった
「お城へ行くにはどういったらええかのう」
名無しの狸が言い終わる前に、男は腰を抜かし、口から泡を吹いて白目で倒れよった
「なんじゃい、肝の細ぃやっちゃのう。馬が喋ったくらいで腰抜かすやつがあるかい」
名無しの狸はしゅるしゅると小さくなり、臼井になった
「姫さんもつかれたじゃろ。ここらで水車小屋でん見つけて休もうか」
名無しの狢は小川沿いに水車小屋を見つけ、姫と入り休んだ

というところで、続きは明日

776 :自夜 :2007/02/07(水) 03:17:18 ID:YK8LQM6M0
申し訳ない話ですが、ご察しの通り乱世編は弐クールに入った途端に滞ってしまってます
一挙に何年もすっ飛ばしたのはやっぱり不味かったかな
言い訳はいたしませんが、筋を練り直してます。もうちょっとお待ち下さい
ひょっとしたら、第十四話は書き直すかも知れません

さて、お詫びというのもなんですが、名無し狢の話を一挙に最終回までお届け
します。Web Siteにはうぷ済みですので、話「のみ」楽しみたい方は、そちらの方を
どうぞ。[物語閲覧部屋]から[幽霊談義]の「第六回」です

777 :自夜 :2007/02/07(水) 03:22:59 ID:YK8LQM6M0
次の日の朝、名無しの狢と姫はあたりのただならぬ気配で目を覚ました
入り口を開けようとすると外から無理矢理に開かれて、侍の集団がなだれ込んできた
なすすべもなく名無しの狢と姫は縛り上げられ、引き立てられた
「乱暴な連中じゃのぉ、自分とこの姫さんがわからんのか」
「黙れ、物の怪」
そういうことかい、名無しの狢は察した。まぁええわい、これで城を探す手間が省けると
名無しの狢は思うた。こんな縄、いつでん外せるわい
「だいじょうぶかい、姫さんよう」
「はい、なんとか。いずれわかってくれると思います」
名無しの狢と姫は城のある町に流れる川の河原に連れられた。河原から城が見えた
まわりをぐるりと侍たちがとりかこんだ。名無しの狢と姫の前に離れて床几が置かれた
名無しの狢が、さてこの先どがいしようかのうと考えていると、本物の馬に跨った侍がやっ
てきた。姫が小声でこう言った
「狢さん。父です」
「ほうかい、あれが、殿さんかい。ほいじゃ見たら判るじゃろうから、すぐ解いてくれる
 のう」
馬から下りた殿様は床几に座った。脇を槍を携えた小姓が固めた
「ほう、よく臼井に化けたな、物の怪よ。そちらの企みはなんじゃ」

778 :自夜 :2007/02/07(水) 03:25:37 ID:YK8LQM6M0
「企みなんぞないわい。ぬしの娘をとどけに来ただけじゃ」
「そちが臼井に化けたよう、物の怪が我が娘に化けたのではないという保証はなかろう」
「親なら一目見りゃわかろうが」
殿様はすっくと立ち上がり、こう言った
「たわけがっ。我が娘は出城にて立派に自害したと報告を受けておるわ。大方下山から頼
 まれて誑かしに来たのであろうが、そうはいかぬわ。全てお見通しだっ」
「なっ」
「者共、射よっ」
殿様は軍扇をさっと名無しの狢に向けた
ひゅんひゅんひゅん
矢が名無しの狢めがけて飛んだ
「ふん、そがいなもんが、わしに・・・」
名無しの狢が念を飛び来る矢にかけようとしたその刹那、黒い影が名無しの狢の前に飛び
出し、そのままどうと倒れた
縄にくくられたままの姫の身体に矢が刺さり、血が噴き出した
「姫さんっ」
名無しの狢はおのが縄と姫の縄を念で吹き飛ばし、姫に駆け寄って抱き上げた。無数の矢
は名無しの狢と姫の前で力無く落ち、砕け散り、またあらぬ方へ飛び去った
「姫さん、しっかりせい。急所ははずれちょる。死ぬような怪我じゃなか」

779 :自夜 :2007/02/07(水) 03:28:25 ID:YK8LQM6M0
「えぇい、者共、射よっ、射殺してしまえぇ」
名無しの狢の手の中で姫はうっすらと目をあけ、白い顔がほころんだ。そして目を閉じた
名無しの狢は全身の毛が逆立つのを感じた。その姿形は人だがもはや臼井ではなく、顔は
狢そのもので毛むくじゃらであった
「とうとう正体を顕しおったな、物の怪め。世が直々に成敗してくれるわ」
殿様は腰の刀を抜いた。名無しの狢は殿様を見据えた。名無しの狢の目が赤々と光り、
「はうっ」
のかけ声と共に名無しの狢の口から妖気が四方に飛び散った。侍たちの動きが止まった
あるものは弓を引き絞ったまま、あるものは次の矢を手にとったまま、小姓は槍を名無し
の狢の方に向けたまま、そして殿様は刀を抜いて、八相に構えようとしたその姿のまま
「おまえら人でなしじゃ、我が娘を平気で殺す人でなしじゃ。たとえ娘でのうても、姿形
 が変わらんもんをよう殺そうとできるのぅ。ちょっと前までかわいがっとった子供やな
 いか、慕っとった姫さんやないか。よう覚えとけよぉ、孫子の代まで安穏と暮らせると
 思うなよぉ、この狢様がなぁ、末代まで祟ってやるからな」
名無しの狢は吼えた。名無しの狢の怒りは静まらなかった
名無しの狢は姫を抱いたまま殿様の方につかつかと歩み寄った。侍どもは、動かぬ身体で
目だけで名無しの狢を追った
「よう、殿さんよ。よう見ぃな。これが物の怪に見えるんかい。あぁ?」
殿様の目は恐怖で引きつった

780 :自夜 :2007/02/07(水) 03:31:35 ID:YK8LQM6M0
「おんしだけは、殺られる身を味わってもらおうかのう」
名無しの狢は姫を抱き変えると、殿様の振り上げかかった刀をとった
「ええ刀じゃのう。殿さんともなると、持ちもんもええのう。どんだけ切れ味がええか、
 わしが試しちゃろう」
名無しの狢は無造作に刀を殿様の腹に刺した。刀は殿様の身体を突き抜いた
「切れ味も申し分ないのう、のう、殿さんよ」
名無しの狢は刀を捻ると上へ、心の臓へ刀を動かした。殿様の目は目玉よりも大きく開か
れた
名無しの狢が刀の柄から手を離すと、刀はすっと消えた。刀は殿様の手に握られ、上を向
こうとしたままじゃった。名無しの狢は殿様に嗤いかけた
「どうや、殺られる気分は。ほんまに殺ってもええが、姫さん悲しむけんのう」
そして、名無しの狢は俯き、悲しげにつぶやいた
「おまえら、畜生以下じゃ。妖怪以下じゃ」
名無しの狢はくるりとまわり、侍どもを後にした
「さぁ、姫さん。帰ろう。わしらの巣に帰ろう」
侍どもが束縛から放たれ、その場にへたりこんだのは、殿様の小便もとうに乾き、日も暮
れかかるころじゃった。物の怪共が蠢き出す時分じゃった
巣に戻る途中、姫さんを気遣って少しでも休めるよう名無しの狢はいくどか百姓屋の入り
口を叩いた。しかし、百姓屋の入り口は固く閉ざされたままじゃった

781 :自夜 :2007/02/07(水) 03:34:17 ID:YK8LQM6M0
「侍だけやのう、おえらもか。同じ人間じゃろ、何度も死んだ娘にちぃたぁ憐憫を感じん
 のか」
名無しの狢は吐き捨てたが、百姓屋が開かれることはなかった
ようようの態で名無しの狢は巣に戻った。姫は弱々しくも息はしとった
名無しの狢は何日も何晩も姫を看病した。傷口に滅多に手に入らぬ薬草を惜しげもなく塗っ
た。滋養の汁を口に含ませた。姫は目覚めることなく、命の火はだんだんにか細うなって
いった
「もぉええ、もぉええ」
名無しの狢は目覚めぬ姫に語りかけた
「ぬしは人の何倍も人の悲しみを味おうた。人の何倍もこの世の儚さを味おうた。もぉえ
 え、人間の世界に帰えらんでええ。わしと一緒にここで暮らそう。わしがずっとずっと
 優しくしちゃるけん。やから、もぉええ。人にならんでええ。のぉ」
姫は死んだ。姫の思念は霧が晴れるように薄くなり散っていった
「消えた」
白い顔は美しかった
名無しの狢は穴を掘って姫を入れ、土まんじゅうをつくった
その晩、灰色狐が酒をもって訪ねてきた
名無しの狢は黙って飲んだ。灰色狐は黙って飲んだ

782 :自夜 :2007/02/07(水) 03:41:05 ID:YK8LQM6M0
それからまた季節は繰り返し、名無しの狢は人を襲い、人を化かし、人を困らせて暮らした
今でも人を襲い、人を化かし、人を困らせて暮らしとるそうじゃ

どっとはらえ

え? 名無しの狢は、あの狢さんかって? さて、どうでしょうね

789 :自夜 :2007/02/07(水) 19:27:51 ID:YK8LQM6M0
>>783 白夜さん
人のHNをどうこういう気はありませんが、時々自夜を間違えて白夜と書く人
がいますので、もしよろしければ、今後そういう方のお相手をしていただける
と、私がらくちんできます

790 :自夜 :2007/02/07(水) 19:30:51 ID:YK8LQM6M0
>>784 756さん
>見て来て納得して貰うしかないですね
私、幽霊やってましたし、妖怪さんにも直接会って、いろいろはなし聞きましたから

>妖怪なら少し前友人が遭遇したよ(>>756
>自分が病死した霊に憑かれた(>>761
だけで、

>自分も全てを答えられる訳ではない(>>784
方よりはよく知っております。従ってこれ以上のご高説は要りません

ご本人様も
>細かく語ると長くなるから語らない(>>756
と仰せですのでご意志を尊重したいと思います

長々とありがとうございました

以後、書き込まれても某所で晒すだけでここでは私は反応しません

791 :自夜 :2007/02/07(水) 19:33:37 ID:YK8LQM6M0
>>785さん
毎度毎度、ご苦労様です

>>787さん
本当にそうですねぇ。まぁ私は普通でないとよくいわれるわけですが・・・
いずれにしても、楽しくやりたいもんです

792 :自夜 :2007/02/07(水) 19:35:33 ID:YK8LQM6M0
名無し狢の話が思わず長くなってしまいました

さて、幽霊話ともなると、あの世とか霊界とか必ずと言っていいほどセットで
出てくるのは何故なんでしょうね
幽霊そのものと死者が行くと言われている世界は基本的には別次元の話と思います
何故なら、あの世に行くのにわざわざ幽霊に一旦なる必要が無いからです
この世に未練とか怨念とかあると霊になって祟るとか悲惨な死に方すると迷うとか
もよく言われますが、そういう魂こそ救ってやるべきであり、現世の人生に満足し
て死んでいった人はそれで満足なんですから、わざわざそういう魂を極楽浄土とや
らに連れて行って、実はおまえの現世の幸せはかりそめのものだったんだよ、なん
て知らせる必要もないと思うんですがねぇ
第一、私みたいに一度死んだ人が気付かないようであれば、たとえ死後の世界があっ
たって意味ないと思います
まぁ、これは単なる私の考えであって、既存の宗教などの死後の世界観を否定する
気はありませんし、それぞれの人が信じるものを信じればいいと思います

しかし、なんですか、あれですよ。人間切羽詰まったら本音が出るというか何というか
今目の前でまさに自殺しようとしている人がいるとします
「待て、自殺すると成仏できないぞ」とか「自殺した霊は永遠に彷徨うんだぞ」とか
言って止める人はどれだけいるんでしょうか
大概は「死んでどうする」とか「死んだら終わりだぞ」とか、ちょっと余裕があれば、
「生きてりゃいいこともあるさ」とか言うんじゃないですかね
私自身は自殺自体は別に絶対にしてはいけないとは思っていませんが、その話は神棚
に上げておいて、ひょっとしたら、誰も死後の世界なんて信じていないんじゃないか
と思ったりするわけです

793 :自夜 :2007/02/07(水) 19:38:13 ID:YK8LQM6M0
さて、折角ですからもうちょっとあの世について話をしようと思いましたが、以前から
調子が悪かったPCが深刻な事態になってしまいました
症状としてはマウスがうまく作動しません(マウス本体は問題なし)
仕事上、CADとかお絵かきソフトとかを多用する関係上、致命的な故障と言えるでしょう

ちょうど仕事も一段落し(まだついてないけど)、久々に帰国することから本格的に修理
に出すことにしました。代替機はあるというものの、10年近く前の機種で、かろうじて
メールのやりとり(但し画像など添付するとアウト)くらいしか使えませんので、修理
終わるまでまともに書き込み出来ないと思います

このスレも八百近くになったし、そうでなくても放置すれば落ちちゃうわけですが、それ
はそれでかまわないんですが、落ちちゃった場合は迷惑な人も多いでしょうが、修理終わ
り次第、私が次スレを立てますので、物語スレを楽しみにしている奇特な方は、それまで
お待ち下さい。奇特でない普通の方は、好きにして下さい

さぁ、休暇だ休暇だ。遊ぶぞ〜。居酒屋に、スキーに、大型免許取得だ〜っ
定期検診にも無事通りますように(-人-)ナムナム

796 :自夜 :2007/02/09(金) 14:42:54 ID:blFOe7eg0
>>795さん
了解しましたです

799 :自夜 :2007/02/13(火) 11:28:35 ID:H4y28eaw0
>>797さん
ここんとこ、細々モードですが、なんとかやってます

>>798さん
なんとなく、どうもです

800 :自夜 :2007/02/13(火) 11:57:19 ID:H4y28eaw0
前世での私の時代、人々はどのような死後観をもっていたのでしょうか
もちろん、私は私の郷や放浪していたと言っても近隣の国々しか知りませんでしたので、
その辺りの農民の死後観ということになります
人間死ぬと漠然と違うところに行くんだとは思っていました
そこがどんな所なのか、しっかりしたイメージはありません
確かに(あの坊さんは違いますが)坊主連中は極楽浄土だとか地獄だとか説いていましたが
今で言う新興宗教みたいなもので、信じている人は僅かだったと思います
むしろより太古の死後観、つまり西の方の何処かに死者の行く国があるという概念の方を
普通の人は信じていましたね
その国は地球上の何処かにあって、この世の一部で西の山の向こうか海の向こうにある
人は死ぬとその国に行き、悲しみも苦しみもなくただ平安と過ごすというものです
生者がその国に行くことはできません。また死者もその国から出ることはありません
死は特別なことではなく、誰にでも一度は訪れるもので、明日に、いえ、今日にでも訪れても
おかしくはない出来事。死者への別れは単なる別れ。実際村から出て旅立つ若衆とも、その後
永遠に会うことは無い訳ですから、死者への別れと旅立つ者への別れに区別はありません
残される者は死んだ者が無事に死者の国に行けるように、旅立つ者が道中無事なように祈り
を込めてさよならするだけです
転生思想もありません。死んだら死者の国に逝きっぱなしです
例外は子供が死んだ時。何歳までか、厳密に決まっていた訳ではないですが、だいたい数えで
四〜五歳くらいまででしょうかね。転生を願って家の周りに埋めます

801 :自夜 :2007/02/13(火) 12:00:45 ID:H4y28eaw0
今の世の死後観っていうのは、この地球上にいったいいくつあるんでしょうね
数えたことありませんし、数える気もありませんが、概ね天国や地獄があって、善行重ねて
いれば天国に行けるという類のもの、より高次の霊界があると説くもの、最後の審判まで
じっと待ってるもの、ってな感じで分類できるのでしょうか
まぁ、別にそれはそれでいいんですが、例えば子供に諭すために悪いことをすると地獄に
落ちますよなんて言うことがありますね。前世の私の時代では、これは悪いことをすると
鬼に攫われるといった感じで、だいたい妖怪さんがダシにされてましたね
なまはげと同じです
嘘をつくと狐に化かされてあっちの世界につれられるとか、いろんなバリエーションが
あったと思います
だいたいの理不尽なことは妖怪さんの類のせいにさせられていましたし、実際に死ぬこと
よりも、妖怪さんの世界に連れて行かれる方が恐ろしいことだという認識でした
それでは、妖怪さんの世界に連れて行かれたらどうなるのでしょう
妖怪さんに喰われるという話はさほど多くありません。むしろ、妖怪さんの下働きを長年
させられ、やがて自分も妖怪になってしまうという話が多かったですね
そういう人生ならそれはそれでいいんじゃないかと私なんかは思ったことありますので、
やはり変わった子供だったのかもしれません

802 :自夜 :2007/02/13(火) 12:20:40 ID:H4y28eaw0
大呆けに気付いてしまいました

何気に自分の Web Site を見てみると、私は死んだと書きながら、産まれ年の西暦を
書いていました。正しくは1964年ですね。次回更新まで晒しておきます

804 :自夜 :2007/02/15(木) 00:12:43 ID:WmEQqcsv0
>>803さん
ようこそ、妖かしの・・・じゃなかった、悲しみのない世界へ
ちょっと遅くなりましたが、私なりの回答です

問:なぜ真空では駄目なのだと思ったのですか?
答:完全なる真空ではあらゆる波動の媒体足り得ないからです

問:基本的には何処まででも行けると言うことでしょうか。
答:基本的にはその通りです
  但し、例えば非粘性流体は剪断波を伝達できません。従って、媒体に応じて波動の種類を選択し、
  情報を変換する必要があります。それがどこまで可能なのか、試したことがないので判りません

問:植物でもエネルギーを得るメカニズムがあります(問じゃないかも)
答:幽霊でも周囲からエネルギーを得るメカニズムがあります。ただ、そのメカニズムが有機体ある
  いはなんらかの回路で構成されているのではなく、波動そのもの、つまりソフトウェア的に構成
  されているので、理解しにくいのではないかと思います
  なお、植物に比喩したのは、幽霊は動物的に物を喰らうのではなく、植物的に周囲から吸収する
  といったのを表現したかったからです

問:そこら辺から得ている“エネルギー”とは具体的に何ですか?
答:いろいろあります。単純なところで、熱。熱とは分子の振動ですね。波動の一種です
  生身の人間に感じるほどではありませんが、幽霊がいると、その周りは温度が下がっていきます
  外からの電磁波。これもエネルギー源としては有用です。実際、日にあたると気持ちいいんですよね
  私が幽霊やってたころは、ラジオなんか無かったですが、放送用電波も有用かもしれません

とりあえず、こんなところでどうでしょう?

821 :自夜 :2007/02/18(日) 23:52:59 ID:Ba8hZ4Ct0
>>805 803さん
遅くなりましたが、とりあえず回答しておきます

問:電磁波だけでは駄目なのでしょうか?
答:幽霊といえども、生物の延長ですので現象は複雑です
  電磁波だけで幽霊が存続し得るものなのかどうか、可能なのかも知れませんが
  理論があって幽霊があるわけではなく、実際の幽霊はどうかという観点に立てば、
  電磁波だけで理解しようとするのは大きな間違いですね

問:どの媒体ではどの波動と言う例を上げていただく事は出来ますか?
答:簡単な例で言うと、>>804でも挙げたように非粘性流体では剪断波は伝わらないので
  弾性波に置き換えたりします。また、水のような流体では高周波の電磁波は減衰が大きい
  ので(減衰の大きさを利用することもありますが)より低周波の波動に置き換えたりします

問:波動の定義を教えていただけますか?
答:物理の教科書を読まれた方がよいかと思いますが、強制的にしろ非強制的にしろ復元力が作
  用する運動の一種です

問:分子ではなく原子の振動では
答:これも物理の教科書を読まれた方がよいかと思いますが、熱とは原子間力を復元力とした振動
  と言えるかと思います。原子自体は物理的な自己振動はしません。その電子軌道の変化により
  原子自体の保有エネルギーが変わるだけです。原子間の振動は一般には分子の自己振動と理解
  できます。もちろん、固体金属の場合は分子の概念は適用できないわけですが、通常幽霊がふ
  らふらしている場合、固体金属はほとんど媒体として利用しませんので無視しました

問:分子でなければならない理由があるのでしょうか。
答:特にありません。熱は幽霊の餌のほんの一例です

続きます

822 :自夜 :2007/02/18(日) 23:55:21 ID:Ba8hZ4Ct0
続きです

問:それと熱を吸収すると言う事は、幽霊自体の温度は上がりそうですがどうでしょう?
答:失ったエネルギーを補充しているだけですから、幽霊自体の温度は上がりません

問:原子炉の中などはかなりエネルギーにあふれていると思いますが、集まって来たりしますか?
答:私が幽霊やってた時代は原子炉なんてありませんでしたから知りませんが、特に火に集まる
  ようなことはなかったですから、ないんじゃないですかね

問:夜より昼の方が活動しやすいと思うのですが 夜の方が目撃されやすいのはなぜですか?
答:夜に目撃例が多い理由は多々ありますが、別に幽霊の活動と、生身の人間に幽霊を見せる行動
  には相関関係はありませんので、不思議でもなんでもありません

とりあえず、こんなところでどうでしょう?

823 :自夜 :2007/02/19(月) 00:02:06 ID:Ba8hZ4Ct0
>>806さん
まぁ、よろしいんじゃないでしょうか
聞くは一時の恥、知らぬは一生の恥ともいいますし
私の場合は恥の垂れ流しですが・・・

というわけで、>>808>>809へのレスはしません

824 :自夜 :2007/02/19(月) 00:08:19 ID:8H+/Rb3S0
>>815さん
彼と会話できたのは、薄幸ちゃん(故人)だけです

あ、そうそう。薄幸ちゃんの墓参りに多数の方がこられています
ここで、故人に成り代わり、御礼申し上げておきます

825 :自夜 :2007/02/19(月) 00:18:10 ID:8H+/Rb3S0
>>817-818さん
伸ばせる羽があるといいんですがね

>帰国してる間、お子様達も帰国ですか?
娘達は親を見捨てて、もともと日本残留です。親より友達の方が大事だそうで

>旦那様が残ってらっしゃるのかな
一緒に帰国です。毎日飲み歩いているようです。私は毎日大型の路上教習です

827 :自夜 :2007/02/19(月) 00:33:03 ID:8H+/Rb3S0
>>820さん
猫だったとかいう人もいますよ

人の幽霊が人以外に転生することもありますし、動物霊が人に転生することもありますが、
見てきた感じでは、同種に転生する場合が圧倒的に多かったです

829 :自夜 :2007/02/19(月) 00:36:17 ID:8H+/Rb3S0
>>826さん
誤射かな?
マテガイ、某東南アジアでは普通に食べてます

830 :自夜 :2007/02/19(月) 00:39:14 ID:8H+/Rb3S0
>>828さん
誤射でもないのかな?
晒してもいいですか?

833 :自夜 :2007/02/19(月) 01:37:23 ID:8H+/Rb3S0
>>832さん
死ぬ->幽霊になる->転生する

とまぁ、こういう過程を経るわけですが、人間の場合で幽霊になれる確率が一分未満、
別に統計とった訳ではないですが、一厘くらいじゃないですかね
思考の構造がもっと単純な動物の場合はもっと低いです。植物のことはちょっとわかり
ませんが
転生する確率は半々くらいでしょうか
幽霊にならなかったり、転生しなかったら所謂魂は消えます
幽霊の存続期間は人間の幽霊の場合で最大でも千年程度。だいたいその動物の寿命の
十倍程度が目安と考えて差し支えないようです

以上でだいたいの疑問は解消すると思いますが、どうでしょう?

835 :自夜 :2007/02/19(月) 02:04:51 ID:8H+/Rb3S0
>>834さん
問:消えるってことはもうこの世に存在することはなくなるってこと?
答:そういうことです

問:幽霊になってるものにしか次に生きる権利は与えられないの?
答:生きる権利ってのは、たぶん幽霊になっても与えられないでしょう
  転生するというのは、記憶が生身->幽霊->生身という形で継承されると
  いうことです。それも、どうやら完全なものではないようです
  私の場合は前世の記憶はほぼ完全に継承しましたが、前世の私は既に死んだ
  人間です。今の私ではありません。今の私は今の私としてこの世に生をうけ
  ました

問:幽霊を成仏させるためのお経って意味ないってこと?
答:私の場合は幽霊時代に幾度もお経を聞きましたが、眠くなるだけでした
  他の幽霊さんも大なり小なり似たようなものでした

こんな回答でどうでしょう?

837 :自夜 :2007/02/19(月) 02:33:04 ID:8H+/Rb3S0
>>836さん
問:その時代であったり風習を覚えてたり歴史的事件覚えてるの?
答:覚えていますよ
  http://anime.geocities.jp/ojiya1539/
  にまとめてますが、そもそもそれを私が語っていこうというのがこのスレの主旨です
  信じるも信じないも読み手の自由ですが

問:物心ついたときから既に前世を記憶した一人の大人としての意識があるの?
答:>>1にあるように、私の場合は前世の記憶が蘇ったのは成人してからです
  生まれながらに前世の記憶を持つ方もおられるようです
  「前世」「子供」とかでぐぐるといろいろな事例にあたります

こんなところでどうでしょう?

839 :自夜 :2007/02/19(月) 02:37:47 ID:8H+/Rb3S0
>>838さん
どういたしまして。よろしければ、またどうぞ

842 :自夜 :2007/02/21(水) 23:43:47 ID:jfNQcS8i0
>>841さん
こちらも遅れました
海外勤務も、たぶんあと壱回で終了できると思います
私も旦那も娘達と暮らしたいと思ってますが、娘達はどう思っているのやら

物語の方は・・・・・・         なんとか頑張ります

843 :自夜 :2007/02/22(木) 01:26:11 ID:LVElwEmX0
前世物語 業務連絡23 自夜がweb site開設? ここで、宣伝です

Web Site を久々に更新しました。細かい更新はちょくちょくしてたんですがね
携帯用の改装も終了しました

http://anime.geocities.jp/ojiya1539/ (PC用)
http://anime.geocities.jp/ojiya1539/m/index.html (携帯用)
http://hobby9.no.land.to/bbs/test/read.cgi/occult/1169303072/l50 (避難所)

電脳幽霊の明日はどっちだ

844 :自夜 :2007/02/23(金) 18:14:50 ID:mox65nde0
さて、久々に幽霊談義でもしましょうかね。題して「幽霊の日常???」

少女時代の加由と別れた私は残念の束縛から解放され、とにかくふらふらとしていました
既にあちこちで書き込んでいますが、幽霊というのはとにかく喜怒哀楽愛別離苦の感情が
希薄ですが、それなりに感情はあります。寝起きにぼーっとした頭でもなんとなく空腹感
を感じるような状態です
幽霊にかかわらず、世の中は生身の生物のペースで進みます。幽霊はそれをただぼーっと
眺めている訳ですが、多少なりとも興味のあることがあれば、そちらのほうにふらふらと
近寄ります
私の場合はやはり若い母親の幽霊であったせいか、子供達が遊んでいるところに出くわす
と、それをぼーっと眺めていることが多かったように思います
日暮れ時になり子供達が家に帰ると、またふらふらと移動します。これといってあてはあ
りません
幽霊の移動方法ですが、空中をふわふわと浮いて移動することも、水中を移動することも
可能ですが、気が付くととぼとぼと歩いていました。もちろん、幽霊の実体である波動の
塊がとことこ歩いているわけではありませんが、意識としてとぼとぼと歩いている状態で、
おそらく実体は地面付近をその速度で移動していたのでしょう
他の幽霊に出会っても、普通は無関心に通り過ぎます。会釈くらいはすることもあります
夜道を歩く生身の人間を見つけると、特に目的はないのですが、ついていったりします
希にこちらの気配を感じる人もいます。急にきょろきょろしたり、早足になったりします
その様子は何故かおかしかったですね。幽霊の数少ない娯楽とも言えるでしょう

850 :自夜 :2007/02/24(土) 13:19:41 ID:SrZ4jGND0
前世物語 業務連絡24 自夜がweb site開設? ここで、宣伝です

昨日になりますが、更新しました。私の過去の悪行が某所で晒されていたので、その紹介です

>>144さん
大変遅くなりましたが、全部晒しました
Web Site から、「三悪漫遊記」にお入り下さい

http://anime.geocities.jp/ojiya1539/ (PC用)
http://anime.geocities.jp/ojiya1539/m/index.html (携帯用)
http://hobby9.no.land.to/bbs/test/read.cgi/occult/1169303072/l50 (避難所)

電脳幽霊の昨日はどっちだ

851 :自夜 :2007/02/26(月) 23:50:19 ID:Kbh3vcTL0
幽霊が生身の人間に憑くと言いますが、私の場合は所謂取り憑いたりしたことはありません
他の幽霊も生身の人間に多少の嫌がらせはおもしろがってすることもありますが、取り憑い
て困らせたりましてや取り殺すようなことはしていなかったようです。私の知る限りですが
でも、夜道を歩く生身の人間についていったりするときに、その人間の肩に私の顎をのせて
私は楽しながら連れて行ってもらうことがよくありましたが、これは憑いている状態に当て
はまるのかもしれません
もちろん、幽霊の私がそういう気になっているだけで、幽霊の実体が人型をして顎を人間の
肩に載せている訳ではありません
不思議なもので、生前の私も、現世の私も顎を肩や物に乗せて休むような癖はありません
でしたし、ありません。でも幽霊時代は殆ど癖と言ってもいいほど気がつくとこのポーズ
をしていました
霊感のない生身の人間は、幽霊の私が顎を肩に乗せようが何しようが、全くお構いなしです
多少とも霊感がある人は、やはり肩が重く感じるのか、しきりに肩を揉んだり、荷物を担ぎ
直したりします
実際には肩が重く感じるだけで、重みはかかっていませんから肉体的には疲れたり肩が凝っ
たりすることは無いはずです。むしろ電磁波を含めた波動の塊が直接肩に作用しているの
ですから、某磁石治療具の効用が本当にあるのなら、多少肩凝りの緩和に役立ったかもしれ
ません

856 :自夜 :2007/02/28(水) 00:07:06 ID:IEFFXgVL0
夜も更けてきます。人通りも絶え、憑くことも無くなった幽霊はまたとぼとぼ歩きます
別にじっとしていたっていいんですが、歩いていても疲れる訳ではないし、他にやることも
ないのでとぼとぼ歩きます
だいたいは路なりに歩くのですが、ぼーっとしているため、うっかり民家を素通りすること
もあります。たいていはお互いに気付きませんが、霊感のある人の家を素通りしたりすると、
騒ぎになったりします。当の幽霊の方はその騒ぎをぼーっと見物したりしているんですが
夜中は何故か眠たくありません。何故でしょうね。あまり合理的な説明は付けれそうにあり
ませんが、適度にエネルギーを消費して活性状態にあるんでしょうかね
雨が降ろうが雪が降ろうが槍が飛んでこようが変わりません。そんなものは素通りしてし
まいますし、暑さ寒さはなんとなく感じてはいても苦痛になることはありません
夜明けくらいになると眠たくなります。うとうととしている時もあるし、完全に眠りこけて
いる時もあります
夢は見ません。見た記憶はありません。生身の人間の睡眠は肉体を休める目的も持っている
わけですから幽霊の眠りと事情が異なると思います
幽霊の場合は覚醒状態とレム睡眠状態の差がないのかもしれません
眠りの時間はどのくらいか、ほんの二〜三分という時もあれば、夕方くらいまで眠っている
時もありましたね。で、じわじわと目が覚めてくると、もうとぼとぼと歩いています
他の幽霊さん達が何時眠っているか、これは聞いたことがないので判りません

857 :自夜 :2007/02/28(水) 00:10:20 ID:IEFFXgVL0
>>853=854さん
問:真空はだめと言いながら、どうして電磁波なの?
答:>>821の最初の問答にもあるように、電磁波「だ」とは言っていません
  私の書き込みをろくに読まずにむやみに反論しようとしない方がいいのでは
  なんてことはどーでもいいですが
  完全な真空中では理論的に電磁波の減衰はありません
  ということは、完全な真空中では電磁波はまっすぐにすっ飛んでいくだけです
  それに、他の波動なども使えません
  だから、波動の封じ込めが出来ない=幽霊たりえません
  別に幽霊は放送電波の様に電磁波そのものに情報を載せて飛ばしているという
  訳ではないんですがね。判りにくいですか?
問:どうやって磁力が発生する
答:「電磁波」という漢字を小一時間くらい見つめて下さい
  ってのも意地悪ですんで答えますが
  電磁波は、空間の電場と磁場の変化によって形成された波動のことです
  電界と磁界がお互いの電磁誘導で交互に相手を発生させあうことで振動状態に
  なります
  従って、わざわざ磁力を発生させる必要はありません
問:静電誘導も起こり得ないと思うんですが...
答:幽霊は別に帯電してる訳ではないですので、静電誘導なんか起こりません
  そんなもん起こしたら、埃みたいにどっかにくっついちゃって大騒ぎです

こんなもんでいいですかね

858 :自夜 :2007/02/28(水) 21:34:54 ID:IEFFXgVL0
なんだかとぼとぼ歩いてばかりの幽霊自夜ですが、実際に幽霊時代のほとんどはとぼとぼ
歩いていました
あんまり幽霊らしいことはしてないですね。少女時代の加由と別れてから一カ所に長く留まっ
たのはあの狢さんの所だけです。狢さんとの交流は、またいずれ記することがあるでしょう
一般に幽霊はひゅ〜〜〜どろどろどろっと白装束で半透明で顕れて、うらめしや〜とか言う
んでしょうか、私はこんな形で生身の人間に姿を見せたことはありません
最初に幽霊としての姿を生身の人間に見せたのはまだ加由と別れる前です。まぁ、加由に
見せたわけですが、ちゃんと見れたかどうかは判りません。ただ、その時の加由の反応を
見る限り、ちゃんと見たんではないかと思います
加由に姿を見せたのは一回こっきりですね
その後、加由と別れてからはそれほど人間に姿を見せたことはありませんが、使える能力で
すから、つい使ってしまうこともあります
夜の山道、先を急ぐ旅人、私は例によってその旅人の肩に顎を乗せていました
ずいぶん長いこと顎を乗せていたので、もういいやっていう時に軽い気持ちでお礼を言った
んですよ。つい姿も見せて。あんなに驚くとは思いませんでしたね。で、足を踏み外して
崖下に転落。本当に悪いことをしてしまったと思います
以後、気をつけてはいたんですが、なんせぼーっとしている幽霊です。崖下にもう一人、
そしてどぶに一人。他の幽霊さんが同様の事故を起こすのも何回か目撃しました

859 :自夜 :2007/02/28(水) 21:38:27 ID:IEFFXgVL0
まえに、正義感の強い幽霊さんが不用意に姿を顕したばっかりにハンドル操作を誤って
という話をしましたが、その時に出た私の幽霊時代の同種の事故というのがこれらです
当時は街頭もなく、ただでさえ危険な夜道です。うっかり足を滑らせただけが命取りという
状況が街中でもあったわけです
さて、私の場合は三人ほど犠牲にしてしまいましたが、その後は人間にとって危険な場所
で不用意に姿を見せることはなんとか自粛してきました
だからといって姿を見せるのを止めた訳ではありません
特に個人的な恨みなどがある訳ではありませんが、たまには姿を見せることをしました
他の幽霊さんもそうそうちょくちょく姿を見せている訳ではありません。そんなことすれば、
世の中幽霊の目撃談で溢れかえってしまいます。だから、もし幽霊を捕獲することが出来た
としても、その姿を見せてくれるには、数日どころか数ヶ月、数年待たなければいけないか
もしれません
特に姿を見せる強い動機がないことがまた厄介です。こうすれば見せてくれるというのは
ありません
で、その見せる姿ですが、私の場合は殆ど生前の、死ぬ直前頃の姿でした。これも特に理由
がある訳ではありません。強いて言えば、突拍子もない姿を見せるよりは見せるのが楽だから
です。服装も同様ですね
見栄っ張りの幽霊さんの場合がどうか知りませんが

861 :自夜 :2007/02/28(水) 23:45:25 ID:IEFFXgVL0
>>860さん
本物の雪女さんが聞いたら気を悪くしそうですね

死ぬ直前と言っても雪の中で狂い死にしている姿ではありませんけどね
その年齢の姿と最後の日に着ていた単衣ということです
顔は、やっぱり冷たい顔してたんだろうなぁ・・・・・・

863 :自夜 :2007/03/01(木) 23:56:07 ID:lZrZmjWQ0
さて、「幽霊の日常???」ということで始めた今回の話題ですが、早くも書くことが無くなって
しまいました。そうです。約二百年間ひたすらとぼとぼ歩いていたことになります
まぁ、例外もありましたが、既に書いたこと(俄子連れ幽霊の話)とか妖怪さん達との交流とか、
これはまぁ、楽しい妖怪ライフとか、本編の方とかでいずれ書かせてもらいます
あと、そうですねぇ、幽霊やりたての頃は、まだ世の中騒然としてましたから、合戦見物とかも
やりましたかね
永田村が焼かれたような襲撃とかは別ですが、正規軍同士が合戦準備を整えて、野っ原なんかで
やる合戦は、けっこう近郷の土地の人も見物に出ることもありましたが、自分の身に危険が迫って
は大変ですから、随分と離れたところから見物してありました。幽霊の場合はそんなもんはあり
ません。合戦のど真ん中でふらふら見物も可能です
その大迫力、映画館で見る時代物の合戦なんて足下にも及びません。大地が響き、馬が嘶き、
矢が飛び交い、刃物と刃物が火花を上げてぶつかり、飛び散る血潮に指、絶叫、割られた額、
悶絶する躰を踏み抜く蹄
惜しむらくは、その光景を見ても当の幽霊はふ〜んとしか思わないことですかね
そりゃ、痛そうだなとか、今の槍の突き方は下手くそだなとかは思いますが、それまでです
現世の私は本業で軍関係のも扱うことがあったので、あの時もうちょっと真剣に見ておけばよかった
なぁ、などと思わないわけでもないですが、どうしようもないですね
それでは、幽霊の日常話はこれくらいにして、次回からは、また別の切り口で語ってみたいと思います

865 :自夜 :2007/03/02(金) 00:47:11 ID:IFqk5WMA0
では、今回からは幽霊に科学のメスを入れてみましょう
まぁ、さんざ、あちこちで書いてきたことの焼き直しになるんですがね

ここで、対象とする幽霊の定義をしておきます

幽霊の定義:生物が死んだ後になるもので、自律的なもの

単純明快ですね
さて、幽霊はいるかいないかという問題になると、必ずと言っていいほど科学的に証明しろ
なんてことを言われます
科学的アプローチとはいったいどういう手法でしょうか
人文科学はよく知りませんが、自然科学の場合はだいたい次のような手順になるんではないでしょうか

事象を集める->事象を分析する->仮説を立てる->その仮説で事象が合理的に説明できるか検証する
->発表する->批判される->批判に耐える->概ね認められる

で、その仮説では説明できない事象が顕れるか示されるまで、その仮説は学会などで認められた理論
などと言って世間に通用する訳です

866 :自夜 :2007/03/02(金) 00:50:29 ID:IFqk5WMA0
さて、スタートは事象集めです
幽霊関係の事象と言えば、目撃談、取り憑かれ、騒霊体験、物理現象などが挙げられるでしょうか
中には私みたいに経験談というのもありますね。忘れるところでした
目撃談は幽霊を見たに留まらず、人魂の目撃からもっともやもやしたものの目撃までさまざまでしょう
取り憑かれはまぁ取り殺されたとか、殺されかかったとか、美人の幽霊が部屋に居座ってるとか、これ
もまぁさまざまですね。幽霊に触られたとかの接触があった場合もこれに含めましょうか
騒霊体験、ポルターガイストと言った方が通りがいいのかな。音や物が動くとか。石降りも含めましょうか
物理現象は、人形の髪の毛が伸びるとか、壁に人型が浮き出るとか、写真に写る、ビデオに写る、録音
なども含めましょうかね
この段階で、何でもかんでも幽霊に結びつけて仮説を立てるのは無謀です。よくありがちな失敗ですね
批判の際のかっこうの材料となります
例えば騒霊体験、石降りなんかは、下手人が幽霊とは限りませんね。だから、仮説を立てる際には捨て
ておきます。立てた仮説でうまく説明できるのならば、敗者復活してその事象に対して仮説の検証を行
えばいいんです
また、どう考えても幽霊が下手人だと考えられる事象でも、そのメカニズムが異なる可能性がある場合
は、別個に考えます。統合するのは後からでも出来る訳ですから
例えば、幽霊を見たというのと幽霊に触られたというのは目撃者・体験者の感覚器官が目と皮膚のよう
に異なりますから、仮説を立てる際には別個のものとして考えます

868 :自夜 :2007/03/02(金) 23:51:11 ID:IFqk5WMA0
ここではまず幽霊の姿が見えることに着目して事象を分析してみましょうか
幽霊を見た。これはまぁ文句なしに事象として採用でしょう
人魂とかもやもやしたものはどうでしょう。これはひょっとして幽霊ではない現象かもしれませんね
だからとりあえず捨てておきます
取り憑かれ・・・まぁ取り憑かれる時に見えることもあるでしょうが、見えなくても取り憑かれている
という場合もありますんで、とりあえず捨てておきます。前回書き忘れましたが、一応いたこも含めて
職業霊能力者によるものも積極的に幽霊に干渉するということで、幽霊の方が取り憑かれる訳ですが、
一応、取り憑かれに分類するとして、これも捨てておきます
騒霊体験、これは全部捨てておきましょうか
次は物理現象。人形の髪の毛とか、壁の人型は捨てておきましょうか。写真やビデオに写るのは事象と
して採用してよいでしょう
つまり、幽霊を直接見た、写真やビデオに写った。これが幽霊の姿が見えることに関する採用された
事象です
もちろん、この次に個々の事例の検証があります。疑わしきはばんばん捨て、類似事例をまとめ、
その特徴を把握します
この作業を幽霊実在の検証と呼んでいる例が非常に多いですが、これらはあくまで事象の分析であって
仮説を立てるための前処理です

869 :自夜 :2007/03/02(金) 23:53:51 ID:IFqk5WMA0
個人が幽霊を見る場合、見え方ははっきりする例とはっきりしない例があります
また、どうやら見える人と見えない人がいるようです
霊感が強い人の場合は頻繁に見るようです。所謂人混みの中を何人も歩いていたというのもあります
中には集団で目撃した例もあります
ふっと顕れたり、消えたりもするようです
写真の場合は写す時には全く気付かなかった例が非常に多いですね。で、隠し絵のように写っている
場合が多いです。単体で、例えば歩いている姿などはあまりないようです
ビデオのような動画では、単体で写っていることが多いですね。これも写す時は全く気付かないこと
が多いようです
そして、写真やビデオの場合は見えたり見えなかったりということはなく、普通に皆見えるようです
以上のことから仮説を立ててみます
仮説は一つでも勿論構いませんが、いくつ立てても構いません
まず、幽霊の成分から
一、見える幽霊は普通の物質である
二、見える幽霊は未知の物質である
見え方については
一、幽霊からの光線は特殊な周波数の電磁波である
二、幽霊からの光線は未知の光線である

870 :自夜 :2007/03/02(金) 23:56:30 ID:IFqk5WMA0
見え方については見える人には見え、見えない人には見えないが写真やビデオには写るという事象の
特徴をクリアするために考えたものですね
つまり、一の場合は特殊な周波数を感じる人と感じない人がいるが、写真やビデオは感じるという
ものです。二の場合の未知な光線も同様です
では、この仮説の検証をやってみましょうか
まず、見え方の一です
特殊な周波数の電磁波とはいったいどんな特殊性を持っているのでしょう
電磁波の内、可視光線、いわゆる光に分類される物は、ある周波数の範囲です。もちろん個人差があり、
より広い周波数帯の光を感じることの出来る人とそうでない人がいます。写真やビデオの場合はあまり
詳しくはありませんが、普通の人よりも若干広い周波数帯で感じる性能を持っていると仮定することは
充分可能だと思います
では、幽霊からの光線はこの微妙な周波数帯なのでしょうか?
普通の可視光線の周波数帯より高周波の領域は紫外線です。低周波の領域は赤外線です
もし、幽霊からの光線がこれらの周波数帯であったとすれば、幽霊は見える人によっては紫色あるいは
赤色に近い色に見えるでしょう。カラーフィルムやビデオに写るのも同様でしょう
では、そういう事象はあるでしょうか? ほとんどありませんね
むしろ白っぽいとか、淡い色彩という事象の方が多いようです

871 :自夜 :2007/03/02(金) 23:59:07 ID:IFqk5WMA0
白という色は特定の周波数の電磁波ではありません
可視光線の周波数帯全域に渡って同程度の強度を持つ電磁波の重積されたものです
淡い色も同様ですね。白よりも特定の色の周波数に偏っているだけのことです
単一あるいは狭い範囲の周波数帯のみの光の場合は鮮やかな色になります
もっとも、人間の目の感じ方というのはもっと複雑なようです
例えば黄色はある特定の周波数の光ですが、それとは全く異なる周波数である
赤と緑の光を同強度で重積させると人間の目は黄色に感じます
光の三原色。聞いたことがあると思います
人間の場合は基本的に三色の電磁波を組み合わせれば、全ての色を感じることが出来ます
テレビなどはそのことを利用して、実際には三色しか出していません
普通の哺乳類は単色があたりまえであり、三色なのは希な方だそうです
これが、昆虫や鳥類になると、四色だそうです。どういう風に見えているのか想像もつきません
ちょっと話はそれましたが、以上により、幽霊が人間の目に見えて、幽霊からの電磁波が
既知の電磁波であれば、見える人と見えない人がいるという説明は合理的には出来ない
ことになります
電磁波の周波数を変化させているのだという考えも、同じく否定できます
どのような変化をさせても、人間の目は残像効果も加味した色の変化としか感じないでしょうから

875 :自夜 :2007/03/03(土) 22:02:39 ID:K56t1SDM0
>>872さん
了解です
それについても、考察に加えます

>>873さん
誠に持って、相済みませんです
すげー苦労してます・・・物語の方
なんとか、早期に再開したいとは思ってるんですが
再開して、またすぐ潰れちゃっても申し訳ありませんので、
もうちょっと、見通しを立てさせて頂けませんか

まぁ、私の力量不足が諸悪の根元ではあるんですが・・・

あと、幽霊談義の方。興味ない方には申し訳ないですが、これも私の大事な柱の
ひとつなんで

876 :自夜 :2007/03/03(土) 22:06:27 ID:K56t1SDM0
>>874さん
蘊蓄と思って読むからつまらないんですよ
ただの与太話と思って読めば・・・・・・やはりつまらないものはつまらないですね
申し訳ありません

で、物語の方、どのあたりが美化と思われたのでしょうか?
そのへんを書いて頂けると、とっても助かります

って、もうここは、見てくれてないんでしょうね
いままでつまらない話におつきあい下さいましてありがとうございました
さようなら

877 :自夜 :2007/03/03(土) 22:10:10 ID:K56t1SDM0
電磁波の持続時間についても考察したいと思います
持続時間がある程度より短ければ普通の人間には感じられないが、機械は感じることが出来る、
また、人間によっても個体差があるので、そのあたりの持続時間であれば、見える人には見えるし、
見えない人には見えない。だが、写真には写る
こういう考えでしょうかね
ここで、注目すべきはどのような写真に写ったか、どのようなビデオに写ったかでしょうか
これがごく普通の民生用の場合が多いんですよね。写真の場合、一部の高感度フィルムを除けば
通常使用されるフィルムの感度はISO(ASA)100〜400でしょうか
夜間撮影される方は判ると思いますが、暗がりに慣れた目では見える物も、なかなか写真には
うまく写りません
デジタルカメラやビデオの場合はフィルムよりはましでしょうが、光量が少なすぎると鮮明には
写りません。ざらついた感じになりますね
まぁ、簡単に言えば、人間の目に比べて特に優れている訳ではないということでしょうか
そしてこの場合の光量とは実際の光の強さに持続時間を掛けたものです
暗ければ、シャッター速度を遅くすると言うのと同じ意味ですね
だから、極短時間のみ姿を見せたとしても、相当に強い光でないと写真やビデオには写らないと
言えますし、相当に強い光であれば、人間の目は容易に感じることが出来ると言えるでしょう
以上により、電磁波の持続時間についても否定できます

878 :自夜 :2007/03/03(土) 22:16:52 ID:K56t1SDM0
次は見え方の二の未知の光線です
現代の科学が完成されたものかというと、けっしてそうではないでしょう
例えば、ゴールが百メートル先にあるとして、現代の科学は九十メートルくらいは進んでいるのか、
それとも一センチメートルも進んでないのか、おそらくそれすらも判らないという状況ではないで
しょうか
従って、幽霊からの光線は未知の光線であり、見える人には見える。見えない人には見える。写真
やビデオにも写る
それが真実なのかも知れません
未知の光線とはどんな光線でしょう。判らないから未知なんですが、既知の知識からの類推を否定
する必要はありません
少なくとも電磁波ではないでしょう。電磁波は低周波から高周波までよく研究されていますし、利用
もされています。もっとも商用周波数帯でも生体を構成する高分子に影響を与えるという研究成果は
出されていますし、WHOが送電線などから発生する低周波磁場に発癌性の可能性があると発表されたこ
とを憶えている人も多いでしょう
また、高周波領域においては生体になんらかの影響を与えているのは疑いのないことだと思います
従って、可視光以外の周波数でも見えるように感じるものがある可能性は否定できません
にちゃんには電波を感じる人も多いですしね
ただ、写真やビデオはどうでしょう。機械に影響を与える電磁波があることは否定できませんが、
幽霊の姿となると、ちょっと無理ではないでしょうか

879 :自夜 :2007/03/03(土) 22:20:15 ID:K56t1SDM0
では、電磁波に近い性質をもった未知の波動はどうでしょう。これが一番ありそうですね
ただ、どんなものか、さっぱり想像することが、私の頭ではできません
一方、発想を転換して人間が光を感じる例として、頭をぶん殴るというのも考えられます
別に本当にぶん殴る必要はないんですが、頭部に強い衝撃を受けるとお星様がちかちか見えるのを
経験された方も多いでしょうし、漫画ではよくある表現ですから、よく知られた現象と思います
これは網膜が物理的な衝撃を受けたことによりその視角細胞が誤情報を流してしまったといえば
理解しやすいでしょうか
くれぐれも、試さないようにして下さいね。衝撃の具合では網膜そのものが損傷して失明の可能性
もありますし、そうでなくとも頭への衝撃は知性に悪影響を与える可能性大です。平たく言えば、
莫迦になっちゃいます
さて、では写真やビデオはどうでしょうか。スチールカメラはともかくとして、昔のムービーカメラ
やビデオには似たような現象があります
ようつべなんかで事故の車内から映した映像なんかを見ると、衝撃が加わった直後に不可解な影像
が映し出されていることが多いです
この原因は、衝撃による電子機器自体の誤作動もあるでしょうし、瞬間的な電源断による影響もある
でしょうし、ボディーの捩れにより外の光が受感部に漏れることもあるでしょう
いずれにせよ、衝撃が実際の影像以外の像を映し出したことに変わりありません

880 :自夜 :2007/03/03(土) 22:22:55 ID:K56t1SDM0
では、幽霊さんは人間の頭やカメラを殴って回っているんでしょうか
それだとそもそもの仮定の幽霊からの光線に合致しません
まるで殴ったような衝撃を与えるなんらかの放射があるというものです
例えば、衝撃波。飛翔体が音速を超えると発生させるというあれですね
いくつもの音の波が重積されて立ち上がりが非常に切り立った孤立の弾性波です
これだったら、網膜に相当の衝撃を与えることも可能ですし、カメラのボディーを瞬間的に歪ませた
りすることも可能なような気がします
ただ、ここで対象としているのは幽霊の像です
幽霊の像が見えるためには受感部にそれなりの光を与えるか、衝撃を与える必要があります
ところが、人間の目も、カメラのレンズも光学レンズであり、そのような衝撃波に対して屈折させる
能力はありませんし、カメラのボディーの歪みによる光の漏れも像を結びようがありません
従って、未知の光線として衝撃波のようなものも否定されます
結局、既知の知識からは類推できないような未知の光線ということになります
すなわち、この仮定、未知の光線からは、これ以上の研究は方向性も見いだせませんねということに
なってしまいます
だから、この仮定は検証しようがありません。それはそれでいいんですがね。それも科学的な結論の
ひとつです

ほいじゃ、明日の日曜日は休みます。また、来週

881 :自夜 :2007/03/05(月) 10:28:01 ID:tjLttgnR0
前世物語 業務連絡25 自夜がweb site開設? ここで、宣伝です

Web Site を更新しました。幽霊の日常編のうぷ、スレ別過去暴言集の運用開始と、
狢さんの妖怪退治(現在進行形)が新しいとこでしょうか
過去の整理が一段落つきましたので、精一杯前に進んでいきたいと思います

http://anime.geocities.jp/ojiya1539/ (PC用)
http://anime.geocities.jp/ojiya1539/m/index.html (携帯用)
http://hobby9.no.land.to/bbs/test/read.cgi/occult/1169303072/l50 (避難所)

電脳妖怪の明日はどっちだ

884 :自夜 :2007/03/05(月) 12:24:07 ID:tjLttgnR0
>>882 摩訶毘盧遮那☆彡さん
それ、他人のネタですもん だから、こっそり置いているんです

嗚呼、ゆっくりフラッシュ作る暇と才能が欲しい・・・

>>883さん
色? 既に見たってことかなぁ
どっかにリンクでも貼られたんでしょうかね

885 :自夜 :2007/03/05(月) 21:44:42 ID:tjLttgnR0
見え方については、二の幽霊からの光線は未知の光線である、しか残りませんでしたね
次に、幽霊の成分に対する仮説を検証していきましょうか。復習のため、立てた仮説を挙げます
一、見える幽霊は普通の物質である
二、見える幽霊は未知の物質である
成分として満たさなければならない条件は、未知の光線を放射させることが出来るでしょうか
普通に見える普通の物体は光を反射するか、自ら光るかで見える訳ですが、幽霊の場合も同様に
未知の光線を反射するか、自ら未知の光線を放射するかに分けられると思います
未知の光線を反射する場合、反射する元の未知の光線は何処からかやってこなければなりません
それは何処からか、まぁ、何処からでもいいでしょう。とりあえず、置いておきましょう
ただ、その何処からか来る未知の光線を直接見たり写真に写ったりということが何故ないのか
ということを考えると、未知の光線が何処からかやってくる、すなわち幽霊はその光線を反射
しているという考えは成り立たないと言えるんじゃないでしょうか
では、自ら未知の光線を放射する場合、その光線を発生させるメカニズムとそのためのエネルギー源
が必要になります。まぁ、これもどうやってるか、どうやってでもいいので、置いておきます
ここで、幽霊の背後から来ている通常の光はどうなっているかを考えます
幽霊が姿を消したり顕したりする場合があることを考えると、少なくとも幽霊は通常の光を完全ある
いはそれに近いくらいに透過させている場合があると言えます
一方、幽霊が透けて見える場合もありますが、透けずにはっきり見えたり写ったりすることもあります
この場合は通常の光を完全あるいはそれに近いくらい遮断していなければなりません
しかもその場合でも通常の光はほとんど反射せず、です

886 :自夜 :2007/03/05(月) 21:49:01 ID:tjLttgnR0
普通の物質であれば、通常の光を透過させず、また反射もしなければ、その物質に当たった光のエネルギー
は熱に変換されて、その物質に蓄積されます。どんどん温度が上がるってことですね
周辺環境より温度が上がると赤外線を放射し出します。もし、独自の冷却システムを持っていたとしても、
何処かに熱を出すはずです。普通は周囲の空気を暖めることになるんでしょうか
以上より、幽霊が普通の物質で、はっきり見える場合は何らかの形で暖かさも感じるはずです
ところが、そのような事象はほとんどと言っていいほどないんじゃないでしょうかね。むしろ、ひんやり
したとかゾクッとしたとかの事象が多いと思います
それ以上に、通常の光を透過しないと言うことは、未知の光を感じることが出来ない人にも黒体として
見えてしまうことになります
従って、はっきり見える幽霊は普通の物質とは考えられないということになるでしょうか
では、透けて見える幽霊の場合はどうでしょう
通常の光をほとんど透過しているのであれば、未知の光を感じることが出来ない人には見えなくても不思議
ではないような気がします。しかし、これにはもう一つ条件が必要でしょう。すなわち、屈折率が空気と
同等である必要があると言うことです
蜃気楼現象でも判るとおり、空気の屈折率は温度に敏感です
空気と同等の屈折率で空気の温度変化にも追従し、未知の光線を自ら放射したり発光させる普通の物質
はたしてそう言う物があるんでしょうか
未知の光線を発生させるメカニズムとそのためのエネルギー源が必要であることは既に言いましたが、
効率が百パーセントということは考えられません。蛍の光は非常に高効率と言いますが、それでも百パーセ
ントではないでしょう

887 :自夜 :2007/03/05(月) 21:51:47 ID:tjLttgnR0
では、未知の光線に変換されなかったエネルギーはどうなるでしょうか。普通は熱になりますね
ということは、局所的な熱変化により、通常の光が若干は屈折してしまうことになります
そのような観測例はあるのでしょうか
微細な現象であれば、人間の目には判らないかも知れませんが、写真の場合は分析すれば判りそうな
ものですがね。特に心霊写真と言われるもので、専門家の鑑定を受けたものは多いと思うんですが、
そのような報告、すなわち透けて写っている幽霊の背景が歪んでいるとか、焦点が合わずにぼけている
とか、ぼけ方が周囲の背景と異なるとか、そういうのは聞いたことがありません
従って、透けて見える場合の幽霊も普通の物質とは考えにくいと言えるかと思います
結局残るのは未知の物質でしょうか
未知の物質であれば、何でもありです。今まで述べた条件をクリアする未知の物質としてしまえば
いいわけですから
すなわち、幽霊とは未知の物質でできたもので、未知の光線を放射するものである
立派な仮説の出来上がりです
そのうち科学がより進歩すれば、いずれ解明される可能性がある。別にそのようなことを付け加える
必要もない訳ですが、つい付け加えてしまう方が多いようです
それでも科学的に証明できないものは存在しないという人よりはいいでしょう。これは正確にはこう
言うべきです。少なくとも「科学的に」という言葉を使う以上は
現段階で証明できないものは、現段階で存在するとは言えない と

889 :自夜 :2007/03/06(火) 23:17:35 ID:09gD3m3u0
さて、未知の物質でできたもので、未知の光線を放射するもの
言い換えてみれば、いろいろ考えてみましたが、今の私には判りません、ということになるでしょうか
仮説と言えば立派な仮説ですね。いろんな事象を合理的に説明できます
ただ、こんな仮説を発表する人はいません
「変なもんみちゃった。やっぱり幽霊はいるのかなぁ」
事象とその事象に対する感想みたいなもんじゃないですかね
「幽霊なんているもんか。もしいるんなら科学的に証明してみろ」
単なる感想でなく、科学的に探求してみてはどうでしょうという諭しにとれば腹も立ちません
「いろいろ考えたけどわかんなかった。そのうち解明されるでしょう」
これは探求の結果としての仮説ですが、発表したくてしたものじゃありません。経過報告みたいなもんです
「ほらみろ。証明できないもんはいないんだよ」
これは暴言ですね。発表もされていない仮説に批判を加えるのは科学的なアプローチではありません
また、みちゃった変なもんが幽霊でなかったと証明された訳でもありません
ここはこう言うべきですね
「おまえなぁ、幽霊じゃない場合ってのも考えたのか?」
こう言ってこそ有意義な会話というものです
仮説に対する批判なんてのは仮説が発表されてからすればいいんです
ましては幽霊がいないことの科学的な証明なんて言い出す方がどうかしています。前提とする事象がない
んですから、はなっから科学的アプローチは行えません

890 :自夜 :2007/03/06(火) 23:20:06 ID:09gD3m3u0
いろんな不可解な事象を幽霊が原因ではないとして探求されている方もいます
仮説として脳内の異常反応である、まぁ、幻覚の類ですか
仮説としてプラズマである、某有名な方ですね
きちんと科学的アプローチで探求されている方は尊敬します
その探求の過程をつまみ食いして幽霊非存在の根拠として吹聴する人は軽蔑します
ある不可解な事象は幽霊以外を原因としても合理的な説明が可能というのは一つの成果でしょう
しかし、それは不可解に見える現象も不可解ではないですよということを証明できても幽霊非存在の証明
どころか、その根拠にすらなりません
星は、太陽は、どうして光るのか
火は光る。だから太陽も何かが燃えているのだ。こう考えた古代人は多かったようです
科学的アプローチを経て得られたものではないので、笑う訳にはいきません
しかし、電球は光る。だから太陽はでっかい電球だ。こういうことを言う現代人がいたら、大いに嗤って
いいでしょう。さきほどの軽蔑すべき人は、そういうことを言っている訳です
ある現象が幽霊以外で起こることを合理的に説明できて、なお且つ幽霊ではその現象を起こすことが
出来ないことまで合理的に説明できなければ、幽霊非存在の根拠にはなりません
幽霊には是非いてほしくない方は、その方向で努力して頂きたいと思います
さて、話題を元に戻しまして、残った仮説は、いろいろ考えてみましたが、今の私には判りません、
というものでした。ここで投げ出しちゃっても一向に構わない訳ですが、仮説の前提が間違っていたのかも
しれないと考え直すことこそ、立派な科学的アプローチです

891 :自夜 :2007/03/06(火) 23:25:21 ID:09gD3m3u0
幽霊がいるとしてぇ、ってのが仮説の大前提でしょうか。大元の仮説と呼び変えてもいいかもしれません
探求が行き詰まったからと言って、ここまで立ち返る必要はありません
先の仮説の例では、幽霊がそこにいるとして、というのが仮説の前提です
なにも、そこにいる必要はないわけです。そこにはいないという前提もありです
つまり、幽霊を見たり、幽霊が写真に写ったりするが、幽霊がそこにいる訳ではない、現実の幽霊を見ている
わけではないという前提です
なかなかこういう発想をする人は少ないようですね
まぁ、私の場合は幽霊を見せていた下手人でしたから、ずるいと言えばずるいですが。犯人しか知らない
ことを供述し、それが証明された場合はそいつが犯人というわけで、私が立てた仮説が検証され、発表後に
批判に耐えれば、私が幽霊であったと言うことが俗に言う証明されたことになるんでしょうか
証明されたところで私には何の利益もありませんので、どーでもいいというのが一番の難点ですが
それはともかく、幽霊がそこにいなくても、幽霊を見たり、幽霊が写真に写ったりするとはどういうことで
しょうか
これを幻覚、すなわち脳内の異常ととらえる人もいますが、それでは写真の説明がつきません
幻覚以外でそこにないものを見る。まぁ、前に出した頭をぶん殴る、カメラをぶん殴るってのもありですが、
もっと日常的に経験しているものがあります

それは何でしょう というところで、今日の分はおしまい

892 :自夜 :2007/03/06(火) 23:30:13 ID:09gD3m3u0
早い物で、乱世編の最後の書き込みから、もう一月以上経ってしまいました

>>795さん
おっきしてくださ〜いい。オッパイ話が始まりますよ〜

>>797さん、>>873さん、その他物語を待ってくれていた方々
お待たせしました、明日より乱世編を再開します

前回の反省から、ペースをちょっと落とすかも知れませんが、
週に四〜五話程度の感じでやっていきたいと思います

物語の再開なんか望んでいない方々へ
ご期待に沿えず、申し訳ありませんでした

>>888さん
私から言うのもなんですが、目か頭の病院に行かれてはどうでしょう

894 :自夜 :2007/03/07(水) 22:10:40 ID:KGmWJT3O0
新スレにつづく

前世物語 弐: http://hobby9.2ch.net/test/read.cgi/occult/1173272402/l50

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